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  [No.345] ゴ―スを掃除機で吸い込んだ 投稿者:音色   投稿日:2011/05/02(Mon) 23:54:45   74clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 格安アパートのチラシを発見、カゲボウズ付きで巷じゃちょっとした有名株らしい。
 ・・が、地方が違ったら関係ないよな―。苦笑。いくら安くてもそこには行けません。よって選択肢から除外。
 となると、他に残された選択肢は・・


「よっしゃー今日からここの主じゃいやー」
 残った選択肢、森の中に佇む立派な屋敷。まさかの家賃ゼロ円。シェア用住宅。でも入居者今のとこ自分ひとり。なんて素敵な環境。サイコー。
 もちろんあれこれうわさはある。もとはとある資産家の屋敷だった。幽霊が出る。夜中に像が動きまわる。テレビから手が出てくる等々。無茶苦茶だな。
 霊感ゼロだから大丈夫!とゆーことで決定して下見もせずにやってきました。無料の二文字に負けたんです。チャレンジャーだな自分。
 電気とガスと水は一応引いてあるらしい。らしいだから未確定。いざとなればサバイバル確定。電話があるかどうかまで確認してない。まぁ、どうにかなるか。
 とりあえず、衣食住の内の住を確保。衣は実家から送ってもらう。食は働かざる者食うべからず。ってことで。
「まずは掃除するか」
 

 バンダナ締めまして腕まくりしまして割烹着着て軍手はめて、戦闘準備完了。ただいまより館の大掃除を開始いたします。
 まずは頑固な埃を吸い取っていくか、とゆーことで掃除機のスイッチオン。掃除機使えるから電気は大丈夫だな、勝手に安心。
 そんなこんなでエントランスとりあえず終了。あとで謎の像に雑巾かけるか。食堂は・・あとでいいや。いまんとこ。
 二階。今更だけど掃除機持って上がるの結構重いな。
 一番左の部屋に突入。本棚いっぱいの本。そしてたくさんの埃。掃除機の前にハタキを持ってくるべきだったか。しかしもう遅い。何故なら面倒くさいから。
 掃除機の先端をはずして細かいところをやり始める。なんかでっかく黒い埃が隅にたまっているのを発見。なんじゃありゃ。
 一応吸い込もうと努力するが手ごわい。なんだこれは。このままだと科学が敗北を認めることになる。許せん。掃除機マックスパワー発動!
 ぎゅおおおぉんとちょっとやばげな音がして「ぴぎ―――」よし吸い込んだ科学の勝利。で、ぴぎ―って何。
 まぁ、この部屋一帯の埃を吸いこんでから確認すればいいや。掃除続行。


 二時間後。本棚終了。他の部屋やる気になれないくらい疲れた。一休みするか。
 そういやさっきの怪音の正体はなんだ。カパッとな。掃除機を開けた。
 埃まみれのゴ―スが恨めしげな眼でこっちを見てた。
 しかも三匹。


 いやいやいや、何やってんですかお前ら。ガス状ポケモンだろ。ていうかゴーストタイプだろ。なんで抜け出さなかったのよ。
 もしかして空気の流れに逆らえないってか。ガスだけに。マジで。
 あぁもうそんな目で見るな。分かった、分かったから。洗ってやるってば。
 掃除いったん中断。これよりゴ―スの洗濯にうつりまーす。


 ・・ポケモンってどうやって洗うんだ?そういえばポケモントリマーなる職業があるとか。この辺にあるのか?なさそうだ。それに金かかりそうだ。
 となれば自力で洗うしかないな。よし、洗濯と言えば洗濯機の出番でしょう。
 埃まみれのゴ―ス三匹をすすぎ、脱水コースにご招待。悪いけど柔軟剤はないから洗剤だけで勘弁。
 え、なんだよその目は。科学を信じろ。大丈夫だって、多分。
 ぽいぽいっと投げ込んで、ふたをして、スイッチオン。よし、こっちにも電気来てるな。さらに安心。

 
 30分後。どうなってますかなー。かぱっとな。
 目をまわしているゴ―スが三匹。しかもあんまり埃取れてなかった。あらまー。失敗ですかな。まぁ、ガスだし。
 気がついた?だからそんな目で見るなって。誰だってはじめは失敗するじゃんか。よし次の案行ってみよー。


 やっぱり手洗いが基本でしょう、と思ったけどガスをどうやって洗えば良いんだ。
 空気洗浄機?そんなバカ高いもん持ってるわけないじゃない。ていうか、埃どころか色の薄いゴ―スになっちまうじゃない。
 そういえば実家の母さんがテレビ通販で買ってきたあれどうよ。
 ちょっと探してくるから待ってろよ―。


 『夢のポケネットタナカ〜』のCMでおなじみ、あの通販自宅を改造してスタジオにしたって本当なんだろうか。まぁそれおいといて。
 全国1000セット限定スチームクリーナー参上。蒸気だから多分大丈夫。・・火傷しないかな、あいつら。
 まぁ、物は試しだ。やってみますか。


