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  [No.1566] Chapitre3-4. 実月のヒャッコクシティ 投稿者:浮線綾   投稿日:2016/07/15(Fri) 20:58:36   38clap [■この記事に拍手する] [Tweet]



草上で食前酒 -Le Aperitif sur l’herbe

Chapitre3-4. 実月のヒャッコクシティ



9月初め ヒャッコクシティ


 夏が終わろうとしている。
 強い風が吹く。雨が戻ってくる。
 風の音に、リズはベッドの上で目を覚ました。いつもと同じ下着一枚で横向きの姿勢。枕元には相棒のシシコが腹を見せて眠っている。
 ここはヒャッコクシティのポケモンセンター上階の宿舎だ。
 窓辺には、空いたワインボトルに白百合の花が飾ってある。夏の名残を惜しんで、リズがヒャッコクの道端に見つけたものを花切鋏で切り取ってきたのだ。
 寝転がったまま、その夏雲のような白をリズは見つめている。

 ――思い出した。
 自分は、最終兵器が起動した暁には、カロスの一般市民と一緒に死ぬつもりだったのだ。



***


 キナンシティの湖畔のカフェで、その菩提樹の影のテラス席で、ケラススには目を点にされた。本当に、珍しいくらいにぽかんとしていた。
「正気か?」
「おう」
「正気か?」
「ああ」
「正気か?」
「はい」
「正気か?」
「その質問、尋ねてる側の方が正気じゃない場合はなんて答えりゃいいんですかね?」



 それから、ケラススには聞かなかったことにされた。
 たぶん、夏の暑さでオリュザの頭の螺子が融け落ちたのだ程度に思われている。
 面倒なので、オリュザは放置している。

 そして何事も無かったかのように、黒スーツのオリュザと白衣のケラススは2人でヒャッコクシティにやってきて、“ミラベル祭り”の最中にもかかわらず、伝説のポケモンについて調べているのだ。
 とある民家にいた男性学者から聞き出したことには、イベルタルとゼルネアスは約800年前にも出現しただとか、寿命は1000年だとか、3000年前のカロスでの戦争でも姿を現したという言い伝えもあるだとか。
 ケラススは肩をすくめていた。オリュザは苦笑した。

 ミラベルというのはこの地域の特産品で、プラムに似た黄色い果実である。
 収穫がこの時期ということで、ヒャッコクの街は8月下旬から9月初めまでミラベル祭り一色に染まるのだった。
 色とりどりの造花で飾られた山車が行列をなして大通りを練り歩き、気球が飛行ポケモンと共に空を飛ぶ。
 ヒャッコクを象徴する日時計前の広場では民族音楽が奏でられ、ダンスが披露される。市庁舎の屋上からはミラベルを模した巨大な黄色い風船が広場に投げ込まれる。まれにビリリダマが投げ込まれるのが性質が悪い。また別の広場には移動遊園地が設置され、子供たちが歓声を上げていた。
 屋台ではミラベルのジュースやタルト、パンケーキ、シュケット、マカロン、マジパン、キャラメル、マドレーヌなども売られている。

 広場の隅でマルシェで買ったもぎ立てのミラベルをもぐもぐやりながら、ふと我に返ったオリュザは声を上げた。
「……なんで俺らは、ミラベル祭りをのんびり満喫してんだ?」
「息抜きだ。最後のな」
 ケラススも甘いミラベルを生のまま齧りながら、無表情で淡々と答えた。
「“樹”だけでなく、“繭”も発見し確保した。計画は最終段階に移行する。これからは忙しくなるぞ、オリュザ」
「ああそう、頑張ってね」
「またお前は他人事のように……」
「実際、他人事だもの。俺はやる事はやった。フレア団の思想を説明するわっかりやすい本を今年だけで6冊出した。フレア団の資金集めと人手集めに一番貢献したのは俺だろう、間違いなく」
 オリュザはふんぞり返りつつも、造花で飾られた山車が通りを行き過ぎるのをつまらなそうに見つめていた。
 ケラススも山車にはあまり興味がなさそうに、手元のミラベルばかりを注視している。
「……なあオリュザ、お前は、本気で」
「いやだなケラスス、分かってるくせに……」
「……何の話だ」
「分かってる、みなまで言うな。俺は至って本気だ。俺は本気で、アンタのことが……!」
「ああはいはい、夏風邪は馬鹿がひくんだったな」
「馬鹿と天才は紙一重とも言う」
「言ってろよ」
 オリュザはケラススにごく雑に押しやられた。最近、とみにケラススのオリュザの扱い方が雑になっているように感じられる。からかっても柳に風、暖簾に腕押し。
 ケラススも諸準備で忙しいのだろう。疲れを滲ませた、やや棘のある声を上げた。


