【002】Limbo 作:586

☆=11 ☆☆=19 ☆☆☆=8 合計=73

☆(朱雀)
☆(西条流月)
☆読んでいる身として、主人公の気持ちに整理をつけてほしかったです。(匿名)


話と言うより、こう、写真の断片を見ている感じでした。
ゆえに時間軸が分かりにくい、流れがないかなぁ、とも。
無機物ポケモンがポケモンであるか否かというテーマはとても興味深いものでした。
(teko)


表現力はなかなか良かったのですが、一つの段落の量が短く内容が薄いように感じてしまいました。「ここを書きたい!」という場面の内容をもっと濃くし、それほど重要ではない場面を削れば、10,000字以内に収められかつ内容の濃い小説が出来上がると思います。
(穂風奏)


思い出がコラージュのように甦る。
自分を叩くような子と、頼子は遊びたいか? ってセリフがいいなと思いました。いいこと言うなぁと。将来父親になったらそれ頂きます。
でもこれがあるせいで、ずっと思い出を辿って行く話なのかと思ってしまい、脳内でスイッチ切り替えなきゃいけなくなったのも正直なところです。この作業を読者にさせるのは酷です。
答えを出していない主人公。そんなんではアニモも浮かばれないと思いますよ。しゃんとしなさいしゃんと。
Limboとはどういう意味なのか、結局分からず仕舞いでしたね。どなたかが解明してくれるかな?
(乃響じゅん。)


ポリゴンが存在するのはこの世でもあの世でもないところ。limboという意味の辺獄はぴったりだ。タイトルの取り入れがとてもセンスがある。
始まり方は過去から現在になっているのか。
全体的な書き方が、過去に飛んだり現在のことを描写したり、いつの時代のか解らないものがまじり、とても解りにくい。何回読んでも意味が解らない。
そこがマイナスになっていて、素直にアニモと主人公の思い出や関係が入って来ない。
また、ものを修理してまで大切に扱う人と、ものを壊れてそのままにしていく人の対比があったが、これが一体何に関係しているのか全く持って意味不明。
おそらく、主人公の目に入るものを全て取り入れたような感じではあるが、はっきりいってそれがつながってない。
人形供養、おばあちゃんの九十九神の話など、あちこち飛び過ぎてこれでは読み手はついていけない。
じっくり読む人ばかりではない。コンテストでなければ、何度も読み返されることがないだろう。
何を読ませたいのか解らないものだった。
主人公とアニモ、そして目に映るものが上手くつながらない。満天すぎて、どの星がどんな星座を結ぶか解らなくなってしまったかのよう。
(きとら)


 お、おおう。
 わたしはどうすればいいんでしょう。
 まあそうですね。深い話ですね、魂。
 ただこれに関してはお葬式で嘘泣き以外で泣いたことがない薄情モノなわたしは何も言わないでおきます。
 現在と過去を交互にくり返し、過去の出来事と現在の人々の様子と対照的に表現させることで一人語りを避け、テーマを読者に印象づける技法には頷かされます。
 しかしその一方でやり過ぎなような気がします。一つの段落が短く、かなり頻繁に場面転換を繰り返すので混乱しかねませんでした。
 また、頼子が受動的なのがテーマの強調を妨げてしまったような気がします。さらに主人公の頼子自身が答えを見つけれていないので、話の説得力が弱く、むしろこの作品は未完成ではないかと思いました。
 と言いましたが題材の選び方は素晴らしいと思っています。
 余談ですが、車に水を注いで大丈夫なんですか?
(でりでり)


(追加コメント)
・主人公の「ポリゴン亡くした」っていう喪失感やくやしさをセリフだけではなく、しぐさとかで表すとよいと思います。
・主人公以外の気持ちももっとほしい。長生きしたポリゴンなのだから。

(以下作者さんには既出)
・Limboという単語の意味に、
失われたもの、忘れられたもののための、架空の場所(animaginaryplaceforlostorneglectedthings)だとか、カトリックの教理で、小罪を犯した死者の霊魂が天国に入る前に火によって罪の浄化を受けるとされる場所、およびその状態。天国と地獄の間にあるという。等の、けっこうカオスな場なんですよ。ダンテが『神曲』で触れていた通りだとすると。
なので、いきなり2chの書き込みみたいなのが現れるだとか、インタビューが始まるだとか、まったく話に関係ない人が現れて死生観を語るとか、もっともっとカオシックな作りでもよいのではないかと思います。
・なので自動的に、「大事なポリゴンが死んだ。悲しくて仕方ないのに、どこも受け入れてくれない。」これの提示を最初に行ったあとに、主人公の記憶や主人公にまつわることだけではないほうが、意図はとらえやすかったのではないか、と思います。
・作中でリンボの意味に触れましょうよ。
(りえ)


