マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  [No.1434] 優しく甘い 夕 投稿者:浮線綾   投稿日:2015/12/04(Fri) 20:29:20   40clap [■この記事に拍手する] [Tweet]



優しく甘い 夕



 葡萄茶の旅衣を纏った袴ブーツの四つ子は、きらきらと目を輝かせてそれを見上げた。
 ミアレシティ東端に位置する、広大な石造りのミアレステーション。その西側の窓から差し込む眩しい橙色の西日によって、その構内は燦然と輝いている。
 その夕陽の中に停車しているのは、キナンシティへ向かう超高速鉄道――TMVだ。
 赤白の車体に、青のライン。洗練された流線型。
 レンリからの列車から降りたばかりの四つ子は、TMVを見上げては、ほおと感嘆の溜息ばかりを漏らす。
 セッカのピカチュウも、キョウキのフシギダネも、サクヤのゼニガメも、レイアのヒトカゲも、それまで列車の中で散々ふざけ回っていたのが嘘かのように、夕暮れの中で輝くミアレステーションとTMVにまじまじと見入っていた。


 四つ子はつい先ほど、列車というものに生まれて初めて乗って、このミアレに到着した。駅という場所にも生まれて初めて来た。そして、今、四つ子は人生で最高速度の移動を体験しようとしている。
 四つ子の周囲でも、観光客らしき人々がTMVの写真をカメラやホロキャスターで盛んに撮影していた。ポケモントレーナーらしきポケモン連れの人々も、南の街キナン行きのTMVに続々と乗り込んでいる。そして四つ子も彼らと同じく、キナンへ向かうのだ。このTMVに乗って。
 四つ子の養親であるウズは、黙ってTMVをどこか胡散臭げに眺めていた。観光客がウズの羽織袴姿をちらちらと気にするのにも全く構わず、泰然と仁王立ちしている。
 一方で、彼ら養親子に同行するポケモン協会職員のロフェッカは、黄色い打刻機で六人分のTMVパスに打刻してきた。
 金茶髪の大男は、笑って養親子に声をかける。振り返った拍子に、その笑顔に橙色の夕陽が落ちた。
「ほい、んじゃ、さっそく乗りますか」
「てぃーえむぶい!」
「ぴかぴっか!」
 ピカチュウを肩に乗せたセッカがいち早く飛び出す。TMVに突進した。
 キョウキとフシギダネ、サクヤとゼニガメ、レイアとヒトカゲがそそくさと続く。
 金茶髪のロフェッカとウズが、大きなトランクを引きずりながら続いてTMVに乗車した。


