マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
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  [No.829] Section-17 投稿者:あゆみ   投稿日:2011/12/25(Sun) 14:42:30   70clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

「番組の途中ですが、ここでコトブキシティに出現した巨大な草体に関する続報が入ってまいりましたのでお伝えします。」
マサト達が滞在しているグリーンフィールドのポケモンセンター。そこで流れていたテレビのニュースが、草体に関する臨時ニュースを流し始めた。
草体発生以降、シンオウ地方一帯に注意を喚起する情報が多く流されており、ニュースもL字テロップで情報を流していた。その中でアナウンサーが淡々とした表情で続ける。
「先ほど、バンギラスデパートに出現した草体が、巨大な花びらを咲かせたという情報が入ってまいりました。花びらは渦巻きの形状となっており、高さはデパートの屋上から計算して、およそ5、6メートルとされています。」
アナウンサーの声と共にその異様な花びらが画面に映し出される。
「これは・・・!」
「見たこともない花びらだわ!」
マサトとコトミがテレビの画面を見つめながら思わず言葉を漏らす。
「ナナカマド研究所やコトブキ大学の調査によりますと、この花びらはこの星に自生している花びらと同様の生命サイクルと考えられていますが、その過程で周囲の酸素濃度を高め、極限まで高まった段階で種子を宇宙に打ち上げると言うことです。そのとき周囲の酸素が大爆発を起こすとされており、シミュレーションの結果、コトブキシティが壊滅するほどの威力だと言うことが明らかになりました・・・。」
「コトブキシティが・・・壊滅・・・!?」
テレビを見ていたトレーナーが呆然としながらつぶやく。
「繰り返します。草体の破壊に失敗した場合、コトブキシティは壊滅する可能性が高まってまいりました。コトブキシティ周辺にお住まいの皆さん、落ち着いて行動してください。現在のところ、すぐにでも草体が種子を打ち上げるといった兆候は確認されておりません。ですが最悪の事態に備えて、自主的な避難を呼びかけます・・・。」
「マサト君、コトミちゃん。あたし達が今置かれている状況は予想以上にひどいものだわ。」
ミキがマサトとコトミの肩に手を置いて言う。
「あたし達もすぐにでもあの草体を破壊しに出向きたいところだけど、ジョウトからシンオウはかなり離れてるし、それに行けたとしても今の状況ではコトブキシティに近づくことはできないと思うわ。だから、今のあたし達にできることは、アスカさんやチヒロさん達、ポケモンレンジャーや警察隊の皆さんが草体を無事に破壊できることを祈るだけだわ。」
「僕だってアスカさんやチヒロさんを手伝いたいです。だけどあの花、上手く破壊できるんでしょうか・・・。」
「あたしにも分からないわ。だけどアスカさんやチヒロさん達だったら、きっと上手くやれると思うわ。」
だがそう言っているミキの表情も、心なしか険しいものだった。いつもマサトやコトミに対して見せている笑顔も消えている。見たこともないポケモン。そして見慣れた町が壊滅してしまうかもしれないという緊迫した状況。そう言った状況が、彼女の表情を険しくしていたのだろう。

<このお話の履歴>
全編書き下ろし。


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