【014】こちら鏡屋メタモンでありんす。 作:巳佑

 ☆9 ☆☆16 ☆☆☆5 =56


☆☆
 テーマは鏡とタマゴと思われる。誤字脱字及び話の流れに不自然な点は見当たらなかった(5/13時点)。テーマの鏡は未来編と現在編でしっかり使われている一方、タマゴは過去編のみに出ているように思われる。そのため、ややタマゴが取って付けたような印象を感じられた。以上の点から☆☆とした。
あつあつおでん

☆☆
 ◇「どんなに姿形を変えようとも、わらわっちはわらわっち。お主はお主なんじゃ……中身を変えること……それも進化の一つじゃないかのう?」
 個人的な見解で申し訳ないんですが、この作品の主人公はイーブイであり、マッギョであり――つまりメタモンではないと思いました。そこがこの物語の味わいある部分ではないかと。メタモンは――例えるとスター・ウォーズでいうマスター・ヨーダ的な存在で、主人公の成長を手助けする役割ですよね。そんなマスター目線(笑)で展開していく短編集で、とても新鮮、そしてそれぞれの主人公が見つける答えも素敵でした。ちなみにルージュラバージョンも好きでしたよw
リナ

☆☆☆
 お題:鏡(メタモン)、タマゴ(物理的、選別)
 まず、鏡とタマゴ、両方に適合するポケモン、メタモンというチョイスの時点でまず脱帽です。そしてななるちゃんとの話をベースにしながら、閑話休題的に、間にマッギョの話という構成。マッギョの話はメインストーリーからすると横道であり、もっと字数制限きつかったら真っ先に削られた場面なのでしょうが。でも、ここでギャグテイストの場面をあえて入れ込んできた、そこに痺れるっ!憧れるっ!
レイニー

☆☆
 ぜひ連載板で読みたい作品です……! わらわっちが可愛すぎてにやにやしました。
カレー屋さん

☆☆
 大きく分けて三つの短編をまとめた印象があったが話のひとつひとつ、特にメタモンの言葉は印象的なものが多かったところはポイントが高かった。ただ、それだけにここの話がぼやけていた感じがした。ひとつひとつの話に登場するキャラクターの心理面に深く掘り下げていくとよりよくなると思う。
西条流月

☆☆
 めちゃくちゃな言葉を話すメタモンのキャラクターがおもしろかったです。短編集のような構成でしたが、もっと多くの短編を読んでみたいと思わせる作品でした。【今編】でマッギョの話ではなくて、イーブイに関する掘り下げや伏線などを書けばもっとストーリーに深みが出たのではないかと感じましたので、そこだけ惜しい点になっています。


☆☆
 しゃべり口調が癖になります。長いのに読みやすいです。宣伝、未来、今、過去という構成も面白いです。


 なんていうか、ごめんなさい、わらわっちっていうのが痛い子にしか見えなかったです……汗それを差し引いても、☆は一つしか上げられないのです。というのも、色々見せてくれると言うので期待していたのですが、結局進化系に関する話止まりだったのが凄く残念だったから。「あの伝説の地にはこんな姿のポケモンが住んでいる」とか……「人間の最先端はこんなマシンがある」とか……僕の想像力ではこの程度が限界ですが、アイデア次第でどこまでも伸びていける作品だと思います。ぶっ飛んだアイデアであればあるほど、この作品は魅力的なものになっていたはず。イーブイじゃなければ良かったのになぁ。……キャラが嫌いな訳ではなく汗
乃響じゅん。

☆☆
 心温まるストーリー。マッギョ(いつの間にルージュラから変わった! でも確かにこちらのほうが合う)のくだりのギャグも笑える。願わくばコレ、シリーズで見てみたいもんだと思うのですが、キセルにまつわる過去話とかいかが?
サトチ

