スペース団との戦いは7の島の各地で行われ、大半が勝利をしていたが、中には苦戦するものもいた。 それは、幹部クラスや、スペース団エリートと戦っているものたちだった。 志穂:「ブラッキー、シャドーボール!メガニウムはソーラービームよ!」 ブラスト:「それっぽっちか。ウィンディ、バクフーン、ダブルフレイム!」 あたしのポケモンの攻撃が…効かない!? シャドーボールとソーラービームが、ウィンディとバクフーンによって放たれた二つの火炎放射に軽々と打ち砕かれていた。 そしてそれは志穂に向かって飛んできていて…。 志穂:「防御式神、鬼火、召喚。」 志穂の目の前には大きな火の玉の生首が現れたが、火炎放射はそれを貫いて志穂を弾き飛ばしていた…。 ナナシマ編 19.大苦戦!?エリート団員との戦い 志穂:「嘘…、あたしの鬼火が…砕かれるなんて…」 ブラスト:「残念だったな、シャーマンガール。俺のポケモンたちの熱き鼓動には、どんな技も効かないのさ!」 厄介な相手だった。 既にあたしはウィンディとピクシーをルンパッパに蹴散らされ、二人は体力をそこそこにしてボールに戻したからいいものの、 今までと桁違いに強くなってるこいつらには厄介さを強く感じた。 それに、原因はもう一つあるみたいだった。 志穂:「あんた、熱き鼓動だけじゃないんでしょ?」 ブラスト:「おっ!やっぱりシャーマンガールには分かるんだな。」 志穂:「ってことは、あたしの予想通りなのかしら?」 ブラスト:「ああ、そういうことだ。」 何かって言うと、あたしはブラストから強力な霊気をバシバシ感じていたのだ。 霊気っていうか、力のオーラみたいなものだ。 多分、ドリームがこいつや、こいつの仲間にオーラのようなものを授けたんだろう。 ブラストたちは、あのオバサンやガキ(マユミやコタロウのこと)よりも使えるから。 だから、あたしの式神にも対抗できるほどの力を持ってるわけで、ルンパッパがウィンディのオーバーヒートを片手で受け止め、 もう片方の手から出した水の波動で、ピクシーを50メートルも後ろに弾き飛ばすのだって、当たり前のこと。 だったら、あたしも頑張るしかないようね。 小手調べに思ったり、簡単に肩をつけたりって考えてたから負けたんだし、ここはもう、本気を出さないと負けね。 志穂:「納得したわ。本当は弱いはずのあなたたちがどおりで強くなってるわけね。」 ブラスト:「本当は弱いだと!!俺の今の力に弾かれたくせによく言うな!もう一度、この熱き鼓動を食らえ! ウィンディ、バクフーン、オーバーヒートでダブルマグナムフレイムだ!」 要するに、二つの火炎放射による合体攻撃ってことね。 攻撃は向かってきた。 このままだったらメガニウムたちはやられちゃうだろうから、すぐにボールに戻した。 でも、あたしは動かないよ。 これでもあたしは竜宮神社の巫女。 属性は炎と雷を持ってるけど、それが全部じゃないから。 志穂:「まさかここまで力を出さなきゃいけない相手がドリームだったとはね。この子を使っても十分な相手…。」 炎の光線は地面を大きく抉りながら、岩や土を含んでさらに威力を増していた。 ブラスト:「どうしたんだ?負けを認めたか?」 志穂:「…馬鹿みたい。あたしがそんなことをするとでも思ったの?ていうか、負けを認めるのがあたしよりも嫌いな子がいるの。 出てきて、あの人に力を見せてあげなさい!」 ブラストはようやく、あたしから放出されている妙なオーラに気づいた。 でも、気づくのが遅いのよ。 志穂:「我は今召喚す、竜宮神社に伝わりし伝説の式神、水を纏い、雨を降らす恵の使者、出でよ、水竜!」 あたしの持っていたお札が変化し、周囲は静けさによって光線がかき消えてしまうくらいの状態になった。 そして、雷が鳴り、空が曇り、暗雲が立ちこめ、不気味な風が吹き、一本の雷が落ちた。 流石のブラストやポケモンたちも、これには驚いていたが、その数秒後、その緊張の糸は切れ、案の定、笑い出していた。 志穂:「笑うかもしれないとは思ったけど…」 水竜:「我の姿、おかしいのか?」 志穂:「いいえ、さっきまで何かすごいものが出るって雰囲気だったから、だからあなたの姿とのギャップがおかしいのよ。」 水竜:「…それはとてもプライドが傷付けられる事だ。」 あたしの式神の中で、最強クラスに位置しているのは、竜宮神社に祭られている5匹の竜、風、大地、水、火、雷をそれぞれ 纏った竜たちの分身なんだけど、あたしがいつも持っているのは、この水を纏った竜、水竜のみだった。 