シリーズ・ケンカ 天!! このシリーズも今回ではや十回目。 十戒じゃないよ。 え?言われるまでもないって? そりゃ失礼。 ……まあ何ですな。 サトシとカスミがよくケンカしてるっていうのはサトカス連合の間じゃ有名な話。 ッていうか、サトカス小説の導入部、ならびに内容において二人がケンカしてる話ってけっこーある。 ええ、私自身も含めまして。 でも最終的には仲良くなってるんですよね、この二人。 何ででしょうね? サトシとカスミが開戦状態に突入してはや3日。 この間二人はほとんど口を利いていない。 二人と共に旅をするタケシにしてみればたまったものではない…と、見せかけてそうでもない。 タケシはもう慣れてしまった様子で、そろそろいいかな?なんて思いながら仲直りのきっかけを作る。 いや、ホントにご苦労さんです。 「……そろそろやめにしないか?」 タケシ君がカスミちゃんに停戦勧告をしますがカスミちゃんはそんな気さらさらない様子。 「…あたしから謝れっていうの?いやよ!サトシが悪いんだから!!」 やる気まんまんです。 アドレナリンがでまくってます。 「いい!あたしからは絶対謝らないからね!!」 「うむ、その通り。カスミは悪くないぞ」 「そ、そうかな?」 「そうだとも」 「まあそう言わずに…」なんて説得されると思っていたのだがタケシは意外な事にカスミに賛同する。 「だいたいサトシはわがまま過ぎんるんだよ。食事の好みもウルサイし」 「……」 「そもそもおこちゃまなんだな。なーんにも考えてないし、ポケモンの事になると急にやる気になったり、 周りが見えなくなるし」 「……」 「なんと言ってもバカだしな」 「……そこまで言うことないでしょ!?」 カスミちゃんは耐えきれなくなってタケシ君に反論します。 「そりゃ確かに…サトシはまだまだだって思うけど…けど!! サトシはサトシなりに一生懸命やってるわけなんだから! おこちゃまとか、バカとか、そんな言い方ってないんじゃない!?」 それだけ一気に言いきったカスミちゃん はあはあと肩で荒い息をつきながらタケシをきっつい目で睨みます。 「あたしの言ってること、間違ってる!?」 「いや、間違ってない。サトシはがんばってる。そんなこと俺もよく知ってるさ」 「だったら何であんなこと――あ」 タケシの意図を悟り、カスミちゃんは顔を赤くします。 「わかってるさ、俺だって。サトシのことくらい。まあカスミほどサトシのこと知ってるわけじゃないけどな」 「タケシ!!」 「まあそう怒るなって」 真っ赤になって怒鳴るカスミちゃんをタケシ少年は余裕の表情で宥めます。 と、サトシ君が二人の傍にやってきます。 「……二人してなに怒鳴りあってんだよ?」 「気になるのか?」 「そうじゃなくて!…あんま大声出すとまわりに迷惑だろ?」 周りは草原。 だ〜れもいやしませんて。 「まあ安心しろ。別にカスミをいぢめてたわけじゃない」 「なっ!?そ、そんな心配してねぇよ!!」 「真っ赤になって言っても説得力がないぞ」 「うっさい!」 サトシ君がムキになって反論します。 その姿が面白くてカスミちゃんは思わず笑ってしまいました。 「なに笑ってんだよカスミ!!」 「ごめんごめん」 「だから笑うなぁ!!」 はて? まわりに迷惑といったのは誰だったでしょうか? サトシ君の大声があたりに響き渡りました。 それはさておき、ケンカはどうなったんでしょうね? いつのまにやら仲直りしちゃったサトシとカスミ。 今日もいい天気でした まる おわり