ピリリ・・・・ピリリ・・・・ けたたましく呼び出し音を鳴らす1つのポケギア。 ポケギアの主はそれを手にとり、ボタンを押す・・・・。 聞こえてきた大声に、彼女は思わず耳を塞いだ。 *************  リベンジャー  第95話「猛者たちの宴」 ************* 《どっっっっこで道草食ってんのよアンタはぁぁぁあああ!!!》 「うわ・・・・っ」 鼓膜が破れるんじゃないだろうか・・・・。そんな心配をさせるほどの大声。 少女のすぐ横で顔を見合わせるエーフィとピジョット。 鼓膜破れの防止のため反射的に耳から離していたポケギアをもう一度耳に当てて・・・・ティナはげんなりして呟いた。 「い、いきなり大声ブチかまさないでよ・・・・。あ〜・・・・あったま痛・・・・」 《大声ブチかますのなんて当たり前!アンタ今ドコにいんの!?  リーグは昨日終わってんでしょ!?だったらとっとと帰ってきな!》 ポケギアの向こうの・・・・女性らしき声の主は、かなりご立腹の様子。 彼らの現在位置、ジョウト地方フスベシティジム・・・・の中庭。 和風作りの建物の縁側に座って、ティナはポケギアから声を轟かせる女性を相手に悪戦苦闘していた。 同じように縁側で座って・・・・あっち向いてホイを繰り広げる見慣れたオレンジ髪の少年とヤミカラス。 少年の右手があっち向いてホイとは思えないほど大げさに天を指差すシーンを一瞥して・・・・彼女は応答を開始した。 「いろいろあって、今ちょっとフスベにいるの。  夕方頃には絶対に帰るから。そんな心配しないで」 《・・・・心配なんてしてないわよ。カイとコウもいるんでしょ?  さっきからバカみたいな大声も聞こえるし・・・・》 「あってって・・・・。しみるなぁ〜消毒液ってのは」 包帯を巻いた胴を摩りながら、カイは現れた。 その後を追って現れたユウラが、後ろから釘を刺すように、 「しばらくの間は激しい運動はダメ。傷口開きたかったら構わないけど。  あとお風呂もやめといたほうがいいよ。死ぬから」 「お・・・・おう。肝に命じておくわ」 冗談のようで冗談じゃないだろう。あの地下研究所での戦いで、カイは研究所の守護者であるロボットと戦った。 その時受けた傷をもう一度処置しなおすために、彼らはグローリー兄妹の故郷であるここフスベシティまでやってきた。 ポケモンたちの治療、ついでに昼時だったのも理由のひとつだが。 ジムリーダー兼兄妹の母親代わりであるイブキが用意してくれた昼飯を平らげた、数分後。 彼女のもとに、一本の電話がかかった。 「誰からだった?」 「・・・・姉さん」 あー・・・・とまいったような仕草を見せて、カイの顔に困憊の色が浮かんだ。 「さてはとっとと帰って来いってか?」 「・・・・大当たり」 「そーだな・・・・。そろそろ帰っとくか。みんなも心配して―――」 「あああぁぁああああ!!!??」 中庭を轟くバカでかい声。声の主は・・・・コウは口をあんぐりと開けたまま、静止していた。 「お、おいコラァ!いきなりクソでかい声ぶっ放すな!鼓膜がイカれるわ!」 今の今まで彼の相手をしていたヤミカラス・・・・クロが、眼を飛び出さん限り見開いてコウを凝視している。 そんな視線もお構いなし。コウはカイの方へとガバッと顔を向けて、 「おいヤベェぞカイ!」 「な・・・・なんだよ」 そこで彼は一呼吸置いて・・・・かなり深刻なことについて告げた。 「俺らって両親死んじまって・・・・だいぶ経ってるよな?  家がそのまま残ってるとは・・・・思えないんだが・・・・」 あっと声をあげて、カイもことの重大さに気がついた。 それからシュバッとティナの方へと顔を向ける。 コウも自分の顔を見つめていることに気がついて・・・・島を最後に出た彼女はしっかりと告げた。 