アビリティーガールズ 第1章  70.終章 蓮華が帰ってポケモン世界では2年が経過した。 律子ちゃんが言うにはあっちでは1年経ったみたい。 時間軸の流れが違うけど、時が経つのは速いです。 あたしたち、蓮華の36の絆は、あれ以来ナナの家に行きました。そして、ナナのポケモンたちと暮らしてます。 あたしは最近、ナナとソルルと一緒にジョウトのジムを回ってきました。結構骨が折れたけど、楽しかったかな。 美咲ちゃんやニャースのところにも会いに行ったりしました。 美咲ちゃんと拓也は結ばれてたし、ニャースはナナのエネコと付き合ってるし、あたしも恋人がほしいって思ったりもしてる。 でも、それよりも、今でも、これだけは思います。 蓮華に会いたいって。 それを思うのは、あたし以外のみんなも。 あれから変化したメンバーもいる。サンとタマちゃんは進化して、サンドパンとトドクラーになりました。 たねねとなっぴは子供を3人産んだし、ニド君はナナのニドリーナと結ばれました。 でも、それ以外は相変わらずかな? あたしも変わってない。 喋れるポケモンは人型になれるらしいけど、あたしはなれてないから。 律子ちゃんが言うには、哲也さんのピジョットもなれてないって言ってたから、あたしだけじゃないみたいだけど。 でも、いつかなりたいな。 それと、蓮華に会いたい。 浅香:「先輩、お疲れ様でした!」 蓮華:「お疲れ様。」 あれから1年が経過した。 あたしたちは中学3年になって、あたしは応援部チアリーダー組のリーダーになったし、涼治はバスケ部の主将になった。 それに、涼治との関係は校内の公式カップルになり、涼治の親も認めてくれた。 ただ、涼治は医者になるための勉強もあって大変みたい。 高校は同じところにはいけないって聞いて、ちょっとショックだった。 美香と翼先輩は付き合いだしていたし、菜々美はデビュー曲が売れて、人気アイドルになっていた。 でも、健人先輩との交際は続いている。 哲兄たちも色々と頑張ってるし、あ、それと、鈴香がうちの学校に転校してきた。 姉妹ってことは鈴香がばらしたけど、あたしたちは結構仲がよくやってる。 鈴香のおかげで、あたしや舞さんが知らなかった、あたしの親戚にも会えた。 お母さんたちの事は怒ってたけど(駆け落ちしたから)、でも、あたしの事は快く迎えてくれた。 あたしたちはとっても平和な日常を送っている。 もう一つ、変わった事がある。 ポケモンが世界中に生息していた事だった。 あたしたちが帰った直後には、既に簡易式のポケモン回復機械が置いてあったのだ。 どうやら、ポケモンたちが時空を超えてこの世界にやってきてしまい、それがいつの間にか増えていたらしい。 それなりに問題はあるけど、動物とかとして扱われ、危険物として見なされていないから、だからまだいいかな。 涼治の持ってる知識でポケモンを治療できたりもしていて、涼治はこのままだとポケモンの医者になるんじゃないかって、 そんな気がする。 でも、あたしだけかな。 ポケモンを持ってないのは。 蓮華:「何となく、ここに来ちゃったか。」 あたしは部活を終え、家路に着こうとしたとき、あの公園に、ナゾノクサと初めて出会ったあの公園にたどり着いていた。 蓮華:「ここでナゾノクサと会ったのが、全ての始まりだったのよね。」 キレイハナ、元気にしてるかな? キレイハナはあたしにそっくりで、でもリードしてくれるくらいの冷静さもあって、色々とあたしを守ってくれた。 あたしがリーグで優勝できたのは、キレイハナのおかげだもの。 サン、きっぴー、サゴッピ、デン、リュウ、…結局、ファーストメンバーを使うバトルは一回もしなかったね。 水に強いサンドのサン、素早いロコンのきっぴー、元気なサニーゴのサゴッピ、逞しくなったデンリュウのデン、 威嚇にも負けないハクリュウのリュウ、みんな、元気にしてるかな? あたしに心を開いてくれたバタフリーのリーフィー、 初めは催眠術でサファリを混乱させてたキマワリのなっぴ、 群れから逸れたままだったけどあたしについてきてくれたタマザラシのタマちゃん、 何となくだったけど、草ポケモンとしての強さを見せてくれたワタッコのワタワタ、 あたしを探し回ってタマムシまでやってきたフシギダネのダネッチ、 弱いとかいわれてるけど、でも、小さい体で華麗な水のバトルを繰り広げてくれたぎょぴ、 リーグ戦で一人勝ちをしてくれたドククラゲのメノノ、 タマムシジムではいじめられたけど、あたしと一緒に頑張って、そして強くなったスピアーのはり、 500円で買って頑張って、特訓の成果のおかげでコイキングの時からリュウの怒りが使えてた、ギャラドスのコイッチ、 転がるのが大好きだったゴマゾウのごま、 親と死に別れて淋しい思いをしてたけど、あたしに心を開いてついてきてくれたリングマのヒメ、 ダークに操られたことを反省し、あたしたちに恩を返すためが目的だったけど、最後にはいつもいつも力強く動いてくれたヘラクロスのヘラクロ、 初めは復讐のためだったけど、今はリーフィとコンビで頑張っていたアゲハントのアゲハ、 