一日経って、1の島、2の島、3の島から連絡が入った。 3の島からは2回も。 どうやら、3つの島では襲撃事件が解決したらしく、平和になったという知らせでした。 しかも、あたしの同級生の綾香ちゃんや、後輩のヤツデ君、哲兄の同級生の雪美先輩がこっちにやってきているらしい。 新しい仲間に感謝しつつ、そして共に戦ってくれている妖怪たちに感謝しつつ、あたしたちは5の島に向かおうとしていた。 ただ、向かうのはあたしと美香だけ。 涼治は、ポケモンセンターの機械の故障によって、3の島に呼ばれてしまったからだった。 涼治:「しょうがないだろ?俺は全てを助ける事ができる道に進みたい。だから、ポケモンセンターの不調があるなら、 俺はそこに行って手助けをしたいんだ。悪い、いいか?」 蓮華:「しょうがないね。」 あたしは涼治の邪魔をしたくなかったから、3の島に行くのを勧めた。 美香:「それじゃ、行こうか。」 蓮華:「うん。」 そしてあたしたちも5の島に向かう。 ナナシマ編 9.待機組VSまた来た3人組 あたしたち4人は、蓮華と美香が5の島に旅立つのを見ていた。 1〜3の島と違い、5の島と6の島からの連絡は入ってないし、久美先輩たちに任せたとは言っても7の島に近い あの二つの島は苦戦してもおかしくなかったからだ。だから蓮華と美香が向かったわけだけど。 ナナ:「行っちゃったね。」 ヒカリ:「そうですね。」 ライ:「アタイたちはここで待機ってことか。」 ヒカリとライはつまらなそうにしていた。 だから。 律子:「そうだけど…ヒカリとライは明日くらいには7の島の偵察組に合流してほしいのよね。 スペース団の力も侮れなくなってきたことが、1〜3の島からの通信で分かったから。7の島は美咲と拓也君だけじゃ 偵察し切れるとも思えないの。」 あたしはこのことを頼んだ。 ヒカリ:「あたしたちでいいんですか?」 ライ:「しかしなぁ、この島を守るのがアタイたちの役目じゃないのか?」 二人は二人らしい返答を返してきたけど、あたしはもう決めていたし、ナナの了解も得ていた。 律子:「ここはあたしとナナに任せて。少しでも多くの戦力を少しずつ7の島に集中させたいの。 他の島にいた団員を追い出せば追い出すほど、彼らは本拠地である7の島に集中するわ。だから少しずつ集中させて 最終決戦をやりやすくしなきゃいけないの。いい?」 ヒカリ:「そういうことなら。」 ライ:「しょうがねえな、まっ、アタイの力が必要なら光栄だぜ。」 律子:「ありがとう。」 こうして二人の事も決まり、あたしたちはポケモンセンターに戻ろうと思った。 でも。 ヒカリ:「あ…、あれ…」 ライ:「どうかし…、げっ、また来たのかよ。」 ナナ:「えっ?…あらら。」 律子:「あ〜、…来たんだね。」 あたしたちが見たのは、4の島に向かってくるスペース団員が乗っていると思われる飛行船1体と、見覚えのある 大きくて3色の模様がついた気球だった。 ヒカリ:「はぁ〜、よりによってこんな時に来たわね。」 ライ:「こうなったらやるか?」 律子:「あたしたち4人なら、何とかなるもんね。ナナ、雑魚お願い。」 ナナ:「あたしが?…いいよ。さて、叫びますか?」 ヒカリ:「あたしもそうだったけど、こういうときはアレを言わないと行動に移れないのよ。」 律子:「それじゃ、叫ぼうか。」 4人:「あんたたち、一体再び何なのよ!」 すると、まず飛行船が降りてきて、団員がぞろぞろ出てきて、ゴージャスな曲が流れ出し、団員がクラッカーを鳴らすと共に、 彼ら3人が姿を現した。 スパイル:「『あんたたち、一体再び何なのよ!』と聞かれたならば」 セイラム:「答えなくてもいいのだろうが、どうしても聞きたいという者のために」 ブラスト:「お答えするのが我らの役目であり、使命」 スパイル:「冒険の情熱を燃やすため」 セイラム:「神秘の秘宝を守るため」 ブラスト:「そしてスペース団の栄光を広めるため!」 