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  [No.1239] #122416 「私は元気だよ」 投稿者:   《URL》   投稿日:2015/04/05(Sun) 19:25:56   46clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

Subject ID:
#122416

Subject Name:
私は元気だよ

Registration Date:
2008-10-17

Precaution Level:
Level 1


Handling Instructions:
各地のポケモンセンターから月次で報告される統計情報から、直近で半年以上レポートが提出されておらず、かつレポート提出休止申請も出されていないトレーナーIDを抽出してください。抽出されたトレーナーIDの一覧を様式F-122416に沿って編集した上で送付元のポケモンセンターへ返送し、同時に追跡調査のための特例的な個人情報取得を行いたい旨の依頼を行ってください。この依頼に際しては、社団法人ポケモンセンター管理協会が定める個人情報の二次利用規約に都度同意する必要があります。

取得した個人情報からトレーナーの元居住地を割り出し、居住地で生活する近親者にコンタクトを取ってください。コンタクトに際しては「トレーナーと連絡が取れないとの第三者からの通報があった」というカバーストーリーが使用できます。適切な手順で同意を得た上で、ここ最近トレーナーから連絡が無かったかを確認してください。これまで実施してきた調査の統計から、半年が経過した時点で異常なメールまたはインスタントメッセージが送付されている確率は76%に達しています。近親者からメールまたはインスタントメッセージが届いていなかった場合、受信後速やかに最寄りのポケモンセンターへ申し出るよう伝えます。ポケモンセンターへ申出があった場合、担当者から案件管理局へ通報が行われます。

上記のいずれの場合においても、許可を得た上でメール及びインスタントメッセージをコピーしてください。メールの場合はヘッダを解析し、送信元を調査した上で逆引きを行ってください。これまでのところ逆引きで正常な結果が得られたことはありませんが、仮に異常な結果であってもそのまま保存してください。インスタントメッセージの場合は送信元の解析が困難なため、現状ではメッセージを保存するのみとします。

担当者の判断で、メールまたはメッセージの送信者であるとされるトレーナーにコンタクトを取ることが許可されています。現状においては、送信時のトレーナーの状況について統計的に有意な結果は出ていません。


Subject Details:
案件#122416は、近親者の中に長期に渡って他者に連絡を取っていないポケモントレーナーがいる人間(以下「受信者」と表記)に当てて、連絡のないポケモントレーナーの名義でメール、または受信者が使用しているソーシャルネットワーキングツールに宛ててインスタントメッセージ(以下総称して「メッセージ」と表記)が届けられる事象と、それに掛かる一連の案件です。

この事象は受信者の元へ現在遠方にいるトレーナーの名義で、後述するメッセージが届けられることにより発生します。メッセージの内容に多少の違いこそありますが、概ね「しばらく連絡していなくて申し訳ない。私は元気にしている。心配しないでほしい」というものです。メッセージはトレーナーが送信した他のメッセージと比較しても違和感の無い筆致やスタイルで書かれており、場合によっては本人や家族しか知り得ない情報にも言及するために、ほとんどの受信者がメッセージは本物であると信じます。

メッセージの一例は下記の通りです。このメッセージは、かつてジョウト地方キキョウシティ在住で、現在はポケモントレーナーとして活動中の少女の名義で、約9ヶ月の音信不通期間を経て前触れ無く母親に宛てて送信されたものです:


 件名:久しぶりです

 本文:
 お母さんへ

 しばらくメールできなくてごめんなさい。
 今はホウエンのムロタウンにいます。ジムでリーダーにトレーニングしてもらってます。
 キョロちゃんもタママちゃんも元気いっぱいです。
 XXX(送信者の妹。個人名に付き非開示)ちゃんも元気にしてますか。
 ぜんそくで大変だと思うけど、応援してるって伝えてください。
 おみやげ持ってかえるから、楽しみにしててね。
 私は元気です。心配しないでください。

 XXX(送信者)より。

 (注釈:文中の「キョロちゃん」はジグザグマの、「タママちゃん」はアメタマのニックネーム)


しかしながらこれまでの調査で、類似したメッセージが実際に本人から送られたケースはほとんどありませんでした。わずかに見つかったケースも、そのすべてで異常性の無い、偶然条件を満たしたことで抽出されたエラーケースであったことが分かっています。メールの場合は実際に本人から送られたものと決定的な相違があり、本来中継されるはずのメールサーバに転送ログが残っておらず、実際の送信元に到達できません。そしてインスタントメッセージの場合とも共通する点として、何度返信を試みても相手からの応答がありません。返信は必ず成功しメッセージが届いた旨の通知がなされますが、どれほど返事を要求しても決して応答が返ってくることはありません。

メッセージ、特にメールの送信元を突き止める試みは、メールサーバのドメイン名やIPアドレスが実在しない、または矛盾した結果になるという形でいずれも成果を得られていません。インスタントメッセージに至ってはデータを解析しても矛盾した情報すら得られないために、調査が難航しています。後述しますが、メッセージについて送信者とされる人物がこれまでのところ本件に関わったケースは見つかっておらず、送信した記録も残っていません。

案件対応の初期においては、メッセージはトレーナーを拉致または殺害した未知の個人及び組織が、犯行の発覚を遅らせるための撹乱目的で送信したものという説が有力でしたが、調査の過程で送信元とされるトレーナーが無事に発見されるケースが相次ぎ、この仮説は一旦撤回せざるを得なくなりました。該当するトレーナーは単にフィールドワーク等で多忙であったり、或いは近親者と意図的に距離を置いているといった当たり障りの無い事情しか持たず、近親者に上述したようなメッセージが送られていることについてまったく関知していませんでした。

ただし本案件を全体として俯瞰したときに、メッセージの送信者とされるポケモントレーナーのうち、行方不明者や失踪者が占める割合は実に78.4%に及ぶことも留意しなければなりません。このことから、何らかの条件(本稿執筆時点では、1:トレーナーに提出が義務付けられている「ポケモンレポート」が半年以上提出されていない/2:ポケモンレポート提出の一時休止申請が出されていない が最有力条件と考えられています)を満たした場合、受信者に向けて自動的にメッセージが送信されているという可能性が提起されました。

メッセージはどのような存在から送信されているのか、いかなる意図を持ってメッセージが送付されているのか、そして受信者を選ぶ基準はどのようなものか、いずれも現時点では不明なままです。


Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。


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