磁場で動けなくて、それを助けたあたしについていくって言ってくれて、炎ポケモンにも負けずに頑張ってくれたコドラのドラ、 虐待されてハナダやトレーナーを襲った事もあったけど、最後には最終進化までしてあたしを助けてくれたダーテングのたねね、 双子島の鉄壁貝、トレーナー泣かせの腕は、まだ健在なのかな、パールルのパル、 涼治に預けてる間に洗脳されてたりしたけど、あたしに力を貸してくれて、リーグでは活躍してくれたカモネギのネギとサマヨールのよま、 お月見山では窮地を救ってくれて、たびたび力になってくれたピクシーのぴぴとルナトーンのルナ、 グレン島では門番を無理やりやってたけど、炎の底力を見せ付けてくれたよね、コータスのひがめ、 スペース団に利用されたけど、あたしを乗せて空を飛んでくれた、トロピウスのトロ、 サファリであたしを助け、美しく進化した、ミロカロスのアクア、 いたずらっこでゲットも大変だった、カクレオンのぺろん、 トキワで一度は失敗したゲットなのに、あたしにわざとゲットされに来て、それから色々と、あたしに力を貸してくれたニドリーノのニド君、 ディグダの穴では自分を犠牲にしていた頑張り屋の、ディグダのディグ、 通せんぼとして居眠りが厄介だったけど、実は色々と頑張っていた、とっても力持ちなカビゴンのゴン、 コジロウさんがくれたチリーンのチリリ、 あたしが助け、あたしがゲットした、とっても素直なエーフィのフィル、 そして、 ゲットされる前もあたしに色々と危険を知らせてくれて、あたしと一緒に戦ってくれて、あたしに懐いてくれた、実はとっても優しい子、アブソルのソルル。 みんな、元気かな? 会いたいな…会いたい、会いたいよ…どうしてあたしだけ? あたしだけ、みんなと離れ離れなの? あたし、みんなに会いたい! この時、あたしの願う心が、癒しの光として放出されて、そして消えた。 あたしは何となく、家に帰る気もなく、そこに座って、あの頃の旅のことを、いろいろと思い出していた。 ニャースやナナちゃんも、どうしてるのかな? 美咲ちゃんや拓也も、ジムリーダーの方々も、四天王も。 あたし、結局何も別れを言わずに帰ってきちゃったんだよね。 またいつか、会えないかな? 蓮華:「会いたいな。」 その日、あたしはそのままそこで寝てしまい、帰ったのは夜の11時だった。 家の電気は消えていて、多分鍵も閉まってて、舞さんは怒ってるのかもしれない。 久美ちゃんや来美ちゃん、哲兄も心配して怒ってるかもしれない。 でも、あたし、正直に言って、怒られよう。 あたしは玄関のドアを開けた。 すると。 ??:「遅い!何時だと思ってるの!」 蓮華:「ごめんなさい!ちょっと昔を思い出したら寝ちゃってて…って、その声…」 ??:「全く、あたしがいないとどうして蓮華はそうなの?時間が経って成長してるかと思えばしてないじゃん。」 あたしは部屋が真っ暗だけど、何となく感じた。 この声、この匂い、そして、近くに感じるこの存在。 ??:「まぁ、久々にこうやって会えたからいいけどね。蓮華、おかえり!」 ぱっと電気がついた。 目の前にいたのはキレイハナだった。 蓮華:「キレイハナ!」 キレイハナ:「もう、苦しいよ。でも嬉しい。」 蓮華:「でも…どうして?」 不思議に思っていると、家の奥から志穂ちゃんがやってきた。 志穂:「セレビィの力が、あなたの願いのカケラに反応して、ポケモン世界とこの世界をつなぐドアを、この家に作ったのよ。」 蓮華:「志穂ちゃん!あれっ?あ、みんなも来てる!」 奥をのぞくと、あの時ポケモン世界に行ったみんなの姿があった。 哲也:「遅いぞ、せっかくまた、ポケモン世界に行けるって分かって、祝おうと思えばお前が帰ってこないからな。」 美香:「蓮華、寝てたもんね。」 菜々美:「そうそう、起こすの悪いから、こっちで待ってたけどさ。あたし、明日は仕事なんだよ!」 蓮華:「ごめんなさい!」 舞:「いいじゃないの。今からみんなでお祝いしましょう。」 キレイハナ:「そうそう、祝おう!」 あたしは流されるような感じだったけど、後々になってドアを潜り、絆たちとも再会した。 変わってる子もいたけど、あたしはすごく嬉しかった。 ナナ:「まさか、こんな形で会えるとはね。」 蓮華:「あたしも。…あたしだって、驚いてるよ。」 ドアがつなげたのは、ナナの家だった。 あたしがキレイハナたちに会いたいって強く思ったときに出た力が、次元を超えて、セレビィに届き、 こういう奇跡が起こったらしい。 律子のセレビィが言ったらしいから、事実だろう。 ナナ:「これからもよろしくね。」 蓮華:「こちらこそ。あたしさ、もっと旅がしたかったんだ。それに、みんなとも会えたからよかった。」 ナナ:「そうね。これからまた、楽しい日々が始まりそうね。」 蓮華:「うん。」 キレイハナ:「あ、二人だけで何を話してたのよ、あたしも混ぜて!」 蓮華:「いいよ。あ、そうだ、たねね達の子供、見せてよ。」 キレイハナ:「うん、こっちだよ!」 あたし、今すごく幸せ!これからもずっとずっと!あたしは、みんなと、絆たちと一緒に楽しく暮らしていきたいかな。