【009】タマゴはどうして揺れるのか 作:あつあつおでん

 ☆9 ☆☆16 ☆☆☆5 =56


(自由感想)
・ニックネーム「たまゆれ」
・ポケモン世界の話なのか、現実世界の話なのか。いまひとつハッキリしない。
・たたみかけてほしい。廃人ネタならもっとあるはず
りえ大統領


 テーマはタマゴと思われる。誤字脱字及び話の流れに不自然な点は見当たらなかった(5/11時点)。しかし、物語の最後にて、説明が少なすぎるゆえに何が起こっているかさっぱり理解できない。調べたところ、BWではリセットするとタマゴのステータスは全て決め直しになる。だから口調が変わっていたのだろう。だが、やはり説明不足。小説は読者に理解されなければいけないのだから、もう少し詳しい描写が欲しい。
あつあつおでん

☆☆☆
 お題:タマゴ(物理的、選別)軽快なタッチですが凄くシュールなところに、ディスプレイの前でお腹抱えて笑わせていただきましたwww どうしてズバットはリセットということをわかっているのか、というツッコミを忘れてしまうほどシュール。「孵化したポケモンはちゃんと育てますから」という言葉に秘められた意味深さ。ゲームという題材を生かした面白さで、一読目でかなりお気に入りに。タイトルの付け方も実にイイ!
レイニー
☆☆
 グッと来た文【「君こそ大変だよ。君がタマゴから孵ったら、多分リセットされるよ」】
 ゲームのリセットって普通にやっていることだよね……? と思っているとこの作品で痛い目を見ます。(汗)リセット怖い!(汗)だって、最後の文って性格は違うけど、同じタツベイなんですよね?(汗)ゲームのタマゴは万華鏡のようなものだったりするのかなぁ……と思ってみたり。ゲームのタマゴを孵化させる(万華鏡Aの形)→ リセットする → ゲームのタマゴを孵化させる(万華鏡Bの形)といった感じに。つまり、タマゴは色々と形を変える万華鏡のように色々と性格を映し出すことができる、鏡のようなものでもある……と考えたのです。と、なると、個人的にはこの作品はタマゴだけではなくて、自分を映し出すという鏡といったテーマも入っているのかなぁ……と思いました。ちなみに、私もタマゴ孵化にはスカイアローブリッジにお世話になっています。(笑)
巳佑

☆☆☆
この発想はなかったというのが一読後の最初の感想で、個人的にこのコンテストの中で一番ユニークなアイデアだった。ポケモンがリセットについて知ってたらぜったいこれやると思いながら、にやにやして読んでました。
西条流月

☆☆☆
 短いながらタイトルがストーリーの全てを補完していたように思います。素晴らしい発想力だと感じました。おもしろかったです。


☆☆☆
 孵化前後=赤ん坊、という思い込みに縛られていたので、実に大人びて可愛げの無い(注;褒め言葉です)タツベイに衝撃、そしてタマゴの中の彼らにリセットという概念があることに驚きました。個体値や性格の不一致で無かったことにされてしまう、早く誕生(脱出)しなければ! 現実感とゲーム性の混合、新鮮な視点でした。だんだん焦り始めるタツベイの独白にちょっと笑ってしまったのですが、その後迎えに来たご主人の言葉に戦慄。おでこさん、正しくは「大丈夫、(自分の求める能力の子が)孵化したらちゃんと育てますから」ですよね……。まさに「可愛いけれどえげつない」。暴れて暴れてタマゴが割れた、いざ脱出! という時に、実は外での動き方を知らなかったという絶望感。リセットね、という言葉を聞かされた時の虚脱感。最後の懇願途中でぷつりと途切れる彼のセリフが切ないです…。そして新たに現れるタツベイが、おっとりしているという悲哀…!厳選をポケモン視点から描くという重い内容ながら、どこかコミカルかつシュールな雰囲気を楽しませていただきました。二つだけ、気になった点を。【タマゴから生まれた子をどのようにそだてようか】 他の「育て」は漢字なので、ここも統一した方が良かったかと(単に変換ミスかと思われますが)。【ついでに手足を広げた形の火が吹ける。これらの技を駆使して、ただ一点をひたすら攻撃する。】 最初の方に、タマゴの中は真っ暗で、しかも狭いから居心地はすこぶる悪い、という記述があります。頭突きはともかく、そんなところで大文字なんかやっちゃって大丈夫なのか…と思ってしまいました。
ラクダ


 惜しい。凄く惜しいです。題材は凄くいいのです。度肝抜かれました。ただ、BWでは爺前するより普通にタマゴをめいっぱい持つ方が効率的なので、わざわざリセットしなくてもいいじゃないかという問題が……;ラストは性別が変わったということですかね。
乃響じゅん。

☆☆
 こええー!(笑)ほのぼのギャグになるかと思わせておいて一転、奈落の底に突き落とされる展開には参った。でもこれって、どうやって「リセット」してるんだろうというツッコミは野暮だろうか(笑)ところで、ズバットが超音波を発したのは何のためだったのだろうか? 卵の殻を壊す、とかなのかと思ったが特に何も起こらないし。もしかして、頭をひねってう〜ん、と唸ってただけ?
サトチ

