第68話 最終決戦は近い?空間の外と中 動き出した。 戦いが少しずつ終幕を迎えているみたい。 集まっていた人たちが、一つの場所に集まりだしてる。 でも、これで戦いが終わるのかしら? 争う事だけでは、平和は始まらないような気がする。  by?? ???:「おい、トレーニングしたっていうのはそれだけなのか?それでうまく育てたとは言えないぞ。 もう一度やり直しだ!一から教えてやる。」 ???:「すいません!」 ???:「くすくすくす…、二人とも元気ですわね。これが男の友情という事ですわね。」 それにしても、私たちは行かなくてもよろしいのでしょうか? カントウで、ジムリーダーたちがスペース団を倒そうとしているそうですが、ハルカさんやサトシさんたちは 向かったそうですが…。 やはりホウエンの私たちは行かなくてもよかったのでしょうか? ナナ:「えっ?ホウエンジムリーダーの救援?いいよ、来なくてもいい。」 ???:「しかし、厄介な事になりません?私たちのホウエンの二つの組織を解散させる時はナナさんの力を借りましたのに、 ジョウトもホウエンも参加しなくてよろしいというのは悪いような気がしますけど。」 ナナ:「大丈夫よ。???は真面目すぎるんだから。あたしはさ、カントウの事はカントウで終わらせないといけないと思ってるの。 わざわざ???たちがこっちに来る事ないよ。」 ???:「分かりましたわ。」 あの時は分かったようなことを言いましたけど、実際、どうなのでしょうか…。   by??? 風が騒いでる。 カントウの方から吹く風は妙に穏やかではないな。 ホウエンを取り仕切る私としては、この穏やかじゃない風には一抹の不安を覚えるけど、でも、ナナが来なくていいというのなら、 私は動くべきではないわね。 しかし、このヒワマキに流れてくる風が安定してくれるのはいつの事だろうか。 風は全てを教えてくれるが、これほど不安を覚える風が吹く事はない。 大丈夫だろうか?                               by?? 私のボールが落ちた。 腰につけていたボールが。 これは絶対に落ちないようにしているというのに。 あいつに何が起きたのか。 ナナは絶対に来るな、これはカントウの問題だからと言ったが、心配でたまらない。 スペース団のことはジョウトでも関係していると言うのに。 それにしても。 ワタルの身に何も起きてなければいいが。   by??? 戦いが終わりを迎え始めてるわね。 そんな気がした。 各地でみんなが1対1でバトルをしているみたいだけど、途中で爆発も聞こえたけど、 でも、何となくなのか、直感なのか分からないけど、みんなが団員を撃破し続けているらしい。 あたしも頑張らないといけないわね。 目の前にいるスパイルっていう冷たい目の少年を倒すために。 スパイル:「俺の相手は火雷の巫女さんですか。」 志穂:「あたしのことを知ってるの?」 スパイル:「ええ。あなた方のリーグでのバトル状況はすべて、団員や我々幹部候補生が今後のバトルでの勉強のために ゥさせてもらいましたから。監視されていたとは気づきませんでしたよね?」 突然丁寧な言葉にもなり、ちょっと戸惑うあたしだけど、なるほどね。 リーグ戦の間、あまり変な動きをしないでおとなしくしていたのは、あたしたちの動きを今後チェックしやすいように、 監視していたからなのね。 志穂:「監視していたからといって、あたしよりも強いとか、あたしを攻略できるとか、そういうことは考えないほうがいいわよ。」 スパイル:「そうですかね?俺はあなたを倒します。ヤドラン、トドゼルガ、出ろ。」 スパイルのポケモンは水・エスパータイプのヤドランと、水・氷タイプのトドゼルガ。 どうやら妙に冷たい表情を、冷たい目をしていたと思えば、彼は氷タイプの使い手のようだ。 あたしの能力とは正反対ね。 志穂:「ウインディ、ルッシュ、出てきて。…あたしの相手をするには、かなりの難関じゃないかしら?」 スパイル:「それはないさ。行くぞ。」 志穂:「ええ。」 涼しい表情で、あたしたちはバトルを始めた。 幹部候補生とはいえ、敵とはいえ、スパイルは正々堂々を理解しているようだった。 スパイル:「オーロラの風に乗って、お前のポケモンを氷の力で押さえ込む。」 志穂:「させないわ。」 バトルは本格的に始まった。 スパイル:「ヤドラン、度忘れで特殊攻撃に控えろよ。トドゼルガ、吹雪だ!」 志穂:「ウィンディ、熱風よ。そしてルッシュはビルドアップ!」 あたしのルッシュとスパイルのヤドランはそれぞれ特殊防御や攻撃&防御力を高め、吹雪と熱風がぶつかり合った。 