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  [No.123] SpecialEpisode-7(3) 投稿者:あゆみ   投稿日:2010/12/14(Tue) 16:49:48   91clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

SpecialEpisode-7「ロケット団!ナナシマに賭けた野望!!」

(3)

ミカサとコイチロウが帰ってきたのはそれから数日後のことだった。だがどことなく様子がおかしい。何かに吹っ飛ばされたのではないのだろうか。2人の姿を見たとき、私は妙な胸騒ぎを覚えていた。
「どうした!?」
「ケイ様、すみませんでした・・・!」
「ラルトス達を奪うことはできませんでした。まさかあのような小僧に・・・!」
そう言うと2人はばったりと倒れてしまった。あの小僧とはいったい何者なのだろう。
「誰か!救護を呼べ!」
ミッション失敗の責任は私にあるのは間違いない。私はミカサとコイチロウにつきっきりでいることにした。

やがて2人は目を覚ました。
「気がついたか?」
「はい・・・。うっ!」
よほど強力な一撃を受けたのだろう。ミカサは身を起こすのも一苦労といった感じだった。
「大丈夫です。ケイ様、ミッションがこういう形となってしまって、誠に申し訳ありません。」
コイチロウは受けたダメージはそれほどでもない感じだったが、無理はできないだろう。
「どうしたのだ?小僧がどうのこうのと言っていたが・・・?」
「はい。あのラルトスを奪おうとしたときのことでした・・・。」
ミカサとコイチロウの口から衝撃的な展開が告げられたのだった。

話によると、イザベ島に到着してからポケモンセンターに向かうまでは、何事もなかったそうだ。2人はポケモンセンターの近くの草むらに隠れて、ラルトス達が現れるのを待っていたという。
だが、そこに思わぬ邪魔が入ったのだという。報告によると、眼鏡をかけたポケモントレーナーに成り立ての少年だったらしい。
「あ、ラルトス!」
不意に現れたラルトスに、その少年は優しく語りかけたという。それはまるで、ラルトスが現れるのをはっきりと予感している感じだったという。
「何なのよあのガキ!どうしてラルトスと親しくしてるの!?」
「しっ!見つかるとまずいことになる。しばらく様子を見ていよう。」
ミカサとコイチロウがこう思うのも無理はない。
「僕、ポケモントレーナーになったんだ。あのときの約束、覚えてる?『僕がポケモントレーナーになったら、会いに行くよ』って。」
「どうしてあのガキがラルトスとそう言う約束してるのよ!」
「こうなったら力尽くでも奪うまでだ!」
そう言って2人は小僧に襲いかかったと言うことだった。どうしてラルトスが小僧と仲良しなのか、そう言ったことはどうでもよかったのだろう。それに、その程度のことは後からでも十分調べることができるはずだ。
「そのラルトス、君とずいぶん親しそうにしてるみたいだけど、そこまでよ!そのラルトス、頂いていくよ!」
ミカサはそう言って小僧を脅かそうとしたらしい。
だが小僧は「許さない!ラルトスは僕が守る!」と言って、あくまでも対決する姿勢を崩さなかった。しかし、小僧はよほどそのラルトスに愛着していたのだろう、最初のポケモンをもらっていなかったそうだ。
ホウエン地方ならキモリ、アチャモ、ミズゴロウの3匹が初心者用ポケモンとして推奨されている。それは私たちも調べて知っていることだが、小僧はそこまでして最初のポケモンをラルトスにしたかったのだろうか。恐らくは小僧の台詞にもあるとおり、昔そのラルトスと何かしらの約束を交わしていたのだろう。
「なぁに?ポケモントレーナーのくせしてポケモンを持ってないの?じゃあ容赦しないわ!行け、クロバット!」
「お前もだ!行け、ハッサム!」
ミカサはクロバット、コイチロウはハッサムを出して真っ向勝負に挑んだそうだ。だがそこに思わぬ邪魔が入ったそうだ。
キルリアの♂がめざめいしで進化した姿、エルレイド。そいつが突然現れてサイコカッターでクロバットとハッサムを吹っ飛ばしたらしい。
「こしゃくな!ハッサム、エルレイドにつばさでうつ!」
「クロバット、エルレイドにどくどくのキバ!」
クロバットとハッサムはエルレイド達を相手に奮戦した。だがあの小僧とラルトスは、私たちの想像もつかないほど深い絆で結ばれていたのかもしれない。
あの小さいラルトスを相手にクロバットとハッサムは翻弄されていたのだろう。最後には容赦なくサイコキネシスを打たれてしまったそうだ。
「やな気分〜!」
そう言ってミカサとコイチロウは吹っ飛ばされていったという・・・。

「今回の失敗の件、ミッションを命じたケイ、お前にも責任がある。そしてミカサとコイチロウ、お前達はラルトス達を連れて帰ることができなかったということも忘れてはならない。」
サカキ様の言葉はいつにもまして厳しいものだった。イッシュ地方に派遣される前のムサシとコジロウも、任務に失敗するたびごとにこうしてサカキ様の叱責を受けていたのかもしれない。
だが、サカキ様はこう述べられたのだった。
「しかし、お前達のナナシマ・ネイス神殿を見つけ出すという固い意志はしかと受け止めている。そして何より、ナナシマでの活躍はお前達にかかっているのだ。」
「はっ!」
「ミカサ、コイチロウ。両名は回復次第、新たなるミッションを命じる。次の目的地は6のしま、点の穴だ!」
6のしまにある点の穴。古くから点字で形作られた遺跡の扉が入り口をふさいでいるという。ネイス神殿につながる超古代文明の遺跡と言われている。
「ケイ。お前は点の穴と遺跡の谷について調査を開始せよ。そしてミカサとコイチロウの新たなミッションの準備に取りかかるのだ!」
6のしまの遺跡を調べろ、と言われたときはもう後には引けないと感じていた。だが、今私が感じているのは、文字通り奈落の底に向かって真っ逆さまに落ちていく感覚だった・・・。

(4)に続く。

脚本形式から小説形式を生み出す、と言うのはかなり骨の折れる作業ですが、同時にかえって別の作法から同じ物語を振り返ることができるとも言えます。ロケット団の野望にまつわるお話はまだまだ続きます。


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