全て持っていたほうがいいらしいけど、そうなるとあたしの神社を守護し、街を守護するものがいなくなってしまう。 だからあたしは水竜の分身だけをお札に入れて持ち合わせていた。 でも、5匹の竜たちの姿は様々で、実際に伝えられているギャラドスみたいな感じの竜は、炎と雷の竜のみ。 後の3匹は、竜とは思えないほど、ファンシーだったり、人間体だったりするのだ。 そしてこの水竜は、海ちゃんのプータルと同様、ファンシー系の可愛い、子供のドラゴンって感じの竜だった。 ブラスト:「全く何をするかと思えば人を馬鹿にしやがって、今度はもっとすごく行くぞ!ルンパッパも出ろ! トリプルブレイクショットだ!」 要するに、3匹による破壊光線ってこと。 志穂:「水竜、来るよ。」 水竜:「ああ、既に準備はできている。我を仇名すもの、ここでしっかり天罰を下さねばならぬな。」 破壊光線は水竜に向かってきた。 が。 水竜が吠えた瞬間、攻撃は再び塵と共にかき消えていた。 それもそのはず、あたしは耳を塞いでいたけど、ブラストはトレードマークのように染められた金髪が真っ白になるくらい 恐怖を表情で表していたし、ポケモンたちもその場で倒れていた。 水竜はこの姿とのギャップが激しい竜で、こんな可愛い姿だけど、攻撃力とかは並外れのものじゃないのだ。 一言吠えるだけで、人一人の生命を奪う事だって楽にできるほどらしいから。 でも、守り神がそんなことをできるわけがなく、彼らはいつも、レベルを下げて吠えていた。 まぁ、レベルを下げてこれだから、多分、本気で吠えたら地球征服も可能じゃないのかな? 水竜:「呆気ない奴だったな。つまらぬ、志穂、またいつでも呼んでいいからな。」 志穂:「ええ。」 水竜:「それでは我は再び寝るとしよう。」 水竜はお札に戻った。 志穂:「さて、あたしはどうしようかな?」 水竜がブラストを倒した。そう思ってたけど、そんな簡単に運が向いたわけじゃなかった。 ブラスト:「待て。」 どうやら、しっかり気絶してたわけではなく、水竜が消えたから、ポケモンを回復させて、再びあたしと戦おうとしてるようだった。 ただ、運がいいことは一つだけあって、さっきの水竜の吠える攻撃のおかげで、ブラストがドリームから授かったらしい力のオーラが 消滅したようだった。 これなら、あたしのポケモンでも戦えるわね。 志穂:「うふふ、相手にとって不足はないわ!」 ブラスト:「けっ、いい気になるのはそれまでだぞ!バクフーン、ルンパッパ、あいつを痛めつけてやれ!」 バクフーンが火炎車で、ルンパッパが気合パンチで向かってきた。 志穂:「あたしは…、よし、ウィンディ、ピクシー、さっきのお返しをしてあげて!」 ボールから、ウィンディとピクシーが飛び出した。 志穂:「ウィンディは神速でバクフーンに攻撃、ピクシーは影分身でルンパッパに近づき、コメットパンチよ!」 バクフーンとウィンディ、ルンパッパとピクシーが激しくぶつかり合った。 でも、吹っ飛ばされたのはバクフーンとルンパッパだった。 ブラスト:「何!?」 志穂:「さっきの力は借り物だったのね。水竜の吠える攻撃で消えたようだし、もう弱い人に逆戻りかしら?」 ブラスト:「くそぉ…、バクフーン、煙幕だ!」 バクフーンの背中から煙幕が放出され、あたしたちは煙幕に包まれた。 ブラスト:「俺のポケモンは3匹だけじゃないぜ!」 何かポケモンが出る音がすると共に、ウィンディとピクシーが、煙を突き抜けてきたポケモンに跳ね飛ばされていた。 高速移動をしているのか、姿がはっきりしない。 ここは…。 ブラスト:「どうだ!手も足も出ないだろう!バクフーン、スピードスターだ!ルンパッパは葉っぱカッターで攻めろ!」 2体の何者かによる攻撃と、バクフーン、ルンパッパからの攻撃があたしたちを襲う。 ピクシーが光の壁を使おうとすれば、光の壁は瓦割らしき攻撃で壊され、倒されてしまった。 志穂:「ピクシー、戻って!ウィンディ、火炎車で耐えるのよ!」 相手が何者か分からない以上、火炎車の状態でいれば攻撃は出せない。 でも、あたしは既にポケモンは放っていた。 彼らの攻撃が鍵を握る…。 ブラスト:「どうだ!これで最後だ、行くぞ!」 ブラストの声と共に、煙の向こうで4匹のポケモンが強力な攻撃を放とうとしていた。 その時だった。 