フヨウ:「この入り口の向かうにいるのね、レジロックが」 ダイゴ:「ああ、相手は岩タイプだが油断はならない 一度カイオーガとグラードンが復活した際にゲットしたときよりも、 力は数倍上げられているはずだ」 晃正:「それを俺がゲットするんですか?」 フヨウ:「そうだけど?」 緊張気味の晃正に対し、あっけらかんに答えるフヨウ。 マイペースのようだ。 まぁ、現在の状況を知りつつも冷静に自分を保っていられるのは四天王たちとナナ、ルナくらいだろう。 ダイゴ:「安心しろ 君がゲットするのは決まっているが、できる限りのサポートはする」 フヨウ:「そうでなきゃ、あなた一人をここに来させているわ そろそろ中に入らない? これ以上、日焼けしたくないのよね」 ダイゴ:「そうだな グラードンの日照りの影響は徐々に増している」 実際は夜なのに、日照りによって昼夜は関係なくなっていた。 ダイゴ:「ところで、他の場所はどうだ?」 フヨウ:「今聞いてみる …どうかな、調子ぃ」 フヨウがポケギアをかけると、返ってくる声は聞きなれたものだった。 浅香:「フヨウさん、こっちも場所に着きました こっちもグラードンの特性によって日照り状態ですけど、洞窟の中までは 影響は及んでません」 清香:「私たちもレジスチルのいる祠に着きました カイオーガの影響はあるはずなんですが、祠の中まで雨や洪水は来ていないので、 プリムさんの力が十分に発揮できるようです」 フヨウ:「だそうよ、ダイゴ」 ダイゴ:「了解 みんな、できるかぎりのことをしてほしい ホウエンで足止めが出来なければ、思っていること以上の大災害が 起きるのは間違いないことだから」 カゲツ:「了解したぜ、ダイゴ君」 プリム:「私達の力、120%以上出し尽くしてみますわ」 ルナ:「それじゃ、そっちも頑張ってね!」 こうしてポケギアは切れ、どうやらかなり緊張しているのは晃正だけだと分かった。 フヨウ:「ほら、行くよ あなたも肩の荷を抜いて、リラックスしなきゃダメだよ」 晃正:「は、はい!」 ダイゴ:「それじゃ、行くか」 3人は石の洞窟のような祠に入っていった。 数秒後、『侵入者を始末する』という言葉を聞くことになるのだが、実際にそれは他の場所でも言われていた。 そして、3人には岩が突如降り注いでいた…。 第3章 17.3つの太古の力 晃正:「これがレジロック…」 フヨウ:「前にカゲツがゲットした時よりもでかくなってるわ」 ダイゴ:「グラードンとカイオーガの力が強くなった分、あの2体を抑えるために彼らも力を増したんだ 来るぞ!」 レジロックは岩なだれで3人を攻撃するが、ダイゴはメタグロスを出して、晃正は本来の姿になってフヨウを乗せ、攻撃から逃れていた。 フヨウ:「ふぅ〜ん、これがケンタウロスって姿なのね」 晃正:「ええ、でも今はじっくり見てる暇はないっすよ!」 フヨウ:「分かってるわよ ダイゴ君、そっちは大丈夫?」 フヨウが尋ねると、幾つもの岩の下から、ダイゴがメタグロスのコメットパンチで脱出して来ていた。 ダイゴ:「心配はない だが、コイツをゲットするには手間取りそうだな」 フヨウ:「ええ、前みたいに簡単には行かないわ ヨマワル、シャドーボール!」 3人に向かってくる『岩落とし』がシャドーボールによって砕かれ、相殺された。 フヨウ:「少しずつ、相手の戦力を削るべきね」 ダイゴ:「そのようだな メタング、ダンバル、突進だ!」 鋼タイプの2体による突進がレジロックにぶつかっていくが、レジロックは少しよろめいただけだった。 続いてヨマワルのシャドーボールも放たれるが、身体にぶつかって四散してしまっている。 