「…………最終兵器でお前も死ぬつもりだというのは、本気か?」
「いやだなケラスス。本気にしたのか?」
 オリュザは指についた果汁を舐め、にっこりと笑ってやった。
 しかしケラススは怯まない。
「これまでのお前の言動から考えてみたんだ。お前は、『死の存在しない無意味な生』に価値を見出さない――そうだったな? つまりお前は……私たちフレア団員だけが永遠の命を享受する新世界に、生きるつもりはないという事か」
 その言葉を受けて、オリュザは右隣りの相方を見やった。

 ケラススは相変わらず、手元のミラベルに熱い視線を注いでいる。
 こちらを見ないのが気に食わなかったが、オリュザは諦めた。出会った頃は何かにつけてその銀紫の双眸で真正面からオリュザを睨みつけてくれていたものだが。
「……そうだな。アンタの言う通りだよ」
「そんなのは、無責任じゃないか。『不死の王』の構想を私たちに与えたのはお前なのに」
「俺は道標を示したに過ぎない。その道を本当に選ぶのか、選んだとしてどのように進むのかは、アンタたちの選択に委ねている」
「そんな……そんなのは…………」
 ケラススは手の中の柔らかいミラベルを握りつぶしていた。拳を握りこむように、種子を握りしめている。
 ケラススが顔を上げた。まっすぐオリュザを見つめる。
「――そんなものは、欺瞞だ。お前の生きる意味とは何なんだ?」


「俺に生きる意味なんてないよ。探したけど見つからなかったのさ」
「なんで。本を書いただろう、あれもすべて遊びだったというのか、暇つぶしか何かだったのか?」
「さあ。わからない。少しは生きる意味を見出したかもしれない。でも、やっぱり、自分自身が考え出したフレア団の理想の新世界では、どうしても生きたいとは思えなかった」
「どうしてだ。あの世界はお前の理想を描いたものじゃないのか?」
「違うよ。“人類一般”の理想を描いたものだ」
「“人類一般”の理想を描いておいて、どうしてお前はそこに含まれないんだ?」
「さあ。なぜだろう。結局はアンタの言う通り、夢想だったのかもしれないね。ただの俺の空想、ファンタジーの世界。フラダリはそれを本気にしちまっただけだ。なにせ俺が大学で『不死の王』を書いた時、俺はゼルネアスやイベルタルが実在するなんて確証は持っちゃいなかったし、3000年前の最終兵器がまだ動くだなんて思いもしなかったんだ」


「フラダリ様を愚弄するな」
「愚弄してない。あいつはうっかり、俺の本を見て、勘違いしちまったんだよ。少しだけ、ほんの少しだけ、あいつを勢いづけちまったんだよ」
「だからお前は、フレア団に責任を持たないとでも言うのか?」
「あるいは、フレア団以外の人間に責任を持つのかもな。結局はあれは、この世の99.999%以上の人間を滅ぼそうって計画だ。傲慢な支配者の理論だ」
「自分の理論が間違いだと認めておいて、それを撤回せず、暴走するフレア団を止めようともしないのか!」
「それをアンタが言うか?」


 ケラススは目を逸らした。
 オリュザはその左肩を軽く叩いてやった。なおも問いかける。
「アンタは、俺がフレア団は間違いだと言えば、それでやめるのか? フラダリを裏切れるのかよ? ……アンタの目的を思い出せ、ケラスス・アルビノウァーヌス。夢想家の墓石から漏れ聞こえてくる戯言なんざに耳を貸すな」
 オリュザの手は払いのけられる。
「私は……永遠を生きたい」
「そうか。気が合わないな」
 下を向いたままの相方を、オリュザは寂しく見つめた。
「アンタにとって、新しい世界が素晴らしいものだといいな……」
「梯子を外された気分だ。この裏切り者」
「アンタって泣き上戸だよな。なに酔ってんだよ」


「……死なないから、悲しみが無いんだろう。誰も死なないから生きる意味を失わずに済む」
 しかしオリュザはもうケラススを見ていなかった。
 背を向け、ミラベル祭りに沸くヒャッコクの雑踏へと一人で歩き出している。

「……大切な者が死ぬのが悲しいのは、生きる意味を失うからだ」
 ケラススの声が恨みのように追ってくる。

「……誰かを喪って泣くのは、誰かの為じゃない。そいつを大事にしていた自分が否定されるからだ」


「……誰も死ななければ、自分を失う必要なんてないじゃないか」


「……死なないからこそ、生きてる意味があるんだろう」


「…………なんで、わかってくれないんだ、オリュザ」




***


 ――そのちょうど一年後の現在、リズはそのセラと、ヒャッコクのポケモンセンターの宿舎のツインルームをシェアしているわけである。
 思い出すだに恥ずかしい。
 いったい一年前のヒャッコクでの決別の後、自分たちに何が起きたのか。想像するだけでリズは怖くなってくる。あまり思い出したくない気がする。