☆☆
 出た、厳選ネタ! ポケモンでタマゴと言えば……ってヤツでしょうね、これが(汗)予め来るのを予測していたネタなんですが、それだけにしっかり睨み付けて見た所、意外や意外目立つようなアラが出て来ない……!一人称で語られる内容は非常にスッキリしていて引っ掛かりもなく、それだけに印象も非常に良かったです。 個人的には、身代わりを描いた【3】同様、良い意味で期待を裏切ってくれた一作。ただ、これだけは言って置く。 『超音波』が自分のタマゴの中から余所へ撃てる訳ねぇぞ!?(爆) それに、殻の中で大文字撃ったら酸素が(ry)
クーウィ

☆☆
 いわゆるゲームの仕様を皮肉った廃人ロードものである。私達はゲーム中でタマゴの揺れを見ながら、ああ、そろそろ孵るなぁなどとwktkしているのだが、実は「うわぁあああ、消される! 消される前に生まれて逃げるんだぁああああ!」などと必死に揺れていると考えると、不謹慎ながらかなり笑える光景である。もうタマゴが揺れてるの見てタツベイしか思い出せないわ。 リセット後はうまい具合に性格が変わっている描写が見られる。はたしてそれは廃人の望む性格なのか。あるいは……今度こそ消されないといいねぇ。
お題:タマゴ
タグ:一人称、タツベイ、ループ、孵化ガモス、廃人ロード、目指せ6V性格一致
地方:イッシュ
死亡:あり?
No.017

☆☆
<作品情報>
テーマ種別 →タマゴ
作品タグ →【物理的なタマゴ】【プレイヤー批判】【リセット】
ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義 →システムの性質を良く生かしている。問題ない。
テーマの消化度合い →ある意味タマゴが主人公とも言い換えられる。問題ない。
<講評>
 システムの矛盾を突いた風刺的な作品です。実を言うと、当初これとほとんど同じ作品を書こうと思っていました。以前にもシステムの納得いかない点を突いた作品を書いた経験があり、最初にこの作品を読んだときは「書くべきだった」という気持ちと「被らなくてよかった」という二つの気持ちが同時に去来しました。よくできていると思います。最後の段落でこれまでと文体が変わっているのは、それまでタマゴの中にいたタツベイとは「別の」タツベイが入っていることを暗示させて、話の深みを増させることに成功しています。 話の流れが途中で読めて、それがひっくり返されることもなかったので、どこかでもう一波乱あればさらに面白みのある作品になったと思います。今後の更なる活躍に期待しております。
586


 わたしはどちらかというとこうした露骨な個体値ネタは嫌いなんですが、それでも満足出来る作品でした。じゃあなんで☆は一つなんだよ、それは以下をご参照ください。
>知っているやつもいると思うが、ポケモンのタマゴは「保育器」としての役割があり、演出のための表現と思うんですが、気に入らない。人の作品によってはモンスターボールさえあったりなかったりするものなのに、そんなゲームで言われた覚えのないもの(ゲームで言っていたなら本当に申し訳ないです)をあたかも当然のように言われても知りません。>>外の主人は呑気にもタマゴの揺れを孵化の前触れと勘違いしている。
 どうしてタツベイがそうと分かったのが気になりました。これってタツベイ視点の話ですよね? この際タマゴの中にしては外の世界を知りすぎだろうという野暮なツッコミはしませんが、タツベイはなぜ空を飛ぶ夢を抱いたのでしょうか。 あと、これはオチがやりたくて書いた作品に思えたんですが、友人に爺前と言われるまで全く意味が分かりませんでした。そこが評価するに当たって非常に大きなマイナス点となりました。廃人の知識はあなたが思う以上に狭義です。
でりでり

☆☆
一読目:来るかなと思ったら来たよ、高個体値狙いのトレーナー話!ゲームの話なのか、そうでないのかは少しわからないけど。リセットできるって言ってるし。さらっと怖い。
二読目:よく考えたらなんでズバットそんなに外のことに詳しいんだ?しかも脱出方法結局明らかになっていない。教えろよ!もやもやするだろ!何故超音波。すごく知りたい。と、読んでる側ももやもやする。これマイナス点かな。タツベイの恐怖が笑えない。思わず笑いそうな文章なんだろうけど本人からしてみたら恐ろしいことこの上ないだろう。まさに卵の本音ってやつ。ただし、自分がどうなるか知ってる奴限定。最後のリセットに容赦がない。
三から八読目:繰り返し読むとタツベイに申し訳ないが笑い話にも見えてきた。文体が。そして女主人公えぐい。
九から十読目:☆2つとなりました。うーん、悪くない。面白い。けど、ちょっと物足りない。そんなところかな。御馳走様でした。
音色

☆☆
 作中主体の独白のみの作品だが、タマゴの中という設定が助けになって成功している。不必要な描写がないのでテンポがよく、テキストの質も高い。他の作品との差別化をはかるという意味では、ユニークで面白かった。ただ面白かった以上の感想もでてこない。おそらく作者もそういう意図で書いたのだろうから、それは成功したと賞賛されていい。
渡邉健太








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