スマートフォンが熱くなる記述があったが、ポリゴンは活動によって発熱するのだろうか。角張っているボディとの接触は何度かあったが、体温のやりとりはない。筆者自身にとってスマートフォンの方にリアリティがあり、ポリゴンはまだ無機質というイメージの束縛から逃れていない印象。
モチーフや内容は面白かった。
あとちょっと:☆
(渡邉健太)


>後ろに回り込んだアニモは、前足であたしの肩をとんとん叩きはじめた。
>違う、とあたしに言われたアニモは、一旦前足を下ろして座り込んだ。
 この2ヶ所で「前足」という表現が使われていますがポリゴンに前足・後足の概念は無いと思われます。
(門森 輝)

☆☆(久方小風夜)
☆☆(匿名)
☆☆(小樽ミオ)
☆☆(リナ)
☆☆(砂糖水)
☆☆(匿名)
☆☆(SB)

☆☆
 ポリゴンを扱った物語。敢えてかのポケモンが持っている無機質性に焦点を当てる事で、問題や疑念を提起する手法はポケモン二次ではそれほど珍しいものではありませんが、それだけに作者の実力が光った作品ですね。
 全体を通して描写能力の高さとメッセージ性の強さが際立っており、非常にレベルの高い作品だなと感じました。最初は極めて限られた視覚情報しか与えず、徐々に描写する範囲や対象を拡大していく事により、まるでパズルのピースを埋めるかのように作中のテーマを浮かび上がらせていく手法と技量とは圧巻です。
 描き出される個々のシーンや登場人物の台詞の数々にもしっかりとした価値観や情念が渦巻いており、最終的に導き出される結に向けて、どんどん引き込まれて行く。作品自体の面白さにしろ着目点にしろ、今回寄せられた作品群の中では、屈指のレベルである事は疑いようがありません。

 ……しかし、残念ながら自分としては、評価自体は最高ではありませんでした。
 何故かと言うと、もうこれは、読了後の余韻が足りなかったという一点に尽きます。兎に角、読み終わった後でのインパクトに欠けていた。
 このお話は、個々のシーンには何も言う事はありません。人形供養のシーンと言い、不法投棄された粗大ゴミの描写と言い、自分としては文句無しです。登場人物もその台詞も無為なものは何一つ無く、一つ一つが物語の骨子として、十分な働きをしてくれていました。

 ところがいざ全体を通して見てみると、一つ一つのシーンは素晴らしいのに、それらが上手く繋がっていない様な印象を抱いてしまうのです。いわば、玉と玉の間が不自然に空いた、真珠のネックレス見たいな感じでしょうか。
 個人的に、多分こう感じた最大の理由は、作品から手を離すタイミングが早すぎたのだと思います。……と言うか、綺麗に幕を引くには、情報量がちょっと足りなかった感じ。
 こう言った雰囲気の作品では、ラストを暈すのは非常に有効な表現技法だとは思うのですが……それでも、読者がある程度は作者の意図に沿った解釈や感慨を持てるように、誘導するべきものだと思っております。残念ながらこの作品は、最終的な軌道が確定するまでは描かずに、いわば結論を立ち消えの様な形で先送りにし、うやむやにしてしまっています。
『迷い』それ自体をテーマとしているならば、無理に結論までは描かなくとも良い様に思えますが、それでもやはり相反する事例をもう少し増やしたり、主人公の心の乱れだけではなく変化や反発をもその都度強調するなどして、全体をしっかりとしたメッセージを伴う、一つの物語として纏める努力を怠ってはなりません。
 結論を暈すのは悪くはありません。 が、しかしこう言う場合は、同時に最後まで描き切る事も考慮しておいた方が良いでしょう。……予め描き切る時のスタイルを仮定していてこそ、暈しもしっかりと機能させる事が出来るものだと思います。
(クーウィ)

☆☆
大切な家族の一員だったアニモが、死後、無生物の扱いを受けたことから、彼の魂について考え込んでしまう女の子のお話。と読みました。
 彼女はアニモと過ごすほど、彼が確かに生きていることを実感するのですが、転機は送り火山の職員に「ポリゴンも、人の手が入った『無生物』だと、こちらは解釈しております」と言われてしまうところでしょうか。さらに畳み掛けるように「再起動」。そこへつけ入るように「デジタル・セメタリー・サービス」。彼女は言われるままそれを受けてしまうけども、人形送り、架空の人物の葬式に関する記事、車の修理などなどを見つめるほど――というような読みをしました。