「・・・・残ってない・・・・よ」  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 異様な脱力感に襲われて・・・・彼らは崩れ落ちた。 故郷に戻っても・・・・家がない。これはまた激しくマズイことである。 戻るべき場所がないのだ。 「あ、あのさ、そんな落ち込まなくても・・・・」 「いいさいいさ、俺たちはこれから路上で生きるのさ。  リーグの賞金だけでこれからの生活をやりくりしてくのさ。なぁコウ」 「ああそうさ。俺たちはこれから道行く人々に哀れみの眼で見られるのさ。  空き缶に溜まった小銭に涙する毎日を送るのさ・・・・」 「なぁ・・・・。あいつら、別世界に行っちまってないか?」 「・・・・・・・・・」 何も言えなくなるピジョットとエーフィ・・・・ジットとフィルを横目に、クロはなんだかやりきれない気持ちになった。 そんな光景の真っ只中で絶望の淵に立つ2人に・・・・天使の声が聞こえてきた。 「私んトコは家大きい割には姉さんと2人暮らしだし・・・・。  別に住んでもいいんだけど・・・・」 2人の眼が、生を受けて光が灯る! 「ホントか!?いいのか!?ホントなんだな!!?」 「よっしゃあぁああ!!生きる望み復かーっつ!!」 生きている喜びを分かち合う2人を無視して・・・・ティナはユウラに告げた。 「ユウラも・・・・一緒に住もう」 「え?」 「話は・・・・聞いてるからさ。帰るトコ・・・・ないんでしょ?」 ティナに言われて・・・・彼女の眼が一瞬節目がちになった。 が、すぐに笑みを見せて、 「・・・・うん!ありがとね!」 そう言いきって・・・・・・・・。    涙が零れた。 「あ〜あ・・・・ってことはこれからもこんな暑っ苦しいヤツと一緒かよ・・・・。  こりゃ〜キャノンの野郎に毎日水浴び頼まねぇと・・・・」 「おうおういい度胸じゃねーかクロさんよ。  そんなに俺と一緒にいるのがいやだってのか?」 「そー言ってるつもりだったんだけどな。  人間の割にゃバカだったよな、お前。もうちっと言葉を選ぶ必要が・・・・」 「ン何ィ!!?ケンカ売ってんのかこのバカラス!!」 「あぁ!?返り討ちにされてぇかこの単細胞!!」 バカラスと単細胞の第一ラウンドを観戦しようとして・・・・。 背後に感じた気配に、カイは振り返った。いたのはグローリー兄妹。 いつものポーカーフェイスのジンと、涙眼のキキ。 やはりエデンの死が相当答えたのだろうか・・・・。  ジンともう一度再戦の約束をして・・・・。モゴモゴと何か言いたげなキキを残して・・・・。  彼らはフスベの地を飛び立った。下から見送る2人に手を振って、白雲へと吸い込まれて・・・・。  紅の飛竜と海の化身、空の王者が、ジョウトの西へと進路を向けた・・・・。 オレンジ色の太陽が地平線の向こうに沈みかけた頃。 彼らはジョウト西、アサギシティ〜ギンバネ島の海上を飛んでいた。 海の化身・・・・カイリューのリュウの背から落ちそうになりながらも、クロとケンカを続けるコウ。 それを何とかなだめようと・・・・というよりも、ほとんど強引に・・・・ユウラの拳により沈静。 いつもの光景を一瞥して、カイはリザードンのカゲロウの上から、幼馴染の顔を見た。 ジットの上のティナは・・・・うつむいていた。明らかに元気がない。 「エデン・・・・か?」 「・・・・うん」 カイの問いにティナは・・・・顔を向けずに答えた。 「あんな方法しかなかったのかな・・・・」 「・・・・・・・・」 「・・・・ミサイルを爆破する直前にさ・・・・」 「うん?」 「笑ってたよね・・・・。エデン・・・・」 「ああ・・・・。俺たちを・・・・たくさんの人間とポケモンを助けるために・・・・。  あいつは覚悟を・・・・。死を覚悟して・・・・笑ってた・・・・」 「ぼいぼいおべぇらじんぎぐぜぇぞ!」 微妙にわけのわからない言葉・・・・。 