どうやらかなり強力なボディのようだ。 ダイゴ:「防御力は前より増しているな この分だと僕のメタグロスのコメットパンチでも骨が折れそうだ」 フヨウ:「それじゃ、攻撃は確実に一撃必殺技を当てる以外にないわ」 晃正:「でも、一撃必殺技じゃ倒しちゃってゲットできないんじゃ…」 フヨウ:「普通のポケモンならね でも、こいつ等は違うのよ それくらいでも気絶する程度 ゲットするには十分よ」 ダイゴ:「そういうことだ」 その時、3人に向かって強力な波動が放たれた。 周囲の壁も一気に吹き飛ばし、祠自体が崩れていく。 レジロックの『馬鹿力』だ。 晃正:「大丈夫っすか?」 その力に対抗し、ダイゴとフヨウを守ったのは晃正の持っている斧だった。 これは晃正の武器の『アーストマホーク』。 大地の力を司るもので、岩や地面からの力を受け付けないのだ。 これによって瓦礫から身を守ったわけだ。 フヨウ:「助かったわ」 ダイゴ:「だが、このままではレジロック自身がここを離れてしまう メタングは念力、メタグロスはサイコキネシスで レジロックの動きを封じるんだ!」 エスパータイプでもあるメタングとメタグロスから発せられた力がレジロックを縛り付けるように動けなくしていった。 だが、レジロックからは電気の固まりが放出されている。 どうやらノズパス同様電気技が使えるようで、これは10万ボルトのようだ。 ダイゴ:「ユレイドル、少しの間でいい 僕らを守ってくれ!」 ダイゴは岩・草タイプのユレイドルを出し、一時的な障壁の役割を担わせた。 ユレイドルは根を張ることで、攻撃を受けても回復できるようにしている。 ダイゴ:「フヨウ、今のうちだ!」 フヨウ:「分かったわ、ダイゴ君 サマヨールにジュペッタ、ちょっと出てきて!」 フヨウはゴーストタイプのエキスパートだけに、サマヨールとジュペッタを出した。 フヨウ:「サマヨールは鬼火でレジロックに身体を焼くのよ! ジュペッタはレジロックの放った攻撃を恨みで減らしていって! ただし、メタングとメタグロスが頑張ってるから、彼らには攻撃を与えないようにしてね!」 フヨウが言うと、少し気味が悪いのだがにこやかに2体は微笑み、そしてそれぞれの攻撃を始めた。 さすがに鬼火を使っても防御力の高いレジロックには小さな焦げ目さえもつかない。 だが、ジュペッタの恨みは成功しているようで、ユレイドルに再び力が弱まった馬鹿力が放たれたが、すぐに出せなくなったようだ。 フヨウ:「恨みによって使える技のPPが減少したわ あとは、悪あがきに持ち込んで自滅させることだけ だけど、それよりも先に 一撃必殺の攻撃が与えられたらいいわ」 晃正:「分かりました それじゃ…ダグドリオ、行ってくれ!」 ダイゴとフヨウのサポートによってレジロックの動きが封じられたため、晃正も動き出した。 晃正:「ダグドリオ、レジロックに砂地獄だ!」 ダグドリオが地面を掘り進み、サイコキネシスや念力の力に触れないように地面を耕していく。 そしてレジロックの体が徐々に沈み始めていた。 砂地獄は一定の時間、相手を地面に埋める事で動きを封じる技だ。 大きくて体重も重いだけに、レジロックの身体は徐々に埋まっていった。 晃正:「ダグドリオ、それくらいでいい!」 ダイゴ:「メタング、メタグロスも戻ってくれ!」 砂地獄にレジロックの体が半分埋まると、ダイゴもフヨウもポケモンを戻していた。 晃正:「ダグドリオ、それじゃやってくれ! 地割れだ!」 ダグドリオの体が震えだし、そして強力な力によって、ダグドリオのいる場所から地面が割れていった。 そしてレジロックにぶつかると、あの鬼火さえも寄せ付けなかったレジロックの身体にひびが入り、そしてレジロックの動きが止まるのだった。 