 結論。まぁ、洗濯機よりはましになった。埃は落ちたし。ただあいつらじめじめしてたけど。
 あとは天日干しにでもすればいいんだろうけど、ここ日当たりめちゃくちゃ悪いからな―。しかしとても気持ち悪そう。
 しかたがないからドライヤーを引っ張り出して強制的に乾かしてみた。
 あ、こらちょっと飛んでくな。そこはなんとか耐えろ。スチームクリーナーに耐えたお前ならできる!
 なんだかんだで洗濯終了。こいつらさっぱりした顔してやがる。
 もう掃除機に吸いこまれんなよてめーら。


 ・・二時間後。
 ゴ―スの吸いすぎで掃除機が目詰まりを起こした。
 
「お前ら何匹おるんじゃぁぁぁ!」


  [No.346] ゴーストにデートに誘われた 投稿者:音色   投稿日:2011/05/02(Mon) 23:55:34   73clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 敷金礼金家賃ゼロ円。驚愕のボロボロシェア住宅(大量の埃まみれゴ―ス付き)に引っ越してきて早2週間。
 人間の順応能力って言うのは恐ろしいもので早くもこの環境に慣れつつある。すげーな、おい。
 三日かけて人が快適に住める環境に掃除し終えて、アルバイトも見つかって、実家から食糧も送ってもらって、とりあえず順風満帆じゃん自分!とか思ってたら。
 デートに誘われた。しかもポケモンに。



 三日かけて吸い取ったゴ―スどもの数は大量すぎて、今日も洗濯機にぶち込んでいたら、ゴーストが壁をすり抜けてやってきた。
 二階の左から四つ目の部屋にはでっかい絵がかけられていて、その絵を気に入っているのかどうか知らないが、その部屋にはゴ―スの進化形どもがたむろしていた。
 はっきり言って、芸術なんて煮ても焼いても食えないものに興味なんてないんで、何故こいつらがこの意味不明な絵のある部屋にしか集まらないのかはさっぱり分からない。
 さすがに進化形どもは掃除機に吸いこまれるようなヘマをすることはなかったのでまだこいつらを洗濯機にはぶち込んでいない。いや、洗いたいわけじゃないんだけど。
 そんな奴があの絵のある部屋から移動してしかもわざわざこっちに来るとはこれいかに。つーか、何の用だ。
 こいつらと一緒に洗われたいのかー、冗談で言ってみた。頭をものすごい勢いで振って全否定。洗濯機怖いのか?
 それにしても、どことなくそわそわしている。全く何しに来たんだこいつ。もーすぐ脱水終わるんだけど。
 意を決したようになにやら後ろ手に隠し持っていたらしい紙を突き付けてきた。受け取れってこと?
 とりあえずもらってひっくり返してみると、へったくそなひらがなとカタカナで

『デえとシてクレ』

 ・・・。
 え、なにこれ。デえとってなに。もしかしてデートのことなのか。こいつデートの意味分かってんのか。それ以前に、デートってどういう事。
 というか、なんでこいつ、文字書けてんの?
 ・・そういえば、あの埃まみれの書庫に『マンキーでも分かるひらがな・カタカナ絵本』ってあったけど、まさか。
 あ、おい、もじもじすんな、顔真っ赤にするな!真っ赤になりたいのはこっちなんだよ!
 茫然としている間に、洗濯機は「脱水終わったぜ―」とばかりピーピー言いだして、ゴーストはそそくさと壁をすり抜けて出て行った。
 

 お客さーんかゆいところはないですかーなんて言いながら最後の一匹を乾かし終わり、ふよふよと小ざっぱりしたゴーストと入れ違いに、さっきのゴーストが入ってきた。
 さーて、こいつをどう料理してやろうか。この紙きれはデートの申し込みというわけなのか。そこから問いただす必要があるな。
 とりあえず、お前デートの意味分かってんのか?
 こくこくと頷く。何処で知ったんだかなぁ。
 ん、つーか何持ってんだ。雑誌?随分ボロいな・・。どうせあの書庫から持ってきたんだろ?その顔は図星か・・。
 えーと、『お勧めのデートコースランキング!』・・なるほど、情報源はこれか。納得。
 この赤いマルは?行きたいところか?映画館、カラオケ・・おい、最後のホテルってなんだ。
 ・・・わからずにマルしたっぽいな。いや、それならいいんだ・・。
 で、なんで行きたいのよ。

 以下、ゴーストとの筆談会話まとめ。あんまりにも書くのがのろくておまけに汚かったから解読して会話するのにすんごく時間がかかった。
 で、どうやらこいつ、見たい映画があるらしい。
 そんなら一人で見に行ってこいよ。ポケモンだしタダで見られるじゃん。という突っ込みに対して

