なずな:「やっぱりさ、ジョウトのエンジュシティって京都に似てるよね。」 律子:「似てるっていうか、ポケモン世界のこの場所って日本と同じような地形をしてるもんね。」 なずな:「ただ、多分あたしたちの地球よりも大きな地球の日本だよね。」 じゃなかったらこんなに広い訳ないよ。 あたし、草壁なずなは今回、親友の律子とエンジュシティに向かっていた。 久々にヤマブキからリニアを使ってゆったりと旅気分の状態で。 普段はあたしのテレポート能力でさっさと移動しちゃうんだけど、あたしとしてはポケモン世界も満喫したいのだ。 事実、あたしはあまり旅をしてないから。 シオンとヤマブキとセキエイを行ったり来たりしてばかりだったからね。 律子:「でもさ、蓮華たちと一緒じゃなくてもいいの?」 なずな:「いいんじゃないの?あたしと律子が頼まれたんだよ。」 あたしと律子がエンジュに向かってる理由、それはフジ老人にお使いを頼まれたからだった。 前回の「うわん」の馬鹿のせいで、フジ老人がエンジュシティに届けるはずだった巻物を、ちょうどお見舞いに行ったあたし達が 運ぶ事になったのだ。あたしとしては、フジ老人には何度も恩返しがしたいから好きでやってるんだけどね。 律子もエンジュに久々に行くらしく、お使いを楽しんでいた。 律子:「それにしてもさぁ、蓮華も驚いてるんじゃない?」 なずな:「そうよね。蓮華の家を通らずにポケモン世界にいるんだもの。律子のセレビィも成長したよね。」 律子:「今まではあたししか運べなかったのに、今はあたし以外にあと一人は可能なんだからね。」 だからこうやって二人だけで来てるんだし。 そんな会話をしているうちに、数時間でリニアはコガネシティに着いた。 なずな:「早いよね、やっぱり。」 律子:「そうだよね、1時間足らずでコガネシティに到着だもん。」 それだけ便利なだけに、スペース団が何度も関東を攻めたにもかかわらず、一度もリニア関係を破壊していなかったくらいだ。 そしてあたしたちは、最近できたコガネからエンジュに行くドードリオの鳥車、しいて言えば馬車みたいなものでエンジュに向かった。 でも、まさかね、エンジュでは今大事件が起きているなんて、あたしたちは全く知らなかったんだよ。 第2章 4.なずな&サクラ!エンジュの泥棒退治 なずな:「ここ、エンジュだよね?」 律子:「そうよ…、確かにエンジュだけど…」 着いた早々、鳥車も走り去っていった。というより、頼んだ時は断られかけたくらいだったし。 エンジュは京都に似た古い町並みで、とっても華やかでいい街だと聞いていたけど、今あたしたちの目の前にある京都は、 その言葉とは逆に、薄暗くて気味の悪い、ゴーストタウンのでき始めっていう感じだった。 律子:「普段は観光客とかもいて、舞妓さんがいて、茶店も多くたくさんあって、いいところなのよね。 それと、あの木!春になると夏の中頃まで桜が満開になるのよ。でも、今じゃ枯れ木だよね…いつもだったらまだ咲いてるのに。」 律子はだれもいなさそうなこのエンジュを色々と案内してくれた。 途中からセレビィとロゼリアを出してたから、あたしもメタモンたちを出していた。 二人だけじゃ、流石に心細いのだ。 律子:「後、ここのお稽古場。いつも中に入れて、見学もできて、着物の試着もできるの。」 なずな:「律子、経験あるの?」 律子:「ううん、あの時はまだいいかなって思ってて、やらなかったのよ。」 なずな:「じゃ、この街が元に戻ったら試着しようよ。」 律子:「うん!あ…、そういえばね、この稽古場は有名なトレーナーがいるのよ。」 なずな:「誰?」 律子:「有名っていうか、名物ね。エーフィを除くイーブイの進化系4体をつれた、4人の舞妓さんがいるの。 結構強いんだよぉ。」 なずな:「どんな人なんだろうね?」 あたしたちはちょっと無理しながら、明るめの会話をし続けていた。 その時だった。 ??:「伝説ポケモンを捕まえたぞ!」 律子のセレビィが虫取り網みたいなものに捕らえられたのは。 捕まえたのは紺色系の燕尾服を着た男の人だった。 律子:「ちょっと、あたしのセレビィに何するんですか!」 なずな:「そうですよ、いきなり現れて!」 あたし達が抗議すると、この人はあたしたちを見て驚いたようだ。何か、あたしたちがいたことに全く気づいていなかったらしい。 ??:「君たち、どこから現れたんだ?」 こんな事をいわれるくらいだから、気づいてなかったとしか思えない。 律子:「さっきからいました!あたしのセレビィを返して!」 律子が怒ると、その人は律子を睨みつけていた。 ??:「うるさい!僕がせっかく伝説ポケモンを捕まえたと言うのに、こんなに滅多に出会えないようなセレビィが、 どうして君のポケモンなんだ!」 どうやら、セレビィが幻のポケモンであるがために、律子がセレビィのトレーナーではないと考えたらしい。 でも、その人を諭すような声がした。 ??:「ミナキ、いい加減にしたまえ。その子の言う事は事実だよ。」 現れたのは優しそうな表情の男性だった。背後にゲンガーをつれているのが見える。 律子:「あ!マツバさんじゃないですか、この人に教えてあげてくださいよ!」 と、律子はこの男の人を知っているらしく、睨みつけていた男にようやく反撃の睨みを行っていた。 なずな:「…律子、この人は?」 あたしが律子に聞くと、答えたのはマツバと呼ばれた男の人の方だった。 マツバ:「僕はこのエンジュシティのジムリーダーをしている、ゴースト使いのマツバと言う者だ。 君はフジ老人にお使いを頼まれたなずなちゃんかな?」 なずな:「えっ、はい…。どうしてあたしの名前を?」 律子:「マツバさんはナツメさんと同じく千里眼の持ち主よ。これくらいは分かるわよ。」 なずな:「ふぅ〜ん。」 と、ミナキと呼ばれた人をすっかり忘れていたことに気がついた。 なずな:「あの、それじゃこの人は…?」 マツバ:「ああ、彼は僕の知り合いで伝説ポケモンを研究し、追いかけることを趣味にしているミナキだよ。 ミナキ、そのセレビィは彼女がリーグ優勝したお兄さんから譲り受けたポケモンだ。君がゲットできるポケモンじゃないぞ。」 マツバさんが言うと、ミナキさんは渋々ながらポケモンを律子に返していた。 ミナキ:「どうして俺にはこういうポケモンが手に入らないんだ…」 律子:「私利私欲の気持ちをポケモンが感づいてるんだと思いますけど?」 ミナキ:「何だと!」 律子:「やる気ですか?」 あたしとマツバさんがここで止めなかったら、二人はマルマインVSロゼリアの戦いを繰り広げていたところだろう。 なずな:「あの、エンジュシティはどうしてこの状態になったんですか?」 あたしはこれ以上、律子のポケモン関係で争いごとが続くのを避けるために、マツバさんに尋ねてみた。 マツバ:「そのことだが、ここ数日のうちにこうなってしまったんだ。町の人は近隣の村やコガネシティに避難しているから、 今この町にいるのは僕達くらいのものだよ。フジ老人にも連絡を入れるはずだったけど、ゴーストポケモンたちが騒ぎ始めたから 連絡を取る暇がなかったんだ。」 なるほどね。何がどうしてこうなったかは、マツバさんもまだ知らないらしい。 (そう思っていたけど、後々になってそれは違ったのでした。) マツバ:「今でこそ、僕のゴースやゴーストたちが他のポケモンを抑えていてくれるからいいが、もしここで鈴の塔にも何かが起きれば、 大変な事になってしまうだろうし。ホウオウが、この街に来る事もなくなってしまう。」 なずな:「ホウオウ?伝説のポケモンと呼ばれる、ですか?」 マツバ:「ああ、僕はいつかあのホウオウの姿をこの目で見たいんだ。ホウオウはいつか、この塔に降り立つといわれているからね。 しかし、僕以外の人間は、他の町で多くそのポケモンを見ているらしいんだ。」 なずな:「他の人間?」 律子:「ポケモンマスターのサトシさんのことよ。あたしも知ってるよ。あの人は行く先々で色々な伝説ポケモンにあったらしいし。」 ミナキ:「それは単なる噂だろ?あの少年が嘘を言ってるとしか思えん。」 律子:「それって、見れなかったことに対する腹いせですか?」 ミナキ:「何だと?」 なずな:「いい加減にしなよ。律子もこんな人を相手にしちゃ、絶対駄目だよ。無視してたほうがいいんだから。」 あたしは再び、会話が中断しかけたので律子に注意した。 律子:「なずな…、あんたの方がもっとひどいこと言ってるように聞こえるけど?」 なずな:「えっ?そうかなぁ?」 マツバ:「…それより、君たちは町で怪しい人影は見なかったのかな?」 会話の中断は免れないかと判断したのか、マツバさんが今度は話しかけてきた。 