【022】冷たい水の中をきみと歩いていく

 ☆12 ☆☆12 ☆☆☆6 =54



(自由感想)
・ニックネーム「冷水徒歩」
・死んでいるというヒントが多めかな。インパクトが薄れている。ちょっと提示を並び替えるといいかも。
りえ大統領

(自由感想)
 なんてことの無い日常の風景、のようで実は主人公の知らない世界。物が消失してゆく事、唐突に現れる景色、というところから誰かの夢と繋がっているという設定かと思っていたのですが……そうか、そういうことだったのか。 繰り返し現れる赤いワゴン車、ごうごうと響く謎の音が平和的な風景に微かな不安をもたらす場面、変わらない日常につい苛立ちを露にする場面に、思わず上手いなあと呟いてしまいました。 真相にたどり着いた際、二人がそれを穏やかに受け入れたことに安堵。悲話でありながら、読後感の爽やかな作品でした。
少し気になった点を。
 【自力でシンオウ地方を半周しようって。テンをポケモンセンターに預けて、出かけたのが数ヶ月前。】 車で夫婦二人旅なら、連れて行っても良かったのでは…?数ヶ月もの長期ならなおさらですし、野生のポケモンの存在を考えると、手持ちの一切無い旅というのは結構危険なのではと。
【ガードレールを突き破って、坂道を転がって、湖の底へまっさかさまだ】
 ガードレールを突き破るほどの大事故なのに、「グラエナを追いかけて三日三晩」経つまで気付かれなかった所に違和感を感じます。伝説の残る有名な湖なので、ある程度人の行き来はあったのではないかと思いました。
最後に。これは私の読解力不足が大きいのですが、お題の鏡=記憶の反射、という解釈で良かったのでしょうか…?
ラクダ

☆☆☆
 何かが思い出せない、何かがひっかかる、だけど何なのかわからない、浮かんでしまう体をおして潜水するようななんともいえないもどかしさが素敵でした。冒頭の彼の挙動、朝ごはんのところから惹かれて、幸せな時間とその終わり、せつなさは ばつぐんだ!
カレー屋さん

☆☆☆
 描写の細かさがあったので光景を想像するのが容易く、読みやすかった。また設定としてもとても面白かった。ただ、記憶を取り戻すシーンの描写があっさり終わった印象があり、完全に消化しきれないまま、最後の車を引き揚げるシーンに入ったので最後が蛇足のように感じたので、記憶を取り戻すシーンを綿密に書いてくれるとうれしい
西条流月


 グッと来た文【もっと、彼女と色んなことをしたかった。子供を作ったり、色んな所へ旅行に行ったり、笑ったり怒ったりしたかった。けれど、もういいのだ。彼女と手を繋ぐだけで、もう十分だ。】読み進めていくと、少しずつ何かが繋がっていくような不思議な感覚の後、最後には再び明さんと真央さんが結ばれた……涙腺がとても熱くなりましたです。その別世界に置かれてある物に対する描写が一つ一つ印象的に残りましたです。ちなみにあの車の前に飛び出して来たポケモンって、グラエナではないんですよね?(汗)私の勘違いだと思われるのですが、年の為、一応。(汗)
巳佑


 お題:鏡(三途の川の世界)、タマゴ(ベーコンエッグ)
 三途の川の世界が、鏡を表しているのだろうか……と思いましたが、個人的にはあまり鏡という印象受けなかったなという思いが。かといって、ベーコンエッグだけだと弱すぎるので、上記の解釈表記になりましたが。不思議な世界観は魅力ではありますが、お題の使い方がイマイチということで厳し目評価に。
レイニー


 テーマは……全くわからない。強いて挙げるならば鏡だろうか。まず、助詞の誤用が1箇所あった(5/17時点)。話の流れに不自然な点はなかった。また、本文にテーマ及びテーマに関わりがありそうなものがどこにも見当たらなかった。それっぽいことを言っているが、実際はテーマがはっきりしていない。以上の点から☆とした。これは評価と関係ないが、記憶を司るのはユクシーだが、あえてエムリットを使った理由はあるのだろうか。あと、最初に車を見ている場面で主人公の正体がわかってしまった。できればもう少し後からわかるように、指輪の話題を後にずらすといった工夫がほしい。
あつあつおでん