「いきます! TMV! ――たたいて・むしって・べじたぶる!」
「なるほど。胡瓜を叩いて白菜をむしって、これからお漬物を作ろうという心意気が伝わってきますねぇ」
 さっそくTMVに乗り込んだセッカが機嫌よくあいうえお作文をし、それにキョウキが笑顔で解説を付け加える。
 TMV内の座席は、通路を挟んで左右に一列ずつ並べられていた。四つ子は向かい合わせの左右二列ずつの計四席のスペースを陣取る。進行方向に向かって右列にはセッカ、キョウキ。左列にはサクヤとレイアが向かい合って座る。
 発車のチャイムが駅構内に流れ、TMVがゆるりと動き出した。セッカとピカチュウが歓声を上げる。
「動いたぁ! 動いたよピカさん、すっげぇなーっ!」
「ぴぃか! ぴかちゅ!」
「セッカ、ピカさんも、静かにね」
 フシギダネを膝の上に乗せた緑の被衣のキョウキがやんわりと注意すると、セッカは抱きしめたピカチュウと顔を見合わせて、にへにへと笑った。TMVが加速する。しかし一方では、ゼニガメが素早くサクヤの腕の中から飛び出している。
「ぜにーっ!」
「こら…………おいキョウキ、ふしやまに捕まえさせろ」
 サクヤの要請に、キョウキのフシギダネが笑顔のまま素早く蔓を伸ばした。他の車両へ駆け出しかけていたゼニガメを蔓が捕らえ、そしてサクヤの膝の上にゆっくりと戻す。
 ゼニガメは喚き、文句を言った。
「ぜぇに! ぜにぜにぜにーっ!」
「痛い」
 さっそく連れ戻されてしまったゼニガメは、癇癪を起こしてサクヤの黒髪を引っ張りまくった。サクヤは顔を顰めるが、目を閉じ、黙って耐えている。サクヤの凶暴さを身をもって知っている片割れたち三人は、そのようなサクヤの精神的な成長に思わず我が目を疑った。
 その三人の不躾な視線に気付いたサクヤが、ゼニガメに頬をつねられつつますます眉を顰める。
「なに?」
「……いやぁ、人って成長すんだなぁ」
「言っておくが、僕はポケモンには暴力は振るわないぞ」
 ヒトカゲを膝の上に乗せてにやにやと笑っている赤いピアスのレイアを真正面に見据え、サクヤは不機嫌にそう言い放つ。
 レイアは窓枠に肘をついてけらけら笑う。
「サクヤってしっかりしてると思いきや、割とアクエリアスとか躾けきれてねぇよな? 甘やかし過ぎじゃねぇの?」
「こいつには何を言っても無駄だと学んだだけだ」
 言いつつサクヤは、顔面からやんちゃなゼニガメを引き剥がしている。ゼニガメは短い手足を思い切り振り回し、全力の抵抗を示している。レイアの膝の上のヒトカゲが、それを見てきゅきゅきゅと笑う。
 サクヤが鼻を鳴らす。
「おいアクエリアス、サラマンドラにも笑われてるぞ。恥ずかしくないのか」
「ぜぇーにぃ! ぜにぜーにぃっ!」
「ぴかぁーっ、ぴぃーかぴかぴかっ」
「だぁーねぇー?」
「……ほら、ピカさんやふしやまにも笑われてるぞ、アクエリアス。おとなしくしろ」
「ぜにが――っ!!」
 サクヤはその後もしばらく、青い領巾を引っ張りまくるゼニガメと格闘していた。
 レイアは膝の上で丸くなるヒトカゲの背を優しく撫でつつ、車窓からの景色を静かに眺めている。赤いピアスが微かに揺れる。
 ピカチュウを膝に乗せたセッカは、あいうえお作文を懸命に捻り出していた。
「TMV! てぃー・えむ・ぶい! たえきれず・もっこり・びでお!」
「やだぁもう、セッカったら」
 フシギダネを膝に乗せたキョウキが、セッカの正面で上品に笑っている。
 サクヤが全力で投げつけたゼニガメが、セッカの顔面の右半分をその甲羅で圧し潰した。