☆☆
 一読目:花魁言葉でしゃべるメタモンww!盛大に楽しませていただきました。一人称わらわっちってなんじゃいなそりゃ。何時の時代を生きてきたんだこのメタモンは!おまけに宣伝編やら今編やら分かれていてなかなかやるなお主。タマゴのネタもしっかり盛り込んでいていい感じ。
二読目:じっくり読むとやっぱり面白い、が、うーん…な部分も出てきた。いや、悪くない、むしろこれマジでおもしろいよ!って言える。ただちょっとギャグ要素多すぎない?十分だけどね。こんな作品も無いと正直やってらんn(殴)マッギョのくだりなんてちょっと分かりやすい…とか、イーブイが進化で悩むのってありきたりじゃないか?とか、挙句、きました、高個体値狙いのトレーナー卵事件。読み慣れてくるとこの作品、この三パターン以外あるの?っとなる。でもテーマに沿ってかちっと出来てるからさすがだ。
三から八読目:普通のエンターテイメントとしては合格点だと思うけど、なんかシリアス味にかける。狙ってないかこれ。
九から十読目:最終結論、☆二つ!本当は3つ上げたいけど、なんか個人的には物足りないっす。
音色


 これも擬人化しすぎてのパターン。そこに関しては【012】のと基本的に感想は同じです。
 それに無駄が目立ちます。もっと文章削れます。
 ただメタモンのキャラは嫌いじゃないです。
 あと、話はもっとマッギョかイーブイかのどっちかに絞るべきでした。欲張って二つやろうとするから、二つとも話が浅くなる。片方をしっかり掘り下げてくれればもっと面白くなったと思いました。(個人的にはマッギョでやって欲しい)
 そのために他の一万字クラスの作品と比べると弱いなあと。一つだけ指摘。
>わらわっち、メタモンと呼ばれておる者はその身を七色変化に変えることができるのじゃ。
 これって重複表現が重なってません?
でりでり

☆☆
 メタモンの特徴を活かした面白い作品。言葉遣いだけでなく“お触りは大目に見といてやるでありんす。”など文化面でも上方の特徴を出していることで、旅先の中でもよほど思い入れがあるのだろうと感じさせる。パーソナリティを強化する演出として、とてもよかった。 人間のパートだけ、妙に説明臭くなってしまったのは残念。思い入れが強いほど、さらっと書いた方がいい。
 また、メタモンの思い入れの割に、それほどディープな当事者ではない。戦も被害が及んではいるものの部外者だし、タマゴを産む苦労も伝聞である。旅先で一個か二個くらい産んでいてもよさそうなものだ。口は達者だが実体験に乏しく、だんだんと説得力がなくなってしまった。
渡邉健太

☆☆
 悪くはないんだけどなんか退屈だなぁ、と思ったら原因がケンタ氏の批評で判明した。そうか、過去の凄惨なシーンは彼女自身の体験じゃあないんだ、悪くいってしまえば他人事なんだ、と。 わらわ、わっち、花魁という繋がりで思い出したのだけれど、花魁って、客の子を孕んで堕ろしたりしてるんだよね。それは子どもを生まされるだけ生まされて殺されているポケモンの姿に重なる部分がある。ケンタさんの指摘にもあったけれど、メタモンの設定として、遠い昔旅に出て見知ったことではなく彼女(?)自身の実体験としてのほうがよかったかな、という気がした。吉原炎上ではないが、火事のどさくさに何かに変身して逃げおおせたということにでもすればいくらでも説明はつくわけだし。あるいは聞いた話としてななるに語っておいて、実は実体験とか。 もっと過激にするならば、炎ポケモンに変身して火事起こして脱出くらいでもよかったかもわからない(さすがにやりすぎかしら)。
 実体験ともなればもっとななるを再度捕獲しに来た人間の男に対してもっと本気を出していい。脅かすシーンをさらりと流してしまっているけれど、凝ってもよかったんじゃないかな。花魁の本気じゃあないですが。棄てられてきたポケモン代表としてもっと派手にやらかしたなら、それまでの訪問客に対する対比としてもおもしろかったと思う。
お題:鏡(タマゴも入ってる)
タグ:一人称、メタモン、マッギョ、イーブイ、廃人ロード
地方:不明
死亡:なし
No.017