スパイル:「究極の愛と」 セイラム:「最高の神秘と」 ブラスト:「敬愛なる誠実の元に」 3人:「パワフルファイターな4幹部直属の部下!」 スパイル:「スパイル」 (気球からパープル色のスポットライトがつき、バラのホログラムが彼を取り巻いた) セイラム:「セイラム」 (気球からスカイブルーのスポットライトがつき、オーロラのホログラムがバックを飾った) ブラスト:「ブラスト」 (気球から黄色のスポットライトがつき、雷のホログラムが出た) スパイル:「神秘的な密林を駆け抜け」 セイラム:「秘宝を探し回り」 ブラスト:「冒険の情熱を知るスペース団の3人には」 スパイル:「パープル」 セイラム:「スカイブルー」 ブラスト:「そしてイエローな」 3人:「明るい未来が待ってるぜ!」 長い口上が終わった時、他の団員が一斉に拍手をしているのだった。 と、セイラムが一歩前に出し、腰に手をやっている。 ヒカリ:「あ、またやる気だ…。フライゴン!」 セイラム:「アンコールは聞きたいですか(ハート)?」 団員:「聞きたいで〜す!もう一度お願いします!」 セイラム:「よろしいですけど、ここはあたしのギリギリまででいいわよね?」 セイラムの胸元ギリギリ、スカートギリギリが行われ始め、ヒカリが切れて、再びフライゴンの破壊光線をスペース団に 放つ光景があたしたちの目の前で行われるのだった。 ただ、セイラムもやられると思っていたのか、スターミーのバリアがそれを防いでいたけど。 セイラム:「さて、昨日は雑魚なお邪魔虫さんがやってきちゃったせいでできませんでしたけど、この4の島はあたしたちが 頂かせてもらいますわ。」 スパイル:「そのために邪魔になる君たちは先に排除しようと思っている。」 ブラスト:「さて、誰から俺たちに始末されたいかな?」 3人は、あたしたちに向かって言った。 ナナ:「あたしたちがあんたたちに負けるとでも思ってるの?」 セイラム:「ポケモンマスターだからって、この人数を相手にできるわけないですから。」 ムカッ! ナナ:「あっそう、それじゃ、律子、あたし、あの雑魚団員の相手するね。」 ナナはおもいっきり大きな声で団員たちに雑魚と言い、そのままピジョットに乗り、飛行船の上に乗った。 ナナ:「さぁ、そこの雑魚さんたち、あたしにかかってらっしゃい!」 ナナがさっさと言ったのをきっかけに、あたしはブラスト、ヒカリはセイラム、ライはスパイルに向かうことになった。 あたしのポケモンはロゼリアとセレビィのみ。 でも、負ける気はない。 一応他にもポケモンゲットしたから。 後はポケモンを信じるのみ。 ナナ:「イルミー、雨乞いよ!そしてバルビーは雷攻撃!」 あたしがスペース団員の相手を始めてから数分。 飛行船の周辺にはスペース団員がたくさん倒れているけど、一体何人がこの狭そうな飛行船に乗っていたのか分からないくらい、 たくさん団員がいた。 律子たち3人はすでに街の中から姿を消し、それぞれ洞窟や、森や海のほうに行ったみたいだった。 ナナ:「イルミー、水の波動よ!バルビーはシグナルビーム!」 先ほどの雷攻撃を見切ったり守ったりしたポケモンや、地面タイプに対しては水の波動で一蹴する。 当たらなかったポケモンにはシグナルビームを使う事で一箇所に追い詰めていく。 ナナ:「さて、出てきなさい!レディアン!スピードスターよ!」 一箇所に追い詰められたポケモンにはレディアンがスピードスターを使って攻撃していく。 密集した場所に攻撃をすることで、攻撃が当たりやすくし、それと同時に複数に一度に攻撃を食らわせることができる。 でも、油断してるわけじゃなく、雑魚の中にも強い奴の一人や二人はいるみたいだった。 ??:「バクフーン、日本晴れだ!そしてバグーダは噴火攻撃だ!」 突然背後から声が聞こえ、あたしと団員たちのいる付近のみが日本晴れ状態になった。 それと同時に、あたしは真下から何かの音が聞こえるのを感じた。 ナナ:「もしかして、バグーダがいるのは飛行船の中!?」 そう思ったとき、噴火攻撃の音が聞こえ…。 飛行船ごと大爆発が周囲を巻き込んで起きた。 ??:「はははは、何がポケモンマスターだ。我らスペシャルスリー応援団と団長の俺、スペント様が相手では 手が出なかったようだな。」 爆発による爆風や煙が消えた頃、守る攻撃や、神秘の守り、リフレクタ、バリアなどで爆発から身を守っていた団員たちが スペントのそばに集まった。 そしてナナはもういないと、自分たちの勝利を確信し、笑い転げていた時だった。 しかし、飛行船の残骸が姿を表す頃にはその笑いが途絶えていた。 スペント:「な、何だと!?」 飛行船の一部分に奇妙な壁が存在し、目の前に突然現れた美女(ナナ)の周囲を取り囲んでいた。 ナナ:「残念だったわね。あたしも能力者なのよ。絶対的な全ての攻撃から身を守る防御を司る、ね!」 こんな事であたしがやられるとでも思ったのかな? 爆発が起きると思い、すぐにあたしは立方体のバリアを作り、自分の周囲を囲んだのだ。 そのすぐ後に爆発が起きた。 バリアも壊れるかと思ったくらいだったから、自分の年齢を元に戻さなきゃ保つ事もできなかったのだ。 飛行船の中は水素とかで一杯だから、体力満点のバグーダの噴火なら強力な爆発になるとしか思えない。 手を打っておいてよかったわ。 ナナ:「さてと、あたしからの反撃、受けてもらうわ。バルビー、イルミー!」 あたしがパートナーの蛍ポケモンを出すと、唖然としていたスペース団にも火がついたらしい。 スペント:「それがお前の正体か。まさかポケモンマスターまでが能力者とは…。しかしここで負けることはない。 我らがスペシャルスリー応援部隊がお前を倒す!バクフーン、大文字だ!」 団員A:「ラッタは目覚めるパワー、スリープはサイケ光線だ!」 団員B:「ズバットの超音波、オニスズメのカマイタチを受けてみろ!」 団員C:「デルビル、ガーディ、ダブルで火炎放射だ!」 団員D:「ドガース、ヘドロ攻撃!ベトベトンは毒ガスだ!」 あたしに向かって、奴らは一斉攻撃を仕掛けてきた。 どうやら先ほどよりも本気になったのか、それとも怒りが頂点に達したのか。 ともかく、またバリアを張らないといけなさそうかなと思った。 この攻撃だと、彼らよりも経験を積んでいるバルビーとイルミーでも相殺しきれない。 けど、あたしが手を出すまでもなかった。 あたしの親友であり、味方であるポケモンが飛翔してきたのだ。 ??:「苦戦しているようだな、ナナ。我の攻撃がこれらを相殺してしんぜよう。」 空から降ってきた燃え盛る炎の弾丸が、スペース団の一斉攻撃に落下し、ドンドン相殺し、さらに炎の渦が大文字を 破壊していた。 スペント:「何!?」 ナナ:「よく来てくれたわね、1の島が解放されたからかしら?」 ??:「ああ、雪女が我を解放してくれたおかげでここに来る事ができたぞ。お前もいい仲間を見つけたようだな。」 ナナ:「どうもありがとう。」 あたしの親友、伝説の鳥ポケモンのファイアーはさらに炎攻撃でスペース団のポケモンを蹴散らし、スペントのバクフーン以外は 彼の力で倒されていた。 ファイアー:「これくらいでいいか?」 ナナ:「ええ、他の二人は元気?それと、アーシア諸島のお仲間さんは?」 ファイアー:「彼らも元気でやっているぞ。今度会いに行くといい。」 ナナ:「そうね。…さて、行くのよ、ビブラーバ!それにアメタマ!」 あたしはバルビーたちを戻し、1の島の住処に戻るファイアーと別れ、スペントに向き直った。 