『さビしい』

 こんなセリフをよわよわしい字で書いてきやがった。
 だったらほかの奴ら誘えば良いじゃんかと言えば、誰も一緒に行ってくれないという。案外冷たい奴多いな。
 で、最終手段発動。人間と一緒に行く・・って、最終手段かい。
 あのなー、こっちはバイトだってあるんだぞ。・・そんなにしょげるなよ。
 ・・わかった。行ってやるってば。
 ・・・。
 そんなにうれしそうな笑顔すんな。口が裂けてて不気味だぞ。


 ・・ま、あいつの必死さに根負けした形になったわけで。
 今宵、ゴーストとデートです。


 一応、余所行き防寒着来て準備万端。にしてもデート初体験の相手がポケモンって一体・・。まぁ、いいか。
 デートコース確認。ゴーストに配慮して夜中の七時に出発。決して深夜の方がチケット代が安いからではない。
 まず映画館で見たがっていた映画を見て深夜営業のカラオケを予約。ホテル?外泊代なんか出せるか。
 そんなわけで、夜の街へゴー。


『ギャアアァォォォォス!』
『きゃあああぁ――――!』

 おー、さすがホリウッド。すっげぇ特殊メイク。いくら金かけてんのかねー。ポケモンもうまいこと利用してるよな、このセット。
 ・・・にしても。
 ゴーストビビりすぎじゃないか?さっきからスクリーン見てないし人の腕につかまって震えてるだけだし。何故『バイオロジーハザード』なんて見に来たの。ゴーストタイプがホラー映画にビビってどうすんだかなー。
 あ、涙目になってきた。え?出るの?これからいいとこなのに?
 ・・わかったわかった。あーあ、チケット代もったいねー。


 映画館から出たって言うのにまだガタガタ震えてるよ。そんなに人の腕にすがりつくなって。ほら、街はまだまだ明るいじゃん。
 はいはい、カラオケつきましたよ―。・・こいつ、完全にダッコちゃん状態だな。つーか、ポケモンに歌える歌ってカラオケにあるのか・・?


 ・・マイク握ったら別人じゃん。つーか、復活は早っ。部屋に入った瞬間に元気になりやがったこいつ。
 しかもジャイカル・マクソンの『スラリー』を流暢に歌いやがった。日本語喋れないのにそっちはオッケーなのか。つーか、『スラリー』のPVは良いのにさっきの映画はだめなのか。こいつの趣味わかんないな―。
 なんだよ、マイク突き出して。デュエットしろってか?ノリノリだなこいつ。
 はいはいわかりましたよ。歌えばいいんだろ歌えば―。


 あーくそ、やっぱ歌うんじゃなかった。音痴で悪かったな!
 こら笑うな!人が気にしてるんだから!
 まったく・・。ん?くしゃみしたな。さすがにこの時間帯は冷え込むからな―。
 ・・そうだ、風呂入るか。銭湯だよ、銭湯。多分この時間帯も大丈夫だろ。ポケモン用の風呂もあるぞ―。
 

 おばちゃーん、まだ大丈夫?あ、そう。よかったー。ほら入れ。大丈夫だってよ。
 おまえあっちな。・・そんな顔するなよ。ポケモン用と人間用、一応別々なんだから。
 ほらほら、ぬくいぞー。・・あ、またくしゃみした。早く行った行った。風邪ひくぞ。


 ふはー・・・。天国だなー。この時間帯は誰も来ないからまさに独り占めってわけだ。ふふふ。館も風呂も自分専用。一国一城の主はこうでなくっちゃなー。
 ・・あそこ、風呂はないけどよ。ま、バイト先の銭湯はタダで使わせてもらってるから、気分は専用浴場付きみたいなもんか。
 ゴーストもうっとりした顔してるし・・って、おい!なんでここにいるんだ!・・寂しいから来たってか?おまえ、筋金入りのさびしんぼだな。呆れた。
 ったく・・。誰もいないからよかったけどなー、他の人がいたら大騒ぎだぞ。ここ女湯なんだから。
 ・・そーだ、お前洗ってやろうか?いっつもゴ―スは洗濯機だし。ゴーストは風呂場でシャンプーだ。我ながら意味不明だな。まぁいっか。
 
 
 壁はすり抜けるが泡はすり抜けないみたいだな。よしよし。かゆいところはございませんかー?なんつって。
 ほらすすぐぞー。おりゃ。え?目に染みたか?悪い悪い。はじめてなもんで。
 うーん、ポケモンと裸の付き合い。割とふつーだな。
 ・・おい、お前のぼせてきてないか?そろそろ出るか。


 おばちゃーん、コーヒー牛乳プリーズ。お前もなんか飲む?じゃ、イチゴ牛乳もプリーズ。ほら。
 いいかー。風呂上がりは、腰に手を当てて、一気に飲む!
 ぷはー。これ最高。未成年にはビールなんかよりもこっちの方がぐっと来るねぇ。
 うん、おばちゃん、ありがとー。よし、帰るぞ。今日は帰って寝るぞ―!