 リンボの意味をググってから読み返すと、なるほど。なるほど……。
「教えて」と言うけど、たぶん彼女の中では既にアニモに魂を確信していて、だからこそデジタル・セメタリーで永遠に「いつもと変わらぬ、変わらないように変わってしまった視線を、あたしに送り続ける」アニモに問いかけざるを得ない。自分のせいでリンボを彷徨うことになってしまったかもしれない彼に。
 なんだこれ。切ない。最初に読んだときはこんな切ない話だと思いませんでした。「また死ネタかよ」とか思ったことを心の底から侘びます。

 デジタル☆セメタリー☆詐欺

 ポケスコに感想を書くに当たり、最初この強烈な切なさをさらっと読み流してしまった理由について考えていました。時系列というか、演出上話が飛び飛びになるので、話が繋がっているところでの感情の流れの持ち越し? みたいなものが難しいのかもしれません。しかしいい話でした。ごちそうさまでした。
(CoCo)

☆☆
タイトルからも想像できるとおり、読み解くのが非常に難しい作品。断片的な場面がいくつも挿入されていて、一つの場面がそれほど長くないためかえてテンポよく進む。しかし、難解なストーリーも、断片的な場面の集成も、個人によって良い点にも悪い点にもなり得るため、読み手を選ぶ作品であると言える。
一匹のポケモンの特徴から話を作り出したことは、二次創作としての意義を完全に得ている。全編を通して漂う独特の世界観・設定は好印象で、無生物なのか生物なのか怪しいポリゴンに死生観を当てはめる試みも面白い。森羅万象に魂が宿り、だとすればポリゴンにも宿るという伏線の張り方も違和感はない。
だからこそ、作中に出てくる
「あなたは、生きていたの」
「あなたに、魂は宿っていたの」
「あなたをそこへ送ったことは、本当に正しいことだったの」
という問いには明確な答えを見いだしてほしかった。limboという単語を調べてみると、様々な意味があり、その中の一つに「どっちつかずの状態」とある。確かにタイトルや世界観を統一させるために、最後まで謎を残した形で終えるのは無難な選択肢であった。
あるいは、最後の一文「アニモはただ、いつもと変わらぬ、変わらないように変わってしまった視線を、あたしに送り続けるばかりだった。」これが答えになるとして、結局それは今はもうその問いに対して答えられる者は存在していない、というやはりどっちつかずの状態になり、物語の連続性や恐ろしさを感じられるのだが、完結の可能性を感じられない。
ポリゴンというどっちつかずの存在を掘り下げても、答えはどっちつかずになると予想できるであるから、話をポリゴンの死生観にまで発展させてしまったからにはそうした予想をもっと大きな形で裏切ってほしかった。だから話は面白いし怖いが、無難な形で締めくくられてしまったと私は思った。期待値に対してもう一歩届かなかったような印象だ。586さんならもっと踏み込んだことが出来たのではないですか。 
あとそうですね、何故シオンタウンじゃなくて送り火山だったのか!
これについて残念に思う人は意外と多いですよきっと……(
(鶏)

☆☆
グッと来た文【「いいよ、アニモ。肩も腰も、お父さんかお婆ちゃんにやったげて。今はいらないから」腰を押すのを止めると、アニモはあたしの隣へふわふわ移動し、そっと床に座り込んだ。】
 人工で造られたものにも、そこには確かな命がありますよね……この作品には出てきませんがミュウツーとか、そして今作品の主役であるポリゴンのアニモにも……アニモと頼子のやり取りがとても温かくて涙腺が熱くなりましたです。そのやり取りが温かかった分、簡単な手順で出来るという再起動の説明シーンでは切ない気持ちになりましたです。
 そして、データを消すということは絆まで消えてしまうのだろうか……そうなってしまうのなら、その形は残したまま電子霊園に送った方がいいのかな……アニモにとってはどちらが良かったのだろうかと思ったりました。
(巳佑)

☆☆
内容にも雰囲気にも、ぐっと引き込まれた作品でした。ただ、場面の転換が多くて混乱したのと、全体的にこれといった山場も無く終わってしまったのが残念です。それぞれは非常に印象的(特に人形供養、送り火山に葬ることを拒否される場面等)だったのですが……主人公の迷いや悲しみや憤りは感じられる……のですが。
 凄く好きなんです、でも何かが物足りないんです……。
(ラクダ)

☆☆
こういうの好きです。生物とも無機物とも言い切れない中間の存在。ううむ……魅力的です。が、これもやはり切ない。
死後魂は自由になっても体の行き場がないのは辛いです。大事な相手であればあるほど。生物か無生物かは関係ありません。あくまで人間のエゴイズムからですが。最後はこれで良かったのでしょうか。なんともといえない終わり方です。余韻を味わいました。
(レイコ)