スペント:「くそぉ、バクフーン、こうなったらブラストバーンだ!」 バクフーンは背中の炎をMAXにして強力な炎を放ってきた。 ナナ:「ビブラーバ、竜の息吹よ!アメタマは水の波動!やっぱりみんなもお願い!」 あたしはバルビー、イルミー、レディアンとアゲハント、ヌケニンを出した。 あたしは主に虫タイプのエキスパートなのだ、これでも。 バルビーの10万ボルト、イルミーの水の波動、レディアンのスピードスター、アゲハントの銀色の風、ヌケニンのシャドーボール も加わり、バクフーンの攻撃を突き抜け、バクフーンとスペントに当たった。 そして大爆発が起き、スペントは吹っ飛んでいった。 スペント:「セイラム様〜、愛してます〜!」 ナナ:「…馬鹿みたい。みんな、協力してくれてありがとう。バタフリー、倒れてるスペース団に眠り粉よ!」 あたしはスペントを見送ると、バタフリーをだして眠り粉を使い、苦しみもがくスペース団員を眠らせた。 さらに。 あたしは草ポケモンや蛇系ポケモンを出し、スペース団員たちを縛っておく事にした。 それにしても、みんなは大丈夫なのかな? そんな時に遠くで見えたのは優しい光だった。とっても暖かい気持ちにしてくれるような光が、山の向こうから見えた。 ナナ:「ついに目覚めたのね。」 あなたの…神秘の力が。 厄介だ。 すご〜く厄介だ。 ブラスト:「こらっ!逃げるんじゃない!待ちやがれ!」 後ろからあたしの後をブラストが追いかけてくる。 セレビィが倒されるなんて思ってもみなかった。 森の中にブラストが入ったのを追いかけたら、火炎放射と凍える風とヘドロ爆弾が全部バラバラの方向から飛んできた。 セレビィの神秘の守りも一斉攻撃には弱く、火炎放射を防いで、他の攻撃を受けてしまい、今はボールの中にいる。 あたしはロゼリアの花びらの舞でブラストたちの目をくらまし、今森の中を頑張って逃げていた。 相手はバクフーン、ルンパッパ、ポリゴン2の3匹。 あたしのポケモンはロゼリアと、前に偶然捕まえれたラッキーだけ。 でも、今の状況では戦えない。 あたしは何とか、森を抜けた。 でも、そこはもう後10メートルも進めば崖っぷちなのだ。 そこへ、ブラストたちが追いついてきた。 ブラスト:「さて、これからどうするんだ?おとなしく捕まった方が身のためだぞ。」 律子:「そんな簡単には捕まらない!ロゼリア!ラッキー!お願い!」 兄から譲り受けたセレビィと違い、本当のパートナーはロゼリアなのだ。 律子:「ロゼリア、マジカルリーフよ!ラッキーは卵爆弾!」 ブラスト:「そんな攻撃か。ルンパッパ、全てを叩き落とせ!そしてポリゴン2、サイケ光線だ!バクフーンは火炎放射!」 マジカルリーフと卵爆弾が、ルンパッパによって地面に叩きつけられてしまった。 それと同時にサイケ光線がロゼリアを襲い、ロゼリアを倒されてしまった。 ラッキーは火炎放射を受けたけど、光の壁のおかげで多少のダメージを防いでいた。 でも、火傷状態になっていることは明らかだった。 律子:「ラッキー…戻っていいよ。」 あたしは戻そうとするけど、ラッキーはあたしの前に立ってあたしを守ろうとしている。 会ってまだ1週間もしてないけど、ラッキーはあたしの事が好きなのだ。 でも、これ以上あたしはラッキーを出しておけない。 ブラスト:「泣ける様な光景だね。でも、君たちのバトルは熱くない。だからここで終わりにしよう!ルンパッパ、気合パンチだ!」 そんな時、ルンパッパの見かけと違う素早い攻撃が、ラッキーを崖の向こうに跳ね飛ばした。 律子:「ラッキー!」 あたしは追いかけようとしたけど、あたしの腕をブラストが掴んでいて、ラッキーを追いかけられなかった。 ラッキーは海に落ち、そこにさらに、ブラストのサメハダーが追いかけていった。 律子:「ちょっと!離してよ!