 数日後。ゴ―スを洗濯していたら、大量の映画のパンフレットを抱えてゴーストが来た。
 
「・・・もう行かんぞ」


  [No.347] ゲンガ―がケーキを作ると言いだした 投稿者:音色   投稿日:2011/05/02(Mon) 23:56:50   69clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 冷暖房無完備。風呂無しトイレ付。家具一部備え付け持ち込みオーケー。なんか中途半端な条件だけど家賃タダで大量ゴーストポケモン付き、いや憑き。
 ダイニングキッチンありで食堂もあるけども賄いさんはなし。あ、賄いさんってのはご飯作ってくれる人ね。いわゆる専属コックさんてきな。
 夢のような条件(主に家賃無料の部分)に魅かれてマイナス部分(その他もろもろ)に目をつぶってゴ―スを洗ってゴーストとデートしてしばらくしたら。
 こんどはパテシェール希望者が現れた。


 ゴーストと筆談会話をしたことをきっかけにこいつらと明確な意思疎通を図ろうとあれこれ試してみた。その一つがあっちこっちに五十音表を張ってみる作戦。
 それが功を成したのか、それともはじめっから文字を読むことができたのか、とにかくポケモン共とコミュニケーションが(一応)取れる様になった。
 つっても主にゴーストばっかりなんだが。理由は・・察してくれい。あいつまだしつこく次のデートに誘ってきやがるんだよ。しつこいと嫌われるぞー。
 なお、手の無いゴ―スどもは筆談なんてできないので五十音表の周りで身振り手振り(いや、手はないけど)、でどことなく会話が成立している。うーん、すごいな。
 大体ゴ―スを洗濯し終えたと思ったら、何匹かは洗濯機の味をしめたらしく、洗濯してくれと自分から洗濯機に飛び込んでくるので、洗ってやっていたら、今度はゲンガ―がやってきた。
 お前も洗濯されに来たのか―、と言ってやると真面目な顔で首を横に振っていた。まさかお前もデートじゃないよな?え?違う?ならよろしい。
 はいはい、その手に持ってる紙はなんですかなー。見せなさい。見せに来たんでしょーが。
 うん、ゴーストよりはましだな。汚いのは変わりないけど・・。それともゴーストとの筆談でこっちの解読スキルが上がっただけか?
 んで、えーっと・・『だいドこロかしテクレ』・・台所かしてくれ?
 ・・・は?いや、なんで。なんか作るの?・・あ、そう。
 しかし何作るの。・・なにその古雑誌・・。情報源またそれか?雑誌好きだなお前ら。
 えーと・・『おいしいケーキの作り方』『シュークリーム必勝法』『ポフィンでお茶しましょ』・・これ女性向けじゃないか?・・あ、女の子なのね、これは失礼。
 ・・つーか、お前ら普段何食ってんのよ。


 基本的に自分の食べる分は自炊しているが館に住み着いているこいつらに餌をやったことは皆無なので、普段何食ってるのかさっぱり分からない。洗濯はするけどね。
 やっぱ怨念とか?ゴーストだしなぁ、こいつら。分からん。同居人、いや同居ポケはミステリアス。
 ポケモンフーズなんて買ったことないし、ましてや餌付けなんて考えたこと無かったし。つーかこいつらの世話をしようと思ったら餌代だけですさまじいことになるだろうし。まだ破産なんてしたくない。
 そんな感じで実際のところこいつらがどうやって生きているのか全く謎なまま共同生活送ってるわけなんだけれども。ていうか、ここの館の主は私なんだからお前ら本当は出ていかなきゃならないんじゃね?
 で、そんな奴等の内の一匹が台所を貸せという。
 別にいいけどさ。台所くらい。・・もしや材料はこっちもちなのか?
 ・・・その目はなんだよ。冗談だ。ケーキの材料くらい買ってくるってば。
 

 そういやもうすぐバレンタインデーじゃね?だからか。だからなのか。それで急にチョコケーキ作るとか。それ以前にポケモンが菓子屋の陰謀に踊らされてどうするねん。
 塾の採点(アルバイト)してビルの窓清掃(アルバイト)してチョロネコヤマトで宅配やって(アルバイト)ゲンガ―に頼まれた材料買い終わった時点で気づいても遅いか。
 ま、いくらポケモンといえども一応レシピどおりに作るみたいだし、上手くできたら味見させてもらうか。・・それ以前に人間が食って大丈夫かどうか分かんないけどさ。
 ・・うーん、まぁ、いいや。
 とりあえずご希望の物は揃えたんだし、あとはパティシエゲンガ―の腕前を拝見しますかな。


 家帰って材料渡すと嬉しそうにスキップしながら台所へ行ってた。ゲンガ―のスキップ・・レアだな。
 興味津津のゴ―スどもに邪魔するなーと一応声をかける。無駄かもしんないけど、ま、仲間内で争いはしないだろ。多分。
 ・・いや、案外、ゲンガ― がだれに渡すかで揉めるかもしれない。バレンタインに乗っ取るんならの話だけど。
 ん?どうした、水気たっぷりだなお前。・・あぁ、洗濯して乾かしてなかったか。おいで、ドライヤーかけてやるからよ。