地面を割って、ハガネールのガーネが地面から飛び出したのだ。 しかも、ブラストたちの真下から。 志穂:「チャンスは今ね、出でよ、式神、ヤタガラス!煙幕を吹き飛ばして!」 煙幕のある中で相手に気づかれずに式神を出すって言うのは多分無理だと思った。 相手があたしのポケモンの場所に気づいていたってこともあり、式神を出せば、煙幕を吹き飛ばす前に攻撃されてしまう。 だから、あたしは地面に弱めの火雷砲を放ち、穴を開け、4つのボールを投げ入れ、その上に結界を張ってあたしが立っていたのだ。 そうすれば、はたから見てもそれは地面としか思えないはずだから。 そして、ポケモンたちはこっそりボール越しに指示した言葉を聞いて、地面の中で攻撃の準備をしていたのだ。 まさかブラストも、地面にガーネたちがいるとは思ってなかっただろう。 ブラスト:「くそっ、バクフーン、そして出て来い、ウィンディ!ハガネールに火炎放射だ!ルンパッパ、ハッサム、そして ニューラはウィンディを倒せ!」 煙が晴れた事で攻撃してきていたのがハッサムとニューラってことは分かったけど、あたしのウィンディに攻撃を集中させていた。 ウィンディは炎を出す力が尽きたらしく、逃げるしかない。 同時にガーネにも弱点の炎攻撃が来ていた。 だけど、あたしにはまだ3匹の仲間がいたから、だから全然負ける気はなかった。 志穂:「ランターン、滝登りよ!そしてハイドロポンプ!」 ガーネとバクフーンたちの間から水が噴き出し、ランターンが飛び出してバクフーンとウィンディをハイドロポンプで 一掃していた。 志穂:「ランターン、ガーネの上に乗って!ムウマ、ゲンガー、ニューラたちに電撃波よ!」 次に地面から飛び出したり、ぬっと出現したりしたのはムウマとゲンガーだった。 二人はハッサム、ルンパッパ、ニューラに電撃波を放ち、足止めをしている間にあたしは、ウィンディをボールに戻した。 志穂:「最後に、ガーネ、地震よ!」 電撃波も決まり、ウィンディが戻ったところでガーネの放った地震。 それは、ガーネの上にいるランターンにダメージを与える事はなく、特性が浮遊であるゲンガーとムウマにも効かず、 ブラストのポケモンたちだけがダメージを受ける結果になった。 これで倒れたのはハッサムと炎ポケモンだけだったけど。 ブラスト:「くっ、いきなりここまでやられるとは…!ニューラ、ムウマにシャドーボールだ!ルンパッパはゲンガーに水の波動!」 志穂:「悪あがきね、ムウマ、ゲンガー、影分身よ!ガーネ、悪あがきしてる子に竜の息吹よ!」 ムウマとゲンガーは影分身で攻撃をかわし、ガーネに対し、背中をがら空きにしていたニューラとルンパッパは、ガーネの竜の息吹を まともに受けていた。 これでルンパッパは倒れた。 志穂:「最後に、ランターン、10万ボルトよ!」 そしてとどめの10万ボルトを受け、ニューラも倒れるのだった。 ブラスト:「くそぉ!俺のポケモンたちをよくもやったな!」 志穂:「黙りなさい、後はあんただけよ。この状態で逃げるつもり?」 ブラストはあたしとゲンガー、ムウマ、ガーネ、ウィンディ(再び出した)、ランターンに取り囲まれていた。 ブラスト:「ならば、煙球だ!」 再びあたしたちは煙幕に包まれた。 でも。 志穂:「逃がさないわよ。出でよ、式神、送り狼!」 式神を放って数秒後、狼の遠吠えと、ブラストの悲鳴を聞くのだった。 志穂:「あたしの送り狼は、本来の妖怪としての能力とは違い、あたしが追いたいと思ってる相手を追いかけ、そして、 相手にあたしが一撃をいれたいと思っていたら、相手のお尻を強く噛み付くってことにしてあるのよね。 本来なら護衛の役割だけど、あたしの場合は逃亡した相手を追いかけて、場所を察すると同時に攻撃すること。 (もう少し、噛み付くように念じようかしら…?)」 ブラストの悲痛な悲鳴は、数分くらいの間、止む事がなかった。 ユウ:「一撃で倒せると思ったんだけどな…」 タロス:「俺は昔みたいにはいかない。昔のケンタロスたちだけで俺の力を決めるのは間違いだったのさ。」 やべえ、俺、押されてる…。 俺の相手は俺のボーマンダでおびえるケンタロスしか使えないとばかり思ってた、ケンタロス部隊のタロス。 でも、一匹のケンタロスだけはおびえてなくて、ボーマンダとの突進で相打ちし、俺のパートナーのボーマンダを 倒してしまっていた。 そうなると他のケンタロスたちは俄然やる気を出し、4匹のケンタロスは俺に向かってきていた。 