☆☆☆
 ◇「でも、二人にとってはおとぎ話通りかもね。嬉しい時間、楽しい時間ってあっという間だもの」
 やばいですねこれ。私の中では一番です。だからやたらと感想も長いですw
 まず、話の前提が「神様の粋なはからい」っていうところが好きなんです。人智をこえたその力で、物語が始まったその瞬間から「未知」。記憶喪失の設定もあいまってミステリアス。彼らの「日常」ってどこに行ったんだろう? なぜそれを失ったんだろう? って想像しながら読み進めました。そして「彼女」が記憶を呼び起こすヒントを語るそのせつなさとか、タイムリミットが迫ってるのを「ごめん、今日はコーヒー入れられないや」や「朝食が終わっても、テンはやってこなかった。」などの文が時計の針みたいに刻々と刻んでいく描写がたまりません。 主人公が記憶を取り戻した場面。「馬鹿なことしたよなぁ。君を巻き込んじゃってさ」と苦笑しています。私、ここ大好きです。「彼」が「ごめん」と「彼女」に謝ったり、ショックで泣き崩れるわけじゃないからです。自分が既にこの世にいないことをしっかり受け止めて、今目の前にいる「彼女」の手をただしっかり掴む。愛犬のグラエナも戻ってきて、ねじれていた運命がもとに戻る。そして、幸せな、けど悲しい「日常」へと帰っていく。こういうのが一番泣けます。 そして極め付けが! 最後の警察による自動車引き上げシーン。それまでの「非現実」の世界と「現実」の世界を結び付けているワゴン車を物理的に引き上げることで、読んでいる側も日常に引き戻されて、良い意味で「夢が覚めてしまった」感覚に陥りました。彼ら二人がいきついた死の世界だけじゃなく、二人のいなくなった現世の描写を最後に挿入することでその死が引き立って映りました。
 こういうお話、書けるようになりたいです。作者さんは見当もつきませんが、お礼を申し上げます。
 ご馳走さまでした。
リナ


 急に怒り出したところに違和感を感じてしまいましたし、最後の引き上げる場面は正直なくてもよかったんじゃないかなとか思いましたが、それらを補ってあまりあるおもしろさでした。テンはなぜポケモンセンターを脱走して飛び出してきたのでしょうか? そのへんの謎は残ります。居る場所がシンジ湖だと分かったときの衝撃がこの切ない作品のおもしろさを集約していると思います。ただ非常に残念なことに、お題をどこで使っていたのか全く分かりませんでした……。それさえなんとかなればもう少し☆をあげられました。



 自作品。タイトル見て気付いた方は気付いたと思いますが、谷山浩子です。好きが高じてドアホウなことをやってしまいました。ただ、谷山さんの楽曲が好きだっただけなんです……奇跡が起きたことも、それで報われた人がいることも、誰も知らない。そんな話が書きたかった。
乃響じゅん。


 ポケモンが関与していなくても、文章を読んでいて楽しかったです。あと、最後のシーンは必要だったのかな?と思いました。


 ……うーん。
 これはタイトルで失敗したと思います。
 タイトルと車が刺さっているでオチがだいたい予測出来ました。車だけならそんなことは無かったんですが。
 ただ、文章力やオチ自体はしっかり出来ていると思います。二人が救われないのが無念……。
 オチは前述した通りよく出来てます。ただ、全体的に疑問が多くて爽快な読後感が得られない。以下気になるところ。>>犬ポケモンって、誰に対してもこうなのだろうか。
 犬? 気になってポケモンwikiなどで調べればグラエナの元ネタはハイエナ。ハイエナを調べれば食肉目ハイエナ科。一方犬は食肉目イヌ科。いくらなんでも犬ポケモンはちょっと……。
>口で言われても実感が湧かなくて、本当の記憶を取り戻せなくなる。
 その根拠は? そして何よりエムリットの意図がまるで読めなかった。エムリットは結局何がしたかったのか……。
 で、タマゴなんですか? 鏡なんですか?
でりでり

☆☆☆
 悲劇的な内容にもかかわらず、読後感は決して悪くなく、むしろさわやかで明るい。当初気付かなかったが、お題の卵or鏡とのかかわりが極めて薄いのは残念。強いて言えば卵が登場するが、あまりストーリーにはかかわってこない。どちらかと言えば鏡を出してもよかったのではないか。何らかの形で繰り入れてもおかしくないと思う。以下は気になった点。
>僕が落ち着かなかった。と言うのも、彼女がまるで家族ように親しげに振舞うせいだ。「僕は落ち着かなかった。と言うのも、彼女がまるで家族のように親しげに振舞うせいだ。」では?>「ベーコンエッグじゃんか。好きなんだよ、これ」主人公が置かれた状況(全く見覚えのない女性と共にいる)に合わない。伏線として書いているせいかと思うが、語調として非常に心理的に近しい間柄の相手にかける言葉であり、全く見も知らぬ(と感じている)異性にいきなり言うセリフではないために、読者としては戸惑わざるを得ない。それともこれは、無意識領域に記憶が残っていたから、という想定で書かれているものだろうか?それにしても違和感を感じる。>食べ終わった後、僕は彼女の話を切り出すことにした。彼女「に」では?>部下の有馬が、感嘆の声を上げる。エピローグ、部下の名前がわざわざ書かれているが、話し手の上司の名前すら出ていないのに不要。というかむしろ、脇役もいいところで全然重要な人物ではない(はず)のに悪目立ちして邪魔。「部下が」でいいはず。ラスト、主人公たちが記憶を取り戻し、その象徴のように、いままで「僕」「彼女」の表記だったのが「明」「奈央」という固有の名前を取り戻すシーンの、せっかくの「名前」の輝きが引き立たない。呼びかけるシーンもないし、どうせ地の文だけなら「部下」だけで十分だし、そのほうがずっといいと思う。もし、なにかの理由で、どうしてもここで部下の名前を出すことにこだわる必要があるなら、せめて「有馬」なんて結構目立つ名前ではなく、「佐藤」くらいの没個性な名前で十分だと思うのだが、どうだろうか。
サトチ