 二時間後。
 そろそろ終わっただろーと思って台所をのぞいたら、あら大変。
 ぐっちゃぐちゃのねっちゃねちゃのぽわぐちょなごちゃごちゃでちゅどーんだった。トリトドンがチョコ吐きながら暴れまわったみたいになってんぞ。
 早い話が台所中、チョコレートスプラッタ。なぜ壁といい床といいチョコまみれ。おまけに料理人もチョコまみれ。おい、ゴ―スどもまでチョコまみれ。お前らガスだろうが!
 なにをどうしたらこんなことになるんだ、えぇ?仕事増やしやがって。掃除しなきゃならないじゃないか。くそ。
 おい、体についたチョコ舐めてる場合じゃないよ。なんでこうなったか説明しなさい。こんなことになった責任者を誰だ。
 以下、その場にいたポケモン達による再現VTR。


 『 材料をもらったゲンガ―は早速雑誌を広げてレシピどおりにケーキを作ろうとしたらしい。何匹か親切なゴースト等(おそらく見返りチョコを狙って)が手伝ってくれて作業は順調に進んだ。
 が、チョコを湯煎する作業でガスを使わずになんと鬼火で直接溶かそうとしたらしい。そこんとこ、面倒くさがり屋というべきか、ポケモンの特権というべきか。
 とにかく鬼火をつかったら予想以上に火力が強く、おまけにいたずらしようと待ち構えていた別のゴ―スどもが乱入。ナイトヘッドなどでチョコを攻撃。防戦しようとして大混戦。
 結果、スポンジは死守したがチョコレートは大破。部屋中に飛び散り回収不可能となった  』

 
 VTR終了。
 何やってんのお前ら。あーもーチョコまみれでにこにこしてごまかすな。とりあえずここの掃除するぞ。お前ら手伝えよ、元凶なんだから!
 ・・床についたチョコを舐めるな!ばっちぃぞ。壁も駄目!おなか壊すだろうが!ふきんで拭きとるんだよ、もったいないけど。誰が稼いだバイト代だと思ってんだお前ら。
 よーし、あらかた終ったな。次はお前たちだ。洗濯機?馬鹿、間に合うわけ無いだろ。ついてこい。


 おばちゃーん、ポケモンの湯借りていい?うん、ピカピカにするからさ、こいつらついでに洗っていい?
 ありがとうございます!よし、お前らとっとと中に入れ、入らんかっ!
 一匹一匹手洗いなんかしてやらないからな。お前らまとめてデッキブラシで洗ってやる!洗剤?文句言うなー!


 しばらくして、ゴ― スどもの邪魔が入らなように監視しながら件のゲンガ―と一緒にケーキを作ってみた。
 味?おいしかったよ。
 とってもな。

 
 ホワイトデーが近づいてきたら、また雑誌を抱えてゲンガ―がやってきた。

「・・しばらく台所禁止。」

(ゴ―スがいない時に作ろうな)


  [No.348] ごうすとふぁいる (まとめ) 投稿者:音色   投稿日:2011/05/02(Mon) 23:57:50   65clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

――――――――――――――――――――――――――――――

 ゴ―ス  図鑑番号 No.092  ガスじょうポケモン
 ふるくなって だれも すまなくなった たてものに はっせいするらしい。かたちは あいまいで ガスのよう。 (ポケットモンスターピカチュウより抜粋)

 すきなもの:せんたくされること(いちぶ)  ポテトチップス  イタズラ
 きらいなもの:きよめのおふだ   そうじきにすいこまれること  せんたくされること(たいはん)  シゴト

   
「お前らぁぁぁ!まーた私のポテチ食いやがったなぁぁ!?そっぽ向いてごまかすな!逃げるな!口元が油でギトギトなんだよ!袋までなめ回したろ?ふふふ、逃がさん!逃がさんぞぉぉ!全員掃除機ですいこんでいっちばん目にしみる洗剤使って高速脱水コースの刑じゃぁぁぁ!」


  あるひ、やかたにヘンなにんげんがやってきた。
  たくさんのにもつをもってくるなり、そうじをはじめて、せっかくイゴコチがよかったのに、ピカピカにされた。おまけに、そうじきですいとられて、せんたくされて、かわかされた。
  わりときもちがよかったから、すこしくらいいてもいいかなーとおもってたら、ずっとすみついてる。
  でていかないかなーっておどかしてみたけど、ぜんぜんだめだった。あいてにしてくれない。イタズラしないとかまってくれないんだ。
  こわがらないし、じゃけんにしないし、やさしいし、おしゃべりしてくれるし、ときどきせんたくしてくれるのがきもちいいから、いっかぁ。
  それに、おいしいもの、もってくるしね。