タロス:「全員で突進だ!裏切り者に制裁を食らわせてやれ!」 ユウ:「フーディン、テレポートで一旦避けるぞ!」 前後左右からの突進は避けるに避けられず、テレポートでケンタロスから逃れるため、別の場所に動く。 しかし。 タロス:「ドードリオ、騙まし討ちからドリルくちばしだ!」 いつの間にかフーディンの背後についていたドードリオのドリルくちばしが、フーディンを一撃で倒してしまっていた。 ユウ:「くっ、ボーマンダに続いてフーディンまでが…」 タロス:「残念だったな。戦力を二つも欠いて、後はエレブーだけだったな。しかし、エレブーもケンタロス4匹の地震から 逃れられるのかな?」 たとえエレブーでもそれは無理だ。 エレブーが地震を耐えても、ドードリオを倒すので精一杯だとしか思えない。 タロス:「2の島では散々だったし、その分も返してやるとするか。ケンタロス、10万ボルト、大文字、吹雪、そして地震だ! ドードリオは破壊光線!」 5つの強力な攻撃が、俺に向かってきた。 エレブーがカウンターを使えたとしても、ミラーコートを使えたとしても、両方は使えないからやられてしまう。 逃げられないや。 ゲームやってる暇もないな。 俺のすぐ前まで、攻撃は飛んできていた。 すさまじい爆発が起きた。 タロス:「裏切り者のユウは消滅したかな?」 タロスは勝利を感じていた。 しかし、その直後、彼が見たのは、甲羅のような壁に守られたユウと、5人の少女の姿だった。 ユウ:「お前ら…」 海:「5対1は卑怯って言うものよ。あたしたちも参戦させて。」 美香:「ユウのポケモン、エレブーしかいないんでしょ?」 なずな:「あたしたちが参戦したら、お釣が来るんじゃない?」 いきなり目の前に、式神だっけ?それが出てきたと思ったら、知らない二人も含めて美香たちがいた。 驚いた直後に加勢宣言。 ここはおとなしく受け入れておくかな。 2の島での借りが、美香とはあるし。 ユウ:「おう、頼む。エレブー、出ろ!」 俺がエレブーを出すと、タロスが怒っていた。 タロス:「おい!せっかく男同士の正々堂々とお前を負けさせるための勝負をしてやろうって言う時に、どうして加勢するんだ! 卑怯だぞ!」 小麦:「卑怯なのは向こうだと思うなぁ。」 刹那:「確かに。正々堂々と負けさせる試合は成立しないな。」 この時、美香がエイパム、海がカポエラー、なずながヤミカラス、刹那がニューラ、小麦がラフレシアを出していた。 タロス:「くそっ、破れかぶれだ!どうせ、さっき倒れたケンタロスも元気のカケラで蘇らせてたし、お前ら、あいつらをやっつけろ!」 タロスがついに(5人に口で負けて)一斉に襲ってきた。 ユウ:「エレブー、雷パンチだ!」 突進してくるケンタロスの顔に向かって、エレブーが雷パンチを食らわし、ケンタロスはその場でストップしたが、勢いづいて止まれず、 雷パンチはそのまま体にも擦るようにぶつかっていった。 ユウ:「さらにケンタロスに抱きついて10万ボルトだ!」 雷パンチの痺れが消えていないケンタロスは、そのまま10万ボルトを受けて倒れるのだった。 美香:「エイパム、威張る攻撃よ!」 エイパムを踏みつけようとするケンタロスだが、エイパムに威張られて怒ったケンタロスは混乱した。 美香:「そのまま周囲を高速移動よ!」 自分の周囲を回り続けるエイパムを見て、なかなか攻撃できない上、混乱したケンタロスは目を回して倒れるのだった。 刹那:「ニューラ、凍える風だ!」 素早い動きで向かってくるドードリオに凍える風でけん制するニューラ。 ドードリオは寒さで動きが遅くなった。 刹那:「そのまま一つの頭にブレイククロー、別の頭に引っ掻く攻撃だ!」 ブレイククローと引っ掻く攻撃がそれぞれドードリオの頭を攻撃し、無事な頭に他の頭が怒り、頭同士が突付きあいの喧嘩を始めていた。 刹那が狙ったのはこれだった。 ドードーやドードリオは頭同士がけんかをすると、トレーナーの指示を聞かなくなるのだ。 刹那:「今だ、吹雪。」 ニューラの吹雪はドードリオを氷の中に閉じ込めるのだった。 海:「カポエラー、見切ってマッハパンチよ!」 突進するケンタロスはカポエラーにぶつかる瞬間に見切られ、よろけた。 そこを背後からマッハパンチで襲うカポエラー。 そのままケンタロスは地面に体を突っ込ませるようにして転んだ。 海:「今よ、トリプルキック!」 