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  [No.50] SpecialEpisode-6(3) 投稿者:あゆみ   投稿日:2010/09/14(Tue) 19:27:07   63clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

SpecialEpisode-6『もう1つのバトルチャンピオンシップス!』

(3)

ルリカはテレビクルーに連れられて、トレーナータワーを上に登っていった。本当ならエレベーターを使ってもよかったのだが、トレーナータワーの内部の様子を見てみたいと言うルリカの要望をクルーが受け入れたのである。
テレビクルー「普段はタイムアタックバトルで賑わっていまして、たくさんのトレーナーがどれだけ早く屋上まで行けるかを競っているんですよ。」
ルリカ「そうですね。通路は曲がっていて、まっすぐに進みにくくなっていますし、さらにどこからトレーナーが現れるかも分かりませんからね。不馴れなトレーナーですといきなりのバトルで戸惑うかもしれないですね。」
テレビクルー「そうですね。ですが、ここに何度も参加していくとどこで誰がどう言うポケモンを使うか、そしてどう言ったパターンで現れるかと言うのを熟知している人も多くなります。トレーナーやポケモンの体力にも左右されますが、早い人では1時間半か2時間で上まで到着するそうですよ。」
ルリカ「そうなんですかぁ。今度機会がありましたら、私も是非挑戦してみたいですね。」
テレビクルー「そのときは特別番組でも製作しましょうか?『四天王ルリカ、トレーナータワーに挑む!』と言う感じで。」
ルリカ「うふふ・・・。」
テレビクルー「とまあ、内部はこういう感じになっているんです。似た施設はホウエン地方にもありまして、キンセツシティの郊外にトレーナーヒルと言う建物があるんです。そこでもここと大体同じ、タイムアタックバトルが行われているんです。」
ルリカ「トレーナーヒルですね。私もかつてホウエンを回ったことがあるんですが、そのときはまだありませんでしたね。バトルやコンテストと、いろんなことに挑戦していくことで、人とポケモンは仲良く共存しているんですね。」
テレビクルー「そうですね。あ、ルリカさん、ホウエンを回ったって言うのは、確かホウエンリーグで優勝されたときでしたね。」
ルリカ「そうです。2年前のことになりますけど、ラルースシティで行われたときでした。でも私も、まだレベルとしては自分でも満足するところまでは行っていないと思うんです。それで、ホウエンのチャンピオンリーグは挑戦しないで、ジョウトに行ったんです。」
テレビクルー「そうだったんですか。カントーからホウエン、そしてジョウトを渡り歩いた実力。それが認められて、ジョウトリーグの四天王に選ばれたんですね。」
ルリカ「はい。でも四天王に選ばれたからと言って、更なる高みに向かう挑戦は終わらないと思うんです。だから、この前ワタルさんを相手にチャンピオン防衛戦に挑んだんですけど・・・。」
テレビクルー「いえ、あのときもルリカさんはいいバトルを見せていましたよ。きっとルリカさんでしたら、ワタルさんにも勝てる実力をつけられると思います。」
ルリカ「ありがとうございます。」

タワーを上まで登っていくと、やがて屋上の広場に出た。広場は展望台を兼ねており、バトルチャンピオンシップスの会場から7のしまの市街地、そしてしっぽうけいこくまでを見渡すことができた。また、目立つところに電光掲示板が1台設置されており、普段は受付からここまでの所要時間が表示される。今回はバトルチャンピオンシップスを間近に控えていると言うこともあり、「Welcome――ナナシマ・バトルチャンピオンシップス」と言う表示がなされていた。
テレビクルー「スタジオはここになります。」
クルーはそう言って、特設スタジオを手で指し示した。――「ナナシマ・バトルチャンピオンシップス、報道席」と書かれた貼り紙が貼られており、一般客が多く訪れることを考慮してか、「関係者以外立入禁止」と言う貼り紙もなされていた。
そして四天王を務めているルリカのこと、名前はナナシマにも知れ渡っているのだろう、子供達がルリカの姿を見つけるや否や声をかけてきた。
子供達にとって四天王は憧れの的。そしてルリカも子供達が大好きなのである。
子供A「あ、ルリカさんだ!」
子供B「すごーい!本物だ!」
子供C「きれいでかっこいい!」
ルリカ「うふふっ。みんなありがとうね。お姉ちゃん、バトル大会で解説として実況のお兄さんの横に座るのよ。」
子供A「解説をするの?すごーい!」
ルリカ「今回のバトルチャンピオンシップスは、たくさんのお兄さんやお姉さんがバトルやコンテストに参加するのよ。お姉ちゃんはその中のバトル大会って言う方で解説をするの。ポケモンやトレーナーの心を理解してないとできない仕事なのよ。」
子供B「大変だね。でもお姉ちゃんだったらきっとできると思うよ!」
ルリカ「ありがとう。お姉ちゃんも解説としてしっかり参加するわ。みんなも応援してね!」
子供C「うん!僕、大きくなったらルリカさんみたいな強くて優しいトレーナーになる!」
ルリカ「ありがとう!」
その光景を見ながら、クルーはこう思っていた。
テレビクルー「(ルリカさんは子供が大好きなんですね。私も子供の頃はああやって強くて優しいトレーナーに憧れていましたっけ・・・。)」