なずな:「見てないよね?」 律子:「ええ。」 マツバ:「そうか…。実はこのところ、エンジュではゴーストタイプのポケモンたちの住処が何者かに襲われ、 多数のゴーストポケモンが殺気立っているんだ。それで街の人たちに事態を知らせ、みんなを一旦避難させたんだ。 でも、ゴースとポケモンが街に溢れ出た事で、街の活気が吸収され、闇の町、ゴーストタウンになりかけてしまったんだ。」 あたしは知らないのかと思ってたけど、どうやらマツバさんは知っていたようだ。 勘違い、早とちりだった。 ミナキ:「おい!」 その時でした。ミナキさんが鈴の塔の方角に飛行ポケモンが飛んでいくのを見たそうでした。 でも、ホウオウとか、伝説のポケモンではないのが明らかだったらしく、この事件の犯人だと推測し、あたしたちも向かいました。 あたしはテレポート能力で律子と先に来ていたけど、人の気配は全くなかった。 もちろん、ポケモンの気配だって。 なずな:「確かこの辺みたいだけど…」 律子:「誰もいないよね。」 ??:「ぎゃぁ〜!」 なずな:「えっ?」 律子:「何?」 あたしたちが探していると、塔の方で叫び声が聞こえた。 あたしたちがいるのは、塔の近くの森の中なのだ。鈴の塔にも行ったけど、扉が開いてなかったので入れず、 足跡がこの森に向かっていたのだ。 あたしたちが急いでいってみると、そこには電気ビリビリかつビリビリボロボロの服を着たミナキさんが倒れていた。 そして、マツバさんも鈴の塔に背中を預けていた。とっても疲れているようで、しかもゲンガーも倒れている。 律子:「マツバさん!何が起きたんですか?」 マツバ:「ああ、君たちか。鈴の塔に祭られている透明の鈴が盗まれてしまったんだ。あの鈴は壊れやすいため、 僕もミナキも奴に対して攻撃ができず、この状態さ。千里眼で見ようとしたが、奴のポケモンのエスパー攻撃で妨害されてね、 もう少し休まないと動けなくなってしまった。」 あたしはよく分からなかったけど、律子の言うには透明な鈴はポケモンたちにとっても神聖な物らしく、一度それが壊されれば、 人間とポケモンとの関係さえも壊れてしまうらしい。 そしてマツバさんが千里眼をしている時に、何かの妨害をするとマツバさんの精神にも強烈な攻撃を与えてしまうことになるらしい。 何者かはそれを知っていたのか、逃げた後もポケモンにその後の妨害を指示していたらしい。 マツバ:「僕もミナキも動けない今、頼れるのは君たちくらいしかいないんだ。頼む、透明な鈴を取り戻してくれ。」 律子:「分かりました。あたしたちにお任せください。」 なずな:「あたしたちが鈴を取り戻してきます!」 あたしたちは何者かとポケモンが消えた方向に向かって走り出した。 なずな:「ここで分かれ道だね。」 律子:「ええ、一応二手に分かれましょ。」 あたしたちは途中の分岐点で二手に別れた。 だいぶ走った。でも、気配がまったく感じられない。 途中であたしに向かってヤミカラスが飛んできたけど、それはあたしがヤミカラスの落としたガラスを踏んだかららしかった。 ヤミカラスには子供がいなさそうだったので、あたしはゲットをしておいたけど、ジュペッタの電撃波でゲットしたから、 今は飛べそうにない。 と、茂みの向こうで音がした。 なずな:「そこにいるのは誰!」 あたしが叫ぶと、出てきたのはエーフィを連れたトレーナーの女の子だった。 ??:「そっちこそ誰?ここで何をしてるの?」 なずな:「あたしはマツバさんに頼まれて怪しい奴を追っているところ。あなたは?」 ??:「あたしは、エンジュで何かが起きてるって聞いたから、急いでここに戻ってきたところよ。」 どうやら怪しい奴ではなく、逆に味方のような人みたいだった。 ??:「疑ってゴメンね。」 なずな:「こちらこそ。あたしはなずな。よろしくね。」 ??:「よろしく!あたしはサクラ。エンジュシティの出身なの。それで、何があったのか、教えてくれない?」 あたしはすぐにサクラと打ち解け、この事件の今までのことを話した。 サクラ:「そうなんだ…あたし、今までホウエン地方を旅してたんだ。エンジュの事を聞いたのは一昨日で、急いで帰って来たけど、 誰もいないのは当然だよね。…なずな、あたしも協力してもいい?」 なずな:「もちろん!光栄だよ。」 