炎と氷の力はお互いにぶつかり合い、そして途絶えた。 威力は吹雪のほうが上だけど、今はウインディが出てすぐに行った日本晴れによって熱風の威力も上がっているため、 両者、ほとんど同じ力がかかっているようだった。 スパイル:「それならヤドラン、雨乞いだ!トドゼルガは雨乞いの雲に向かって粉雪だ!」 ヤドランの雨乞いが行われ、日本晴れの効果は一瞬で消えてしまった。 その雲に粉雪が放たれると、雲から降り注いできたのは多数の氷の塊だった。それも霰よりも少し大きめの。 スパイル:「降り注ぐ雹のダメージは霰よりも強力なのさ。これで攻撃ができるのかな? トドゼルガ、お前のオーロラビームだ!」 ウインディもルッシュも降り注ぐ雹によるダメージが大きく、攻撃態勢に入れないでいた。 そしてそこに攻撃力を下げる効果もあるオーロラビームが放たれていた。 氷タイプの技に強いはずのウインディでも、これには参っているようだった。 スパイル:「その様子じゃもう攻撃は無理だな。オーロラの風に乗った攻撃に、手も足も出ないだろう。 このまま氷漬になって、氷の中で美しい君の表情を眺め続けるのもいいな。」 志穂:「そんなことは絶対に嫌!ルッシュ、起死回生よ!」 ルッシュはずっと堪え続けてきたのだ。 そしてHPの残り少ないルッシュによる起死回生が、トドゼルガに素早い強力な一撃を放っていた。 「起死回生」は格闘タイプの技でもあるので、氷タイプのトドゼルガはそれによってすぐに倒れていた。 スパイル:「トドゼルガ!ならばヤドラン、サイコウェーブでガルーラを倒せ!」 しかし、スパイルは気づいていなかった。 粉雪を吐いていたトドゼルガが倒れた事で、降り続けていた雹が止んだのだ。 そして、雨乞いも晴れてきていた。 雨乞いの続く時間が過ぎたのだ。 志穂:「させないわ。ウインディ、火炎車よ!」 水タイプに対して効果は薄いけど、火炎車はサイコウェーブを放とうとするヤドランを大きく跳ね飛ばしていた。 スパイル:「しまった。雨乞いではなくなった上に、雹が止んでしまっていたとは。」 志穂:「あなたがあたしを口説こうとした、そのほんの少しの隙が、あたしを助けてくれたのよ。 ウインディ、火炎放射!ルッシュは10万ボルト!」 ウインディとルッシュが炎と雷の攻撃を放った。 ヤドランは度忘れを行って特殊防御力を上げているものの、二つの攻撃が合わさったものが向かってきて、その口を開けた 平凡な顔が青くなり始めた。 スパイル:「ヤドラン、サイコキネシスで止めろ!」 しかし、ヤドランは恐怖に震えていたのだ。 そしてポケモンの技によるコンボ火雷砲はヤドランを跳ね飛ばし、半分火傷、半分麻痺の戦闘不能状態にしていた。 スパイル:「そんな、俺のオーロラの風が…打ち砕かれたなんて…」 志穂:「あなたの冷たい攻撃でも、熱い心を持ったポケモンとトレーナーには効果を示さないのよ。」 あたしはそう言って、鈴香ちゃんたちのところに向かおうと思った。 が。 スパイル:「待ってくれ。俺と、俺と付き合ってくれよ。」 志穂:「えっ?」 スパイル:「俺の冷たく凍えた心に今、君が熱い心を送ってくれた。だから俺は熱くなれる。 心に春を呼んでくれた君は、僕にとっての最高の彼女なんだ。」 …ナルシストの詩人。 あたしは凄く嫌だった。 でも、スパイルはそれを言い続け、あたしの腕を掴んでいた。 志穂:「いい加減にしなさいよ。」 スパイル:「いい加減?俺は本気だよ。熱い君の心に乾杯さ。」 ぷっつん! 志穂:「勝手にやってなさい!出てきて、管狐(くだぎつね)、鬼火(おにび)、舞札(まいふだ)、狐火(きつねび)、 ヤタ、そして狛犬(こまいぬ)!我に仇名すものに対して、神聖なる巫女への暴挙を許さんとすることに対し、罰を与えよ! 必殺、式神の舞!」 空に向かってたくさんの隠し持っていたお札をばら撒くと、あたしの操る式神たちが、一斉に現れ、回転し、火雷砲の炎と雷を纏って、 スパイルを遠くに弾き飛ばし、さらにそこに、一斉攻撃を行った。 式神の力は一体、一体があたしの火雷砲並の威力を持つからすごいことになった。 スパイル:「…君の心は…俺では冷ませないのか…」 スパイルは倒されても相変わらずだったけど、さすがに衣装も、かっこいい感じの髪型もズタボロで、顔も大きく腫れあがったので これではもうもてないけど、少しいい気味だと思った。 あたしの許容範囲は狭いんだからね。 俺の対戦相手は厄介な奴だ。 それは初めからずっと感じていた。 俺の相手、セイラムはにこやかに微笑みながら、スターミーとパラセクトを使って執拗に俺を攻撃していた。 