【007】キャモメが五羽飛んだ 作:クロトカゲ
☆=16 ☆☆=17 ☆☆☆=5 合計=65

☆(teko)
☆(久方小風夜)
☆(朱雀)
☆(西条流月)
☆(レイニー)
☆(きとかげ)


・電気タイプのポケモンではなく、電気技を覚えているポケモン全部が対象じゃないか?と思った
・うっかり街中でバトルできないじゃない
・街ごとにポケモンがらみの風習だってあっていいじゃない。着眼点は悪くない
・けど、もうちょっと料理の仕方があったような気がする。だらだら続く。もっとカチッと場面転換して欲しい
(音色)


改行の際に空白が入れられていない箇所が8ヶ所見受けられます
>だから、この町はキャモメとペリッパーの街なのだ。
 町 は他の箇所では 街 となってますので統一した方が良いかと思われます
>それ時のことを思い出したとき、まさに後の出来事の一番のミスはこの時始まっていたのだ、と彼は思う。
 それ時 → その時
>席に付くなり空いた皿をミナが勝手に重ねてスペースを作る。
 席に付く → 席に着く
>「この町はいいぞ! 料理は上手いし」
 上手い → 美味い かと思われます
>ええ、信じられないかもしれないでしょうけど、僕の生まれたところでは、電気ポケモンで安産の象徴なんですよ。
電気ポケモンで → 電気ポケモンは もしくは 電気ポケモンが
>喋りながら言ったにしては、それっぽいことが言えたという安堵から、彼は変に自信のある顔になっていた。
 喋りながら言ったにしては → 考えながら言ったにしては もしくは 喋りながら考えたにしては
>一際強い風は吹いて、窓のキャモメの風船が大きく揺れた。
 風は吹いて → 風が吹いて
(門森 輝)


なかなかセンシティブでよさそうな冒頭部分も、“と彼は思った”で台無し。
主格が一人称でない理由が分からない。いちいち“彼は”と挟むために、どうにもテンポが悪い。着想はいいので、テキストの質を上げたい。
ふつう:☆
(渡邉健太)


WheninRome,doastheRomansdo.というやつでしょうか。異文化に触れることは旅の醍醐味でもありますね。
うーん、伝えたいことははっきりしていると思うのですが疑問な点も少し。たとえば主役が二人である必要性はあったのでしょうか。
あと話の進め方がやや強引な印象を受けたので、もう少し描写の文章が増やしてもよかったと思います。
(レイコ)


 民間の習俗を題材にした作品。
 一見何の事だか良く分からない題名ですが、実際に読んでみれば納得。作中の主題とも言える風習の内容や街の風景の描写には、作者の想像力が遺憾なく発揮されていて、読み応えは十分でした。

 ただ、それ以外の部分については、残念ながらあまり特色が無かったかも…… 特に主人公が宿の一室で悶々としているシーンなんかはちょっと単調で、もう少し細やかな色付けや心情表現が欲しかった。
 食事風景も、もっと料理の詳細はもちろん、匂いや彩り、皿の大きさと言った辺りにも気を配って表現して行くと、一気に情景が豊かになるものです。……こう言う時は、自分が食べたいものを並べるとかして、兎に角読者に何か困った欲求を植え付けるような細工を施すのが一番(笑) 街の景観についても、去り際の沈んでいる時を控えめに、逆に来た時に目に入った光景などを殊更明るく生き生きと描く事で、主人公の心理を間接的に表現するのに用いてみたりと、まだまだ色々と出来る事があるかと思います。
 全体を通して、題材やストーリーの妙の割には些か単調だったのが残念なところ。字数にも余裕がありましたし、もうちょっとくどい表現にしても良かったと思いますよ。
(クーウィ)


 誤字
*それ時のことを思い出したとき

 子供を授けてくれたのに吊してしまうのか……! あな恐ろしや人間の所行! と思ったら風船のことでしたか。焦った。ところどころ主語が見あたらず、ん?となってしまうところはありましたが、キャモメの町のエピソード、旅の醍醐味をじわっと感じさせていただきした。
 人助けが裏目に出たというのか、文化の違いは恐ろしいというのか、旅の失敗談らしくありますが、白い目でみられるのはやはり精神的にきつい。するべきと思ってしたことを責められるほど厳しい。最後には行動した自分を責めるよりほかないせいでしょうか。礼を言われて泣きそうになるところにはつい頷いてしまいました。
 迷信の不安に、対局の迷信で対抗する。あえて不安の種を錐でこじ開ける荒療治。昔読んだ話に、左手首を落とされたショックで廃人になってしまった少女を、目の前で自らの左手首を落とすことによって覚醒させるなんてものがあったのを思い出しました。
 今回のポケスコは目を引く題名が多くありますが、ベストタイトル賞なるものがあればぜひ当作品を推したいです。ラストシーン、道を行きながら談笑していた二人がふと顔を上げると……というところに、タイトルの力によって風が吹きました。素敵でした。

