エデン・・・・・・ついに目覚めたんだね・・・・・・。 僕は君が目覚めるのをどれほど待ちわびたことか・・・・・。 エデン・・・・君は僕の半身ともいえる体を持っている・・・・・。 君が僕の同志になれば、僕たちは世界の・・・・・・すべてを作り変えることができる・・・・・。 君の返事を・・・・・・・待っているよ・・・・・・。 *********  リベンジャー  第21話「真相」 ********* 「・・・・・・・!!?」 「あ!エデン、おはよう!」 エデンとヤナは救護室にいた。 救護室といっても、たいした医療道具があるわけでもなく、ただ単にベッドが数台並べられているだけだった。 エデンはそのうちの1つに横になり、ヤナはそのすぐ横で小さなイスに腰掛けている。 ヤナは顔に満面の笑みが浮かんでいる。 先ほどはあわただしくてわからなかったが、エデンの目は青色だった。 とても透き通った青だった。 「・・・・・・・」 エデンは上半身を起こし、深刻な顔をして考え出した。 その様子を心配してか、ヤナが声をかけた。 「?エデン、どうしたの?」 「さっき・・・・・誰かが頭の中に話し掛けてきた・・・・・・」 「頭の・・・・・中に?」 「半身がどうのこうの・・・・・って言ってた」 「!」 突然、ヤナの顔がこわばった。 「?どうした」 「あ、いや・・・・なんでもないの。  あ、改めて自己紹介するね。私はヤナ!ヤナ・ザクウっていうの、よろしくね!」 「私は・・・・・エデンでいいのか?」 「うん。あのさ、身体のほうは、どう?どこかおかしいとか・・・・・・・」 「いや・・・・・・無い。良好だ」 「そう・・・・・よかった」 ヤナの表情がドコか深刻なことに気付いたエデン。 鬼気迫る表情を前に、エデンは深く考えないことにした。 「ところで、さっきから気になっていることがある」 「何?」 「何故・・・・・私が闘わなければならないのだ?別に私じゃなくても・・・」 「エデンまで・・・・・ヘヴンと同じ事言うの・・・・?」 「ヘヴン・・・・・?」 「エデンも、ヘヴンと同じ考えなの・・・・?」 その時、エデンは初めて気がついた。 ヤナが、大粒の涙をぼろぼろとこぼしている事を。 「あ、すまん・・・・冗談だ」 「・・・・・・・」 「聞いていいか?」 「・・・・・・何?」 「その、目から出ている液状の物質は何なのだ?」 その言葉を聞いたとたん、ヤナの涙がぴたりと止まった。 「え、ちょっと待って、涙の意味も知らないで謝ったの?」 「ナミダ・・・・・?」 「人が悲しいときに目から出すもの!わかった!?」 何も知らないエデンに対し、ヤナが少し強めに言った。 「カナシイトキ・・・・・?」 「・・・・・ねぇ、“感情”って知ってる?」 「・・・・・知らない」 ヤナが大きくため息をついた。 「ハァ・・・・・・・じゃあ教えてあげる。簡単にいうと、自分の気持ちが勝手に体を動かす・・・・・・て言っていいのカナ?」 「自分の・・・・気持ち・・・・・」 「エデンが目を覚ましたとき、とってもうれしかったよ?」 「ウレシイ・・・・・?」 「そ、自分にとって都合がいいときに出る感情!」 「・・・・・」 「わかった?」 「だいだい・・・・・な、ヤナ、実はほかにも聞きたいことがある」 「何?言ってみて」 「ヘヴンとは・・・・・なんなのだ?」 「え・・・・・」 突然、ヤナがうつむいて考え出してしまった。 エデンはヘヴンという単語の意味は知っている。 ヘヴンとは“天国”を意味する。 ヤナがゆっくり顔をあげた。 そこには先ほどの笑顔はなく、やたらと真剣な顔になっていた。 「・・・・・・いい?1回しか言わない・・・・・・ていうか1回しか言いたくないからよく聞いてね・・・・」 ヘヴンっていうのは・・・・・・あなたとは別の“黒いミュウツー”のこと・・・・・。 ヘヴンは自分が生まれた理由を聞くと、“なぜ自分が戦わなければならないのか?”という疑問を抱いて、逃げ出してしまった・・・・・。 私のおじいちゃん・・・・・ジェド博士はみんなと協力して、必死にヘヴンの行方を調べた・・・・・・。 そして、見つけたの・・・・・・。 彼は、ロケット団に身をおいていた・・・・・。 そのロケット団っていう組織を、エデンに潰してほしいの・・・・・。 ロケット団は、お金のためなら殺人、強盗、何だってやる極悪の集団で・・・・・・。 ロケット団のせいで・・・・・今、世の中は乱れている・・・・・・・。 もしロケット団を倒すことができれば、みんなに幸せが訪れるはず・・・・・。 ロケット団は、以前2度解散したはずなのに・・・・・・またまとまってきてしまった・・・・・・・。 ヘヴンがなぜ己をロケット団に身を置いているかはわからない・・・・・。 だけど、何か企んでいるのは、肌に感じるの・・・・・・。 もう・・・・・・・・・・・5年も前の話になる・・・・・・・・・。 「5年も・・・・、前から?」 「ヘヴンはロケット団が1回目の解散をする前からロケット団にいた・・・・・。  1回目の解散のときのボス、サカキは消息不明になってしまったの・・・・・。  1回目の復活は幹部がやって・・・・・・。2回目はきっと・・・・・」 「・・・・・・ヘヴンが、やったんだな?」 「きっと・・・・・・そう」 「それならば・・・・・・・・・簡単なことだ」 ゆっくりと、左腕を持ち上げるエデン。 ボッと音がして、腕に青い炎が灯った。 「この炎でロケット団を燃やし尽くせばいい・・・・・。  心配するな・・・・・・・・奴は必ず!私が倒す!」 青い目が、闘志の炎で輝いていた。    つづく    あとがき だんだんと、オリジナルストーリーモードに突入してきました。 次回も、『2匹のミュウツー編』なんですが・・・・・・。 次回が終わると、当分エデンは出てきません! 多分、10話分以上空くと思います。  次回予告 戦闘訓練を終えたエデンの耳に、銃声が鳴り響く・・・・・・・。 第22話 悲しみと怒り