言葉の主はやたら腫れ上がった顔面と口を何とか動かして、告げてきた。 「エベンば俺だぢをだずげるためにじんだんだぞ?  ぞれなのにだずげられだぼんにんだぢがなざげねぇがおずんな!でないどあいづも浮がばれねぇぞ!」 ―エデンは俺たちを助けるために死んだんだぞ?  それなのに助けられた本人たちが情けねぇ顔すんな!でないとあいつも浮かばれねぇぞ!― ・・・・と言っているらしい。推測だが。 「・・・・・・・・」 一瞬、納得しかけて――― カイは素早くツッコんだ。 「いや・・・・。顔面の原型留めてないお前にンなこと言われても説得力ってヤツに欠ける・・・・」 「おいゴラァ!ぞりゃもじがじで俺にも言っでんのが!?」 いつもの少女の肩の上ではなくオレンジのバンダナの上で・・・・もはやヤミカラスかどうかすら疑わしいクロが吼えた。 バカ2人の顔の腫れも引いてきた頃合。ギンバネ島までもう少しの地点。 不意にカゲロウが喉を鳴らした。何かを告げるような声。 しきりに眼下の海を眺め続けるカゲロウに、カイは不思議に思って海を見つめて――― 海が水柱を上げた。彼らの真横光景が一瞬で水柱に覆い尽くされる。 絶句する彼らを見つめながら、海へと戻る水柱から現れたポケモンはうっすら笑みを浮かべて・・・・。 「・・・・・・・・久しぶりだな。何年ぶり・・・・いや、カイは最近会ったか?」 「おおお!」 「わ・・・・!」 「おいおい。伝説のポケモンと謳われるアンタがそんなひょうひょうと現れていいのかよ?」 銀色の羽を持つ伝説のポケモン。 手のような翼を動かさず・・・・ほとんど浮いている形で、その巨大なポケモンは現れた。 渦巻き島を住処とする、銀色のポケモン。またの名を海の神。 すべての発端の日、そして、エンジュシティの焼けた搭でカイと再び会っているポケモン。 海の神、ルギア。 「巷で伝説といわれる私でも・・・・お前たちの前では1匹の野性ポケモン・・・・。  お前のことだ。出現を遠慮した所で・・・・遠慮するなと言われるのがオチだろう・・・・カイ」 「まぁ・・・・たしかにそうだな」 「見ない顔がいるな・・・・」 ルギアの視線は・・・・リュウの上でコウの後ろに乗る1人の少女に向けられた。 金髪の、なかなかかわいい少女。肩の上にヤミカラスがとまっている。 開いた口が塞がらない状態で、少女とヤミカラスはルギアを凝視していた。 何とか口を動かし、ルギアを指差し、 「ル・・・・ルルル・・・・・・・・」 舌が回らない少女に代わりに、コウが口を開いた 「ルージュラ?」 「いやいや、違うって・・・・。  この・・・・なんかすっごく大きい喋るポケモンって・・・・。もしかしてあの・・・・」 「ルギアだよ。俺たちの知り合いさ」 平然とカイに言われて・・・・ユウラとクロは絶句した。 まさか自分の友たちが・・・・あの伝説のポケモン、ルギアと知り合いだったなんて・・・・。しかも親しげに・・・・。 とりあえず自己紹介して、頭を下げる。 「島の者たちは宴の準備をして、お前たちの帰りを楽しみにしているぞ」 「帰る前に始まらなきゃいいけどな、宴」 ギンバネ島の姿が眼にはっきりと見えてきた頃。 ルギアは不意に黙り込むと、視線をこちらに投げつけてきた。 カイはその視線に一瞬、きょとんとして・・・・。 ルギアは極静かに告げてきた。 「ヘヴンに関わるな」  え・・・・・・・・? 「お前、ヘヴンのこと知ってんのか!?」 カゲロウの背から乗り出して、カイはルギアに迫った。 取り分け感情の変化を見せずに、彼は淡々と告げる。 「時が来れば全てを話そう・・・・。だが今は身体を休めよ。  私は全てを知っている。ヘヴンが何者なのか。それに・・・・今日、お前たちがカオスという名のミュウツーと戦ったことも」 「お・・・・お前見てたのか!?だったらとっとと加勢しろよ!死にかけたぞ!?」 