晃正:「頼むぞ、ヘビーボール!」 相手が重いポケモンのため、晃正はヘビーボールを投げた。 そしてレジロックは吸い込まれていく。 数秒後、レジロックは晃正にゲットされたのだった。 ダイゴ:「まずは完了だな」 フヨウ:「晃正君、お疲れ様」 晃正:「いえいえ…」 浅香:「アレがレジスチル…」 カゲツ:「前はゲンジが捕まえたんだったかな」 ルナ:「でも、今回は私たちよ 鋼タイプだけど、ちょうどいいわね」 カゲツ:「あぁ、ここにいるメンツにとって、相性がそれほど悪い奴じゃないな」 浅香の持つポケモンはアサギシティのジムリーダーのミカンと同じような鋼や電気タイプが多く、カゲツは悪タイプのエキスパートだった。 岩タイプやノーマル、氷タイプじゃないだけマシではあるのだ。 だが、格闘タイプがいないのも事実なわけで、攻撃を行うのは浅香のデンリュウとルナのポケモンが主体となるだろう。 浅香:「そういえば、ルナはどういうエキスパートなの?」 ルナ:「地面って人には言ってるけど、最近は違うのよね だからラッキーなんだけど…」 カゲツ:「なんだ? また変えたのか?」 ルナ:「いいでしょ、お姉ちゃんと同じで私も全種類を使いこなす事は出来るんだもん 今は炎と鋼よ」 浅香:「炎…、それって確かにラッキーですね」 ルナ:「でしょ?」 こんな話をしている3人だったが、実はレジスチル、既に3人に近づいていた。 レジスチル:「侵入者、削除すべし…」 そして、力いっぱいのコメットパンチで襲ってきていた。 ルナ:「避けて!」 ルナの掛け声で一斉にその場から走る3人。 ルナはポニータに、カゲツはアブソルに乗り、浅香はレアコイルに掴まっていた。 浅香:「レアコイル、金属音よ!」 カゲツ:「ソリュー、睨みつけてやれ!」 しかし、レアコイルやアブソルの攻撃に動揺もせず、レジスチルは第2、第3のコメットパンチで攻撃を仕掛けてきた。 ルナ:「無理よ、レジスチルの特性はクリアボディだもん 能力を下げる技は通用しないわ!」 浅香:「それなら、レアコイル、ロックオンから電磁砲よ!」 カゲツ:「ソリュー、奴の足場をカマイタチで崩してやれ!」 レアコイルの3つの目がレジスチルから離れなくなり、身体に電気が溜まっていく。 同時にアブソルの周囲を空気の渦が巻きはじめた。 だが、立っているだけでは相手の攻撃を受けてしまうに過ぎない。 そのためにルナが動いていた。 ルナ:「ポニータ、炎の渦よ!」 ポニータから発せられた炎の渦がレジスチルを取り巻き始め、始めて動きの止まるレジスチル。 どうやら自分の弱点には気づいているようで、炎を見て驚いているようだ。 その隙に、レアコイルの電磁砲が放たれ、さらにアブソルのカマイタチがレジスチルの足元に向けて放たれていった。 だが、しかし、上手く行くわけではなかった。 突然炎の中でレジスチルが何かを行ったのだ。 ルナ:「これは…」 カゲツ:「やべえな…」 浅香:「何か…来る!」 炎の中から強力な波動が一面に渡って放たれ、祠も一緒に吹き飛んでいた。 レジスチルの『馬鹿力』によるものである。 ルナ:「大丈夫、カゲツさん」 カゲツ:「ああ、助かったぜ」 2人はルナのクチートの鉄壁で助かっていた。 ただ、クチートは格闘タイプの技である馬鹿力によって力尽きていたが。 カゲツ:「あのお嬢ちゃんはどうした?」 ルナ:「浅香ちゃんなら、あそこよ」 カゲツ:「うほっ!」 2人の視線の先には、ハガネールに乗ってレジスチルと戦っている浅香の姿があった。 レアコイルは先ほどの攻撃で倒れたようで、ハガネールに乗り、レジスチルに攻撃を仕掛けている。 