☆☆
ポリゴンというポケモンの中でも人工で作られたという異質な存在を題材に使うことによって、死というテーマを変わった形でアプローチしていると思います。
小さく区切られているのが話の印象を強く残す気がして、形式がかなり効果的な演出だと思いました。
ポケモンの弔い方、ポリゴンの初期化や電子霊園など、作者のオリジナルのポケモンの世界がありありと触れられて、凄く良かったです。
死というのは残されたものが考えることとはいえ、主人公が最後、ポリゴンのアニモが「生き物だったのかそうでないのか」のテーマに囚われた苦悩で終わるのが、報われないなぁという感じ。
(クロトカゲ)

☆☆
・文章表現はとても巧み。俺はできない
・結末が見える。オチが分かる。ほら、やっぱりそうきた、ってなる
・担当が変わったからサービスも変わったよ、っていうのはどうかと。同じ担当さんが謝罪して実はこんなサービスもありました、の方が良いような気がした
・スカッとしない結末。ちょっと好きじゃない

☆☆
携帯電話付属の薄っぺらい辞書によると、Limboの意味は
1.地獄の辺土(キリスト教)
2.不確実な状態
3.不要な物の放置場所
らしいです。勉強不足で1がよくわからなかったので、2と3で解釈しました。
生きているのか、死んでいるのか、安定しているようで不安定なアニモ。
そして(ある意味では)ゴミ捨て場のような『電子霊園』。
パッと見でタイトルの意味がわからないのは若干ネックですが、意味さえわかればすごくマッチしたタイトルだとすっと感じます。それを思って読んだら☆の数が上がりました。
(レイニー)

☆☆
非常に文章が綺麗です。場面場面も綺麗です。けれど最後にストン、と落ちるところがない。まとまる地点がない。文章はいいのに、最後に「投げられた」感じがします。それで物足りないです。
 でも文章は綺麗です。場面ごとの情景はそれぞれ味わいがあって素敵です。だからこそ最後が惜しいと思うのです。
(きとかげ)

☆☆
ポリゴンに対する考察、見事だと思います。日本にも物に魂が宿るという解釈があるだけに、あくまでそれを第一に考えている主人公の戸惑いはよく伝わってきました。私もポリゴン系統を主眼に置いた作品を書いたことがあり、また者にも魂が宿るという考えを支持しているために、興味をそそられる話だったと思います。
(リング)

☆☆
写真のアルバムを見せられているような作品だった。特に人形供養のシーンはすごくいい。
ポリゴンの墓探しという点では決着を迎えたものの、主人公の中で整理がついていない為に、気持ちの面での起承転結を求める読者には中途半端な印象を与えてしまうかも。まぁ実際、世の中結論が出ないことのほうが多いのだけどね。
デジタルセマタリーサービス等の設定が作り込まれているのはおもしろい。こういう妄想をするのが二次創作の醍醐味である。あと、送り火山の株が下がった(笑)。
【雑感】世界観はよい。完全とはいかないにしても、何か気持ちの面で決着があれば。
【タグ】ポリゴン、死別
【お題解釈】送信、葬送。

(No.017)

☆☆☆(アポロ11)
☆☆☆(匿名)

☆☆☆
ちょっと場面が飛んで読みづらかったですが、内容はとてもよかったです。果たしてポリゴンは生き物なのか。結論が最後までなかったので、ちょっとモヤモヤしていますが、このモヤモヤがいいんだと思います。素晴らしい作品でした。
(逆行)

☆☆☆
最後に残ったのが共に過ごした記憶かスマホの「データ」か、だなんて…。ポリゴンを人工物と見るかひとつの命として見るかによって観点が変わってくる面白い作品でした!文章も場面ごとに分けられて読みやすかったっす。時々挿入される一見あまり関係のなさそうな場面も実はイヤーなフラグだったりしてそわそわしましたw
(tac-ティス)

☆☆☆
どちらつかずの存在という題名なんだろうな、と。題名ですら、すとんと小説の一部として収まっている感じです。
というか、かわいい(だろう)女の子が無邪気に「バンギラスとかリザードンと同じ?」と訊く姿を想像したら……! たまらん、非常にたまらん。
(匿名)

☆☆☆
ポリゴンは特殊なポケモンなのだと改めて思いました。
デジタルだけどあたたかいお話でした。
(海星)

☆☆☆
「魂の行き所」についてはSFで似たような着想の作品もあったような気もするが、「いのち」のありかについて考えさせる良作。
ただ、他の方もおっしゃっているが、Limboについては一言作品中で言及があってもよかったかも。
(サトチ)

☆☆☆
アイデアの勝利…だと思います。確かにポリゴンは人工ポケモンですし、それを生物として受け入れるかどうかの狭間、ポケモンとしての世界観がしっかりとしていてとても読みやすかったです。主人公の心理描写にも、グッと来るものがあって、文句無しの作品でした!
(銀波オルカ)

(☆)(自作品の為)
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