 ジョニーの由来はあれだな? あれなんだな?
(CoCo)


惜しい、惜しすぎる。初読時の感想がこれでした。
 折角、町の特色や言い伝えなどの面白そうな設定があるのに、説明不足で上手く活かせていないのが残念でした。なぜキャモメが沢山いるのか(港町だから、以外にもう一つ欲しかった)、キャモメ・ペリッパーが子供を授けると伝えられているのには何か謂れがあるのか。この辺がさらっと流されていたので、あくまでも“物語を進める為に入れた設定”にしか感じられず……。そこをもっと掘り込んでいけば、天敵である電気ポケモンが異様に忌避される理由付けにも説得力があったかと思われます。
 あと、冒頭の【外からは波の音が一定のリズムに聞こえるが、時々妙に間隔が狭いのはひょっとしたら車が走る音なのだろうか、とジョニーは考えた。思えば町に来て波音が聞こえる頃には、そのキャモメ達の姿に慣れていたのだ。】の部分。「その」が指すキャモメの描写がありませんので、いつ、どのキャモメ? となってしまいました。
 また、波の音でキャモメを連想する流れなら、車の音に関しては無くても良かったかと。あるいは、車の音かもしれないと考えた理由、そこからキャモメへの連想へ繋がる部分が欲しかったです。
 発想は面白かったので、説明不足による唐突感が改善されたらもっと良い作品になると思います。
(ラクダ)


 タイトルも市販の小説にありそうな感じがしたのが好みです。
 ちょくちょく出てくる山男に非常に好感を湧きました。あと旅っぽさがより出ていたと思います。
 そう、旅。まさにこれこそが本物の旅だとわたしはハッとさせられました。冒険ではない、これぞ旅小説。とても勉強になりました。
 ですが、情景描写や心理描写が不要な情報が稀にある割には全体的に淡白過ぎた気がします。まだ7800字だから2200字も余裕がある。それだけ地の文が書ければより良いものになったと思います。
 具体的には例えば夫が妻を連れてくるシーン。ジョニーは妻に会いたくないか、それに近い後ろめたさがあるはずなのに従順に待ってたのがすごい不自然でした。
 彼の心の中では葛藤があるはずです。なのに何の描写もない。文字数がかつかつな訳ではない。ならば、やって欲しかった。
 あ、これは文句ではなく期待です。
 だからもっとキャラの動き、もちろん視覚的な動きだけでなく心の動きなども描写していただけたらより良くなったかなあと思います。
 また、文頭のスペースあったり無かったりは仕様ですか?
 そしてミナはこの話に必要なのでしょうか。この話のままでは不必要、むしろジョニーの「アウェイ感」を大きく損なうと思います。
 ピカチュウでやらかして知らない街で苦しむはずなのに、ミナという存在のせいでその苦しみは減ってしまったと思います。一人で苦しませて葛藤した方が完成度は大きく上がるのではないかと思いました。
 それでもミナを出すならば明確な役割を持たせるべきです。
 ジョニーがピカチュウで似非儀式をするときの感情をなんとなくの一言で片付けるのはとても勿体ない。この話の山場でもあるのに、それを読者に丸投げさせるのはいただけない。
 以上の点より、この小説はまだまだ面白くなれると思い、期待を込めて☆とさせていただきます。
 いやあしかし出掛けたくなりますね。オチもまたよし。
(でりでり)


読み終わった後にひたすらすっきりしない。なぜこんなにも主体性のない人間ばかり集まった話になってしまったのか。
よく観察すると、キャラがどうも台本を読んでる感がありありである。予定調和にするための話、といったところだろうか。台本読んでます感が強い順に書く。
まずは妊婦。
確かに電気タイプが禁忌であり、近づいてはいけないと教えられてきたのだろう。
だが、ピカチュウがいなければお前は死んでいたかもしれないわけだ。
それなのにその態度はなんだ。ありがとうの一言も言えないような神経で、これから子育てするとなると、その子供がかわいそうだ。
ただ、実際にいる一部の妊婦で「妊婦は優先されるべき!アタシを優先すべき!」な人もいるのが事実。そういう人間を見ているようで後味悪い。
今からでも遅く無い。その神経で子育てするくらいならおろした方がいいよ。だってそうじゃなきゃギャラドスと一緒に食われてるところだぞ。
次に主人公とそのパートナー(人間)
電気タイプを出してはいけないと聞いていて、出した後にやってしまったと思うのは仕方ないが、なぜ出したのかどうしてまわりの人に解るようにしない。自分だけが悪者になって悲劇のヒーロー気取り?
「じゃあギャラドスに壊滅させられてしまえ」とまではいかないが、そのくらいのことは言えなかったのか。
言えないとしたらなぜ?性格?そしたらパートナーは何のためにいる?一緒に旅してるのにそれすら庇えないのは、ピンチの時も自分だけ逃げそうに思える。
そうだと思っていたのだが、よく見直せばこのパートナーはずっと一緒に旅をしていたわけではないのか。最初はそうだと思っていたのでなんて酷いパートナーなんだと思ったが、これなら納得。そしてそれにもかかわらず一緒にいる主人公が解らない。
この話が上がった時に、人によってストーリーが違うのはいかがなものか。そんなロゼッタストーン作品は申し訳ないが印象は良く無かった。
(きとら)