 一万字作品。
 メタモンと言うポケモンそのものを鏡として見立てた、ユニークな物語ですね。全体の感想としては、ストーリーは悪くない感じ。 文体が安定していなくて多少読み辛いものの、所々に光るもの―個性的なキャラクター像や目を惹く様な表現、汲み取るべきメッセージが散らばっており、感じ入ったものも幾つかありました。ただ、それでもやはり分量の割りには起伏が乏しく、なかなか作中世界に熱中するまでには至らなかった節があります。
 ……心理描写は十分ですので、もう少し情景描写を絡めるなどして、作中世界に深みを持たせられれば良かったかも知れません。更にもう一つ、コミカルな表現の多いパートと、逆にシリアス路線を取っているパートをきっちりと分けていたのは良かったのですが……軽い路線の部分はともかく、シリアス部分の表現や内容に、今一つインパクトが足りなかったような印象があります。 思惑は良かったのですが、如何せん軽妙なギャグ調に比べて、威力不足の感が否めません。
 もうこれは、ギャグと日常に絞った方が得策だったかも……嘗て審査員の御一人であるタテタさんが仰っておられた言葉を借りれば、『書きたいや読ませたいが多すぎる』感じの作品でした。
 もう少し狙い球を絞るか、さもなくばより簡潔なシーンに改変して、代わりに描写のグレードを上げる方が、より良い評価を呼び込めたものと思います。まぁでも、其処は書き手の意思。 描きたい世界観が決まっておられたならば、早々簡単にテキストを削るのは憚られたでしょうし、その辺りの兼ね合いは難しいですよね。
クーウィ

☆☆
<作品情報>
テーマ種別 →鏡
作品タグ →【観念的な鏡】【断片構成】【メタモン】【不思議な一人称】【プレイヤー批判】
ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義 →問題ないレベルに達している。
テーマの消化度合い →メタモンで「鏡」というのは納得感がある。問題ない。
<講評>
 小さなエピソードをいくつか集めて一つの話にしたタイプの作品です。それぞれでメタモンの持つ特性が部分的に発揮されているという印象で、特に【過去編】でのタマゴに対する言及は「やはり来たか」という感じでした。メタモンはその性質上「タマゴ」と「鏡」の両方を活かせるポケモンであると感じていますが、この作品はまさにそれを突いてきた感じです。 それ自体は問題なく魅力的なのですが、小さなエピソードがいくつか集まっている(よく見ると二つのエピソードは繋がっていて、実質的に存在するエピソードはイーブイの話とマッギョの話になります)構成のためか、やや散漫な印象は否めません。特にマッギョの話は他とのつながりがなく、独立した一つのエピソードとして成り立ってしまうせいか、残念ながら浮いてしまって見えます。マッギョの話をばっさり切り落とすか、あるいは逆に【過去編】もイーブイやマッギョとまったく関係ない別のエピソードにして三つの短いオムニバスストーリーにしてしまうか、どちらかを選べばよりよい形になるでしょう。今後の更なる活躍に期待しております。
586

☆(作者の為、参加点のみ)
 自作品なので、参加点をいただきます。(ペコリ)読んで下さいました皆様、ありがとうございました。
【とりあえず良かった点】
・ポケスコに作品を提出することができたこと。
・話を四つに分けてみて、オムニバス形式(?)みたいに挑戦したこと。
・キャラクターが多分個性的だったかなぁ。タブンネ。
【とりあえず反省点】・四つの話に分けた分、一つの話の中にて問題解決までの展開が急だったかも。
・花魁詞(?)を上手く扱えたかな……それと、なんか物足りない感が。(汗)
・文法がおかしいところがあるかも。(汗)
・かっこ書きでルビを振ってみたりしたが、果たして必要だったのだろうか?
・風景描写が少なかったのも一応、ここに。(汗)
巳佑








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