子供達と別れたルリカは、実況席の特設スタジオの扉を開けた。
テレビクルー「あ!お待たせしました、ルリカさん。早速ですが、これから打ち合わせに入りたいと思います。では、実況とゲスト解説の皆さん、自己紹介を。」
イチロウ「私はイチロウと申します。ご存じかもしれませんが、テレビカントーのアナウンサーとして色々な番組を担当させていただいております。今回、バトルチャンピオンシップス、バトル大会の実況を務めさせていただくと言うことで、観客の皆さま方、そして全国の視聴者の心に残る実況ができればと思っています。よろしくお願いします。」
シンイチ「私はシンイチです。イチロウさんと同じく、テレビカントーのアナウンサーを務めておりますので、色々な番組で見かけたこともあるかと思います。私は今回、コンテスト大会の実況を務めさせていただくことになりました。ポケモン達の華麗な演技、それをいかにして全国の視聴者の皆様にお届けするか、大変重要な役割を仰せつかった訳であります。皆さん、是非よろしくお願いします。」
ルリカ「初めまして。私はジョウトリーグ四天王のルリカと申します。いつもは挑戦者を迎える立場にある私ですが、今回、イチロウさんの横でゲスト解説として参加させていただくことになりました。たくさんのトレーナーたちが繰り広げる激戦。それを全国の視聴者の皆さま方にお届けする重要な役割だと思っています。どうぞよろしくお願い致します。」
ソウスケ「初めまして。私はソウスケと言います。トップコーディネーターとして活動している傍ら、今回コンテスト大会のゲスト解説と言う大役をこうして任されたわけですが、多くのコーディネーターが演技を繰り広げるなかで、シンイチさんの実況をいかにして足を引っ張らずに解説ができるか、まだ不安だらけですが、皆さん、全国の皆さま方に印象に残る解説をお届けしたいと思います。ではどうぞよろしくお願いします。」
テレビクルー「皆さん、どうもありがとうございました。私もご高名なアナウンサーのお二方にポケモンリーグの四天王、そしてトップコーディネーターと言うそうそうたる顔ぶれをお迎えして、ますます身が引き締まる思いがします。ではよろしくお願いします!」
一同「はい。」
テレビクルー「では早速リハーサルに入りたいと思います。まずはイチロウさんとルリカさん、よろしくお願いします。」
クルーはそう言って、モニターに見本の映像を写し出した。――3年前のシンオウリーグ・スズラン大会準決勝、あのサトシがタクトとバトルしたときの様子が写し出された。
画面はサトシのジュカインがタクトのダークライと互角以上の勝負を繰り広げている場面だった。
イチロウ「ジュカイン、ダークライのダークホールで眠らされている!しかもゆめくいが襲いかかる!」
そこにサトシの呼び掛けが通じ、ジュカインが目を覚ました。さらにジュカインはリーフブレードでダークライを攻撃、大会を通じて唯一ダークライに黒星を付けたのだった。
イチロウ「ダークライ、戦闘不能!サトシ選手、タクト選手のダークライに初めて黒星を付けました!」
ルリカ「ダークライの特性はナイトメア。眠っている相手の体力を減らす特性です。ですがそれを打ち破るほどのポケモン達との絆。サトシ選手は本当にポケモン達との絆が深いですね。」
テレビクルー「はい、そこまでです。初めてにしてはなかなか上手でしたね。」
イチロウ「こうやってポケモンとトレーナーの心情を理解していないとゲスト解説は務まらないのです。でもルリカさん、あなたならきっと大丈夫です。是非よろしくお願いします!」
ルリカ「ありがとうございます!私の方こそよろしくお願いします!」
リハーサルも上手くこなすことができたルリカ。ゲスト解説としての仕事はいよいよこれから本番を迎えるのだった。

(4)に続く。


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