*********  リベンジャー  第15話「仲間」 ********* 『仲間・・・・・だと?』 『そうだ!』 カゲロウは力強く、ヤイバに怒鳴る。 大して刃は、不敵な笑みで、笑う。 『クククク・・・・・・・!』 『・・・・・?』 『クハハハハハ!ついに人間様に頼るしかなくなったか!?脳みそイッちまったか名無し野郎!』 『てめぇ!これ以上仲間を侮辱するとただじゃおかねぇぞ!』 カゲロウとヤイバの会話が今まさにバトルに変わろうとしたときだった。 笑ってばかりいたヤイバが突然カイ達に背を向けたのだ。 『アホくせぇ・・・・・、もうやってられん』 『ああ!?』 『人間クセェやつは人間クセェやつとたわむれてな』 『あんだと!?今この場で闘ってもいいんだぞコラ!』 『お、おいやめろ!』 いつ飛び出すかわからない状態のカゲロウを、クーラルが止めの入った。 それに習って、ライラとリングも止めに入る。 『おさえろよカゲロウ!』 『そうだよ!今この場で闘ったって何も変わらないよ!』 『・・・・・グ!』 ライラの説得に納得したのか、カゲロウは力の無駄遣いをやめた。 『・・・・・・』 その光景を黙ってみていたヤイバは、ちょっとニヤッとした後、どこかへと飛び去ってしまった。 『な・・・・・・!あいつ最後笑ったぞ!追っかけてぶっ潰してやる!』 「クーラル・・・・・、催眠術」 今まで腕組みしたまま口を出さなかったカイが、突然クーラルに指示を出した。 突然の指示にクーラルは少し戸惑ったが、その指示に納得しカゲロウに催眠術をかけた。 カゲロウはいとも簡単に夢の中へ旅立っていった。 「さてっと・・・・」 カイが大木に寄りかかったまま全く動かないストライクのほうへ顔を向けた。 カイにはポケモンの言葉は分からない。 今までの会話の中に出てきた数多くの単語も、何一つ人語に訳せなかった。 しかし、カイは何となくわかっていた。 笑い続けていたストライク達の親玉、そして、その笑いに怒り続けていたカゲロウ・・・・・・。 カイには何となくわかっていた。 「で?どうすんだ?」 カイが大木に寄りかかっていたストライクに問い掛けた。 全身の力を抜いているのか、足を伸ばし、その足の間に両手の鎌を置き、うつむいていた。 ライラ達が見守る中、カイと仲間を求めるストライクの会話が始まった。 「・・・・・来るのか?」 「・・・・・・」 ストライクは返事をしない。 「俺としては・・・・・来てくれると助かるな。お前みてぇなすげぇやつがいると」 「・・・・」 「・・・・名前も考えてあるんだけどな・・・・  ・・・・・・・なぁ、来ないか?」 「・・・・・・・・・」 「あのストライクに勝てるぐれぇ強くしてやる・・・・・・・・どうだ?」 ストライクが反応した。 顔をあげ、カイを見つめている。 「来るか?」 ストライクが立ち上がった。 そして、1回だけ、小さくうなずいた。 「お前の名前は・・・・“カゼマル”だ。理由は・・・・動きが風みてぇに速いから」 そう言って、カイがストライク・・・・改め、カゼマルにボールを突き出した。 カゼマルは迷うことなく鎌の先でボールをついた。 カゼマルの体は光になり、ボールの中へ吸い込まれていった。 「お前らもボールに戻れ」 そういって残りの4匹をボールの中に戻した。 そして、歩き出した。 何事も無かったかのように、平然と。 エンジュシティは、もう目と鼻の先にある・・・・・。   つづく    あとがき ストライクのカゼマルが仲間になりました。 これからジャンジャン活躍します。 さぁ!ポケモン小説「リベンジャー」こっからが本番です! 友情、好敵手、ロケット団、伝説のポケモン、M2、そしてさらにボケとツッコミ満載でやっていこうと思っています! 次回予告・第16話 2つの再会