ケンタロスは転んだ状態から立て直そうとした。 しかし、既に背中が相手にがら空きだったため、トリプルキックはケンタロスを沈めるに至った。 小麦:「あまり戦いは嫌いだなぁ、ラフレシア、眠り粉よ。」 一応事故が故に能力者になった小麦だが、彼女は平和主義者だった。 そのため、ケンタロスは攻撃される間もなく、眠り粉で眠り込んでいた。 タロス:「何!?俺のポケモンたちが全て倒されるなんて…」 ユウ:「お前が俺たち全員の力を甘く見た結果だよ。」 海:「残念だけど、そのまま突っ込ませる戦い方は、明らかに倒してくださいって言ってるようなものよ。」 なずな:「だから倒したわよ。」 小麦:「諦めて、降参したらどうですか?」 刹那:「今なら楽に眠らせてやれるよ。」 美香:「それとも、反抗する?」 タロス:「くっ、女なんかに負けてたまるか!」 タロスは逆切れを起こして向かってきていた。 ユウ:「ハァ、美香たちで好きにしてくれよ。」 俺はもう、タロスに付き合いきれなかった。 海:「じゃ、好きにするわ。」 その言葉に答えたのは海だった。 しかし、手を下したのは小麦と呼ばれていた少女だった。 小麦:「悪い子ちゃんにはお仕置きだよ!必殺、カマイタチ真空斬り!」 平和主義とか言っていた少女が放った風の刃は、タロスの服を切り刻み、裸にしていた。 どうやら、威力が弱いらしく、逆にタロスの裸を見る羽目になった少女は…。 小麦:「…いやぁ〜!!痴漢!変態!どスケベ!あっちに行って!」 タロスに暴言を連発し、すさまじい突風でタロスを吹っ飛ばすのだった。 意外にすごい奴だって、今ものすごく思った。 これだから女ってのは分からないな。 レイン:「お姉さんのポケモンって弱いね。僕の勝ちだね、これなら。」 ライ:「うるせえ!アタイはまだ戦えるんだよ!」 アタイの相手の団員はやけに強かった。 あいつが言うには、あいつは妖怪らしい。 あいつが何で、スペース団にいやがるのかは分かんねえけど、あいつの雨を降らす攻撃から避けてポケモンを出したが、 頼みの綱のデンチュウが、奴のオーダイルに負けちまった。 あいつはプテラとハガネールも出してアタイに向かってくるけど、フロートやバックン、ボインではあいつを倒すのは難しい。 でも、ヒカリもどこかで頑張ってんだ。 他の奴らもどっかで頑張ってる筈だ。 アタイが頑張らなきゃどうすんだよ。 このナナシマ列島、アタイの故郷をこんなやつらに壊されてたまるかってんだ! レイン:「攻撃してこないの?それじゃ僕から行くよ!オーダイルはルージュラに爆裂パンチ、プテラはゴーストに超音波、 ハガネールはスリーパーに噛み砕く攻撃だ!」 レインとポケモンたちは向かってきた。 こうなったらできるだけやってやる! ライ:「ボイン、猫騙しだ!フロートはナイトヘッド、バックンは催眠術で対抗しろ!」 出たばかりのボインはオーダイルに猫騙しを放ったが、目をつぶっていたオーダイルには通用せず、ボインを沈めてしまった。 バックンもフロートも対抗してみたが、桁の違う威力の攻撃には歯が立たず、気づけばアタイのポケモンは3匹とも倒されてしまっていた。 ライ:「ボイン、バックン、フロート…」 レイン:「残念でした。桁が違うんだよ、お姉さんのポケモンと僕のポケモンじゃ。さてと、能力者のお姉さんじゃないけどさ、 命令は命令なんだ。ここでお姉さんを僕のやり方で処刑させてね。雨雲よ、来い!」 突然、アタイとあいつの周囲の空を、雨雲が覆い始めた。 レイン:「僕は雨を呼ぶ事ができる妖怪だけどね、雷も呼べるんだ。」 レインは小さな雨雲の上に乗って、アタイを見下ろしていた。 ライ:「ぐっ…、アタイに雷を落として殺そうって言うのか?」 レイン:「よく分かったね、そうだよ。一思いに苦しまずに死ねるからね。スペース団に敵対したのが悪いのさ。 お姉さん、バイバイ。」 アタイに向かって、雷が放たれた。 だが、雷はアタイに向かう途中、突然別の方向に軌道を変え、落ちていった。 レイン:「何!?」 そして。 菜々美:「必殺、特大音波!」 突然走ってきた菜々美という少女が、メガホンから放った、目にも見える大きなワッカの音波が、頭上の雲を消し飛ばしていた。 菜々美:「大丈夫?救援よ。」 ライ:「ああ、助かったぜ。」 菜々美:「あたしの方はもう終わったところよ、健人も元に戻ったし。あの雷は、健人のサイホーンが特性の避雷針で 雷をひきつけてくれたの。」 