半分怒鳴り口調で告げるコウに、ルギアはやはり感情を変化させず、 「別に見ていたわけではない。エスパーの力で遠距離透視しただけだ」 「・・・・なんか反則っぽくない?」 ルギアの体がぐらりと揺れて、下降し始めた。海へと向かって。 「また会おう・・・・。若き戦士たちよ」 大きな水しぶきをあげて、海の神は元いるべき場所に帰った。  だいぶ島との距離が縮まった頃。聞こえてきた歓声。  手を振る人々。それに振り返すカイ。大げさに手を振るコウ。笑顔で返すティナ。  彼らの故郷。帰るべき場所。心安らぐ場所。           始まりの場所 月夜の晩。バカ騒ぎの真っ最中。 騒ぎの中心地にある木製の建物。それこそ、ティナの実家。 昼間は食堂。夜には酒場に変身する、臨機応変な店。 その店のド真ん中で、イスにあがってテーブルに片足を乗せて、腰に手を当てジョッキを一気飲みする人物・・・・。 島の住民たちにはやしたてられながら、彼は泡だったその液体を飲み干した。 「おりゃああ!一気飲みィィ!!」 コウである。 この世界では10歳を越えた時点で大人扱いされる。そのおかげで、旅に出ることも許される。 酒を飲んでもとりあえず補導されたりはしない。ようするに親の意思や自己管理に任せているのだ。 ・・・・だが12歳という若さでジョッキの中身を飲み干すコウはちょっと尋常ではない。 ビールの缶を手に持って、ユウラは壁に身を任せて立っていた。勿論その肩にはクロ。 「・・・・ズゲェというより、ありゃアホだな」 「・・・・前から知ってるよ」 「あっははは!コウのバカレベルはまた格段に上がってるわね」 「・・・・・・・・倍以上にハネ上がってるわよ」 カウンターの前に立つ、長く伸ばした茶髪を1本に縛った、10代後半の女性。 横に立つティナに良く似ている・・・・未来のティナのような・・・・。 ティナの姉、ティルア・ラディス。 「ティル姉・・・・。ほっといていいの?あれ・・・・」 「大丈夫でしょ。ヤバくなったらエレクに止めに入るように言ってあるし」 何の根拠もない微笑みに、ティナはどうリアクションしたらいいかわからず・・・・嘆息した。 そろそろヤバイと判断したエレクの雷パンチがコウの脳天にヒットしたのは、それから数分後のことだった。 島の中央にある、大きな山。 中腹辺りに幼い頃よく遊んだ草むらがある、馴染みの山。 そのふもとに・・・・それはあった。 死者の眠る場所。亡者の名が刻まれた石が並ぶ、ちょっと近寄りがたい場所。 島の墓場。 その墓場の一角に置かれた墓石の前で彼は―――座っていた。 紺髪の少年の後ろには、オレンジ色の電気ねずみと紅の飛竜。 少年は墓石を前にし胡座をかいて・・・・ぶっきらぼうに呟いた。 「・・・・・・・・な〜に死んでんだよ。バカじゃねぇか?」 「ラァイ・・・・・・・・」「グオォ・・・・」 「あっと・・・・そうだ。実は俺、ポケモンリーグで優勝したんだ。こいつらも強くなったし。  スゲェだろ?あ、信じてねぇな」  ・・・・・・・・・・・・ 「友達も増えて・・・・最近は絶好調だぜ?  しっかり者1人に、おとなしいコ1人・・・・。あと・・・・ライバル1人」 「・・・・じゃあな。また来る。  行こうぜ。ライラ。カゲロウ」 2匹の返事を待たずに・・・・彼は立ち上がった。 場所は移る。 ・・・・ジョウト西の海を一望できる、島の崖の上。 崖の下で波がのたうち、岸壁に喰らいついて削り取る。 静かな波の音を聞きながら・・・・彼らは涼しげな夜風にあたっていた。 久しぶりの光景に心を和ませていると、聞こえてきた、いつもの少女の声・・・・。 「・・・・なにやってんの?宴の主役が」 カイは座りながら肩越しに眼をやって・・・・ティナの姿を確認すると、すぐに視線を海に戻した。 ・・・・が、ティナが持っていた物の残像が頭を過ぎって、彼は再び振り向いた。 「・・・・なんだそれ。木?」 