セイラム:「うふふふ、ポケモンを出していないならば、あたしの優勢よ。」 スターミーの高速スピンが俺の脇を抜け、キノコの胞子が俺に降り注ごうとする。 俺は風を操って胞子を飛ばすけど、俺が逃げながらたどり着いたこの森一帯ではなかなか思うように風が吹かなく、 俺自身も能力が使えるようで使いにくかった。 悠也:「風が吹かない場所なのか、ここは。」 セイラム:「そっか、あなたは風使いさんなのね。それだったら残念でしたってことになるわ。 あなたの思ったとおり、このあたりの森ではほとんど風は木々に遮られて吹かないの。 スターミー、スピードスターでこの方を攻撃して。」 悠也:「カブトプス、頼む、出てくれ!」 俺はカブトプスを出し、何とかスピードスターを受け止めてもらった。 しかし、カブトプスはものすごい疲労感を感じているようだった。 セイラム:「あなたのポケモンはもう終わりなのよ。それでも戦うんですか?」 悠也:「それはお前のせいだろう。」 セイラム:「うふふ、ちょっとした粉を振り掛けただけですわ。あなたがポケモンを6体全部出したからいけないのですわ。」 さっきセイラムと対峙した時、彼女は突然6体のポケモンを俺に放ってきたのだ。 だから俺も持ってる6体を出した。 するとセイラムのデリバードが俺のポケモンたちに何かの粉をかけたのだ。 それをポケモンが受けた途端、ポケモンたちは地に伏せて倒れてしまったのだ。 セイラム:「少し体に負担がかかる薬を調合してみましたの。ポケモンに対して有効ですけど、あなたにもかかりましたし、 能力が使えないのはだからでしょうね。」 彼女は自称「薬品製造の候補生」らしく、妙な薬品をたくさん持っているようだった。 セイラム:「スターミー、彼はとても実験台にふさわしいと思いますわ。そのまま彼を捕まえになってください。 サイコキネシスです!」 俺のポケモンが彼女の4体を疲れながらも倒してくれたから、彼女はスターミーとパラセクトしか使えない。 しかし、ポケモンが使える方がこの勝負の勝者なのだ。 今の俺は逃げるしかない。 しかし、俺の体は意識があっても全く動かせない状態にされてしまっていた。 ドリーム:「セイラム、よくやった。これでようやく捕まえたぞ。」 さらにそこに現れたのは、幹部のドリームだった。 悠也:「俺を人質にしてどうしようってんだ!」 ドリーム:「ふっ、せっかくの操り人形が次々と元に戻されてしまったからな。若者の持つエネルギーを2つそろえなければ 我々の計画が成立しない。セイラム、お前は苦戦しているブラストの元に行くように。 私はこの坊やを連れてボスの元に戻る。」 セイラム:「はい。」 俺は必死で抵抗しようとしたけど、全く体が動かず、突然ドリームに担がれてしまった。 ドリーム:「お前は弱いな。とても弱い。」 悠也:「俺は、弱くない!」 ドリーム:「しかし、弱いのは確かさ。セイラムの行動に自分のペースを失い、そして自分のポケモンを犠牲にしてしまい、 おまえ自身が囚われになったのだ。お前は弱いということさ。 所詮、お前のような者を使ってもいい材料にはならないだろうな。あの哲也とかいう少年を使ったほうが十分かもしれないが。」 悠也:「くっ、哲也よりも俺のほうが強いんだ!あいつと比べるな!」 俺は叫ぶと同時に、妙に哲也に対する強い憎悪の気持ちが体中を駆け巡るような気がした。 ドリーム:「お前は哲也が憎いのだ。殺してしまいたいほど憎いのだ。」 ドリームの言葉が頭の中を回っていく。 違う!そこまで憎いわけじゃない!そう思おうともした。 けれども、俺の意識はだんだん沈んでいくような気がした。 ドリーム:「脆いものだ、憎悪の心を持ってしまえば十分なことだし、こいつとあのドラゴン使いを材料としよう。 ブライト様もお喜びになるだろう。」 悠也が気を失い、ドリームは悠也を嘲笑いながらどこかに消えていった。 悠也がドリームと共に姿を消した直後、それは鈴香と志穂が感じ取っていた。 鈴香:「今の…」 志穂:「悠也に何かあったのね。」 あたしと志穂ちゃんは悠兄に何かあったのことを感じた。 でも、それは大体想像ついていた。 あたしがバクオングのボイスで陽気な団員、ブラストのルンパッパとマグマラシと戦っていた。 実はバルーン(プリン)がルンパッパの気合パンチの一撃で倒されているのだ。 ブラストの陽気な雰囲気とマイペースに翻弄されてやられてしまったのだ。 そこに志穂ちゃんが駆けつけてくれた。 が、向こうはスターミーとパラセクトを連れて、悠兄が相手をしていたはずのセイラムが現れたのだ。 悠兄が負けたと思うしかなかった。 