マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  [No.828] Section-16 投稿者:あゆみ   投稿日:2011/12/25(Sun) 13:14:18   40clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

草体の破壊に手をこまねいていてはコトブキシティが壊滅してしまう――。ナナカマド博士の助手・コレキヨが衝撃的な事実を発言した翌日、その言葉を裏付けるかのごとく、コトブキバンギラスデパートに出現した草体が、恐るべき変化を遂げたのだった。
「あれは!?」
警戒に当たっていたアスカは思わずキャプチャ・スタイラーでデパートを覆う草体を指し示した。
「間違いない・・・!草体が花を咲かせようとしているわ!」
チヒロもその異様なまでの光景を目の当たりにしようとしていたのだった。
まがまがしいオレンジ色のつぼみ。そのつぼみが次第にふくらんでいき、やがて渦を巻いたかのごとく規則正しい20枚ほどの花びらとなって花開いたのだった。
花びらの真ん中には異様なまでに長く、そしてとがったものがある。おそらくここに種をため込んでいるのだろう。
「アスカさん、チヒロさん!」
そこに警察隊が駆けつける。
「昨夜、ナナカマド博士の助手でコレキヨさんっていう、ポケモン研究者の方が中心となってあのポケモンの生態を解明するべく緊急会議が開かれたのですが、あの草体、放っておくと大変なことになるんだそうです!」
「大変なこと?」
アスカが思わず警察隊に聞き返す。
「はい。草体が花を咲かせると、このあたりの酸素濃度はさらに高まります。そして濃度が極限まで高まると、あの草体は種子を宇宙に向けて打ち上げるんだそうです。そのとき、この一帯の酸素が大爆発を起こすのですが、今私たちが知っているポケモンのだいばくはつの威力など、とても比べものにならないんだそうです・・・。」
「それで、爆発するとどうなるんですか?」
チヒロも尋ねる。
「・・・コトブキシティは壊滅します!」
「えっ!!」
アスカとチヒロは互いに困惑の表情を浮かべる。事態は予想していた以上に深刻だということを改めて突きつけられることになった。
「それで、草体はどうなっています!?」
「あれを見てください!」
「!!」
アスカの声に警察隊は驚いてデパートの方向を見上げた。――毒々しいオレンジ色の花びらが、まるで地上にいるアスカ達を威圧するかのごとく咲き誇っている。まるで破壊できるなら破壊してみろと言わんばかりの異様である。
「これは・・・!もはや一刻の猶予も許されません!アスカさん、チヒロさん!私たちに協力してください!すぐにでもあの草体の活性化を抑えなければ、コトブキシティは何も残らなくなります!」
「分かったわ。行きましょう、チヒロ!」
「うん!」
ついに恐れていた事態が起きてしまった。草体が花を開くと言うことは、すなわちコトブキシティ壊滅のカウントダウンが始まったと言うことを意味している。それも、針の刻まれていない時限爆弾という代物である。
一刻も早く次の手を打たなければ想像以上の大惨事が起きてしまう。果たして、巨大な花を破壊することはできるのだろうか。

<このお話の履歴>
全編書き下ろし。


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