☆☆
 これまた異色な作品。
 記憶を失った主人公が、己を再発見するまでを描いた物語。取りあえず、オチは冒頭から幾らも経たぬ内に分かった。 でも、そこからがまた面白い。淡々と語られる作中世界は、勿論主人公の視点より。
 謎の女性パートナーとペットと思しきグラエナ。 ドアの開かぬ乗用車に、どんどん減って行く身の回りの家具。刻一刻と変化していく世界の様子は、読者の意識を作中世界に引き止めると同時に、最終的な結末を暗示させる、舞台装置の役割も果たしている。
 ……が、しかし、この手の記述配置やストーリー進展は、類似した作品ではほぼ共通して使われている傾向であって、決して珍しいわけではありません。圧巻は、やっぱり終盤の追い込み部分。自分の正体を知ると同時に、呼びかけてくる一匹のポケモン。
 ダークライでもムシャーナでも無く、感情ポケモンのエムリットが出て来たと言うのは、完全に予想外の事でした。そして更に、クライマックスで二人の下に飛び込んでくる、グラエナのテン。
 当初は、「ハイエナは犬じゃねぇぞ」と言う程度の感慨しか抱いてなかったはずの彼に、こんな所で押し切られる事になろうとは、正直夢にも思わなかった。最後の最後で評価が劇的に変化した、死後の世界の物語。今回の企画でも、指折りのラストシーンでした!
クーウィ

☆☆
 思い込みで書かれた典型的なテキスト。 いつもやっている習慣ならば、それは有位の順番だろう。“腕や脚を、そして手や足を”では順番が分からない。これはこの作中主体の記憶に繋がる重要な動作のひとつで、「や」で列挙するべきパートではない。冒頭で手抜きをするから、ベーコンエッグも輝かない。 たくさん赤を入れたので、労力を無駄にしないために列挙する。
 最初の大段落、“テーブルとキッチンとソファ”は並列して大丈夫か。“それから冷蔵庫”とあるが、これはキッチンという集合に加わる個ではないだろうか。ダイニングやリビングを、テーブルやソファと個で表現した中にキッチンはいただけない。
 二つ目の大段落、“味噌汁が入っていると思わしき”の根拠がない。匂いがするだろうから、それを書けばいい。そして根拠のない味噌汁を断言したくせに、“包丁で、何かを切る音”と、こちらは「何か」だ。味噌汁の断定が余計に不自然である。
 “目は澄み切って”と澄んだ目が好きらしいが、澄んだ目とはなんだろうか。それが“肩まで伸ばした髪とよく似合う。”というのは本当だろうか。目の特徴は凝視する必要があり、髪は全体を離れて見る必要がある。後半の“迷いがない”彼女の“瞳”は説得力があるだけに、この提示はいかがなものか。 第三大段落、“会話のない時間が、妙に居心地悪く感じられた。”ふつう会話のない時間は居心地が悪い。この「妙に」はどういう意味か? 第五大段落。“この平坦な場所に、他に住んでいる人がいるのだろうか。”ふつう人は平野部に住む。 花を植えた夫婦の伝承。“最初は色んな地域に遠出し”ていたのが、“まずは身の回りから始めよう”とある。どちらから始めたのか。遠方で活動を続けて帰宅したある日、近隣の荒廃に気付いて取りかかったのではないか。
 第七大段落。第二文に“仰向けになる。”と姿勢の記述があったまま、会話が終わると彼女は“仰向けになってすうすうと”眠る。“僕も仰向けに”なる。
 会話の重要度からしても、お互いに向き合って話していたのだろう。どこかで姿勢を変える記述を入れることでそれを強化できるし、矛盾もなくなる。 やれやれ、なんとも酷い文章だった。私はポケモンがいるだけで、別にポケモンがいなくても構わない、こういうストーリーが基本的に好きである。ポケモンを擬人化してあれこれ書くのと、主体が人間であることは大きく違わない。どのみち人間が書いた文章は、人間についての文章になるのだから。そこにポケモンが現われることで、世界観の広がりや、空想上の出来事が起こったりする。本作もその魅力に溢れている。このスタイルを貫いて、ぜひ筆力を付けてほしい。
渡邉健太