ブラスト:「スパイルはやられたようだが、お前はいつものアレでやったのか?」 セイラム:「ええ、あの薬、もう少しありますから。これでも食らいなさい!」 突然セイラムが何かの粉をボイスに投げつけてきた。 志穂:「させないわ、鬼火!」 志穂ちゃんがお札を投げ、そこから火の玉が現れて粉を燃やした。 志穂:「今のは何の薬品かしら?悠也は簡単に負けるはずがないし、その薬品で悠也が負けたとしたら、 あなたのポケモンは弱いと考えるほうが良さそうね。」 セイラム:「あらら、少しは分かります?でも、あたしは弱くないわよ。彼が油断しただけの事。」 ブラスト:「セイラムの容姿に騙される奴が悪いのさ、ルンパッパ、日本晴れ、マグマラシ、火炎放射だ!」 志穂:「ウインディ、火炎放射よ!」 日本晴れで強くなった火炎放射同士がぶつかり合った。 でも、マグマラシとウインディではウインディのほうが威力は上だったらしく、マグマラシは火炎放射を倍返しに受けていた。 ブラスト:「うはは、やっぱりやられたか。それなら黄色い日光を強く受け、オレンジの夕日の力を受けたルンパッパの ソーラービームだ!」 セイラム:「藍色の冷たい北の海を纏ったスターミーの凍える風よ!」 今度はソーラービームと凍える風が襲ってきた。 それに含めてパラセクトのキノコの胞子、マグマラシのスピードスターも飛んでくる。 それにしても、藍色、黄色にオレンジって、どういう人たちなんだろう。 あの口上もアンコールって言ってたけど。 志穂:「ここはやるしかないわね。ガーネ、アイアンテールよ!」 今の状況だとバクオングのハイパーボイスとウインディの火炎放射でも相殺しきれないかもしれない。 ここは技を受けても平気ではないけど、防げるポケモンじゃないといけない。 そういう意味で志穂ちゃんがハガネールを出していた。 志穂:「そしてそのまま頭突きよ!」 ハガネールの頭突きは、真下にいたパラセクトに落下するように当たった。 セイラム:「パラセクト!?」 流石に動きが遅く、大きな物を持っても耐えれそうにない体のパラセクトはつぶれていた。 セイラム:「パラセクトが〜!?スターミー、フルパワーでの凍える風をやって!」 パラセクトが倒された事で流石に怒りが増したらしく、スターミーは回転しながらさっきよりも吹雪に近いような凍える風を 放ってきた。これだとヤバイ。 鈴香:「あたし…えっと、…そうだ!デービ、出てきて!スターミーを噛み砕くのよ!」 あたしは久々だったけどヘルガーのデービを出した。 凍える風の効果を受けても平気顔のデービは、スターミーのコアを噛み砕いていた。 セイラム:「スターミー!?」 鈴香:「そのままシャドーボールよ!」 悪タイプ、ゴーストタイプの技を立て続けに受け、スターミーは倒されていた。 セイラム:「ああ〜ん!ブラスト、お願いだからやっつけて!」 ブラスト:「おう、ルンパッパ、連続ソーラービームだ!マグマラシはオーバーヒートだ!」 ブラストのポケモンは日本晴れの力で再び2大攻撃を放ってきた。 鈴香:「志穂ちゃん。」 志穂:「ええ。」 あたしは志穂ちゃんに持ってるポケモンを見せてたので、すぐに作戦が考えられた。 鈴香:「スカイ、銀色の風よ!」 志穂:「ウインディ、熱風!ガーネ、竜の息吹よ!」 あたしのポケモンは羽音がうるさいけど、そこが音色のようで好きなヤンヤンマのスカイ。 合体攻撃同士のぶつかり合いだけど、実際は混ざり合ってないのがあたしたちの攻撃。 でも、竜の息吹が二つの攻撃を抑えている間に、熱風と銀色の風はルンパッパを包み込んでいた。 草・水タイプのルンパッパは炎と虫の攻撃を受けて倒れていた。 ブラスト:「技を押しとどめながら攻撃するとは…やるな。マグマラシ、ヤンヤンマにブレイククローだ!」 ルンパッパが倒れても、ブラストは陽気なままで、マラカスをどこからか取り出し、それを振りながらマグマラシに指示を出した。 鈴香:「スカイ、上空に逃げて超音波よ!」 志穂:「ガーネ、ウインディ戻って!」 あたしのスカイの威力が見せられたのはここからだった。 強力な超音波が上空から降り注ぎ、木々は揺れるだけじゃなく、葉が散り、枝が折れ、さらに地盤が歪むほどだった。 そしてマグマラシは耐える事ができずに泡を吹いていた。 あたしと志穂ちゃんは、あたしの無音シールドによってそれを受ける事がなかった。 でも、ブラストとセイラムは聞いていたわけで…。 ブラスト:「この音は効く〜!!」 セイラム:「あたしの音感が破壊…」 二人も泡を吹いていた。 鈴香:「やっと倒せたね。」 志穂:「ええ、でも悠也が囚われたとなると厄介だし…あらっ?