  ゴースト  図鑑番号No.093   ガスじょうポケモン
  どんな ものでも すりぬけられる。かべの なかに もぐりこんで あいての ようすを かんさつする。  (ポケットモンスターダイヤモンドより抜粋)

 すきなもの:ホラーえいがかんしょう(いっぴきげんてい)  カラオケ(いっぴきげんてい)  イタズラ  
 きらいなもの:ひとり(いっぴきげんてい)  きよめのおふだ シゴト 


「だーかーら、明日はバイトが入ってんの!一日!つーか、それ、あんたがこないだ見ててビビりまくってて結局最後まで見なかった奴の続編じゃん。絶対途中で帰ろうっていうだろ。・・カラオケだけ?やだよ、お前と二度と歌いたくない。ほら、思い出し笑いしやがった!絶対行かねーからな!・・・拗ねた顔してもダメ!」


  にんげんがふしぎだ。
  おれはにんげんがおれたちをこわいこわいといいながらじぶんたちでホラーえいがというおそろしいものをつくることがふしぎだ。
  あれはほんとうにこわい。ゴーストがこわがるんだからそうとうこわい。さいごまでみてられないくらいこわい。
  あんなおそろしいものをつくりながらなぜおれたちをこわいこわいというのかわからない。にんげんのほうがよっぽどおそろしいではないか。
  しかしおれはにんげんをそんけいする。カラオケといういだいなはつめいをしたからだ。
  あれはすばらしいものだ。すきなきょくをたくさんうたえる。いくらでもうたえる。マイクをにぎってうたえる。BGMをながしてくれる。さいこうだ。
  そんなにんげんにこのあいだデートをもうしこんでみた。デートとはいせいといっしょにえいがやカラオケにいくこうどうらしい。ざっしにはそうかいてあった。
  しょうだくしてくれた。とてもたのしかった。またいきたいとおもうのだが、はずかしがりやのようで、なかなかしょうだくしてくれないのがさいきんのなやみだ。


 ゲンガ―  図鑑番号 No.094  シャドーポケモン
 よなか ひとの かげに もぐりこみ すこしずつ たいおんを うばう。ねらわれると さむけが とまらない。   (ポケットモンスタークリスタルより抜粋)

 すきなもの:スイーツ作り(♀限定)  イタズラ  
 きらいなもの:きよめのおふだ  じゃまされること  シゴト


「ほら、レシピ。なんか二年くらい前の雑誌なんだけどさ、いる?・・もちろん、あげるためにもらってきたし。ここんとこ、ゴ―スどもちょっと大人しくなってきたし、シュークリームにでも挑戦する?・・そうそう、前のケーキおいしかったよー。でもどこで作ったのさ?・・え?秘密?うーん、まぁいいか。」
  
 
  バレンタインのひ、おじゃましてしまったあのおうち。ケーキづくりをてつだってくれたにんげんがいました。
  わたしは、だいどころをよごしてしまって、とてもかなしかったから、とてもうれしかった。
  それから、ちょくちょく、うみをまたいで、スイーツをじさんしています。
  こんどはよろこんでくれるかしら。

  ・・・でも、やっぱり、みじかなにんげんにてつだってもらうのも、うれしいんのだけれど。
  こんどは、なにをつくろうかしら。

  
―――――――――――――――――――――――――――――


  [No.374] 【描いてみた】吸い込んだ 投稿者:風間深織@PC   投稿日:2011/05/03(Tue) 17:34:23   65clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
【描いてみた】吸い込んだ (画像サイズ: 639×911 120kB)

再度投稿です。
とりあえず……はい。

割烹着が描けないです、すみません。


  [No.377] 本当にもうありがとうございまする! 投稿者:音色   投稿日:2011/05/03(Tue) 23:28:28   46clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

今度こそこちらの絵もバックアップ対象にすべきだな俺・・


  [No.375] ムウマとショッピングに行ってみた 投稿者:音色   投稿日:2011/05/03(Tue) 23:24:38   62clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 ゴ―スを洗濯しゴーストとのデートを断りゲンガ―と菓子作りにいそしむ毎日。充実してるなー。いろんな意味で。
 バイトも順調。貯金も堅実。あー、平和だ―。
 そんな平和な日常、いきなり波乱万丈なことが・・
 ・・起こるわけないじゃない。 