 四つ子はTMVでキナンに向かう間、矢のように流れる景色に目を瞠ったり、また別車両に設けられたバーに行ってソフトドリンクとバゲットサンドといった夕食をとったり、ゆったりとした座席に埋もれて眠ったりしていた。座席に座りやすいようにするためという理由もあって、腰につけていたモンスターボールはすべて外し、窓際に並べてある。四つ子のすべての手持ちのポケモンたちにも、車窓からの景色は見えているだろう。
 夕映えの景色は飛ぶように流れる。
 四つ子の後ろの席で、ウズは頬杖をついて静かに車窓を眺め、ロフェッカはリラックスした様子で本など読んでいる。四つ子が騒いでもやがてぷうぷうと寝息を立て始めても、二人は我関せずといった態度だった。これから一、二ヶ月も四つ子と関わり続けていくことになるのだ。少々のことにいちいち動揺していてはとても身がもたない。
 太陽が沈みゆく。
 列車は大河を辿り、平原を駆け抜け、青々と一面に広がる葡萄畑や牧場、数多の草原や荒野を見晴るかし、東にチャンピオンロードの山脈を眺め、谷川を越え、深い森の間を抜けて。
 世界は赤から青へ染まり、星々が瞬き、夜に沈む。超高速鉄道は南東目がけて駆け抜ける。
 景色は移ろう。
 窓の外はすっかり暗くなった。
 時折見えた街の光もとうとうまばらに、夜空には満天の星。TMVは宇宙を駆けているようだ。たまに目を覚ました四つ子は、明るく暖かい車内でそう思う。あれほど騒いでいたピカチュウやゼニガメもおとなしく眠り込み、フシギダネもヒトカゲも寝息を立てている。
 欠けた月が昇り始める。
 いつの間にか、TMVは山の間にあるようだった。
 夢うつつに、アナウンスが流れる。四つ子の頬には、座席のシートの感触が馴染み切っている。
 ロフェッカが、自分とウズの二人分のトランクケースを引っ張り出してくる。
 そしてロフェッカは、うつらうつらとしている四つ子に声をかけた。
「おら、キナンに着くぞ。そろそろ起きやがれ」
 膝にそれぞれの相棒を乗せた四つ子は、もぞもぞと動き出した。


 六人は黙々とTMVから下車し、キナンステーションから出た。
 途端に感じられたのは、冷たく吹きすさぶ夜の山の風。――しかし、そのような一抹の寂寥は瞬く間に蒸発した。
 四つ子は言葉を失った。
 光が、熱が、何もないと思われた山間に満ちている。

 キナンシティは、一大高原リゾートである。
 ポケモンセンターやバトルハウス、フレンドサファリといったトレーナー向けの施設も、ポケモントレーナーの間では有名ではある。しかしそういったトレーナー向けの施設だけではない。バトルハウスでのポケモンバトルを観戦に来た一般人観光客向けのリゾート施設が、キナンには揃っているのだ。
 高級別荘地、大型ホテルはもちろん、大型アウトレットモールとショッピングモールを兼ね備えた商業施設がそれらに隣接している。
 また、映画館、ゲームコーナー、文化ホール、ロープウェー、屋内外の大型テーマパーク。バトルスタジアムやコンテスト会場、ミュージカル劇場。ポケモンと触れ合える大動物園、貴重なポケモンの保護も兼ねた巨大な植物園、等々――山間に拓かれたリゾート都市、キナンにはエンターテイメント施設が充実しているのである。
 トレーナー誘致を観光の柱とはしているものの、一流のトレーナーによるバトルハウスでのポケモンバトルをさらに呼び水に、一般観光客をも広く集めようという魂胆である。
 キナンステーションから臨んだ“優しく甘い極上の街”は、夜の山間に、眩くそして幻想的にライトアップされていた。
 四つ子はただただ圧倒され、息を呑む。
 ミアレの夜景とはまた違った、ここは熱気に溢れた夢の街。
 これが、カロス最南端の街。

