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  [No.1620] #121634 「『案件#121634 「ピカチュウのなつやすみ」』」 投稿者:   《URL》   投稿日:2018/01/06(Sat) 19:36:19   33clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

Subject ID:
#121634

Subject Name:
『案件#121634 「ピカチュウのなつやすみ」』

Registration Date:
2008-07-18

Precaution Level:
Level 3

Handling Instructions:
映像#121634に対応する管理文書#121634が新たに発見された場合、映像#121634について管理文書#121634に基づくテストを可能な範囲で実施の上、管理文書#121634が虚偽と見做された場合は本案件の付帯資料としてアーカイブの上管理してください。本案件は映像#121634と管理文書#121634に関連する案件の最上位に位置付けられます。仮に管理文書#121634の記載が正しいケースが確認された場合、別個の案件番号が付与されることになっています。

管理局データベースのブロック33-Cは他のデータベースよりも精密なログ採取を行う設定が追加されます。情報管理部門は週次の定期メンテナンス時に、データベースのブロック33-Cにおけるログ取得設定が変更されていないことを少なくとも2名以上の複眼で確認してください。管理文書#121634はデータベースのブロック33-Cに予兆なしに追加されることが分かっています。案件担当者以外が未知の管理文書#121634を発見した場合、速やかに案件担当者へ報告することが求められます。

管理文書#121634が当局局員により作成されたものでないことを確認してください。標準手順M-99761に基づき電子文書の監査を行い、ファイルシステムに記録された所有者/作成者/更新者を記録することにより確認プロセスは完了します。確認プロセスによって得られたログファイルは管理局データベースのブロック21-Dへ別途保管してください。管理文書#121634の出現するブロック33-Cに保管してはなりません。


Subject Details:
案件#121634は、当局が管理する案件データベースの所定のブロックに不定期に出現する作成者不明の案件管理文書(管理文書#121634)と、発見されたすべての管理文書#121634が異常特性を持つオブジェクトだと主張する映像作品(映像#121634)、及びそれらに掛かる一連の案件です。

管理文書#121634が初めて観測されたのは、2008-02-14 16:34時点です。システム管理者によるメンテナンス時にデータベースのインデックスに登録されていない状態のまま保管されている孤立した案件管理文書が発見され、通常の連絡経路に沿って拠点監督者に報告されました。拠点監督者はシステム管理者にデータベースのロックとオフライン化を指示し、この操作は10分以内に正常に完了しました。抗ミーム汚染措置が施された専用端末に未知の案件管理文書を移動の上閲覧したところ、案件管理文書自体からは異常性が確認されませんでした。臨時の収容プロトコルが確立され、文書は高セキュア環境のサーバへ移動させられました。

管理文書#121634は、当局が作成/管理している案件管理文書と合致する書式/形式に則って作成されたと思しき電子ドキュメントです。管理文書#121634は常に「案件#121634」について記載され、名称として「ピカチュウのなつやすみ」が設定されます。他の案件番号/案件名称が設定されたものはこれまでのところ確認されていません。これに加えて、管理文書#121634はいずれも「映像#121634」という特異性を持つ映像に対する取扱手順と案件詳細について記載されています。これまでに計35の管理文書#121634が作成され、管理文書#121634-1から-35に分類されています。これらの管理文書#121634は当局における正規の管理文書として認可されません。

映像#121634は、すべての管理文書#121634並びに案件#121634において、1998年に上映された短編映画である「ピカチュウのなつやすみ」を指しています。これはいずれも明確にタイトルが指定されており、当局の推論に基づくものではありません。管理文書#121634は「ピカチュウのなつやすみ」を程度の違いはあれど異常または危険な映像であると指摘しており、現実的な収容手順について記載しています。

管理文書#121634の記載内容に反して、映像#121634に指定された「ピカチュウのなつやすみ」についてはこれまでのところ何ら異常な兆候を見つけ出すことができていません。例として、管理文書#121634-12は特定の条件下において映像#121634を視聴した場合に人体に顕著な悪影響を及ぼす事象について記述され、管理文書#121634-29は所定の状況下で映像#121634を放送した場合にレベル7-現実崩壊シナリオが発生する虞があることを示していますが、いずれも当局の検査に於いて虚偽の内容であるとの見方が示されています。

以下は、これまでに当局の案件データベースに作成された管理文書#121634の抜粋と、その記載内容の要約です:


[管理文書#121634-1]
警戒レベル: 5
取扱手順: あらゆる媒体に記録された映像#121634を回収し、研究目的のサンプルを残してすべてを破壊することを指示しています。
案件詳細: VHS媒体に記録された映像#121634を民生用のビデオ機器で再生した際、21:03時点に存在する1フレーム間の画像(赤い背景に黒い直方体が描かれています)が人間並びにあらゆる携帯獣に致命的な認識災害をもたらすと記載されています。文書には加工された当該画像が添付されていました。検査により、VHS媒体に記録された映像#121634にそのような画像は記録されていないことが分かりました。