 チョロネコヤマトから正式な社員にならないかとオファーがあってウキウキしながら帰宅したら、ゴ―スどもが裁判をしていた。 
 被告席に一匹バツの悪そうな顔をした奴。傍聴席に大量のゴ―スども。裁判官ところに偉そうにゲンガーがふんぞり返り、検事のいる場所にゴーストが神妙な顔でふわふわしている。
 ・・つーかお前ら、食堂の机と椅子の配置勝手に変えてんじゃねぇ。
 って、おいゲンガ―、お前持ってるトンカチどっから持ってきた!?危ないから叩くなよ、ちょ、まじで!
 あ、被告人・・被告ポケ?がしゃべりだした。尋問かなんかですか?
 弁護人のやつが机を叩いた。『異議あり!』ってか?ちょいちょい、世界違うだろ。
 なにこれ。見物するのは面白いんだけどお前らが何しゃべってんのかは分かんないから。誰か通訳プリーズ。おい、そこ。今の状況報告よこせ。
 ・・相も変わらず悪筆だな。まぁ、ゴ―スがペン系をあつかえるようになっただけマシか・・。
 えーと・・、『かノジョがいるやツはかさみぐがまけグみか』・・。彼女がいる奴はかさみぐ・・勝ち組?か負け組か。さとちが反対だぞ。
 またわけのわからんことしてるな。彼女いるいないの前にお前らの間にカップルという概念があるのか?え、あるの?・・あ、そう。
 別に勝ち組とか負け組とか関係ないだろうが。幸せならそれで良いだろ?こっちは別に彼氏いないけど毎日楽しいぞ?
 ていうか、お前ら身内でカップルとかいないの?いるだろ。何匹かいちゃいちゃしてるの見たことあるし。ゲンガ―なんか意中の人いるっぽいしな。
 ・・・え?それもあるけど別の問題?じゃあ何よ。
 ゴ―スどもがひょいと傍聴席の一角を見る。つられてそちらに視線をやると。
 ムウマがいました。


 おめめぱっちり。ちょっと小さめ。どことなくふわふわ。人間から見ても、あらかわいい(←おばさん風味)。
 ・・ちょい待て、すんませんあれ誰の彼女ですか。つーか家に彼女連れ込むとはいい度胸してんな、おい。
 なるほど、ゴ―スどものイライラ空気の原因はこれか。あれだけかわいい子連れてきたらそりゃあみんなこうなるわな。
 ・・こっちむいた。あの、そんな興味深そうな目でこっち見ないでくれるかな?
 ん、こっち来た。おいお前らそんな目で見るな!向こうからこっちに来てるんだよ!
 この子・・筆談できない・・よな。そりゃあ。おーい、誰か通訳・・。うわっ、押し合いへしあいの大バトル勃発した。そんなにこの子とお近づきになりたいのか。つーか、この子彼氏いるんじゃなかったっけ。
 しかもさりげなくそいつらを尻目にささっとゴーストがやってきた。悪知恵働くなー・・と思ったら、抜け駆け許さんとばかりに他の奴が襲ってぼこぼこにし始めた。お前ら、必死だな、おい。
 やれやれ・・。そこの被告人席の彼氏君、こんな不毛な争いはほっといて私の部屋で話を聞こうじゃない。


 以下、彼氏彼女の事情(ポケモン編)
 たまたま散歩中にばったり会ったのがきっかけで仲良くなったけど、どうに友達以上だけど恋人としては見られていないと感じていたゴ―ス。
 それが、どうも私が洗濯して脱水して柔軟剤使っておまけにスチームクリーナー使った後にドライヤーかけてやってこぎれい小ざっぱりになったら、彼女の方から告白されたらしい。
 ひゅーひゅー。お前みたいな幸せ者は精々ぼこぼこにされとけ。
 ・・冗談だよ。そんな悲しそうな眼をするな。案外へたれかお前は。・・いや、ここにいるゴ―スども結構本気だから笑えないか。
 んで、彼女も綺麗になりたいなーとどうやって綺麗になったのかゴ―スを問い詰めてこっちまでついてきちゃったらしい。
 ふんふん、でもなんで綺麗になりたいの。十分かわいいじゃない。
 ・・え?もっとかわいくなりたい?そんでかわいいねって言われたい?うーん、乙女だねー。おいこらゴ―ス、十分かわいいよってそこで言うな。のろけてんじゃねぇ。
 しかし・・ムウマを洗濯するわけにはいかないしな・・。ゴ―スはガスだから問題ないけど・・。いやあるかもしんないけど。ムウマは・・自慢の髪がボロボロになってもあれだし。
 ごめんねー。出来ると言ったら銭湯で洗ってドライヤーするくらいかな。
 あぁ、がっかりしないで、ね?今度洗ったげるからさ。その時にね。
 ・・そろそろ帰る?そっか、気を付けてねー。ほら彼氏、送って行かんかい。
 窓から二匹を送り出したのと同時に、部屋にバトルの勝者と思われるボロボロのゴ―スが何匹か入ってきた。残念、手遅れです。
 ・・そんな恨めしそうな目で見るなって。お前らにもきっと春は来るからさ。多分。


 数日後、午前で配達が終ったからお先に帰りまーすって挨拶して勝手口から出たら、ムウマがふわふわ浮いていた。
 ありゃ、あんたこの間の?こくこくうなずく。なんかあったか?喧嘩でもしたか?首をぶんぶん振る。じゃあ何だ?あ、ちょ、どこ行くの。待ってってば。
 追いかけると街のちょっと賑やかな通りに出た。そう言えばここには雑貨店がたくさんあるんだよなー。・・あ、いた。
 こちらの目の高さに合わせる様にふわふわしている。昼間なもんだからちょっと眠たそうな眼をしているけど、大丈夫か?え、そう?無理するなよ。
 通訳がいないのでムウマの表情から言いたいことを汲み取るしかない。何か食べたいの?違う。洗濯?違う。買い物?・・え、そうなの?
 一緒に買い物してくれと。女の子だねー。
 まぁ、ウィンドーショッピングもたまには良いでしょ。おっけー、つきあったげよう。・・そんな笑顔、ゴ―スどもが見たら全員無条件でメロメロにかかるぞ。