ラッキーが!」 ブラスト:「悪いが、あきらめてもらおうか。俺たちの相手になった事が君の敗因だ。このセレビィのボールは貰う。」 あたしは反抗できぬまま、セレビィのボールさえ取られてしまった。 普通ならセレビィは自分で反抗もできるけど、戦闘不能になっているからできないでいた。 ブラスト:「それでは君には天国に行ってもらおうかな。」 律子:「えっ、ちょっと!こら、離せ!」 あたしはブラストに高く持ち上げられ、サメハダーのいる海に向かって投げられた。 ラッキーも浮かんでこない上、サメハダーが口を開けて待っている。 あたし、これで終わりなのね…。 短かったなぁ、セレビィに出会って、兄から譲り受けて、ロゼリアと知り会って、みんなとバトルしたりするようになって…。 あ、ナナたちとの出会いも忘れない。 ナナと出会ったり、この世界で交流したりするようになったりしたことは…忘れない。 ”それでいいの?” 律子:「えっ?」 そんな時に脳裏に響いた声。 周囲がスローに見える。あたし、一体…。 ”あなたは気づいていないだけ。あなたの中の力を。頑張って、負けないで、強く思って!” 律子:「でも…」 ”あなたがポケモンを好きな気持ちを忘れないで。” 律子:「あたしの…気持ち?」 ポケモンは好きだよ。すごく好き。会えてよかったと思ってる。ただ、ポケモンを傷つけるだけの人は許せない。 ポケモンを好きでいることは、ずっと変わらないよ。 だから、あたしは…あたしは…、ポケモンを、みんなを守りたい! 強く願った時だった。 あたしは気づくと宙を浮いていた。 いや、何かが違う。 背中に違和感があった。 律子:「嘘…」 あたしは水面の自分の姿を見て驚いた。 あたしの背中には、蝶の羽根がついていたのだ。 律子:「これがあたしの力…、清香先輩の太古の力、玲奈先輩の貝の力、神秘的と言われる力が身近にあるなのに、 妖精の力が身近にないって言われてたけど、あたしだったんだ…」 能力者が近くに数人でも集まると、そこに能力者は密集し、いつの間にか仲間になっているって氷雨さんから聞いていた。 でも、あたしもそうだったなんて…。 水面にはサメハダーがいて、こちらを睨んでいる。 そうだ、ラッキー! 律子:「許さないから!私の力、妖精の暖かい光よ!海に沈んだあたしの親友に力を与えて!」 あたしの手から出た光はサメハダーを通り越し、海に沈んでいった。 そして、ラッキー、いや、ハピナスが水面から飛び出していた。 あたしの想いが、ラッキーの懐き度を上げて、進化に導いたらしい。 律子:「よぉし!行くよ、ハピナス!」 あたしたちは崖の上に戻った。 ブラスト:「くっ、まさかお前も能力者だったとは…バクフーン!」 律子:「ハピナス、恩返しよ!」 ハピナスはバクフーンよりも早く動き、バクフーンをパンチ一発でおもいっきり跳ね飛ばした。 バクフーンはブラストにぶつかり、その拍子にブラストにぶつかり、セレビィのボールが手から飛び、あたしの元に舞い戻った。 ブラスト:「くそぉ!サメハダー、滝登りだ!」 今度は背後からサメハダーが飛び出してきた。 前からはルンパッパとポリゴン2もやってくる。 けれども。 律子:「もう、負けない!ロゼリアはサメハダーにマジカルリーフよ!ハピナスはポリゴン2に気合パンチ!セレビィは ルンパッパにサイコキネシス!」 あたしはもう負けそうなんていう思いを持たず、逆に強気でみんなの力を信じた。 あたしの暖かい光によって復活したロゼリアとセレビィの力もあり、ブラストのポケモンたちは一気に倒されていった。 ブラスト:「くそぉ!それなら元気のカ…」 律子:「させない!あたしは、みんなを傷付けた事を、絶対に許さないから!」 あたしの両手から、光と雷が出てそれが球状に密集していく。 