この力は…」 鈴香:「あ、美香ちゃんたちだ!律子ちゃんたちもいる!」 志穂:「それに雷の力と水の力…カントウに残っていた能力者のメンバーも集まり始めたのね。」 あたしたちはみんながここに集結するようにスカイと鬼火を放ってみんなに場所を知らせた。 そろそろ始まるのかな?最終決戦が。 浅香:「エリカさん、何か聞こえません?」 エリカ:「ええ、そうですね。」 あたしたちはちょっと部屋に留まっていた。 ここには哲也先輩と涼治先輩がいる。 あたしたちは二人が目を全く覚まさないから、ここにいるしかなかった。 あたしの光の力で悪夢からは解放されたはずだけど、目を覚ます傾向がなかったのだ。 そこに音楽が聞こえてきた。 これって多分…あれだ。 エリカ:「何なんでしょうね、この曲は。」 あ、言っちゃったよ。 マユミ:「何なんでしょうね、この曲は。と聞かれたって」 エイジ:「答えるか否かはわれらの勝手」 マユミ:「世界の破滅を防ぐため」 エイジ:「宇宙の輝き護るため」 マユミ:「愛と勇気の悪を貫く」 エイジ:「ラブリークールな敵役」 マユミ:「マユミ」 エイジ:「エイジ」 マユミ:「この宇宙にきらめくスペース団の二人には」 エイジ:「ミントブルー、清き青の明日が待っている」 マユミ:「なーんてね」 出てきたのは菜々美先輩を倒し、リーグ会場を襲っていた人たち。 先輩たちの話を聞いてる限り強いとも聞くけど。 マユミ:「悪いけど、スペース団にとってそこの二人は必要なもの。」 エイジ:「死にたくなければそいつらをよこしな。」 二人はキュウコンとメタグロスを出して威嚇してきていた。 浅香:「嫌。」 マユミ:「あら、その顔に傷付けられたいのかしら?まぁ、あたしの顔の方が綺麗だけど。」 エイジ:「ジムリーダーのナツメがわが幹部のドリーム様の手に落ちている。ボム様もサカキを倒したと聞く。 また、マチスとアンズも罠を壊そうとしたがそのまま捕まえる事に成功した。 これ以上の犠牲を出したくなければ、おとなしくそいつらと町を明け渡すと同時にお前も人質になったほうがいいぞ。」 ナツメさんとサカキさん、マチスさんにアンズさんまで!? あたしの知らないところで厄介な事が起きてる。 でも、エリカさんはすごかった。 エリカ:「失礼ですが、あなた方のような方々に私の町も、この方々も渡す気はありません。 それにオバサマ、あなたの皮膚感、みずみずしそうではありませんわ。改心したらタマムシデパートの香水を 分けて差し上げてもいいのですが、どうでしょうか?」 一瞬間をおいて、マユミは気づき、そして切れた。 マユミ:「オバ!?あたしがオバサンだって言うの!?」 浅香:「だってオバサンじゃん。」 エリカさんが言ったからあたしも。と言ってやると、さらに逆上するマユミ。 マユミ:「もう怒ったわよ!キュウコン、大文字よ!」 大文字があたしたちに迫ってきた。 逆上した指示に慣れているのか?キュウコンは普通に放ってきていた。 多分、蓮華先輩たちも会ったらしいし、オバサンって言われてるんだろうな。 でも、エリカさんは草タイプのエキスパートだし、あたしは主に鋼か電気だし、この子しかいないかな? エリカ:「浅香さん、どうします?」 浅香:「大丈夫。先輩たちの方、お願いね。」 そしてふと気づくと、エイジはマユミをあきれて見ながら、それでもあたしの視線に気づけば戦う意思を見せていた。 今、大文字はあたしのシールドが阻んでいるけど、光のシールドだから逆に炎の威力を少しずつ上げている。 だから、もう、この子を使うしかない。 浅香:「ホエルオー、出てきて!そして光のシールド解除、ホエルオー、潮吹きよ!」 ホエルオーは14.5メートルで、この部屋以上の大きさ。 そこに出したあたしは、潮吹きを指示。 これはエリカさんの力を信じて先輩を任せてもどうなるだろうか分からなかった。 だから、エリカさんとあたしの側をシールドで守った。 すると、部屋が膨らんでいたのだ! エリカ:「部屋が…膨らんだのですの!?」 浅香:「やっぱり、空間が歪められた部屋だったのね。ホエルオー、遠慮なくやって。」 今この部屋はホエルオーがいても十分収まるだけの部屋になっていて、そしてキュウコンはホエルオーが出たことで さっさと押しつぶされていた。 今の相手はハガネールとウインディもいるけど、潮吹きを行わせた。 すると、部屋はまた膨らんだ。 そして水はシールドに弾かれてマユミたちのほうだけ降り注ぎ、一気に勝負の行方を決めたのだった。 エイジ:「俺のパソコンが!?」 