 リズはオリュザだ。傍から見たら頭のおかしい自殺志願者だが、その自殺の願いさえもリズ自身にとっては、まったくもって共感できるものなのである。永遠の命などに意味も価値も無い。
 リズもオリュザも、0か∞かどちらかを選べと迫られたら、迷いなく0を選ぶ。
 そして、0ではなく∞を選ぼうとするケラススが考えていることは、リズにもオリュザにも理解できない。
 今のセラについては、言うも更なりである。
 わからない。
 今この部屋にいるセラは、いったい何を考えながら、今年の1月から9月の今日までずっとリズの傍にいたのか。
 想像するだけでも怖くてたまらない。


 リズが布団の中でぶるぶる震えていると、向こう側のベッドで、目覚めたらしいセラが起き出した気配がした。さっさと衣服を整えている音がする。
 一度は背を向けた相手だと意識し始めると、リズはもはやセラに対してどういう顔をしたらいいのか分からなくなってしまった。
「……っつーか、いつから俺らは『セラちゃん』『リズちゃん』なんて可愛らしいあだ名なんかで呼び合っちゃってんだよ。俺が未だに思い出せてない去年の9月から今年の1月までの間に、いったい俺らに何があったんだよ。ああ怖い怖いこわいでも気になるでも知りたくない嫌だ恥ずかしい」
「……何をさっきから一人でぶつぶつ言ってるんだ、リズ」
「うおう。おはようございます、セラ」
「おはよう。起きるか?」
「お、起きます」
「大丈夫?」
 短い白髪、灰色の肌、銀紫の瞳。自分を覗き込んできたセラの顔の造形を、リズはじっくりと眺める。まったくもって記憶の中のケラススと同じ顔である。
 つり目だ。露わになったおでこがチャーミングかもしれない。
 誠実そうな、爽やかな眼をしている。
 まったく何を考えているのか分からない顔をしている。

 セラは暫く黙ってリズの不躾な視線に耐えていたが、やがて溜息をついた。
「なに。何か不愉快なことでも思い出したか?」
「うっ、おう、はい、もちのろんです?」
「語尾を上げるな。9月だし、ヒャッコクだし、あのミラベル祭りでのことを思い出したってところか……」
 セラは遠い目をした。リズは恥ずかしさに震えた。
「……な、なんか、すまんな、こんな自殺志願者で。でも、俺、やっぱり、永遠に生きるのは嫌です」
「やっぱり考えは変わらないか。そうだろうと思ったけど…………」
「でも、もうフレア団もなくなったから、もう永遠に生きるかもって事は考えなくていいんだよな」
 リズは一人で思考を整理した。――そうだ、よく考えてみたら、もう、自分は自殺志願者なのだという理由でセラに遠慮することはない。数十年しかないまっとうな人生を普通に歩めるのなら、リズもわざわざ自殺を選ぶほどではないと思えるのだ。

「ああ、でも……セラは、永遠に生きたかった、んだよな?」
「…………ああ、そうだな。聞いてくれるか? 去年はお前、私の話をろくに聞かずに行ってしまったもんな」
 セラは自分のベッドの縁に腰を下ろし、とてとてと寄ってきたニャスパーを膝の上に乗せた。
 それからリズをまっすぐ見つめる。


「私は幼い頃、それはそれは大切にしていたポケモンを亡くしてね。それ以来、大切な者を失うことを極端に恐れてきた、まあよくいる根暗な子供だったわけだ」
「……その通りかもしれないが、あんま卑下する必要はないだろ」
「ありがとう。まあとにかくそういう理由から私は、生物が死ななくて済むようにする技術を開発する科学者になることを夢見た」
「……それがフラダリが理想として掲げてた『永遠に生きられる新世界』を知ってしまって、それに夢中になったってとこか」

 セラははにかむ。
「正直、去年お前に出会って、お前の本を読んでみて、その『新世界』の発想元がお前かもしれないと知ったときは興奮した。オリュザとフラダリ様がいるこのフレア団なら、私の望みを叶えてくれると確信なんてしてな」
「…………さ、さいですか…………」
「だから、お前が新世界に行かずに最終兵器で死ぬつもりだなどと言い出した時は……その、なんていうか……正直に言おう。悲しかったよ」
「悲しかった? アンタが? 俺が死ぬっつったから?」
「私は誠に勝手ながら、お前やフラダリ様と共に永遠に生きる新世界を、夢見ていたんじゃ、ないかな……。それだけ大切だったんだよ。でも、もし、お前が死んでしまうなら……意味がないじゃないか。死の無い新世界を創り出そうとした私のこれまでしてきたことの意味も……そしてお前を大事に思った私自身も……否定されるだろう」
 セラは慎重に言葉を選んでいた。
 これまでとは違う、揺れている不安げな声音。