「そ、木。ただの木じゃないけどね」 少女でも持てるような・・・・丸太とは言い切れないほどの大きさの木。 ドコからか拾ってきたような粗末な木の棒に、何か文字が刻まれていた。 ティナの後ろに控えた・・・・大きな木槌を持った、バクフーンのボルク。 「エデンのお墓。・・・・この辺でいいかな?景色もいいし、気持ちいいでしょ?」 突き立てられた木の棒を、ボルクが上からハンマーで軽く叩いていく。 打ち終わり、小さな花輪が添えられた木の棒には、こう刻まれていた―――  ――エデン ここに眠る―― 崖の上に座って海を見つめる2人。 ちなみに3匹はどこかへ行ってしまった。町に戻ったか、どこかへ遊びに行ったか・・・・。 不意に・・・・少女が控えめに喋りだした。 「・・・・ありがとね」 「・・・・うん?」 「ホラ・・・・カイが私がカオスに殺されかけたことを知ったとき。  あんたさ・・・・こう言ってくれたでしょ?」 ―――俺にとって、一番大切なヤツなんだ・・・・・・・――― 「あ・・・・」 今更になって・・・・なんだか恥ずかしくなった。 「なんか・・・・とっさに言っちまって・・・・。  なぁに恥ずかしいセリフ吐いてんだか・・・・。出来れば・・・・忘れてくれ。思い出すと顔から火が出そうだ」 「いや」 「へ?」 「いや。・・・・忘れないよ。あのセリフ。  ・・・・・・・・すっごく嬉しかったから・・・・」 呆然となる少年を他所に、彼女は・・・・。 満面の笑みで、こう告げた・・・・。 「これからも・・・・ずっと一緒だよ!カイ!」 ますます呆然となるカイを残して・・・・ティナは立ち去った・・・・。 言葉の意味を見出して、顔が赤くなる少年。 それを木の陰から盗み見る、3つの影・・・・。 その存在に気がついて、彼は声を上げた。 「おい・・・・。お前らそこで何してる・・・・?」 「ラ・・・・ッ!?」「グ・・・・ッ!?」「フ・・・・ッ!?」 1本の木から明らかにはみ出まくる3匹。 一瞬ギョッとする彼らに向かってカイはゆっくりと歩き出した。 恐る恐る、訊いてみる。 「お前ら・・・・見てたのか?聞いてたのか?」 殺気を感じて首をちぎれんばかりに横に振る3匹。 何も見てません。何も聞いてません。 「・・・・見てたんだな。聞いてたんだな・・・・」 見間違いかもしれない。少年が漂わせる殺気に、幻覚を見たのかもしれない。 少年の頭に・・・・2本のツノのような物が見えて・・・・。 ライラ、カゲロウ、ボルクは今宵、鬼を見た。 「お前たちの今夜の記憶を消し去ってくれるわァァァアアアアッ!!!!」 『ギャアアァァァァアアアアアッ!!!!』  今まで戦ったどんな強敵よりも・・・・。  リーグで出会ったポケモンたちよりも・・・・。  それらをも凌駕する恐怖。超ハードな肝試しだったと、ライラは心の奥に閉まった。  ・・・・・・・・口走って殺されたくないので、殆ど封印という形で。  つづく  あとがき YAN「帰れ」 コウ「おお!?イキナリ好戦的!?」 YAN「もうなんかお前らとコントするのも疲れたからさァ・・・・。    帰ってくれ。それで全部解決」 クロ「おいおいちょっと待てい!俺たちゃコントしにあとがきトークしてるわけじゃねぇぞ!    世界の愛と平和を守るため、ゆくゆくは育ってしまう悪の芽を摘むため日夜戦いを・・・・」 YAN「もう・・・・ギャグっぽいから却下」 コウ「い・・・・いや!確かに今のはギャグだったが、お前がヤメロっつったのはコントであって・・・・」 YAN「屁理屈」 ・・・・ふ〜、帰しました。強引に。←悪 今回、ついに故郷であるギンバネ島にカイ一行帰還しました。 ユウラ&クロも一緒に同居♪今後はちょっとカゼマル関係でバトルがあった後、一つ屋根の下、アホ満開で行きます。 最後のティナのセリフ、書いてたらなんか恥ずかしくなったり・・・・。