マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
このフォームからは投稿できません。
name
e-mail
url
subject
comment

[新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

  [No.1089] あとがき 投稿者:夜梨トロ(海)   投稿日:2013/03/14(Thu) 21:09:30   28clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 あらすじに書いた通り、この作品は他名義で他所で連載していたものでした。
 当初は三話構成で二万字程度に収める予定でした。
 結果として振り返ってみると六話構成の約47000字。
 どうしてこうなったのか。むしろどうやって収めるつもりだったのか。


 はい、そんなわけで。
 この物語はあらすじにも書いた通り、僕とおじさんとウインディの織り成す僕の心の動きを描いた作品でした。終始恥ずかしいくらい大真面目に書いてました。息抜きも何もない……。書くのにすごく力を使ったという感じがします。

 作品中には直接的に出しませんでしたが、僕=ヨーテリー、おじさん=モロバレルでした。ウインディはまあ、まんまウインディです笑基本的にポケモンオンリーで一人称の場合はポケモンの固種族名を出さないことを心がけてます。それを思うとウインディはせこいですねニコォ
 おじさんはともかく、僕は超序盤の話ですがお母さんがムーランドであることくらいしかヒントを出していないのでそこを見逃したらもう分かんないと思います。もっとヒントをちりばめられたら良かったのかもしれませんが、まだまだ力不足ですね。この種族名を出さないというのは難しいです。以前別の短編でも挑戦したんですが、やりやすいポケモンやりにくいポケモンはあるでしょうがうまい言葉を見つけるのが大変です。でも違う視点で見ることができたり思っても無い言葉さがしをしたりするのでそういう縛りをやってみるのも面白いですよ。

 では、少し長くなりますが、個人的には実の詰まった感慨深い作品の一つになったので、後書きという名の語りでもしようと思います。


・ストーリーの上にできたキャラクター

 物語を作る時、キャラから作りキャラを中心に話を作る、ストーリーから作りその上にキャラを乗せていく、世界観を作りその上に以下略 など色々な作り方があります。
 私なんかは長編の方は明らかにキャラを動かしている所謂キャラ小説です。短編は様々ですが、今回の静寂に関してはストーリーを作りキャラをその上で動かしていくタイプでした。濃い一人称なのでキャラ小説と思われるかもしれないですが、私的にはそんなつもりはあまりありませぬ……。
 私が書きたかったのは僕の心の動きではありません。いや、ねちっこい一人称を書くのは楽しかったのですが。改めて私は一人称向けなのかなあと思ったりしてました。一人称は直接的に心理描写できるから楽ですよねヘケェ
 弱い者と強い者の対比。
 森という中の世界と、海などの外の世界との比較。
 拙い走りと鋭い走り。
 心の矛盾。
 黒い流星。
 流星群。
 トレーナー、プラズマ団の行為をポケモン視点から見ること。
 などなど。
 色々と描きたかったテーマを無理矢理詰め込んでいました。描写自体に力を入れたり、あー小説を書いてるなって感じがしてました。キャラクターが一人歩きしない感じが久々でしたwキャラ小説を書いてる人なら解ってくれるかな……。ストーリーという道をキャラクターが歩くだけ。書きたいことがはっきり決まっていたからか、すすっとうまくいった部分があります(長引いたけど)。


・おじさん

 全体的にどうしても僕とウインディが目立つ中でおじさんをどうやって立たせるか。考えて出てきたのが、オネエでロマンチスト設定。書いてる側としてはもう完全に女性というかお母さんを書いているような感覚なんですねwでもおじさんです。どんなに女性になろうとおじさんなのです。まあそんな設定をしちゃって難しくなったのは、そういうロマンチストと僕に言われるからにはそれらしいことを言わなければいけない=私が思いつかなければなりません。それらしくなりましたでしょうか。空を見ることが趣味だったりね。黒い流星。三日月は空に浮かぶ揺りかご。瞬く星達は会話をしているよう。流れ星が流れたら、三回願い事を唱えよう。そんな感じで。そんなロマンチストなおじさんを僕は大好き。母親代わりをしてくれたというものもありますが、僕は元々自分に無いものに憧れる性があるからなおさらそうなんですね。
 物語の中でもウインディの治療をしたり僕の背中を押したり、逆に制止したり、いてはならない存在であり物語に良いエッセンスを加えてくれました。最終話は特に美味しいとこを持っていきましたね。僕が覚悟を決める最後の最後の決定打を作りだしたから。
 そんなわけでおじさんは良い感じに立ってくれたんじゃないかと思います。
 その証拠というか、一番反響があるキャラになりました笑 オネエなのに!把握している中では多分一番人気ですね。私も大好きですよ。でへへ。