そして、あたしを取り巻くオーラがそれを包み込んでいき、それと融合した。 律子:「必殺、サイコプラズマ!」 強力な電撃と光の塊は、ブラストとポケモンたちを大きく吹っ飛ばした。 ブラスト:「熱い攻撃だ!負けたぜ、ベイビ〜!」 律子:「ふぅ、疲れた。ハピナス、セレビィ、ロゼリア、ありがとう。」 あたしは神秘の能力者として目覚めた。 この力とこの3人と一緒に頑張っていく。 スパイル:「勝気なお嬢さんの攻撃はこれまでですか?」 ライ:「そんなわけあるか!」 スパイル:「しかし、あなたのピカチュウとゴーストはもう動けませんよ。」 アタイの住む4の島の周辺には小さな小島があって、その辺に住んでるガキンチョとかが飛び石を伝ってその島に遊びに行っている。 アタイがバトルフィールドとして選んだ場所はそこだった。 だが、アタイのデンチュウ(ピカチュウ)もフロート(ゴースト)も、奴の出したノクタスに負けちまった。 あ、サワムラーもいるんだっけ。ノクタスの騙まし討ちがフロートを、サワムラーの回し蹴りが電光石火のデンチュウを 攻撃して、いつもなら簡単には負けないこいつらも簡単に負けちまう。 でも、アタイはこいつに負けない。 4の島を簡単に渡せるかってんだ。 まだアタイには4匹の仲間がいるんだ。一人だったアタイを助けてくれた仲間が。 アタイは生まれてすぐ両親を亡くし、いつも一人だった。 育ててくれたのは育て屋のじいちゃんとばあちゃん、それにポケモンセンターの先代のジョーイさんだった。 でも寂しかった。 ほとんどアタイは一人だった。 そんな時に洞窟に迷い込んだアタイは、ボイン(ルージュラ)に出会った。 そしてバックン(スリープ)とフロート、クワクワ(カイロス)に出会い、ジョーイさんからコンコン(ロコンで、今はキュウコン)を貰った。 その時から、あたしはだんだん寂しくなくなった。 ただ、アタイの境遇を1の島の小学校の女供は、ただただ可哀相としか言わなかった。 あたしの親はこういうことをしてくれるのにって、自慢してんのかよ! アタイはムカついて男と遊んでばっかだった。 今のアタイの喋り方がこうなったのはそれ以来。 アタイはいつかはしなきゃいけねえかもしれねえけど、女女していたくないんだよな。 それからアタイは、トレーナー修行に出て、デンチュウと出会った。 アタイは色んな奴に会ったけど、一番変わってて、そしていい奴だって思ったのが、ナナと律子だった。 今までに会った年の近い女の中では、小学校時代のあいつらとは全然違ったからだ。 そしてアタイはこの二人から色々学んだ。 そしてヒカリに出会った。 一度聞いた事がある。 ライ:「なぁ、アタイのこの性格、嫌か?」 ヒカリ:「何で?あたしはライが女らしいことしてると変だと思うよ。ライは、ライらしい持ち味を持ってるんだよ。 その口調や性格がライらしいし、それに、ライは意地悪っぽく見えるけど、全然優しいもん。」 ヒカリはアタイのことを受け止めてくれた。 その後に元スペース団だとカミングアウトされてぶったまげたけどな。 アタイは色んなことを経験してるけど、その中心はこの島で起きた事だ。 アタイの思い出の詰まった4の島は、悪い奴らなんかに渡せねえ! ライ:「まだ負けたわけじゃねえんだよ!ボインとコンコン、奴らに教えてやるぜ!」 アタイが次に出したのはルージュラのボインと、キュウコンのコンコン。 スパイル:「ほぉ〜、まだやるのですか。でも、僕のオーロラの風に乗るこの攻撃を受けたら、君は僕のバラの花。 ノクタスはミサイル針、サワムラーは華麗なるメガトンキックだ。儚いバラの花に僕の強さを見せてあげてくれ!」 全く、ナルシストは一番嫌いなんだよな。 ライ:「ボイン、吹雪だ!アタイらの許容範囲にこいつが入ってない事を示してやれ!コンコン、お前は吹雪の後に 怪しい光だ!