 道端にはリゾート気分を覚えさせる南国の植物。
 通りは街灯で明々と照らされ、様々なポケモンを連れた様々な人々が、夜もまだまだこれからと活気にあふれ、混み合う道を行き交う。それは保養に訪れたトリミアン連れの優雅な老夫婦であったり、エネコロロとサーナイトを伴った幸せそうな家族であったり、チラーミィとプリンとマリルとピチューを抱えた華やかな女子学生の集まりであったり、トロピウスやギガイアスやヒヒダルマを連れた腕自慢のトレーナーの集団であったり。
 少し広場に出れば、大道芸人が見物客を集めている。
 チャーレムやアサナンといったエスパーポケモンが大量の水を念力で固定し、空中に生まれた巨大な球のプールの中を、ミロカロスやサクラビス、アズマオウ、トサキント、ネオラント、チョンチー、パウワウ、ラブカスといった水ポケモンが華麗に舞い踊り、水中ショーを見せている。
 四つ子はそのショーに目を奪われた。まさかこのような場所で、美しい水ポケモンたちの舞が見られようとは。
 かと思えば、広場で視線を転じれば、すぐさまキレイハナやドレディアやマラカッチによる花吹雪が人々の目を引き、美女が魅惑的なダンスを披露する。
 他にもマルマインに乗りつつタマタマでジャグリングをする危険極まりない者、バリヤードと共にパントマイムに明け暮れる者、オタマロの軍勢を指揮して合唱させる者、数匹のミネズミにダンスを踊らせる者。時に息を呑むほど圧巻で、ともすれば思わず笑ってしまうほど滑稽だ。
 まるで祭だ。
 四つ子は互いにはぐれないように仲良く手を繋ぎ、広場を渡り歩いた。通りにはポケモンも食べられる料理や飲み物の屋台が並び、食欲をそそる音や香りを辺りに振り撒いている。クレープ、焼き栗、林檎飴、チュロス、アイスクリーム。甘味の屋台が多かった。
 街の至る所には色とりどりの花々や緑が飾られ、花火や爆竹の音が山間の星空に時折響く。道は昼間のように明るい。
 きょろきょろと落ち着かずに目を輝かせつつも、四つ子が多言語で表示された看板を辿ってとうとう立ち止まったのは、バトルハウスだった。


 黄金の装飾の施された、大理石の豪邸。
 お祭り騒ぎに囲まれて、けれどキナンシティの主でもあるかのように、その屋敷は荘厳に鎮座ましましていた。
 ここがバトルハウスに間違いない。
 小奇麗な服装に身を包んだポケモントレーナー達が、ひっきりなしにそのバトルハウスに出入りしている。他にも観客であろうか、タキシードとイブニングドレスの二人連れなど、美しく着飾った人々がその邸宅に集っていた。どうもただのバトル施設ではなさそうだ。
 四つ子は躊躇した。
 四つ子の服装はお世辞にも小奇麗とは言いがたい。十歳の時にウズから譲り受けた旅衣装の丈を調節して、現在まで着続けているのである。葡萄茶の旅衣やブーツなど擦り切れてボロボロだ。このような格好で、果たしてこのような屋敷に入ったものか。
 しかし、四つ子のあとに続いてきていたロフェッカがこともなげに首を傾げた。
「なんだぁお前ら、入んねぇのか?」
「……え、入っていいんか」
「たりめぇだろが」
 そして普段着に身を包んだロフェッカは、気負うこともなく豪邸にずかずかと踏み込んでいった。四つ子もきょどきょどしつつ、その後を追う。
 そして玄関ホールの眩い内装に目が眩んだ。赤い絨毯。ロフェッカはやはり何の気負いもなく、ずかずかと重厚な赤い絨毯を踏んで荷物を預け、階段を上がっていった。受付に話しかけている。
 受付の女性は一行を見やると、笑顔で言い放った。
「お一人様につき、入場料を1500円頂きます」
「えっ、お金とるの!?」
 ピカチュウを肩に乗せたセッカがぴゃあと叫び、その頭をロフェッカが小突く。
「うるせぇ、たりめぇだろうが。今日はさすがにお前らはバトルは無し。バトルせずに観るだけの客は、入場料払うんだよ。ほれ、それでも観るってんなら金出せや」
「ロフェッカが払ってよ」
 そう微笑んでロフェッカを見つめるのは、フシギダネを頭に乗せた緑の被衣のキョウキである。
「ほら、ロフェッカの代わりに、フウジョからヒャッコクまでミホさんとリセちゃんを送ってあげたじゃない。謝礼はするって、君、言ったじゃないか?」
 ロフェッカはぐうの音も出なかった。
 そしてロフェッカが渋々と全員分の入場料を支払い、四つ子は意気揚々と玄関ホール正面の大扉をくぐった。ウズが静々とそれに続いた。