すると、サクラはアゲハントを出した。 サクラ:「アゲハント、上空から怪しい奴を探してきて!」 なずな:「そっか、飛行ポケモンがいれば便利だね。あたしはさっきゲットしたけど、電撃波でゲットしたから使えないんだ。」 サクラ:「ふぅ〜ん、そうなの。あのね、このアゲハントには結構お世話になったんだ。エーフィとはイーブイの時から一緒でね、 お稽古のときも一緒で。この旅を出る前からずっとあたしを助けてくれたんだ。」 なずな:「ふぅ〜ん。お稽古事って…」 と聞こうとした時、そこにアゲハントが戻ってきた。 どうやら怪しいトレーナーを見つけたらしかった。詳しい事は蓮華ちゃんがいれば、キレイハナを通して聞けたんだけどな。 サクラ:「なずな、急ぎましょ。」 なずな:「ええ。」 あたしたちはそこに向かった。 でも、そこには既に誰もいなかった。 「ば〜か、偵察してたのはお見通しだよ。残念でした。」 という手紙を残して。 なずな:「全部お見通しだったのね…」 サクラ:「そうだね。なずな、でももう一回がんばってみようよ。あたしたちの力、思い知らせてやろう。 あたし、このままじゃ悔しいし、あたしの友達は、諦めを知らないであたしを助けてくれたんだ。 だから、あたしも諦めたくないの。」 サクラ…、そうなんだ、サクラも色々と経験してるんだね。だったら、決めた。 なずな:「うん、分かった。でもね、サクラ、もう、犯人の場所は分かるよ。」 サクラ:「えっ?」 あたしの力、まだサクラには言ってないけど、あたしを信じてくれるよね? 犯人が持っていたものを通してその場所に移動するテレポートだって、あたしにはできるんだから。 律子:「ロゼリア、マジカルリーフよ!」 ??:「ニューラ、吹雪で吹き飛ばし、ブレイククローで止めだ!」 あたしは偶然、鈴を盗んだ奴を発見した。 そしてダブルバトルになったけど、セレビィは奴のニューラとヤミラミの吹雪とシャドーボールによってやられてしまい、 あたしもヤミラミは倒したけど、まだニューラが残ったまま。 そのニューラはやけに素早くて、ロゼリアも倒されてしまった。 あたしのポケモンはこの2人だけだから、もう戦えない。 ??:「残念だったな。これでおしまいだよ。ニューラ、彼女に吹雪だ。見られたからにはここで固まっていてもらう方がいい。」 奴はとんでもなく強いトレーナーだと思った。 あたしで歯が立たないからというわけじゃないよ。 何か、どこかで鍛えられてきたから強いみたいかな。そんな気がした。 そしてあたしに吹雪が放たれようとした。 そう思ったときだった。 なずな:「コラー!あたしが来たからにはもうこれ以上の悪さはさせないわよ!」 光と共に、なずなと、知らないトレーナーが目の前に現れていた。 ??:「な、今のはなんだ!」 サクラ:「なずな?」 なずな:「あたしは空気使い、気と念の能力者のなずなよ。これ以上、あなたの好き勝手にはさせないわ。」 あたしが言うと、サクラが息を呑むのが分かった。 サクラ:「能力者だったの…早く教えてくれればよかったのに。」 なずな:「えっ?怒ってないし、気味悪く思わないの?」 サクラ:「どうして?あたしたち、友達でしょ?それになずなはエンジュのために戦ってくれてるから。それなのに、 なずなを怖がるなんて、あたしにはできないよ。」 と、そこに吹雪が飛んできた。 サクラ:「エーフィ、光の壁で防ぐのよ!」 吹雪は光の壁でしっかり受け止められ、防がれた。忘れてた、まだ倒してないよね。 サクラ:「あなたは何者なの?」 ??:「俺か?俺は格闘家のロイド。2週間くらい前まではタンバにいたのさ。でもな、道場の小火を起こしたくらいで シジマの奴が俺を破門しやがった。あれくらいで破門しやがって、俺はあいつの苦しむ顔が見たくてな。シジマが世話になってるここのジムリーダーに 少しくらい痛い目を見せれば、あの肉体馬鹿が苦しむかと思ったのさ。 それに、この鈴がある限り、お前らは俺に攻撃ができないだろ?」 サクラ:「そんな、あなたは多分、何も分かってないだけよ。シジマさんは簡単に人を追い出したりしないわ。 あたしもジム戦でそれを知った。あなたは分かってないわ。」 ロイド:「うるさい!これ以上口うるさく言うなら、お前も容赦しないぞ!この鈴がある限…、鈴がない!?」 