お前の美しさって奴を魅せつけてやれ!」 ボインの吹雪はこの島ではカンナさんの次にすごい威力を持つ。 ミサイル針もメガトンキックも吹雪が凍りつかせていた。 もはやコンコンの出る幕がないかと思えば、ノクタスがまだ残っていて、コンコンの怪しい光をまともに見やがった。 ノクタスは混乱した状態でフラフラし、スパイルの言葉なんてまともに聞いてない。 スパイル:「あ〜、ノクタス、バラの花を摘み取るのは君じゃなくて…」 ライ:「コンコン、お前の女としての愛情を教えてやったらどうだ?火炎放射だ。」 ノクタスはコンコンの火炎放射で黒焦げになった。 スパイル:「ノクタスまで…、君のポケモンはどうやら僕には似合わないようだね。それなら僕の冷たい力で 君らを氷の世界に導いてやる!」 スパイルはポケモンを戻したかと思えば、今度はトドゼルガとヤドランを出してきた。 ライ:「ポケモン交代なら、俺の方も代えてやるよ!クワクワとバックン、行ってやれ!」 アタイの最後の2体はカイロスのクワクワと、スリープのバックンだ。 スパイル:「ポケモンを代えても僕の冷たい愛情は君に届きますよ。そして君は冷たい氷の世界で、オーロラの風に乗って 僕のところに届くでしょう。」 ライ:「うるせえ!誰がなるか!」 スパイル:「なってくれますよ、君なら。ヤドラン、サイコキネシスで彼女の動きを止めなさい。そしてトドゼルガ、 絶対零度で…。」 ぷっちん! これは律子たちがスパイルの相手をライに任せた人選ミスによって、起きた。 ついにライは、スパイルのナルシストさに、ぶっちりと切れたのだ。 ライ:「てめえ!ぜってえゆるさねえからな!」 ライはポケモンを出し、一気に指示を出した。 戦闘不能のはずのポケモンでさえ、ライの怒りで無理やり動くほど。 ちなみに、彼女はマジ切れモードになったときのことは全く覚えてないという性格なのです。 デンチュウは雷を、クワクワはハサミギロチンを、バックンはサイコキネシスを、ボインは吹雪を、コンコンは大文字を、 そしてフロートはシャドーボールをスパイルたちに向けて放ち、ポケモン2匹はもちろん戦闘不能になり、 そしてスパイルは、ポケモンたちの攻撃でボロボロになった後、フラフラのところをライのジャイアントスイングなどを受け、 最後にはボインのサイコキネシスで吹っ飛ばされたのだった。 最後まで、 スパイル:「これが君の愛し方なんだね。愛しのライ君。」 などと言っていたが。 ライが起きたのはその数時間後だった。 ライ:「あれっ?アタイ、どうして寝てんだ?お前らも、おいおい、いつの間に疲れ切ったんだ? スパイルもいねえし…、お前らの元気がないからポケモンセンターに行くぞ。」 全く覚えていない状態で。 セイラム:「あなたとここでバトルをすることになるとはね。」 ヒカリ:「あたしだって思ってもみなかったわよ。」 セイラム&ヒカリ:「こんな、胸のない生意気なガキ(胸しかない色ボケ女)と戦うなんて!」 (かっこの中身はヒカリがセイラムに言った言葉です) セイラム:「あなたは飛行部隊になりながら、ボスの言葉も聞かないで滅茶苦茶に攻撃してましたよね? そんな風だから、早く捨てられたのですわ。泣き虫だったし。」 ヒカリ:「言ってくれるじゃない!男に10股かけられて、泣きじゃくりながらスペース団にはいって男はべらかせた あんたなんかに言われたくないわよ。どうせまた男に捨てられるだけなんじゃない?その胸がしぼんだら。」 セイラム:「胸のないあんたが胸の話をするなんて10年早いわよ。」 ヒカリ:「だってあたしは成長期だもん。もう24になったオッバサンには言われたくないわよ。それでよくギリギリとか 言うわよね?」 セイラム:「何言ってんのよ、あたしはまだ21よ!」 ヒカリ:「そうだった?てっきり本当は25超えてると思ってた。