 紫の大広間に出る。
 その幻想的な空間に、四つ子はまず一瞬度肝を抜かれた。
 次いで、正面の階段の踊り場で繰り広げられるシングルバトルに、四つ子は目を瞠った。
 バンギラス対ゼブライカ。
 激しい咆哮が上がり、激しい砂嵐が舞い上がり、紫電が散る。
 二階の観客席は超満員だった。どうやら観客席や内装は、エスパーポケモンの張った壁などで安全に防護されているようだ。二体のポケモンがぶつかり合うたびに、大きな歓声や拍手が起こる。
 既に勝負は終盤に差し掛かっていたらしく、バンギラスがゼブライカをかみ砕いてとどめを刺した。

 バトルの決着がついたところで、からんからんとベルが鳴る。
「……うし、終わったな。おら、こっちだ」
 ロフェッカは立ち止まっていた四つ子の背を押し、そのバトルが終わったばかりの正面の大階段を上がり始めた。そのまま二階の客席に上がる。
 バトルに負けたばかりのゼブライカのトレーナーも、二階の客席に上がっていった。敗れたトレーナーは、そのまま二階の観客に混じることもあれば、再びバトルに挑むべく出場選手の控室に戻ることもあり、はたまた挑戦や観戦に飽きればそのまま大階段を下りてバトルハウスを出ていくこともある。何にせよ、敗者は踊り場から去るのみだ。
 そして一方のバトルに勝ったバンギラスのトレーナーは、大階段の踊り場の手すりにもたれかかって小さなサンドイッチなどを齧り、小休憩を入れている。勝者は、次々と訪れるトレーナーと勝ち抜き戦を繰り広げることになる。
 また、観客が大階段を行き来する。新しくバトルハウスを訪れた者は上がり、十分に観戦を堪能した者は下りていく。一階にあつらえられた丸テーブルの軽食コーナーで、ポケモンと共に軽く食事をつまんでいく者の姿もある。


 四つ子は二階の観客席から、紫の大広間をきょろきょろと眺めまわした。
 紫の壁や柱は幻想的だ。豪華なシャンデリアや立派な燭台が煌々と広間を照らし、敷き詰められた絨毯は密である。しかしただ豪華絢爛なだけでなく、そのデザインには遊び心が散りばめられていた。金属光沢の華やかなリボンが欄干に飾られ、紫の壁紙は水玉模様やストライプである。
 手に汗握るような激しいバトルを、軽い気持ちで観に来ることができる。バトルハウスはそのための場所なのだ。
 そして、観客席の薄暗い一角では、何やらテーブルに集まってコインのやり取りをしている数人の紳士がいた。踊り場でのバトルでどちらが勝つかで、賭けをしているのか。四つ子は珍しげにその賭博の様子を眺めていたが、そこで養親にまるで見るなとでも言うように肩を叩かれた。


 ざわついた休憩時間は、五分ほどだったか。
 からんからん、と再びベルが鳴る。
 休憩時間が終わったのだ。次のバトルが始まる。
 四つ子は薄暗い賭博の様子より、すぐに階下に気を取られた。

 正面の大階段に残っていた人々がはける。踊り場に残されたのは、先ほどのバトルに勝利したバンギラスのトレーナーだけ。このトレーナーはもたれかかっていた手すりからそっと身を離し、階上を見上げた。
 二階から、次のバトルの相手が駆け下りてくる。エリートトレーナーの女性だった。相対した二人のトレーナーは握手をして何事か挨拶を交わしているが、ざわめく二階の観客席まではその言葉は届かなかった。二人のトレーナーがそのままバトルのための距離をとる。ボールからポケモンを出す。
 一斉に拍手が巻き起こった。
 階上の客席から降り注ぐそれが静まるまで、二人のトレーナーと二体のポケモンは睨み合う。スワンナ対ブーバーンだった。
 しんと、一瞬客席が静まり返った、その刹那。
 次の勝負が始まる。
 わあ、と歓声がバトルハウスに満ちた。


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