「しゃあ!着いたぞ!タンバ島!」 「コパァ!」 タンバ島はギンバネ島と大して変わらなかった。灯台・・・・ギンバネ島より少し小さめ・・・・もある。 港には、何隻か船が泊まっていた。上空にはポッポが5、6羽気持ちよさそうに飛んでいる。 「おし!まずは・・・・・ポケセンだな」 カイはクーラルを回復させるため、ジムの場所を調べるため、ポケモンセンターへと歩いていった。 **********  リベンジャー  第7話「闘VS炎」 ********** 「たのもぉー!」 ポケモンセンターでクーラルの回復をさせ、ポケモンセンターの専属看護婦、ジョーイからジムの場所を聞き出しだしたカイはとある建物の前にきていた。 「たのもぉー!」 カイは叫んだ。力の限り叫んだ。しかし、返事は返ってこない。 「クッソー!誰もいねぇのか?インターホンもねぇし・・・」 カイの目の前にある建物は、なかなか大きい建物で、入り口に上あたりにモンスターボールのマークがある。まるで道場のような建物、すなわち、タンバジムである。 「たのもたのもたのもたのもたのもぉーーーーーー!!!」 近所迷惑になりかねない声でカイは叫んだ。が、やはり返事は帰ってこない。 カイがあきらめかけていた、その時! ガチャ・・・・ 突然ドアが開いて、中から明らかにジムリーダーーじゃなさそうな、オバサンという言葉がぴったり当てはまる女性が出てきた。 「あら、やっぱりお客さんが来てたのねぇ。ごめんなさいね、結構待たせちゃったみたいで」 「・・・1つ聞きたいんですけど」 カイはハァハァと息を切らしながら聞いた。 「ここのジムって・・・・やってるんスか?」 「ええ、もちろんやってるわよ。たた、門下生たちの修行の声で、あなたの声がかき消されちゃったのね」 「門下生・・・・・?」 ドリャー!ドタン!デリャー!バタン! 「暑い・・・」 タンバジム内は暑かった。暑い理由、それは門下生たちが出す熱気だった。門下生達とそのポケモン達が出す熱が、室内を漂い、部屋を暑くしていた。 見る限り、その場にいたポケモンは、全て格闘タイプ。 その暑苦しい部屋の1番奥に、1人の男が立っていた。白い道着(下半身だけ)を着ていて、なかなか勇ましい筋肉をして、怖そうな顔をしている。 「あんた!挑戦者だよ!」 「なに?挑戦者?」 男が、カイを半分睨むような眼で見つめながら、こちらに歩いてくる。 その男性が歩いてくる様子を見て、カイは心の中で不安になっていた。 (・・・・ジムリーダーって、みんなこんないかつい顔してんのか・・・・?) 「お前が挑戦者か?」 「・・え、あ、はい、そうです」 その男性が出す威圧感に、カイはたじろみながら答えた。 「わしはタンバジムリーダーのシジマ、正々堂々と戦おう!」 「俺はカイっていいます。よろしくお願いします」 「うむ、よしみんな!場所を空けてくれ!」 カイの初めてのジム戦が始まる。 「オコリザル!空手チョップ!」 「カゲロウ!受け止めろ!」 ジム戦は始まっていた。ギャラリーは皆門下生、審判も門下生の1人が担当していた。 「カゲロウ!はじき返して後ろに下がるんだ!」 カゲロウは指示どうり、オコリザルをはじき返し後ろに下がった。 「おし!カゲロウ、火炎放・・・・」 「させんわぁ!オコリザル!けたぐり!」 火炎放射を打たせまいと、オコリザルは右足でけたぐりを繰り出した。 「右に飛べ!」 オコリザルは右足でけたぐりを行ったが、カゲロウから見れば左からくることをすぐに察知したカイは、カゲロウを右にジャンプさせた。 「よし、今度こそ火炎放射ぁ!」 カゲロウの口から放たれた火炎放射は、オコリザルを包み込んだ。 「な!?しまった、オコリザル!」 火炎放射が消えると、中からところどころ火傷したオコリザルが姿を現した。 「オコリザル!まだやれるか!?」 「ブ・・・ブヒ!」 オコリザルがまだまだやれるといった感じでファイティングポ−ズをとった。 「よし、それでこそお前だ!」 「チ・・・!まだ動けるのか・・・!」 カイは舌打ちした。今まで何度も攻撃しようとしたが、攻撃する前に迎撃されてしまい、なかなか攻撃できなかったのだ。 しかも、オコリザルはいつのまにか気合だめを行っており、受け止めること自体、危険になっていた。 お互いに体力が限界にきてるんだ。1発でも食らわせれば終わりだろと思っていたカイは、やっとできたスキをついて火炎放射を指示したが、オコリザルはまだ体力を残していた。 「カゲロウ!火炎放射!」 カイがまた同じ指示を出した。 「オコリザル!近づきながらかわすのだ!」 オコリザルは、その細かい指示を見事やって見せた。火炎放射を紙一重で交わしたオコリザルは、カゲロウの懐に入り込んだ。 「ガ・・・!?」 「オコリザル!爆裂パンチ!」 「ブ・・・ヒーーー!」 オコリザルの右アッパーがカゲロウのアゴをとらえた。カゲロウの体が宙を舞う。 「ウ・・・・ガ・・・」 カゲロウが床に落ちると、カイが心配そうな声で叫んだ。 「カゲロウ・・・!大丈夫か・・・!?」 「ウ・・・」 カゲロウが「すまない・・・」といった感じで答えた。 「カゲロウ、よくがんばったな・・・ボールの中で休んでろ・・・」 カゲロウがボールの中に吸い込まれると、審判が叫んだ。 「リザード戦闘不能!オコリザルの勝ち!」 「チ・・・・!」 カイがまた小さく舌打ちした。  つづく  あとがき えー、いきなりピンチですねハイ。 このあと、予想ができない展開に突入します。 イーブイがぜんぜん出てきませんが、ぶっちゃた話、次回登場するかもしれません。(爆)