・最初は書いてたけど没にした存在

 実は二話であるポケモンが当初は登場してました。なんか変な奴で、僕の苛立ちとか嫉妬とかを煽るのに登場した女の子です。なぜやめたかというと自分の中でうまく固まらなかったというのと今後出てくることが多分無いであろう故に必要性を感じられなかったということが大きいです。なんで最初出したのかいまだによく分からないのですが……。数多のポケモンが住んでいる森を舞台にしながら僕おじさんウインディにしか視点を充てていないのはどうなのかなとかちょっと思ったりしましたが、思い切ってそうしました。分かりやすいし、増やしたところで効果的にはならなければ出しても仕方がないと思うのです。とかいうとなんかドライだなあという感じですが!ごめんよモンメン。女の子のモンメンでした。男ばかりの中で貴重な女の子になってもおかしくなかったのに……ん?おじさんは 雄 ですよ?^^


・対比とか

 まあこんなこと書くとなんて固いんだろうという感じですが。大雑把にこの作品の大きなテーマっていうんだろうか、それが対比でした。そこから繋がって、僕の心の矛盾が存在します。
 大きく作ると、
・僕とウインディ という対比 弱い、小さい、遅い、生、自由←→強い、大きい、速い、死、拘束 など
・内の世界と外の世界 の対比 安全、楽、狭い、静止←→危険、憎悪、広い、動、未知、人間、変化 など
 ですね、私の中のイメージは。ほんと大雑把ですがw
 まあ細かく書くのはやめておきます。話全体にちりばめたり、最終話の最後のあたりにぎゅっと詰め込んだりしたので。物語に置いてきたつもりです。
 対比は面白いです。極端に書けば書くほど分かりやすくと思うし物語も作りやすいし、エッセンスになると思います。自分の中で整理しやすいですしね。何人かのキャラ作る時にもこういうの気にしてやる人も多いんじゃないかと思います。
 まあこの大きな差に僕は苦しんでいくわけですが。自分に無いものへの憧れと自分に無いことへの焦燥。これは、誰にでもあてはまることだと思います。
 僕は昔から動いていない自分に苛立っていた、変わりたいとはずっと前から思っていた。けどどうしたらいいのか分からなかった。そこにウインディがやってきて、紆余曲折を経て、彼はウインディの姿を理想像として明確な形を捉え追いかけることで自分の道が見えたんだよという。何もできないと思い込んでいたけどウインディにそうじゃないと断言してもらえたから救われたんだよと。憧れの存在にはっきり自分の長所や可能性を言われたらそりゃもう支えになりますよねって。憧れどころか僕にとってはウインディはほぼ雲の上の存在みたいなものだったんですが、ウインディの優しさや共通点を見つけたことで密接な存在になり、追いかけられると思った。ウインディのようになりたいと確信して言葉にすることができた。その言葉は、最後にウインディも救った。ウインディの人生は壮絶だったけれど最終的には誰にも見られることなく死ぬはずだった。けど、無駄にならずに僕に伝わった。その内容を知ってもなお、僕に理想として挙げられた。嬉しかった。そしてありがとうと。