☆☆(サトチ)
☆☆(匿名)
☆☆(匿名)
☆☆(匿名)
☆☆(砂糖水)
☆☆(アポロ11)
☆☆(匿名)
☆☆(SB)
☆☆(逆行)
☆☆(リナ)

☆☆
「長い」というのが読んだ感想です。物語はきちんとあるのに、なぜこんなに長い印象になってしまうのかを考えたのです。その結果、情報を出す順番が間違っているのではないかと思いました。
・ギャラドスが街を襲う
・妊婦を助ける
・街のみんなから白い目で見られる
・逃げるようにポケモンに乗って逃げる妊婦
・不思議がっている主人公(これも2人要らないと思います/どちらか片方だけでよいと思う)
・いきなり現れる山男
・「子どものしたことだし、今回は大目に見ようじゃないか。
少年、お礼にお茶でもしよう」と言って、主人公をその場から離す → 山男の家へ
・街の言い伝えとおまじないの会話
・山男の家へ着く
・妊婦に「さっきとありがと」とだけ言われる
・雷のエセ儀式
・妊婦ひっこむ
・山男に担がれる
これでよくね? と思うのです。食堂の会話も、バディの存在も、宿の中の会話も、要らないと思いました。要らないなら削りましょうよ。
「出したいか出したくないか」よりも「必要か必要でないか」で出すキャラクターや場面を選ぶといいと思います。
でも丁寧でいい話だと思います。
(りえ)

☆☆
最後の一文の後にタイトルが入るのでしょうか?
あの形で終わったのはいい具合に余韻を残したうえで、この作品が旅の途中を切り取った話なのだと思わせるため良かったと思います。読後感も満足でした。
しかし、あれだけ信奉していた迷信があるのに、数時間で許せるものだろうか。
妊婦は顔を青ざめ手を振り払うほどだったのに、ジョニーが町を出る時にはもう許している。それなら最初から旅の者だから仕方ない、で済ませたんじゃないだろうか。
そのあたりの感情の動きをしっかり書いてほしかった。場面を入れ替えて詳しく書く必要はないにしろ、せめて夜のうちに謝りに行って訳を話すとか、あるいは誰かの噂であの人は、と聞くのでもよかった。
個人的に山男は全てを知っていてからかったのだと思っています。
(鶏)

☆☆
文化や風習の面からポケモンの世界を捉える、という切り口が好きです。ゲーム中では他のところに気を取られていてなかなかゆっくり考える機会がないのですが、そうするに至るきっかけを与えてくれた一作だったと思います。
 文化や風習が物語の大きな比重を占めていますが、ジョニーを苦悩へ駆り立てることとなった「妊婦の前ででんきタイプのポケモンを使ってしまった」ことが、回想において時系列を追う中で一旦触れられたきりというのは、どうも弱いように感じます。「ギャラドスが来なければ」、「ピカチュウを出すなという警告を思い出していれば」という自分への後悔や他者の行動への怒りを繰り返し書くだけでなく、その後悔を呼び起こすに至る「でんきポケモンを出してはいけない」という風習の方も強調して書いてほしかったです。
 細かい点では、「町」と「街」の不統一が気になりました。話し手や指す内容によって「町」と「街」とを書き分けているのかと思ったのですが、どうも規則性が見出せませんでした(明確な使い分けがなされていましたら私の読み込み不足です、先にお詫びします)。直接本文には大きく拘わってこないとは思いますが、「町」と「街」とでは意味やニュアンスの違いがありますので、文字にも気を配って校正をしていただければと思います。
(小樽ミオ)

☆☆
これまた心が温かくなるおくりものですな!片方は電気タイプは縁起が悪い、しかしもう片方は安産の象徴…という真逆の伝統の違いを乗り越えモノではなく心でおくりものをする…。うまいなあ、こういうの好きです。そして山男がナイスキャラ過ぎるぜ!!イケメンだなオッサン!!
(tac-ティス)