ライ:「それは助かった。」 アタイがホッとしていると、レインは怒って降りてきた。 ポケモンも動き出そうとしている。 レイン:「ちぇっ、せっかくいいところだったのに、邪魔しやがって。」 菜々美:「雨降り小僧、あんたの思い通りには行かないんだからね。クロバット、鋼の翼よ!」 健人:「エビワラー、爆裂パンチだ!」 菜々美と、健人って呼ばれた青年が放ったクロバットが、エビワラーが、プテラを、そしてハガネールを攻撃し、沈めていた。 レイン:「あぁ!不意打ちは卑怯だよ!」 菜々美:「多勢に無勢、能力者じゃない人に攻撃をしたあなたの罪は重いわ!」 健人:「ここでお前を元に戻してやるよ。菜々美、行くぞ!」 菜々美:「ええ、ライ、手伝って!」 ライ:「ああ、ここはコンコン、出て来い!炎の渦だ!」 アタイのコンコンが炎の渦でオーダイルを閉じ込め、渦が消えた直後を、クロバットのエアカッターとエビワラーの目覚めるパワーが 襲った。 レイン:「オーダイル!!…もう怒ったよ、みんな許さないよ!僕の力を受けてみろ!」 ライ:「させっかよ!コンコン、鬼火だ!」 レインの周囲を鬼火が飛び交い、レインが術を放つのを妨害すると同時に、奴の集中力を途切れさせた。 健人:「今だな、エビワラー、スカイアッパーだ!」 エビワラーのスカイアッパーが、レインのいる小さな雨雲を破壊し、レインは落下していた。 菜々美:「最後はあたしよ!必殺、癒しのメロディ、ラブリングミュージック!」 菜々美のメガホンがハープに形を変え、そのハープから放出された音符とメロディが、レインを包み込んでいった。 すると、レインからは薄気味悪い黒いモヤが放出されていった。 菜々美:「あれは洗脳された時にドリームによって体に注入されたもので、アレが原因で悪魔に心を売ったようになってしまうの。 でも、アレが出たから、もうレインは、元の天知って言う純情な妖怪トレーナーに戻ったわ。」 ライ:「そうなのか、助けてくれてありがとな。」 菜々美:「こちらこそ。」 アタイが天知の顔を覗き込んだら、奴はさっきとは打って変わって平和そうな表情で眠ってた。 ライ:「…、ちょっと仕返ししていいか?」 ふと頭に浮かんだ。 菜々美:「いいわよ、自分は最強とか普段から自信たっぷりに言ってる天知があたしたちの敵になって襲ってきたんだもの。 お説教はしないといけないし、それも兼ねて、好きにやっていいわよ。健人もそう思わない?」 健人:「そ、そうだな…。」 確か、菜々美の彼氏が敵になってたんだよな。 当分こいつも菜々美の尻に敷かれるんだろうな。 まぁ、いいや。 アタイはフロートとバックンを元気のカケラで元気にしてから言った。 ライ:「あのさ、二人ともこいつに仕返しを兼ねて、悪夢と夢くいをしてやれよ。許可は出てるからな。」 すると、二人は嬉しがってやっていた。 お前らもいい性格してるぜ。 と思っていたら、もう一人、伏兵がいた。 ボインだ。 一応元気のカケラで復活はさせたんだけど、ボインには何も言ってなかったけど、こいつがやってくれた。 目を覚ましかけた天知は、アップのボインを見て飛び起きたが、再び「悪魔のキッス」で眠らされ、再び夢くいと悪夢を 受ける羽目になっていた。 菜々美:「うふふ、あなたのポケモンもやるわね。」 ライ:「そうだな。」 アタイは笑うしかなかった。 セイラム:「ハァ、ハァ、ハァ…、これだけ言っても分からないのなら、ポケモンバトルでどちらの言い分が正しいのか、 決めてしまいましょ。」 ヒカリ:「ハァ、ハァ、…そうね(でも、あまり息切れしてないあたしのほうがオバサンなんかより若いってことは事実よね)。」 実は戦いが始まり、二人が対峙してからの3時間、ずっと二人は毒舌の口喧嘩を繰り広げ続けていたのだ。 (その内容は差別用語や放送禁止用語も混ざるほどの強烈なものなので、小説として投稿するのは差支えがあるので、いつもなら出してますが 今回は削除しました。すさまじい毒舌合戦だったことをご想像ください。 例えば、テ○ー伊○と○木さ○かが口喧嘩をしたような…、あ、ちょっと違うか。) セイラム:「行くのよ、スターミー、パラセクト!」 ヒカリ:「フライゴン、バシャーモ、行くよ!」 オバサンが出したのはオバサンのパートナーの水・エスパータイプのスターミーと、虫・草タイプのパラセクト。 対してあたしは、地面・ドラゴンタイプのパートナー、フライゴンと、炎・格闘タイプのバシャーモだった。 