なずな:「鈴って、これのこと?」 あたしはロイドに鈴を見せた。 実は奴がサクラと話している間に、あたしのムウマとジュペッタ、メタモンが鈴を取り返したのだ。 ロイドが自分のしている事をいかにも楽しそうに語っている隙を突いて。 ロイド:「くそぉ、その鈴がなければ、俺はあいつに目に物が見せられない!返せ!」 ロイドはニューラとカイリキーを放ってきた。 なずな:「返すわけないでしょ!ジュペッタ、行くよ!」 サクラ:「エーフィ、あたしたちも戦うよ!」 あたしたちも、ポケモンで対抗する事にした。メタモンとムウマには律子を助けてもらっている。 ロイド:「ニューラ、凍える風で奴らの動きを抑えろ!そしてカイリキー、岩なだれだ!」 サクラ:「させないわよ!エーフィ、ジュペッタを守って神秘の守りよ!」 なずな:「サクラ、ありがとう。ジュペッタ、カイリキーにサイコキネシスよ!」 凍える風の効果を防ぐために神秘の守りで凍える風を防ぎ、その隙にカイリキーにサイコキネシスを放った。 格闘ポケモンにエスパー技は効果抜群だ。 でも、カイリキーはまだ向かってきていた。 なずな:「そんな!」 サクラ:「なずな、カイリキーのしている鉢巻が「気合の鉢巻」なの。あれをしているから、一撃では倒せないのよ。 エーフィ、影分身よ!」 ロイド:「くっ、ニューラ、エーフィに騙まし討ちだ!カイリキーはジュペッタに火炎放射だ!」 影分身をしていても、騙まし討ちは相手に必ず攻撃を当てる技。 そしてカイリキーは技マシンで炎技を覚えるのだ。 サクラ:「エーフィ、守る攻撃でかわすのよ!そしてニューラにアイアンテールよ!」 サクラはあたしより筋がいい。 エーフィに的確な指示を出し、ニューラの攻撃をするりとかわしてアイアンテールでニューラを倒していた。 あたしはそこまで筋はよくないけど、ジュペッタの電撃波で火炎放射を相殺し、もう一度サイコキネシスで倒す事ができた。 ロイド:「何!?ニューラとカイリキーが!?」 サクラ:「そこまでよ。」 なずな:「エンジュの自然の恨みを受けるのね。ムウマ!」 あたしは実は、ムウマにあることを頼んでいた。 そしてムウマは実行してくれた。 数分後、あたし達がその場を去った後、一応動けなくしておいたロイドの元には、住処を壊されて怒っていたゴーストポケモンたちが、 ムウマに案内されて集まったのでした。復讐は町にじゃなくて、やった本人にだけして上げなきゃ駄目だからね。 そして鈴を元に戻し、ゴーストたちが去って、エンジュは何とか復活した。 植物とかは後々で蓮華ちゃんたちが何とかするために駆けつけるらしい。 律子のセレビィがバトルで倒されてるため、そこまで力が出せないのだ。 あたしたちも、ナナの家を通るしかないようだし。 それはともかく。 マツバ:「ありがとう。街が元に戻ったし、鈴を取り返してくれたことにも感謝のしようがないよ。」 なずな:「そんなことないですよ。みんなの力があったから、あたしはできたんだもの。」 律子:「そういうことです。なずな、行こうよ。」 なずな:「うん!」 あたしたちはマツバさんに巻物を渡し、別れを告げてある場所に向かった。 サクラ:「あ、なずなに律子!ここだよ!」 なずな:「サクラ、お待たせ!」 律子:「まさかサクラがこのお稽古場の名物、イーブイ5姉妹の一人だったなんてね。」 サクラ:「えへへ、言おうと思ってたけどあの時は言えなかったんだ。なずな、律子、お姉ちゃんたちにも会っていくし、 着物の試着もするでしょ?こっちに来て。」 なずな:「あ、待ってよ!」 律子:「なずな、サクラ、置いてかないで!」 あたしたちはその後、エンジュをおもいっきり満喫しました。 着物の試着もできたし、何か京都にいるみたいで、とっても楽しかったです。 あのロイドって人は、誠心誠意を鍛えなおすために、シジマさんがシバさんに預けたそうです。 でもその前に、ポケモン警察で地獄に遭う事になるんじゃないかな? 目を覚まして、退院してから。 だって、ゴーストポケモン100匹以上のナイトヘッドを食らったもんね。 でも、ただ気になることは、あの人が、あたし達が離れようとした時に口にしたこと。 「あの人が事を起こせば、俺は再びこの町で自由にできる。」 という言葉。 あたしたちの知らないところで、一体何が起きているのだろう…。