[管理文書#121634-2]
警戒レベル: 4
取扱手順: 管理文書#121634-1と同様の記載がなされています。
案件詳細: 映像#121634を少なくとも50人以上の10歳以下の児童に対して同時に視聴させた場合、児童全員の意識が「池上博人」と名乗る7歳の少年のものに置換されます。管理文書#121634-2は児童を被験者#121634と分類しています。同一の場所に複数の「池上博人」が出現することにより、被験者#121634は例外なく極端なパニック状態に陥ります。管理文書#121634-2は映像#121634によって被験者#121634となった児童を少なくとも25,126人収容していると記載しています。これまでの調査で、映像#121634に管理文書#121634-2のような効果は確認されていません。

[管理文書#121634-5]
警戒レベル: 4
取扱手順: この管理文書における映像#121634は、その顕著な自己増殖性から収容不可能であるとされています。
案件詳細: インターネット上の動画共有サイトにアップロードされた映像#121634を視聴した人間(対象#121634に指定)は、自身の経験したもっとも有意義な「夏休み」について空想を巡らせるようになります。対象#121634が72時間以内にプロトコルUX-レベル3以上の記憶処理を受けなかった場合、空想した「夏休み」を求めて居住地を離れます。この時対象#121634は映像#121634を視聴した機器を持ち出し、同じ異常特性を持つ映像#121634の完全なコピーをインターネット上の動画共有サイトへ不定期にアップロードし始めます。失踪した対象#121634を追跡する試みにはことごとく失敗した旨が記載されています。

[管理文書#121634-7]
警戒レベル: [なつやすみ]
取扱手順: ただ「[なつやすみ]」とのみ記載されています。
案件詳細: ただ「[なつやすみ]」とのみ記載されています。
補足: この管理文書#121634で定義されているはずだった映像#121634には顕著な情報の破壊特性があり、本来の内容が喪失した可能性が示唆されています。

[管理文書#121634-12]
警戒レベル: 5
取扱手順: 管理文書#121634-1と同様の記載に加えて、研究目的であっても映像#121634を視聴することを禁じる文言が追加されています。
案件詳細: 映像#121634を累計3時間以上視聴した人間は、その時点で外見的特徴を除くあらゆる生物学的特徴が携帯獣の「ピカチュウ」と同等のものに置換されます。端的に言えば、外見に関する情報のみが元の人間であり、内部構造は(顕著な矛盾を孕んでいるにも拘らず)ピカチュウに変化するということです。この影響を受けた人間は対象#121634と分類されます。管理文書#121634-12はこれまでに3,118体の対象#121634を収容していると記述しています。

[管理文書#121634-17]
警戒レベル: 1
取扱手順: 管理文書#121634-1と同様の記載に加えて、研究目的であっても映像#121634を視聴することを禁じる文言が追加されています。管理文書#121634-12とは記述内容が異なっています。
案件詳細: 映像#121634は実害が無いにもかかわらず繰り返し異常なオブジェクトとして市民から通報される旨が記載されています。実害が無いと定義しているにも関わらず、案件担当者には映像#121634の積極的な破棄を指示しています。
補足: 文書の体裁は映像#121634に対する詳細な言及を避け、本来の性質を隠匿しようとしているように見受けられます。レベル5以上のセキュリティクリアランス保持者は付帯資料にアクセス可能との記載がありますが、付帯資料は出現しませんでした。

[管理文書#121634-24]
警戒レベル: 4
取扱手順: ただ「[データ破損]」とのみ記載されています。
案件詳細: ただ「[データ破損]」とのみ記載されています。

[管理文書#121634-29]
警戒レベル: 6
取扱手順: 案件#121634を適切に収容するための取扱手順が制定できておらず、事態の収拾に向けた活動が行えない旨の記載がされています。暫定措置として、あらゆる媒体に記録された映像#121634を破棄することが指示されています。
案件詳細: 未知の技術によりレベル7-現実崩壊シナリオが予測され、その根本的な原因となるのが映像#121634であるとされています。2028/07/18 09:00よりあらゆる映像端末に映像#121634が放送され、視聴したすべての生物(携帯獣を含む)が映像#121634に取り込まれて喪失すると記載されています。案件担当者は、2018/07/18までに映像を視聴可能なあらゆる端末を破壊するための大規模作戦の展開を裁定委員会に諮っている旨を記載しています。裁定委員会は計画の詳細についてさらなる検討が必要としつつも、作戦自体について肯定的な見解を示しています。当局の危機予測システムはこのような事象を観測していません。


これまで確認された管理文書#121634-1から-35の内容は、少なくとも現状で検証可能な範囲についてはいずれも正確ではありません。管理文書#121634-29のように未来に発生する事象について言及したものも複数存在していますが、それらが実際に起こり得る兆候は確認できていません。

管理文書#121634の実情に関する仮説は2件提起されています。一つは管理文書#121634は未知の存在が当局をかく乱する目的でデータベースに作成しているというものです。現時点でひとつとして正当性を検証できた管理文書#121634が存在しないことがその根拠です。もう一つは管理文書#121634が現在の時間軸/次元軸とは異なる当局によって作成されたものであり、何らかの理由により当局の存在する時間軸/次元軸に流出しているというものです。この文書の流出が偶発的なものなのか意図されたものなのかは判断が分かれています。


Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。


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