・プラズマ団

 ウインディはプラズマ団の一連の活動の被害者でした。彼等がいなければウインディは旅を続けて主人と別れることは無かった。僕と会うことも無かったんですけど……運命の悪戯という名のこっち側の都合……!
 一瞬出てくるNくん。ウインディはプラズマ団に対して心を閉ざしているわけでNくんはそれを人間に痛みつけられたからだと見抜くんですがプラズマ団の仕業とまでは見抜いていません。「君のためにもポケモンを解放させる」なんて言っちゃってますから。真っ直ぐに勘違いしてます。Nくんは衰弱したポケモンを回っていたとかそういう感じでウインディに巡りあったのだと思います。
 そして黒い流星。一話で出てきて五話で再登場。ゼクロムでした。それもサヨナラ直後の。そういうことだったのでした。ウインディも見てたし森の生き物たちも見ていた。まあ僕は見ていなかったけど。そんなわけでおじさんの流星説は外れたわけで誰かが言った生き物説が当たりなのでした。それを僕はずっと秘密にしておくことになるわけですが。
 ゼクロムの象徴する理想、ちりばめましたねー真実も入れましたねーBWのそのへんはけっこう印象を残しているつもりです。
 実はこれと別の小説でまたプラズマ団が関わる小説を持ってるんですが、なんかそれと合わせていろんな視点からプラズマ団というかNくんというかそのあたりを追う短編中編を作っていってオムニバスみたいなのをするのも面白いかもなって書きながら思ってました。


・ウインディと僕
 おじさんについて書いたからこの二匹に関してもなんらか書くべきなんだろうかとか思ったんだけどそれこそこの二匹に関しては!!!ここで語りたいと思うようなことは物語においてきた!!!何も書くことない!!!!!やりきったぞ!!!!!


 まあそんなこんなで書いていてとても楽しい小説でした。伝えたいことをはっきりと表す形のものであるが故に気合も相当入りました。文章や表現自体に気合入れるのは長編では正直そこまで意識していなくて、そういうのを久々にやることができて自分自身でもこういうものを書けるんだなって発見できました。物語としてはまた「死」に頼ってしまったなというところもありますが、これでよかったのだと思います。ウインディには悪いんですけどね。

 では、最後にどうして僕はヨーテリー、おじさんはモロバレル、ウインディはウインディであったのかを話して締めようと思います。さっき語りたいと思うようなことは置いてきたとか言ってたくせになんてそこ言わない。これを最後に持ってきたかったのです。

 なぜモロバレルにしたのか? 私はモロバレル好きなんですけど単に好きだから出したというそういうわけではないですよ!wまずイッシュの物語だからイッシュのポケモンであること。場所的にはイッシュリーグ(Nの城)付近の森なので、そのあたりに生息するポケモンなら理想的だなって思って調べて、モロバレル発見。そこから傘の下に僕が雨宿りしてるのかわいいなって思って決定。私の中でモロバレルはギャップに生きるポケモンなので効果的になったと思います。
 なぜウインディにしたのか? 僕がヨーテリーであることは真っ先に決めていたので似たようなポケモン=犬系であること。明らかに力量があり雄大なポケモンであること。できればイッシュ外のポケモンであること。あの堂々とした話し方や佇まいがぴったりと似合うポケモンとして良い選択だったと思います。完全に後付ですが僕のお母さんが捕まえられる際炎ポケモンにやられていたのでそことの対比にもなってたり。まあこれ完全に考えてなかったんですけどね。

 そして、なぜ僕はヨーテリーになったのか。
 ヨーテリーは、進化すると波乗りを覚えるようになるからです。
 僕は、いつか森を飛び出し外の世界へ行く。その先たとえ海があっても、彼には渡ることができる可能性がある。これはウインディとの大きな違い。今のヨーテリーのままではやれることなんて限られているけれど、彼には本当に、未来や可能性や自由といった名前の力がある。
 物語ではそれを言わなかったけれど、そんな理由があって僕はヨーテリーになったのでした。

 そんな理由があって、この三匹は選ばれました。
 特に僕の理由に関しては、ちょっと反応を見たいなあなんて思ったり。予想通りだったのか、驚かれたのか。
 それをちょっと楽しみにしつつ、〆とさせていただこうといただきます。
 ここまで読んでくださった方に、精一杯の感謝を。
 ありがとうございました。


 海


- 関連一覧ツリー (★ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 削除キー