シリーズ・ケンカ わん ケンカの理由。 んなものそれこそ星の数ほどもあるだろう。 その中において最も数多い理由。 「主義主張の相違」 人は己と違うものを異端とする。 根強く業が深い。 時としてケンカなどと言うレベルをかっ飛ばして戦争などと言う おっとろしー事態にまで昇華しやがるその理由。 怖いですねぇ悲しいですねぇうっとーしいですねぇ。 けれど……これほどまでにマヌケでおもろくてムカツク主義主張の違いはそうないのではなかろうか? きっかけはポケモンセンターの食堂。 誰かが忘れていったのか?あるいは大いなる神の意志によるものか? テーブルの上に乗っていたのは旅行の本。 かっこよく言うとトラベルブック……英語にしただけ。 それを手に取ったのは何の因果か、はたまた作者の御都合主義か?カスミ嬢だった。 ぱらぱらっとページをめくる。 「旅行かぁ〜…いってみたいなぁ…」 「って今も旅行してるみたいなもんだろ?」 身も蓋もありゃしねえ事をほざくサトシ少年。 「そりゃそうだけど…旅行ってもっとこうさ…ロマンチック?」 「いや、疑問で返されても困るって……まあなんとなくわかるけど」 「でしょ?…ああ、そうそう!新婚旅行とか!ロマンチックでしょ!?」 「新婚旅行ねぇ…」 「あたし新婚旅行は絶対海って決めてるんだ!」 「う、海って……アバウト過ぎだろ…」 「海ならどこでもいいのよ!」 「ふ〜ん…まあ俺はポケモンがいっぱいいるとこがいいから…やっぱ山かな?温泉とかいいかも」 「え〜!!海よ海!!」 「いーや山だ!!山がだめなら森だ!!」 「森なんて山より嫌よ!虫だらけじゃないの!!」」 「我慢しろよそれぐらい!」 「嫌よ!あたしは海がいいの!」 「山か森だ!」 「海!!」 「山!!!」 「海!!!!」 「森!!!!!」 「う〜み!!!!!!」 「や〜ま!!!!!!」 睨み合っている二人。 タケシ少年とピカチュウ…少年?はため息をつく。 見てて微笑ましいやらムカツクやら切ないやらおもろいやら……。 「……いっしょに行く事はすでに決定事項なのか?」 「ぴか?」 「新婚旅行だぞ?いっしょに行くっていったら…なあ?」 「ぴか…」 いや、まったくそのとおり。 ある意味究極の惚気(のろけ)。 究極の痴話ケンカ。 とーぜん、サトシもカスミもその事に気づいていない。 「や〜〜〜ま〜〜〜!!」 「う〜〜〜み〜〜〜!!」 いやはや………数年後どうなるのか非常に楽しみですな。 おわり