この場所が湿地帯や水場だったらラプラスやジュゴンが出せたのに…、ここは水気が全くない畑の土のような土だけの真っ黒な土地だった。 何かあるといけなかったので、あたしはフライゴンに乗った。 セイラム:「うふふ、あなたのポケモンではあたしには勝てないわね。」 ヒカリ:「やってみなきゃ分からないわ!」 セイラム:「どうだか?パラセクト、キノコの胞子よ!スターミーは凍える風に胞子を乗せて!」 あのオバサンはスペース団のマッドサイエンティスト。 多分、スターミーやパラセクトにも多大な薬品を調合して使ってるはずだから、普通のポケモンと同じであるとは考えない方がいいだろう。 その考えどおり、キノコの胞子を乗せた凍える風がバシャーモとフライゴンに向かってきた。 ヒカリ:「バシャーモ、熱風よ!」 あたしだってカンナさんの元で修行したりしたのよ。 元々熱風を覚える事のないバシャーモが熱風を覚えられたのはカンナさんのおかげ。 熱風は凍える風と相殺し、大量の水蒸気に変わった。 一瞬霧がかかったように、何も見えなくなるフィールド。 そして。 霧が晴れた時にはパラセクトの姿はなくなっていた。 その時間、数十秒の間に。 ヒカリ:「パラセクトはどこに…。」 セイラム:「後ろよ、パラセクト、バシャーモにヘドロ爆弾よ!」 はっとして振り向いたときには遅かった。 あたしが見たのは、どす黒い液体がバシャーモの全身を覆い、バシャーモがその場に倒れる姿だった。 ヒカリ:「フライゴン、飛翔して!戻れ、バシャーモ!」 あたしはフライゴンをバシャーモの二の舞にしたくなかったので飛翔させたけど、開閉装置は故障してないのに、 バシャーモはボールに戻す事ができなかった。 ヒカリ:「嘘…、あの液体が戻すのを遮ってる…」 セイラム:「残念でした。あたしのパラセクトのヘドロ爆弾はポケモンが本当の死を迎えるまで、その体から離れる事はないのよ! 相手のポケモンが本当に復活するのを阻止しなきゃ、再び再戦してくるのを阻止しなきゃ、こっちが負けちゃうもの。」 ヒカリ:「ひどい!どうしてそんなに残忍な事をするのよ!」 セイラム:「これがスペース団のやり方よ。それよりも、あなた、余所見をしていてもいいの?」 ヒカリ:「えっ?あっ!」 あたしはバシャーモに気を取られすぎていて、スターミーが浮き上がってきた事に気づいていなかった。 ヒカリ:「フライゴン、急カーブ大旋回で避けて!!」 セイラム:「させないわよ、スターミー、ハイドロポンプ!」 スターミーの全ての口(?)と思われる、星の角から水が噴射し、回転してフライゴンに向かってきていた。 あたしが避けることを指示したけれど、それでもスターミーの攻撃からは避けられず、フライゴンは体全体に水を浴びて落下してしまうのだった。 ヒカリ:「この状態じゃ、セイラムを倒すのは難しいわね。フライゴン、戻って。」 あたしはフライゴンが何とか着地してくれたおかげで助かり、フライゴンをボールに戻したけれど、前にはスターミーとセイラム、後ろには パラセクトがいて、あたしが動けば奴らも動くと思われるような状態になっていた。 セイラム:「これで勝負は決まったわね。そこのバシャーモも虫の息だし、そろそろあたしに今までの暴言を謝罪しなさい。 そして、自分はブスで馬鹿で、汚いドブに住む、最低な女ですって、宣言しなさい!言ってくれたらあたしがその髪の毛を切り刻んであげるから。」 ムカッ! ヒカリ:「バシャーモは心配だけど、誰がそんなことを言うもんですか!この全身整形不細工婆!」 セイラム:「ふん、負け犬に言われる筋合いはないわ。それを負け犬の遠吠えって言うのよ。」 ??:「それじゃ、あなたがあたしに負けたら、あなたが負け犬になるのね。」 誰かが草むらから飛び出してきた。 確か…、蓮華ちゃんの妹の鈴香ちゃんだっけ。 そして、不意打ちの攻撃を仕掛けていた。 鈴香:「デービ、そこのパラセクトに火炎放射よ!」 ヘルガーの火炎放射がパラセクトに襲い掛かったが、パラセクトはその姿から想像できない速さで火炎放射から逃げていた。 セイラム:「誰が来たかと思ったけど、そんな攻撃じゃパラセクトを倒せないわよ。」 パラセクトは普通はあんなに早く動けない。 多分、薬品か何かであそこまで早く動けるようにしたのだろう。しかも、この土地のおかげで足音は全くしない。 だからさっき、背後に回られていたことに気づかなかったんだ。 