流石に潮吹きは強力だから、それに水だからか、パソコンは一気に壊れた。 そしてマユミはといえば…化粧が剥げていた。 マユミ:「よくもやったわね!」 浅香:「やったわよ、オバサン、色、黒いのね。」 マユミはさっきまでピンクの髪に色白の肌だったけど、顔の肌は今は小麦以上に黒く、さらにピンクの髪は妙なくらい 明るい茶色をしていた。 マユミ:「あたしの髪と肌をよくも!」 エリカ:「流石に見苦しいですわ。ラフレシア、ソーラービームです。」 浅香:「シールド解除。」 マユミは怒り狂っていたけど、その様子に飽きれたのは他でもないエリカさんで、自然な美しさを化粧で美しくしたり、 些細な悩みを助けている彼女にとって、化粧で自分を隠していたマユミが許せなかったらしい。 ラフレシアのソーラービームは綺麗に二人をふっ飛ばしていた。 それにしても、空間が歪められていたこと。 何となく納得できるけど、誰が行っているのだろう。 そこに、カツラさんと晃正が姿を現した。 カツラ:「まだここにいたようですな。」 エリカ:「ええ、他の方々は捕まったのを今倒したスペース団から聞きましたが…」 カツラ:「はい、外にいるカスミ君、タケシ君と我々を除いたジムリーダーが捕らえられてしまった。 しかし、外に出る抜け道を見つけたので戻ってきたのだ。」 晃正:「今、俺のポケモンたちが閉ざされるのを抑えてくれている。早く、一刻も早く、一旦この場所から出たほうがいい。」 浅香:「そうだね、エリカさん、そこの晃正に二人を乗せたら行こう。」 エリカ:「ええ。」 こうして、あたしたちは一旦外に脱出できた。 外に出ると、そこはさっきいた広い部屋の外とは思えない、小さな掘っ立て小屋だった。 やっぱり空間が歪められていると分かった。 ここは体制を整えないと。 それから美香先輩の姿が遠くに見えたことで、あたしたちは、そっちに向かった。 そんな頃。 彼らが脱出する少し前の事だった。 翼先輩たちを心配して起きるのを待っていたら、部屋に氷雨さんがやってきた。 どうやら戦いを終えてのようだった。 蓮華:「氷雨さん、みんなは?」 氷雨:「分からないわ。この外からは小さな建物が、どうしてか知らないけど中は広いし、ものすごく入り組んでいる。 何か、よほど強力な力が働いて、空間が歪められているとしか思えない。そんな場所だから、みんなもバラバラになって、 どこにいるか分からないわ。」 確かに変だと思ってたけど、空間が歪められていたのね。 氷雨さんの言葉で納得した。 蓮華:「あの、あたし…」 氷雨:「涼治君と哲也君を探しに行くんでしょ?」 蓮華:「はい。」 氷雨:「行きなさい。ここはあたしがいるから大丈夫よ。」 蓮華:「はい!」 あたしは今日の氷雨さんがいつもより頼もしく感じ、そのまま部屋を出た。 色々探し続けた。 ソルルやフィルも出して、キレイハナやパルと一緒に団員を蹴散らしながら、哲兄と涼治を探し続けた。 でも、なかなか見つからない。 逆に、奥へと案内されてる?そんな感じがした。 あたしは、誰かに誘導されているような気がした。 それに気づいた時、あたしはある部屋の前に立っていた。 キレイハナ:「蓮華、あたしを含めて、一旦みんなをボールに戻して。」 蓮華:「分かったわ。」 そしてあたしがドアを開けると、中には重々しい空気が充満していた。 でも真っ暗だった。 気になって入ってみると、突然閉まるドア。 蓮華:「きゃっ!」 それから電気を探していると、突然室内に明かりが灯り、ホッとしたのもつかの間、あたしの目の前にはとんでもないものが 置いてあったのだ。 蓮華:「これ…西洋の魔女裁判で使われた拷問道具だ…」 あたしたち能力者は現実世界で普通に生活できているけど、それは世界中にそういう人たちがいたから、政府自身が黙認しているかららしい。 あたしたちを悪の道に進ませたくないし、悪い事の手も貸させたくない、そういうことらしいけどね。 でも、能力者を導いてくれる世界中の妖怪のおかげでもある。 だからあたしたちは危ない目には遭わないし、能力の事が知られていても平気で生活できるのだ。 が、昔はそうではなく、魔女狩りのときは能力者の人たちも男女見境なくやられたらしい。 そういうことがあったことをあたしたちは知るべきらしいので、だいぶ前に氷雨さんたちに教えられたのだ。 その時に映像でみた物が目の前にズラリとあった。 ただ、その中に血のついたものが一つあった。 体中を鎖で何十にもきつく縛り、動けない状態にして、そのうえで体に溶けたロウを一滴ずつ垂らす道具。 ある意味、SMプレイみたいな道具だけど、それは自白させるために使われたみたい。 (実際はそれが実際しているかも不明ですし、物語の内容として考えたものです by作者) その鎖に血がついていると言う事は、誰かにさっきまで使っていたと言う事になるわね。 でも、一体誰が?何のために? その時、誰かが部屋にやってくる気配がしたので、あたしは適当な機械の背後に隠れた。 そしてドアが開いた。 ??:「おかしいな。ここに何かが潜りこんだと言う話を聞いたと言うのに誰もいないのか。」 綺麗な女の人だった。 でも、着ている服は幹部の制服だった。候補生ではない。 ということは、あれがドリーム以外の幹部ということね。 でも、あたしが潜り込んだ事、どうして知ったんだろう…。 ??:「まぁ、いい。隠れているとしても別に今、あたしは危害は加えない。一つ教えてやろう。 ただ今から、時空転送装置作動のために二人の若者の生命エネルギーを頂く儀式を始める。 見に来たければ、この部屋から30メートル離れた部屋に来るがいい。」 彼女はあたしを探す事はなく、でも誰かがいる事は察し、こんな事を喋っていた。 若者の生命エネルギー、時空転送装置、それがスペース団の目的なの? でも、若者って一体…、まさか、涼治? 蓮華:「待って!」 あたしは彼女の前に出た。 ??:「おや、草使いの少女か。」 蓮華:「若者って誰?」 ??:「それは。」 蓮華:「それは?」 ??:「私に勝てたら教えてやろう!マルマイン、オニゴーリ!」 失敗だったと今思った。 バトルになっちゃった。 蓮華:「悪いけど、あなたは誰?」 ??:「私はスペース団幹部の一人、爆破の女神、ボム。あなたの恋人を捕らえたのはあたしよ。 でも、彼は既に手元を離れてしまった。 しかし、ジムリーダーたちはあたしの実力を知らなかったからな。簡単に倒させてもらった。 お前も簡単に倒せるだろう。」 彼女のポケモン、電気タイプのマルマインと氷タイプのオニゴーリはあたしに電撃波と吹雪で攻撃してきた。 ここはやるしかないわね。 蓮華:「電気には地面、氷には炎よ!サン、それにひがめ君!」 あたしはサンドパンのサンとコータスのひがめ君を出した。 ボム:「ふっ、マルマイン、オニゴーリ、大爆発だ!」 蓮華:「えっ!サン、守る攻…きゃあ!」 ボムの指示はあたしがポケモンを出した直後で、しかも指示を出す間もなく、あたしたちは爆発に巻き込まれた。 一気に戦闘不能になってしまうサンとひがめ。 蓮華:「初めから大爆発なんて…」 ボム:「ふっ、大爆発はした。しかし、こいつらは爆発しても多少動くのでね。あたしの勝ちだ。 それでも抵抗はしそうだな。」 蓮華:「当たり前よ。ポケモンを爆弾代わりにする事は許せない!」 あたしが力強く言うと、ボムはさらに4つのボールを投げてきた。 出てきたのはナッシー、パルシェン、ゴローニャ、そしてまた、マルマインだった。 ボム:「さあ、あなたもポケモンを出しなさい。出さないならナッシーの力で…」 蓮華:「出せばいいんでしょ。」 あたしはみんなを選ぼうとした。 しかし、あたしが選ぶ間もなく、一斉にボールからポケモンが飛び出していた。 キレイハナ:「蓮華、こいつの言うことなんか、聞く必要ないよ。どうせ、監視カメラであたしたちを見てて、 この部屋に入ってわざと人質のことを喋ってただけだろうから。そうでしょ、そこのオバサン!」 出てきたのはキレイハナ、ソルル、パル、サゴッピだった。 ボム:「オバ、オバサンだって!?あたしはまだ21よ!」 キレイハナ:「悪いけど、蓮華は14だし、あたしはまだ生まれて1年も経ってないもん。まだまだぴっちぴちよ! だからあなたはオバサンなの!」 キレイハナたちは外の会話を聞いていたのだ。 だからこれだけ言えるのだ。 そしてあたしはふっとソルルたちのほうを見たが、ソルルは…ハリボテだった。 蓮華:「??」 不思議に思っていると、ボムの背後にソルルが回り、背後からカマイタチ攻撃をナッシーに放っていた。 流石にそれでボムは気づいた。 ボム:「何!やってくれたな!一斉に大爆発だ!」 ボムは怒って叫んだ。 同時に大爆発4連発が起こったが、爆風が晴れた時、そこにはキレイハナたちが立っていた。 しかも、サンとひがめも立っていた。 ボム:「何!?」 キレイハナ:「あなたは蓮華の気持ちに泥を塗ったわ。しかも、あたしたちポケモンを爆弾として扱った。 あたしたちは悪いけどドリームに悪夢見せられて気が立ってるの。 あなたはそんな時に攻撃を仕掛けたから、どうなるか、分かってるわよね?」 この時、あたしも口だそうとは思わず、その時起きた事を見ていた。 キレイハナたち6人は、袋叩きでボムを攻撃したのだ。 