ドオォン・・・・! (何の音だろう・・・?) 島のはずれでライラとカゲロウと遊んでいたカイは、ふと、港のあたりから聞こえてきた音に、耳を奪われた。爆音である。 「・・・!」 カイは何も考えずに、港に向かって走っていった。 ******** リベンジャー  第3話「別れ」 ******** 港には、巨大な船・・・戦艦がとまっていた。その戦艦の前には、沢山の人間がいた。 その半分が胸に「R」のマークが入った服を着ている。その1番前には、白服・・・やはり「R」のマークが入っている・・・を着た男がいる。 そしてその横には、鎧ポケモン・バンギラスがいた。その他の半分の人間は皆、港の人間である。 「素直に教えないと、お前たちもあんなふうになるぞ?」 白服の男ニヤニヤ笑いながらすぐ後ろの海を指差しながら言った。そこには何もなかったが、海のそこには、黒焦げになった船が沈んでいた。 「このギンバネ島のどこかに、ルギアの手がかりがあることは調査済みなんだ!さっさとはけ!」 「そんなものはしらん!」 「いったい何の話だ!?」 「まだしらばっくれるか・・・!」 男の表情が険しくなった。 島の人たちは本当に知らなかった。この島のある場所に「銀色の羽根」があることなど。 「仕方ない・・・!やれ!バンギラス!」 命令を受けたバンギラスは、その凶悪な口をカッ開けると、そこから光る光線を発射しようとした。 撃てば一面焼け野原にし、術者の体に反動を与え、動けなくしてしまうという最凶の技、破壊光線である。バンギラスがその最凶の技を放とうした――刹那。 バンギラスの体が突然傾いた。そして破壊光線を放とうとした口を閉じた。 周りをよく見ると、10匹ほどのポケモンが群がっていた。港にいたトレーナー達が、一斉に攻撃したのである。 しかし、バンギラスは無傷だった。そのかわり、突然邪魔をされたことで、腹を立てていた。 「やめろぉ!お前らぁ!」 「そうだそうだ!」 「ハァ・・・ハァ・・・やっとついた・・・!」 カイが港に到着した。島のはずれから全速力で走ってきたのだ。カイはもちろん、ついてきた2匹も息を切らしいる。 「・・・!え!?」 カイは港の人たちが、謎の集団を攻撃したところを目撃した。カイにとっては何が起こっているか、全く理解できない。 「邪魔をするな貴様ら!バンギラス、砂嵐!」 バンギラスが体を1回転させると、バンギラスを中心に砂嵐が巻き起こり始めた。砂嵐にちょっとでも触れたポケモンは、皆、砂嵐に吸い込まれていった。少したってから、バンギラスが砂嵐から出てきた。 「そんな・・・」 「フン!邪魔をしおって!バンギラス、もう1度、破壊光線!」 バンギラスはついに破壊光線を発射した。 カイにとって初めて目のする、いかにも強そうな技。 光線は港町に伸びていく。 カイは思わず、眼を閉じた。 爆音と共に、砂塵が吹き荒れる。 「あの方向は!・・・母さん!」 カイは突然町の方へ走っていった。当然、2匹もあとからついていった。 カイは走っていた。島のはずれから港に来る時よりはるかに速いスピードで走っていた。 「ついた・・・!・・・!?父さん!?」 カイの来た所は、カイの家だった。家は半壊していて、火事になっていた。流石に驚いたがその家の前に、1人の男性が倒れているに気がついたカイは、すぐに駆けつけた。 「父さん!父さん!」 カイがその男性をゆすって起こす。カイの父親、ダットはすぐに目を覚ました。 「・・・!カイ!?」 「父さん!母さんは?」 「まだ、家の中に・・・!」 「そんな・・・!母さん!」 カイは、燃え盛る家の中に飛び込もうとした。 「やめろ!カイ、お前も焼け死ぬぞ・・・!」 「だめだよ!助けなきゃ!」 「カイ!」 カイは家の中へと入っていった。 「母さん!」 「・・・・カ・・・・イ・・・・?」 カイは家の中を見て、背筋が凍りつきそうになった。目の前で自分の母親が倒れており、その上から今にもガレキが落ちてきそうなのである。 「母さん!」 「カイ、来ないで!」 「母さーーーーーん!」 リサはガレキの中へと埋もれていった。  つづく  あとがき えー、かなりヤバイ状況になってますねハイ。 次回、カイの人格がかなり変りますがビックリしないで下さい。