<作品情報>
テーマ種別 →タマゴ?(確証持てず)
作品タグ →【テーマ不明】【一般文芸寄り】【夢の世界】【エムリット】
ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義 →非常に微妙なライン。エムリットが「感情の神様」と呼ばれているのがかろうじて二次創作としての性質を持っているが、その他の地名やポケモンはすべて一般的なもので置き換えられてしまう。エムリットの存在により、ぎりぎりで二次創作としての意義を満たしていると判断する。
テーマの消化度合い →作中では「鏡」に関して一切言及されていなかったため「タマゴ」と判断するが、「タマゴ」についても言及されているのは料理としての「卵」のみ。作品のテーマとして生かされているとは言えない。
<講評>
 誠に残念ながら、厳しい評価を下さざるを得ません。以下にその理由を述べます。
 本作品を読んで感じたのは、「テーマとして【タマゴ】が選ばれている意義が薄い」という点です。作中では、物理的・観念的共に「鏡」に関する言及または示唆は一切なかったため、私はテーマは「タマゴ」であると判断しました。そして、タマゴは実際に作中に登場します。ベーコンエッグという形で。しかし、あくまで作品のキーではなく添え物という扱いになっているに過ぎないと言わざるを得ません。主人公たちが真実を知るキーとなったのは「ワゴン車」であり、ベーコンエッグは主人公たちの風景の一部でしかないと感じました。この作品がテーマが「タマゴ」の作品とは、私はどうしても読み取ることができませんでした。
 本コンテストにおける「鏡」もしくは「タマゴ」というテーマに沿った作品を書くことという前提条件を鑑みたとき、条件を満たしているか一考の余地がある(どちらかというと満たしているとは言いがたい)本作品は、やはり厳しい評価を下す他ないと判断しました。
 以下は余談です。今回挙げた前提条件を取り払って一般文芸作品として評価した場合、透明感のある表現や、ワゴン車が突き刺さっているという現実離れした光景など、惹かれるものは少なからずあります。構成や展開も破綻がなく文体もこなれており、筆者の技量が非常に高いことが伺えます。今回は不本意な評価となりましたが、これをもって筆者の技量を否定するものでは決してなく、あくまで本作品が「『タマゴ』及び『鏡』をモチーフとした小説作品のコンテストという場にそぐわなかった」だけ、と受け止めていただければ幸いです。今後の更なるご活躍に期待しております。
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一読目:なんか出だしの展開で宮部みゆきの『レベル7』が出てきたけど中身はちゃんとしていて安心。けども救われない話だった。うーわー。
二読目:それにしても湖の中の神様は優しい、というべきかただのおせっかいというべきか。このカップル限定サービス?とか思うのは嫌な奴なのかもしれない。
三から八読目:今思ったけどこれテーマは『鏡』なのか?『タマゴ』ってもしかしてベーコンエッグなのか。そこなのか!?デジャブを鏡としてるのか?ちょっと考えると混乱して来た。
九から十読目:悪くないし良いと思う。けど☆一つ。なーんか、うーんとなって終わってしまった。
音色

☆☆
 作品としては実はかなり好みな類なんだけどいかんせんテーマ(お題解釈)が弱かったかな、と感じた。ベーコンエッグでかろうじて出てきた。小道具で使っただけという印象。29番のヨーヨー、顔文字、オムライスもタマゴが同じ料理ポジションなのに、ずいぶん違う感じがするのは興味深いところだ。(※責めているわけではない)
 ただ、好意的な解釈をするならば、主人公が自分の置かれた状態を認めることによって、自らの作り出したタマゴの殻をやぶっているという風にとれなくもない。
 ちょっと疑問だったのは、彼女さんが「明日いいところにつれってってあげるわ」と言って、結局行かないままに主人公が記憶を取り戻しちゃったので、結局いいところっていうのはどこだったんだろうなーという所。(もしかしてワゴン車こじあけるって意味だったんだろうか)彼が記憶を取り戻し、語るところにおいて「君が連れてきたい場所ってここだったんだろ?」的なフォローがあるとよかったように思う。 なんか文句ばかりになってしまったんだけど、好き嫌いで言うなら好きなタイプの作品です。誤解のないようにそこは主張しておきます(笑)。
お題:タマゴ
タグ:一人称、エムリット、グラエナ、ワゴン車
地方:シンオウ
死亡:あり
No.017







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