浅香:「ハガネール、締め付けるのよ! そしてレジスチルに噛み砕く攻撃!」 強硬なハガネールの身体がレジスチルをジリジリと締め付けていく。 そして鋼の牙がレジスチルに噛み付いた。 奇妙な呻き声は多分、レジスチルの声だろうか。 だがそれは兎も角として、浅香の攻撃がレジスチルを追い詰めているようだ。 しかし、レジスチルは腕を振り上げ、ハガネールにコメットパンチを叩きつけようとしていた。 カゲツ:「危ないな、ダーテング、自然の力だ!」 ルナ:「アチャモ、火の粉よ!」 浅香に向かってコメットパンチが振り下ろされようとする。 それを阻んだのはダーテングの自然の力によって放たれた多くの岩だった。 どうやら岩雪崩が出たらしい。 さらに火の粉がレジスチルに小さな隙を作っていた。 その隙に浅香はソリューに助けられてその場を離れた。 浅香:「助かりました」 そんな時、浅香はソリューの首にかかっているリボンを見た。 浅香:「この子、♀なんですね でも、これ、カゲツさんが?(明らかにカゲツさんには似合わないなぁ)」 カゲツ:「いや、俺はつけただけだぜ これはソリューにつけてやってくれって言われただけだしな(今俺には似合わないって思ったな?)」 浅香:「そうなんですかぁ(言ってないですよ〜!!)」 カッコ内は表情と心での会話です。 それは置いといて、浅香は気になりながらもハガネールをボールに戻していた。 レジスチルの攻撃でハガネールが押され始めていたからだ。 そんな中、既に会話中の二人を差し置いて、ルナがギャロップを出し、次なるバトルをはじめていた。 ルナ:「こんな時に何話してんのよ!」 浅香:「ゴメン! リボンをつけるように頼んだ人が気になるけど後回し! デンリュウ、行って!」 カゲツ:「グラエナ、お前も出て来い!」 浅香は新たにデンリュウを出し、カゲツはダーテングとソリューを出したまま、グラエナも出していた。 カゲツ:「ソリューとグラエナ、一斉に吠えてやれ ダーテングは神通力を足元に向けろ!」 ルナ:「ギャロップ、ちょっと下がるよ!」 浅香:「デンリュウ、充電してて!」 カゲツが前に出ると、ルナと浅香は下がる。 そしてソリューとグラエナが吠えた。 この場合、ポケモンが逃げ出すのがオチではある。 だが、レジスチルはぎょっとして驚くだけだった。 しかし、それをカゲツは待っていたのだ。ダーテングの神通力によって後ろ側にレジスチルは押され、さらに驚いて尻込みしているために、 レジスチルは背後に向かって転がっていた。 浅香:「デンリュウ、今よ! 電磁砲!」 ルナ:「ギャロップ、炎の渦!」 そして浅香のデンリュウによる電撃と、ルナのギャロップによる炎が無防備になったレジスチルに押し寄せ、レジスチルは炎と電撃にまかれて いった。 浅香:「今だ、いっけぇー! ハイパーボール!」 浅香はヘビーボールを持っていないため、ハイパーボールを投げていた。 ボールは綺麗な起動を描き、ようやく焦げ目などが付いたレジスチルに落ちた。 するとレジスチルは吸い込まれ、数秒後、ボールがかなり揺れたものの、ゲットできたのだった。 浅香:「やったぁ!」 ルナ:「お疲れ様! …だけど、まだあるけどね」 浅香:「分かってますよ さてと、それじゃ教えてくださいよ リボンをつけた人」 浅香はゲットするとすぐにカゲツに近づいた。 ルナは強引だと思いつつ、自分も知らないために聞きにいく。 しかし、2人は答えを聞いて驚いていた。 カゲツ:「人じゃねえよ そいつはコイツと同じアブソルさ」 ルナ:「アブソル?」 浅香:「で、そのアブソルは?」 