☆☆
ピカチュウを出してしまったこと、助けたのに嫌な目で見られたことに対するジョニーの想い、葛藤。これはもっと細かく描く必要があったと思います。中盤、疲れただとか身体が重いとか言うに留まるのは、問題を直視できていないような気がしてなりません。思い付きの儀式をやろうと言いだしたのは、嫌がらせなのではないかと疑ってしまうほどでした。
ミナ抜きでこの話を書き、ジョニーの内面について描写していたならば、もっと味のある作品だったろうなと思います。ミナいらないです。
ただ、読了感は非常に良かったです。山男のオチが素晴らしい。
思い付きでやっただけなのに、実は本当にあった。なんて、お話の中でしか起こらないような奇跡は見ててニヤニヤできます。グッドです。
(乃響じゅん。)

☆☆☆
その土地の習慣って本当に強いんだなって思いました。
でもギャラドス出てきたら電気タイプ使いたくなりますね。
(海星)

☆☆☆
旅をしている途中で、変った文化や風習、言い伝えのある街にたどり着く。そして、その文化を知らないが故にトラブルを起こす――というお話の構成は旅の1ページを切り取ったお話としてそこに目をつけられるものかと感心した作品であります。
そして、出まかせの安産祈願の儀式に、それが実在することをにおわせる山男のおじさん。起承転結のまとまりから、お話の発想など、文句なしの作品であるとともに、『旅をしているのだなぁ』と実感できる小説だと感じました。
ポケモン小説の多くが、『旅をしている時に旅をしていると感じられる』ことが少なく、ポケモン映画のようなわくわく感が少ないので、それを感じさせてくれるのは嬉しいものです。
ポケモントレーナーは旅をするので、こういった出来事は往々にして起こりうるものなのだと考えると、なんだか世界が広がった気がします。

何より私の好みの作品であったのも合わせて、三点満点とさせてもらいます
(リング)

☆☆
紀行文的。私がよく好んで読む民俗学の本のポケモン版という感じで、かなり好みのテイストだった。キャモメ・ペリッパーを妊婦に喩える/電気ポケモンは見せちゃいけない という点だけで終わらせず、迷信を捏造して迷信には迷信で対抗したり、五羽目のキャモメの話を挿入して工夫し、作り込んでるところに好感が持てた。(言い伝えが一個だけで、あのときはごめんだけだったらとたぶんつまんない作品になったと思う)町ごとに個性のあるポケモンの世界をよく表現できてたと思う。
最後の部分って五羽目のキャモメを発見して二人同時に「「あっ」」って言ったんだと思うのだけど(違ったらごめんなさい)、理解するのに時間を要した。マンガだったら五話目のキャモメ描いた上でそれでいいんだけど、小説の場合は地の文が欲しかったかも。
【タグ】キャモメ、ピカチュウ、民俗学
【お題解釈】旅人を送る
(No.017)

☆☆
来ましたね伝承作品。風景描写がとても素敵。キャモメが飛んでいる風景がなんともさわやかで好きです。評価にはあまり気にしませんでしたが、誤字脱字が結構ありました。少し気をつけていただきたいです。
(銀波オルカ)

☆☆☆(匿名)

☆☆☆
グッと来た文【「いいもの見せてもらったよ。なぁ、自分の土地の文化ってのは大切にしたいもんだな」】
 それぞれの土地にはそれぞれの文化や慣習などがある……旅がくれる贈り物にロマンを感じました……これは読者にも旅気分を与えてくれる魅力的な物語だと思います。
 それとキャモメやペリッパーにまつわる話はもちろんのこと、電気ポケモンにまつわる話(まさかジョニーの口から出まかせかと思いきや、本当にあった話とは……世界は広いなぁ、感じた瞬間)も印象的でした。
(巳佑)

☆☆☆
旅人が町独特の文化に触れる。このテーマの小説は私の大好きなもののひとつです。楽しませてもらいました。
さて、文法的なところでいくつか気になった点を上げたいと思います。まず、所々に「彼」「彼女」が出てくるのですが、それが誰を指すのか分かり辛かったです。近くにキャラクターの名前が出ていないときは、そのまま個人名を出した方がわかりやすいです。そしてもう一点。地の文で砕けたものと硬い表現が入り混じっていました。これでは硬い表現を柔らかくするのではなく、どっちつかずになってしまうので、統一した方が良いと思います。
けれど内容はポケモンをうまく使い、話の展開もよかったのであともう一歩、そしたらきっととても良い作品になるはずです。
(穂風奏)


自作品。
改めて読むと登場人物の背景を思わせる描写がほとんど無い所為で、前半の主人公が思い返すシーンがウジウジしている印象が強く、反省です。
今回の作品の目標が「ひょっとして五羽目のキャモメの話は男の作った話?と思わせる」だったという恥をさらしておきます。。
(クロトカゲ)






【006】 【007】 【008】