*************   リベンジャー  第18話「初めての復讐」 ************* 「カゼマル!」 「カイロス!」 ガキン! カゼマルの鎌とカイロスの2本の角が激しくぶつかり合う! 「カゼマル!1度離れてかまいたちだ!」 カゼマルがカイロスの頭を足蹴にし後方へ飛ぶと、カイロスに向かってかまいたちを放った。 「カイロス!切り裂け!」 かまいたちに向かって、カイロスが2本の角を突き出した。 かまいたちが角に触れると、かまいたちが真っ二つになり、霧散した。 「いいぞカイロス!さぁとっととやつを・・・・」 ガトウがカゼマルの位置を確認する。 ・・・・・・が。 「い、いねぇ!?」 そこには何もなかった。 前、横、上を見るが、どこにもカゼマルの姿はなかった。 となると・・・・。 「後ろ・・・・!」 ガトウが急いで振り向いた。 そこにカゼマルの姿があった。 が、少しおかしい。 ガトウとカイロスに対し、後ろを向いているのだ。 攻撃するなら前を向いていないといけない。 「カイロス・・・・・ダウンだな」 「な、何!?」 不意に、カイロスの体がうつぶせに倒れた。 「き、貴様何をした!?」 「“疾風撃”って技さ。カイロスの体をよく見てみな」 「・・・・・!こ、これは!!?」 倒れたカイロスの体に、なんと2つの切り傷があった。 「疾風撃はな、かまいたちのエネルギーを鎌にためて切り裂く技なんだ。  敵の体にヒットすると、かまいたちが放たれ、敵をもう1度切り裂く。  さぁ!とっととそいつを引っ込めて次を出しな!」 「クククク・・・・・!」 「ああ!?何笑ってやがる!」 「お前、自分の仲間が心配じゃねぇのか?」 「?」 「貴様が雑魚呼ばわりしていた俺様の部下はな、軽く千を越える部下たちの中から強いやつらを厳選して連れてきたのだ。  今ごろてめぇの仲間は今ごろひでぇ目に・・・・」 「な、なぁ・・・」 「あってると思うがな!ガーッハッハッハ!」 「いや、あのさ・・・・」 「ああ!?どうした、命乞いか!?」 「後ろ見てみろよ・・・・・」 「何?」 ガトウが振り向くと、そこには・・・・・。 「は・・・・・・・?」 「ガ、ガトウ様!助けてくださーーーい!」 ガトウの部下約20名ほどが泣きながら走ってきたのである。 「あのガキ、むちゃくちゃですよ!なんとかしてください!」 「き、来た!!」 かなり太めの柱の影から現れたのは・・・・・。 「な・・・・・・!?」 そこには、信じられない光景があった。 ガトウの部下約30名と戦っていたジンが、巨大な水竜、ギャラドスの頭の上に立って、ガトウ達を見下ろしていた。 さらにギャラドスは、尻尾に上に気絶したロケット団員を数名乗せていた。 ギャラドスの前には怪力ポケモン・ゴーリキーが立っていて、彼もまた、ロケット団員を数名抱えてる。 「ゴミは持ち主に返してやれ。ジード、ジーキ」 ジードと呼ばれたギャラドスと、ジーキと呼ばれたゴーリキーが、それぞれロケット団員を放り投げた。 「ゴミは返したし、仕上げをするか」 ジンがそう言うと、ジンの影からかぎ爪ポケモン・ニューラが現れた。 「ジーニの吹雪で氷付けにして、警察に差し出すか・・・・」 ジーニと呼ばれたニューラが吹雪を出す構えを取った。 「何・・・・!?」 驚きの表情を隠せないガトウの後ろから、カイが言った。 「どうする?降参するなら氷付けはなし、抵抗すれば氷付けのままサツに突き出すぜ?」 「ク、クソ!」 突然、ガトウが腰のボールを手にとり、足元の投げつけた。 ボールの中から毒ガスポケモン、マタドガスが現れた。 ジンが叫ぶ。 「まずい!カイ!ガトウを捕まえろ!」 「へ?」 「マタドガス!煙幕!」 マタドガスが体中の穴から煙幕を噴出した。 瞬時に、“焼けた塔”内が煙幕でいっぱいになる。 「ク・・・・!」 「げほ!えほ!くそ!ぜんぜん前が見えねぇ!」 煙幕に悪戦苦闘しているカイの横を、何者かの影が通っていった。 「ん!?何だ誰か通っていったぞ!?畜生どこだ!」 「クククク・・・・!」 突然、カイの横から声がしてきた。 声の主はガトウだった。 「ククク・・・!お前たちは1つ、勘違いをしている・・・・!」 「!!?」 煙幕が晴れたころには、ロケット団員は1人もいなかった。 ちなみにカイロスもいつのまにかいなくなっている。 「チ・・・・!逃げられたか・・・・」 ジンが舌打ちした。 一方、カイは・・・・。 「勘違い・・・・だぁ?」 カイ、ジン、カゼマル、ジード、ジーキ、ジーニ、ルギアが、あっという間の出来事に、呆然と立ち尽くした。  つづく  あとがき あんまりバトルシーンなかったなぁ・・・・。 ただ単にジンの持ちポケ公開しただけで終わったような気がする・・・・。 ガトウが言ってた“勘違い”についてわかるのは、かなり後になると思います。