カゲツ:「さあな 俺は2体ともゲットしようかと思ったんだけどな、そいつは俺が1体しかゲットしないからコイツは捨てられるって思った んじゃないのか? 既にゲットしてたこいつを守るために、これを残して姿を消したのさ だからずっとソリューはそいつを待っている 俺もそいつが再び目の前に現れたら、ゲットしてこいつと一緒に手持ちに加えようって 思ってるんだけどさ」 ルナ:「なんかカッコイイ話…」 浅香:「うん…」 共感する浅香だったが、どこかでその話を聞いたような覚えがしてならなかった。 人伝にその話を教えられ、ひどい目にあったはずなのに…。 香玖夜:「うわぁ…中はヒンヤリしてる…」 清香:「この向こうにレジアイスがいるからね」 プリム:「外は土砂降りだけど、中は雪が舞っているような神秘的な場所ね」 土砂降りをオニゴーリの作った氷の屋根で防いだ3人は、中に入り、香玖夜と清香は中の気温に一瞬身震いしていた。 清香:「プリムさんに言われて、厚着してよかったです」 香玖夜:「さっきの格好だったら、絶対に凍えちゃうよ」 さっきまで夏真っ盛りの服装だったため、コートなどを着て少しホッとしているようだ。 プリム:「でも、これからが寒いわよ」 清香:「レジアイスとの戦いですからね…」 香玖夜:「手持ちのポケモンフルに使ってでも、清香先輩がゲットできるように頑張らないといけないですね」 大人びてはいるが、一応、香玖夜は蓮華の同級生なので、この中では一番年下だった。 そのためか、多少の敬語を使っているようではある。 そんなとき、何かが動き出す音がした。 清香:「この音…」 香玖夜:「地響きか雨漏りですかね?」 プリム:「いいえ、どうやら参ったようですわ」 プリムのオニゴーリが中の冷たい霧を凍える風で吹き飛ばすと、近づいてくる氷山のような物体が目に入った。 プリム:「あれが、今から私たちがゲットしようとしているレジアイスですわ レジアイスが馬鹿力を放ってここを破壊したら、この周辺は 極寒の地となってしまうでしょう 様々な場所にも影響があるはずだから、早めにゲットできるように心がけましょう」 流石は四天王だけあって、プリムは香玖夜と清香を導くかのように動いていた。 プリム:「オニゴーリ、タマザラシ、粉雪と凍える風よ」 相手が氷タイプであっても氷タイプの攻撃で迎え撃つプリム。 レジアイスも吹雪を放ってきたが、力の差はなく、互角のようだ。 ただ、レジアイスの吹雪が氷タイプの攻撃2つ分に匹敵してはいるが。 清香:「それじゃ、オムナイト、天井に水鉄砲よ!」 プリムが時間を稼ごうとしているのを察した清香は、オムナイトの水鉄砲で天井に水を放つ。 すると、凍える風や粉雪、吹雪の影響で、天井に当った水は多くの氷柱に姿を変え始めていた。 香玖夜:「なるほど、それじゃ、ブラッキー、シャドーボールよ!」 ブラッキーのシャドーボールは氷柱に当り、氷柱は霰や大きな針となってレジアイスに降り注いでいく。 そのため、流石のレジアイスも気になったのか、攻撃が弱まっていた。 プリム:「今よ、トドゼルガ、絶対零度!」 清香:「オムナイト、ハイドロポンプ!」 香玖夜:「ブラッキー、破壊光線よ!」 攻撃が弱まった事で、3体のポケモンによる氷・水・ノーマルの最大攻撃が放たれる。 しかし、レジアイスの隙は一瞬しかなく、レジアイスの絶対零度によって相殺されてしまっていた。 清香:「そんな…」 プリム:「あらあら、向こうも中々やるようね」 香玖夜:「氷タイプの技で相殺されるんじゃ、やっぱり炎タイプじゃないとダメなんですか?」 プリム:「そういうときもあるわね みんな、戻るのよ! そしてムチュール、行きなさい!」 