でも、伏兵は鈴香ちゃんだけじゃなかった。 ??:「まだあたしもいるわよ!セレビィ、癒しの鈴でバシャーモを助けて!」 やってきたのは律子で、セレビィの力は薬品なんかよりも大きかった。 癒しの鈴の音色が、あの液体を浄化し、消してくれたのだ。 セイラム:「な、何ですって!?」 ヒカリ:「よかった、律子、ありがとう。」 律子:「どういたしまして。さて、早くそこの団員を倒しましょ。みんなに伝えなきゃいけない事があるの。」 律子はセイラムなんか、全く眼中にないようだった。 セイラム:「おのれ!パラセクト、ヘドロ爆弾だ!スターミーはスピードスター!」 律子の行動はセイラムの怒りに触れた。 でも、仲間が増えた事はあたしを落ち着かせると同時に、セイラムよりも有利に思わせる優越感を働かせていた。 ヒカリ:「律子、鈴香ちゃん、一斉攻撃よ。」 鈴香:「うん!」 律子:「ええ、でもその前にセレビィ、神秘の守りよ!」 セレビィの神秘の守りがヘドロ爆弾を防ぎ、スピードスターは律子が始めから出していたロゼリアとハピナスの攻撃によって 弾かれていた。 必ず当たる攻撃も、卵爆弾で軌道を壊され、マジカルリーフで一つ一つ破壊されれば意味がないものだった。 ヒカリ:「それじゃ、行くよ!ラプラス、出てきて!吹雪攻撃よ!」 鈴香:「ボイス、ハイパーボイスよ!デービはシャドーボール!」 律子:「セレビィ、サイコキネシス!ロゼリア、マジカルリーフ!ハピナス、卵爆弾!」 6つの攻撃は重なり合って、セイラムのポケモンたちに直撃した。 スターミーは高速スピンで攻撃を弾き返そうと、パラセクトは素早い動きで攻撃から逃げようとしていた。 けれども、必ず相手に当たるマジカルリーフが5つの攻撃を纏っていたことでパラセクトが、サイコキネシスとハイパーボイスという 物質ではないものによる攻撃で物理攻撃を緩和しようとしたスターミーが倒され、セイラムに向かって吹っ飛ばされたのだった。 セイラム:「きゃっ!スターミーとパラセクトが負けるなんて…。こうなったらこの薬品で!」 ポケモンが負けたことで、自暴自棄になったセイラムは、あたしたちに向かって薬品を大量に投げてきた。 だけど。 今度の伏兵は知らない人で、突然現われたスレンダーな綺麗な人は、巨大な津波で土地の土ごと濁流を起こし、薬品と共にセイラムを遠くまで 流していた。そして、遠くの方で大爆発が起きる音がし、セイラムと思える影が飛んで行くのが見えた。 多分、薬品が爆発したんだろう。 「混ぜるな!危険」って感じの色の薬品だったし。 それにしても…。 ヒカリ:「あの、どなたですか?」 律子:「あ、助けてくれてありがとうございます。能力者の方…じゃないようですけど…」 鈴香:「さっきあたしの助けてくれたのもあなたでしたよね?」 しかし、その女性は何も言わず、その場で微笑むと同時に姿を消した。 ただ、言葉を出さない口の動きが、「あたしが味方であることだけは伝えておくわ」と動かしていたけど。 一体、彼女は誰なんだろう…。 ヒカリ:「そういえば、律子、さっき伝えなきゃいけない事があるって言ったよね?それって何のこと?」 鈴香:「そうそう、教えてよ。」 律子:「ああ、あのね、アンノーンたちのいる遺跡に行って解読した結果、分かった事があるの。 デオキシスを封印するためには、炎、水、草の力が必要なんだって。昔、伝説のポケモンたちと一緒にデオキシスを封印するのを手伝った人間がいて、 彼らはあたしたちと同じ能力者だったの。その能力者の力が炎、水、草の力だったわけよ。だから再び封印するには、炎と水と草の能力者の力が 必要なのよ。」 あたしたちは律子の話にただただ驚き続けるばかりだった。 炎は美香ちゃん、水は来美さん、草は蓮華ちゃんのことなのかな? 鈴香と別れた蓮華は、ユウや美香たちと合流し、スペース団本部に向かっていた。 ストールや渚、健人や菜々美、哲也や一志、悠也たちも、戦いを終えたものは続々と本部に向かいつつあった。 しかし、まだ戦っているものがいることを彼らはそれなりに感じ、そこに向かおうともしていた。 まだ、幹部は3人残っているのだ。 団員も確実に倒せたわけではない。 しかも、ドリームの力が半端ではないのだ。 そんな中。 ヒータス:「ドルク、そろそろ俺に心を開いてくれてもいいんじゃないか?」 涼治:「…。」 涼治はヒータスから散々告白をされてうんざりしているのだった。