だって肌が荒れてるじゃん。あたしみたいなぴっちぴち とは違って。」 セイラム:「何ですって!」 ヒカリ:「何よ!」 二人は言い争っていた。 まだポケモンバトルをする空気でもなく、年齢が5,6くらいは違うものの、スペース団に入った時期が同期なだけに、 口を開ければ、出てくるのはお互いの悪口だけだった。 そんな時に爆発音が聞こえ、 スペント:「セイラム様〜、愛してます〜!」 という声が聞こえてきた(頭上を通り越していった)。 ヒカリ:「よかったじゃない、おじんからアプローチが来て。」 セイラム:「誰がよ!あんなおじん、興味ないわよ。表の顔では応援団頑張れって言ってるけど、あんなのあたしは許容範囲にも 入ってないわよ。それより…」 ヒカリ:「そうね、言い争っていても仕方ないわ。」 セイラム&ヒカリ:「ポケモンバトルで決めましょう、お互い、どっちがNO.1なのか!」 セイラム:「出てきなさい、スターミー、パラセクト、ペルシアン、スバメ!」 ヒカリ:「一気に4匹!?それならあたしだって!フライゴン、バシャーモ、ジュゴンにラプラス!」 二人の意地をかけたバトルは幕を開けた。 セイラム:「スターミー、バブル光線よ!ペルシアンは泡を通して雷を伝わらせて!パラセクトはキノコの胞子、 スバメは風起こしよ!」 ヒカリ:「フライゴン、泡と雷のコンボに砂嵐よ!そしてバシャーモはペルシアンにブレイズキック!ジュゴンはパラセクトに 冷凍ビームよ!そしてラプラスは水の波動よ!」 意地をかけるだけに、ものすごいバトルになった。 追記として、これは洞窟の中で行われ、外にはとてつもない音が響き…。 最後には中にいた氷ポケモンたちが部外者としてセイラムを選び、セイラムはおもいっきりバトルの途中でポケモンたちによって 吹っ飛ばされるのだった。 ヒカリが無事だったのは、ラプラスとジュゴンがその洞窟の実力者だったからだった。 そして数時間後。 ナナ:「終わったね。」 律子:「まさかあたしも能力者だったなんて、自分でも驚きだよ。」 ライ:「アタイは妙にストレスがなくなった気がするな。」 ヒカリ:「(それってライがマジ切れしたからじゃ…)あ〜、あたしも同じ。」 ライ:「(ヒカリ、あんたのは外にもよく聞こえたよ)いいね、こういうのは。」 律子:「それじゃ、明日からいいかなぁ?」 ヒカリ:「もちろん。」 ライ:「この島のこと、任せたからな!」 あたしたちはポケモンたちをジョーイさんに任せ、ちょっと休憩し、疲れを癒すのでした。 律子:「あ、あたしちょっと外に行くね。能力の練習してくる。」 そんな時に律子は外に出て行った。 能力者って言うのも大変だなぁ。 あ、そういえば…。 ヒカリ:「そういえば、あの団員たちはどうするの?」 ライ:「そういやぁ、ナナが捕まえたんだっけ?」 ナナ:「ああ、あれならね、マサキが前に作ってくれた食べたら何でも真実を喋ってくれる薬をくれたから、 その薬を使って、スペース団の内部事情をしゃべらせようかなって思ってるところ。」 ライ:「すげえな、それ。」 ナナ:「でしょ?あたしはそれに、真実暴露薬ってつけたの。」 ヒカリ:「ふぅ〜ん。」 あたしたちはナナの言葉を軽く聞き流し、ふと思った。 ヒカリ:「あれっ?…」 ヒカリ:「…ねえ、その薬って、ようするに…『自白剤』じゃない?」 ナナ:「あ…」 ライ:「ん…」 あたしの言葉にナナとライは固まった。 あたしたちはそれから数時間、律子が帰ってくるまで何もいう事ができなかった。 律子:「自白剤?…うふふ、使えるわね。」 3人:「マジ!?」 マサキ、恐るべし。 あたしは、あの軟弱でおっちょこちょいな失敗をする、弱くてなよなよしいポケモン研究家を侮ってはいけないと、 この時強く心に決めたのでした。 そして、律子の真の怖さも知ったけど・・・。