 ああ、なんだ、とリズは思った。
 これまでの道のりはずっと、セラの思い描いた通りだったのだ。ただただリズはセラの誘導に従って記憶を取り戻していけばよかったのだ。
 けれど、今は違う。これからはリズは、オリュザとして考え、セラであるケラススに対しても我を貫かなければならない。
 セラと戦わなければならない。
 もう、リズはセラと目的を違えているのだ。
 セラは今まさに、リズに対して、思想の変更を求めている。理解を求めている。
 できる範囲ならば、リズもセラの望みを叶えてやりたい。けれど退けない一線は守らなければならなかった。リズが、リズとして生きる意味を貫くために。



「ケラスス・アルビノウァーヌス。俺の持論を聞かせてやる」
 リズは金茶の瞳を細め、言い放った。
 セラが銀紫の瞳を僅かに瞠る。どこか警戒するような、緊張したような様子を見せる。
 それが面白くて、リズは笑った。
「思うに、命には二つの面がある。一つは命の客観面である『生命』、もう一つは命の主観面である『人生』としよう」
「……生命と、人生か。それで?」
 セラは挑むように顎を上げた。リズは鷹揚に語る。
「それぞれについて詳しく説明しよう。すべての人間の命は平等だなどと語る際の命とは、命の客観面である『生命』を指す。客観的に見れば、白人だろうが黒人だろうが、赤ん坊だろうが病人だろうが、『生命』は平等だ。そういう意味じゃ、すべての人類の命は平等だ」
「……なるほどな」
「では、例えばとある男が、二人の子供が川で溺れかけているのを見かけたとしよう。一人は自分の子供で、もう一人は赤の他人の見知らぬガキだ。さて、その男にとって、二人の子供の命は果たして平等だろうか? 違うだろう。自分の子供の方が大事に決まっている。――このように、主観を通してみた際に、人間の命は不平等になる。『人生』には軽重があるんだ」

 セラは頷いた。
「人は客観的な命としては平等だが、主観を通して見た命には、人によって重い軽いがある、と。で?」
「アンタと俺の『生命』の重さは等しい。じゃあ、ここで俺――オリュザ・メランクトーンの主観を通して見てみよう。俺の『人生』は、アンタの『人生』よりも著しく軽い。まるで羽毛だ、綿だ。だから俺は、俺の命が今すぐ蒸発しても惜しくない」
「だが、私の主観を通して見れば、お前の命も私の命も、等しい重さを持っているが」
「そこで問題だ。命って、いったい、誰のものだ?」

 セラは顔を歪めた。
「……自分のもの、じゃないのか」
「だろ。自分の命の価値は自分で判断して自分で処分するべきだ、と俺は考えている。あくまで俺の持論だがな」
 リズは寂しく笑ってみせた。

 セラも寂しげに、苦しげに笑んだ。
「……私がどれだけお前を大事に思っていようと、お前がお前自身のことをどうでもいいと思っている限り、お前は自殺を選ぶと、そういう事か?」
「そうなるな」
「……だが、それは誤りだぞ。お前はお前自身より、私の人生の方が重いと考えているんだろう? それならお前は、お前自身の主観よりも、私の主観を大事にすべきではないのか?」
「そういう論法は駄目だぜセラちゃん。俺はアンタの命は尊重するが、アンタの価値観を尊重するとは一言も言ってない」


 セラは黙り込んでしまった。密かに唇を噛んでいるようにも見えた。
 リズはひらひらと手を振った。
「とまあ、こんな感じだ。俺は何が何でも、アンタの価値観に従うわけにはいかない。俺は俺自身の価値観に従って生きさせてもらう」
「……それがお前の、生きる意味?」
「基本的な生き方、と呼んでくれ。要は、アンタに生きる意味を押し付けられる筋合いはないっつーことだよ」
「………………そう。よく、わかったよ」
 セラは俯いて、目を閉じていた。
 リズはベッドの上で胡坐をかいて、セラに明るく笑いかけてやった。
「そうどんよりするなよ、セラ。別に俺は、最終兵器が使われて永遠に生きなきゃいけない新世界が始まるってことがないんなら、数十年くらいの人生なら、特に意味が無くてもぼんやり生きてやるしよ」
「……そうか。数十年なら、お前も耐えてくれるんだな」
 セラは微笑んではいたものの、それはからかう口調にしては、力が無かった。





Chapitre3-4. 実月のヒャッコクシティ END


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