香玖夜の弱気な発言をプラス思考にカヴァーしたプリムはムチュールを出した。 プリム:「黒いまなざしよ!」 ムチュールの黒い眼差しによって、レジアイスはこの場を離れることが出来なくなった。 さらにムチュールの天使のキッスによって混乱し始めていた。 プリム:「相手の特性はクリアボディだから、能力を下げることはできないけれど、他の事は十分可能よ 今のうちよ!」 香玖夜:「はい、それなら…ブラッキー、日本晴れよ!」 先ほどとは一味変え、日本晴れが洞窟内を照らし始めた。 同時に洞窟内の氷もじわじわと溶け始める。 普通に街でも暮らせるムチュールには日本晴れくらいで倒れる様子はないため、当分は大丈夫のようだ。 清香:「香玖夜ちゃん、私のプテラ、大文字が使えるわ」 香玖夜:「それなら、エネコロロ、猫の手よ!」 清香:「プテラ、大文字!」 香玖夜のエネコロロがプテラに乗り、プテラと共に大文字を放った。 すると、苦手な炎が来たためか、レジアイスは咄嗟に吹雪を放っていた。 さすがに相殺されてしまうが、氷と炎の激突により、洞窟内は霧に包まれていく。 清香:「これを待ってたわ! オムスター、出番よ!」 香玖夜:「ブラッキー、エネコロロに手助けよ!」 プリム:「タマザラシ、もう一度、お願いするわ!」 霧に包まれたことでレジアイスは相手を見失った。 これを機会にポケモンを出す3人。 エネコロロはブラッキーの手助けを受けて力を上げ、清香とプリムのポケモンは丸くなっている。 プリム:「これで最後よ、タマザラシ、転がる攻撃!」 清香:「オムスター、あなたも転がる攻撃よ!」 香玖夜:「エネコロロ、全力でアイアンテールよ!」 タマザラシとオムスターが丸くなった事で転がる攻撃のパワーを高め、更に手助けでパワーに満ち溢れたエネコロロも尻尾に自分の全力を 溜め込んだ。そして、霧の中で、レジアイスに強力な3つの打撃が打ち込まれ、ポケモンが倒れる音が響いたのだった。 プリム:「ようやくやったようね、デリバード、風起こしで霧を吹き飛ばすのよ」 デリバードの風起こしが霧を吹き飛ばすと、3人の思ったとおり、レジアイスは3つの打撃によって倒れていた。 清香:「今のうちに、お願いね、ヘビーボール!」 清香もヘビーボールでレジアイスを捕まえていた。 今回は確実に倒した事もあり、ボールはすぐに揺れを収め、清香はレジアイスをゲットしたのだった。 プリム:「あなたたち、まずまず、今はご苦労様」 香玖夜:「ありがとうございます それと、清香先輩、強かったですよ」 清香:「えへへ…、でも、これからだね」 香玖夜:「はい、私は他のみんなと合流するけど、清香先輩は浅香ちゃんや晃正君たちと力を合わせてこのポケモンを使いこなす使命が 残されてますもんね」 プリム:「それでは急ぎましょうか ダイゴのメタングが外で待っていてくれますし 急いで他の皆さんと合流する必要がありそうよ」 清香&香玖夜:「はい!」 こうして、レジロック、レジスチル、レジアイスの3体がゲットされた。 3つの太古の力は、グラードンとカイオーガを鎮めるために、力を発揮するだろう。 浅香:「(あ、そうだ…)」 そんな中、浅香はアブソルの話を誰に聞いたのか、思い出していた。 確か蓮華からだった。 浅香:「(この話、ソルルから聞いたミューズが蓮華に喋って、私が聞いて、美香先輩に話して、連鎖的にみんなが知っちゃって、 ソルルのカマイタチで一斉に攻撃されたんだっけ…)」 思い出した直後、浅香はソリューの想いが実らないことを悟るのだった。 何故なら、ソルルと律子の関係を、ナナから電話で聞かされたのが数時間前のことだったために…。 その頃、各地では様々なバトルが行われていた…。