 
 思ったけどお金持ってる・・わけないよね。はいはい、ちょっとしたものならおごったげますよ。ちょっとしたものよ、高いものは駄目よ!
 ・・人の話聞かずにまっすぐ宝石店に飛んでいったな。まぁ、光物は女の子の憧れだからね。
 どれどれ?やっぱり赤いのが好きなの?そうでもないか。まぁ、いっつも同じだと変わり映えしないしねぇ。
 ・・うん、ごめん。そんなキラキラした目で見られても、さすがにそれは無理かな・・。ン十万円するようなものは・・。
 がっかりされても無理なモノは無理だし・・ね?あ、分かってくれた。
 

 とある雑貨店の店内で、どうやら髪ゴムが欲しいらしく、あれこれ眺めまわっている。うーん、その様子だけ見ると年頃の女の子と変わらないね、ポケモンも。
 ありゃ、うまくまとめられないみたい。やったげるよ?はいはい、動かないでねー。
 ・・・。
 悩殺級ポニーテール完成。ムウマのポニーテールってこんなに可愛いのね。あ、はずさないで。めちゃくちゃかわいいから。写真撮りたい。カメラないけど。それ以前にゴーストタイプってうまく写るのかな・・。
 自分でも気に入ったぽいね。よーし、そのシュシュ買ったげよう。


 家に帰るころにはすっかり日が傾いてしまった。ムウマは堪能したらしく、すっかりご機嫌である。買ったげたのはシュシュだけだけどね。
 ポニーテール気にったみたいであれからずっとつけっぱなし。うーん、本当に可愛いぞ。くそ、ゴ―スうらやましいなおい!
 ほらほら、うちのゴ―スに見つかる前に早くおうちに帰りな。今度のデートの時までその髪型は秘密にしとけよー。おめかしはとっとくもんだ。
 うん?なに?すり寄ってきた。よしよし。頭なでてやろう。ほんとにかわいいなー。・・何回これ連発した?まぁ、いいか。
 夕暮れの中、ポニーテールを揺らしながらムウマはふわふわ帰って行った。


 数日後。彼氏ゴ―スは毎日のようにぼこぼこにされていた。
 助けを求めるようにこっちを見てくるがあえて無視。  

「幸せ者め」


  [No.376] ごうすとふぁいる  しおり 投稿者:音色   投稿日:2011/05/03(Tue) 23:27:25   58clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


ムウマ  図鑑番号No.200 よなきポケモン
 こわがる こころを あかい たまで きゅうしゅうして えいようにする。ひるまは くらがりで ねむっている。  (ポケットモンスターパールより抜粋)

 すきなもの:かれし  デート  シュシュ  きれいなモノ
 きらいなもの:いいよってくるひと  よごれ  シゴト


「ほら、安物なんだけどさ、ネックレス。じゃーん、青色にしてみました―。ほら、前サファイア眺めてたろ?本物じゃないんだけどさ、うん、プレゼント。買い物に付き合ってくれたお礼もあるしね。・・何買ったかって?文房具屋で買うものと行ったら限られるでしょー」


 あのねあのね!かれしがね、あたらしいかみがたかわいいっていってくれたんだよ!
 このあいだ、かってもらった、シュシュも、かわいいって!
 かれもこざっぱりしていて、おつきさまのしたで、いっぱいおしゃべりできた!やっぱり、うれしいな!
 そのときね、おんなじことかんがえてたってわだいになって、もりあがったの!
 はじめて、かれのおうちにいって、かれがたくさんゴーストポケモンにかこまれて、ちょっとたいくつしてたら、にんげんがかえってきたの。
 びっくりしたよ。だって、あおいろなんだもん。
 あかいろじゃなくて、だいだいいろじゃなくて、ももいろでもきいろでもなくて、あおいろなんだもの!あたし、にわかにしんじられなくて、じっくりみたくなって、そのひとにちかづいたくらいだもの。
 ほんとうだよ!うそじゃないよ。はっきりみたもの。ちかづけばちかづくほど、あおいろのほのおはくっきりして、とてもきれいにもえてたよ。
 かれも、はじめてみたとき、びっくりしてたって。
 そして、よろこんだんだって。あたしのほのおと、そのひとのほのおがおんなじくらいきれいだって。
 あたしも、かれしのほのおと、そのひとのほのおがおんなじくらいきれいだよって、いったんだ!
 またこんど、そのひとと、おかいものできたらいいなぁって、おもうんだ。