サンとひがめはキレイハナがあたしの持ってた元気のカケラを投げて復活させていたらしいし、大爆発直後にサゴッピが トゲキャノンを放ち続けたのでボムのポケモンはしっかり倒されている。 だから、ボムは言葉どおりの袋叩きを受けた。 キレイハナ:「すっきりしたっと。」 キレイハナたちが自分からボールに戻ると、あたしはボムに聞いた。 蓮華:「ここでは何が行われたの?スペース団の目的は?」 ボム:「…ボスの目的は…分からない。しかし、時空転送装置を作るためには、イケニエの若者が必要とされている。 すでにドラゴン使いと風使いの少年をここで痛めつけ、生命エネルギーが出せる状態にした。 ドリームがそう言っていた。これでスペース団は安…がはっ!」 蓮華:「風使いに何をしたって?」 あたしはそれが悠兄であっても哲兄であっても許せなかった。涼治かもしれないし。 それでつい裏拳が入っていた。 力は弱いけど、女性の体にはよく効いたらしい。 ボムはそのまま気を失っていた。 だからあたしはボムを縛ってそこから出た。 そして30メートル先の、明らかに何かありそうな部屋に向かった。 が。 そこにはもう一人の刺客がいた。 ドリームだった。 蓮華:「どうも。」 ドリーム:「お前がここに来ると言う事は、ボムは倒されたのか。」 蓮華:「ええ、爆弾攻撃は彼女がキレイハナにオバサンって言われたことで自爆したわ。そこをどいて。」 あたしが言うと、ドリームは何故か素直にどいた。 蓮華:「入ってもいいわけ?」 ドリーム:「お前には既にバトルでは倒された。俺の催眠術はお前に通用しないばかりか、お前の能力にスリーパーが倒された。 先ほどお前の姿を見てスリーパーを出そうとしたが、こいつはすぐに戻ってしまった。 よほどお前が嫌いなのだろう。だからバトルはできない。 しかし、この部屋で我々のボスに負けるのがいいだろう。入れ。」 あたしはドリームに言われ、中に入った。 もうすぐで始まるのね。 …最後の戦いが。 ナナ:「ここね、彼らが閉じ込められている部屋は。」 蓮華が大変な場に入ろうとしていた時、あたしとカンナさんはとある部屋にやってきた。 そこには捕らえられたジムリーダーと四天王が閉じ込められているのだ。 カンナ:「パルシェン、トゲキャノンで鍵を壊して。」 カンナさんのおかげで部屋に入ると、そこにはみんないた。 捕らえられた4人のジムリーダーと、四天王のキクコさん、シバさん、後、リーグ会場や様々な町で捕らえられた トレーナーたちが。 カンナ:「あらっ?ワタルは?」 キクコ:「それが…わしらも手は打ったのだが…」 シバ:「あいつだけは別の部屋に入れられたんだ。」 ナツメ:「あたしたちはここから何度も脱出しようとしたけど、この建物自体が何らかの力によって空間を歪めて作ったらしいのよ。 だからあたしのテレポート能力が全く通用しないばかりか、ケーシィのテレポートもできないのよ。」 サカキ:「ナナ、他のジムリーダーや能力者たちはどうなったか知ってるか?」 ナナ:「全く全然。あたしたちも団員問い詰めてここに来たんだけど、みんなバラバラで…。」 アンズ:「我々ジムリーダーが簡単に捕まってしまうとは…」 マチス:「油断しすぎたのかもしれないな。」 ナナ:「ともかく、この部屋から出ないといけないわね。いや、この建物から。」 あたしがそう思った時だった。 近くの壁にひびが入ったのだ。 カンナ:「何かしら?」 キクコ:「この壁、妙に冷気が漂っておるようだな。」 シバ:「しかも、ひびの間から光が見えるな。」 そんな時だった。 あたしたちが壁から退いた直後、猛吹雪と光の塊、破壊光線のような光線、疾風、そして津波のような水の波動が一気に 飛び出してきたのだ。 氷雨:「あれっ?ナツメじゃない。ナナちゃんたちも。」 ナナ:「氷雨さん?」 ナツメ:「氷雨、これはどういうことなの?」 壁を壊してやってきたのは、氷雨さんと、囚われていたはずの翼君、海斗君、清香ちゃん、玲奈ちゃんだった。 氷雨:「空間の壁はあたしたちの能力で壊せるはずだと思ってたのよ。だからやってみたら、ここに来たの。 氷、光、水、風、大地の力を一斉に合わせてみたんだけど。」 玲奈:「でも、この建物の中では東西南北もはっきりしてないから外がどっちの方向かも知らないんです。」 ナナ:「そうなの…。それじゃ、このへ屋の奥の壁を壊したらどうなるんだろう。」 あたしたちはポケモンと能力者の力を結集させる事にした。 邪魔が入ると嫌だったので、入り口は氷の壁(氷雨さんとカンナさんの力作)で塞いだ。 さて、これを壊すとどこに出るのかな?