マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ2F(長めの作品用)
このフォームからは投稿できません。
name
e-mail
url
subject
comment

[新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

  [No.958] Mr.ウォーク!  投稿者:ぱるぷんて   投稿日:2012/04/18(Wed) 21:25:12   27clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

R1 拍子抜け


「その話は本当なの?!」

「どうやらマジのようっす……俺らの担任が鬼だからってこっちに回さなくてもさぁ…」

 私はミライ中学の生徒会長であるツグミ。種族はサザンドラ。あだ名はパペット。あだ名の由来は手が顔だから。それだけ。別に嫌いというわけじゃない。因みに見た目が男っぽいそうだが女だ。間違えた相手には先生だろうと容赦しないつもりだ。
 話し相手はエルフーンのライク。女らしいが男であるこのエルフーンのライク。あだ名はモコ。あだ名の由来はいたって単純モコモコだから。こいつもあだ名に関しては結構気に入っているらしい。そしてライクは生徒会書記。私とは仲が良い。
 因みに私達のあだ名は生徒会員が殆どのあるグループ同士の呼び名である。 

 さっき話していたのは今日から新しく私達のクラスに入ってくる転校生の話だった。
 新しく入ってくる転校生の噂はまったく酷いものである。曰く目があっただけで気絶する、曰くそいつを見たら悪いことが起きる、曰くそいつの周りでは良くポケモンがどこかへ消える、曰くそいつはポケモンを食うらしい、
 曰く、行く先々の学校で何度注意されても何度も不良共に喧嘩をふっかけて何度も戦闘不能にしては問題になり転校を繰り返しミライシティへきた。
 
「まともな噂は一つくらいかしらねー……しかも私の横の席が空いてると来た……モコ、この席変わって」
 
 私は隣の列、ちょうど横に居るモコに頼む。

「ムリっす。先生に問い合わせてくだちい。ま、あの鬼教師に直訴できるならだけど……ん? みんなどうした? 俺の事見つめて。……ははぁーん。俺ってそんなイケメン」

 イケメンまで言ってモコは気づく、皆の視線が自分の後ろだということに。そして後ろから殺気を感じる。
 モコは直感的に悟った。

 後ろを見てはいけないと!
 
 しかしモコは後ろが気になる、しかし見てはいけない、しかし気になる。

「……さぁ、どーするモコ! ……って痛!」

 モコは後ろにいたレイズ先生に教科書でチョップされた。レイズ先生はバシャーモで、すごく怖いが生徒を愛するいい先生だとみんな分かっているので結構人気がある先生だ。

「一人でナレーションすると気持ち悪がれるぞライク。それと……鬼教師上等だゴルァ」

 ……全文訂正。レイズ先生はバシャーモで生徒のことを大事にしているいい先生だが怖すぎて話しかけられないし、さっきのセリフの最後のゴルァは冗談だが冗談抜きで怖い。とにかく怖い。

「まーいい。皆席につけ。もう皆知っている通り、今日から新しく転校生が来る。良からぬ噂が出回っているが、その噂一体どこから拾ってきたのというくらい優しくて拍子抜けするからみんな仲良くしてやれ。だからツグミ、席を変えるように直訴しなくてもいいぞ。おーい、アルク君入れ」

 そこまで話を聞いていたのか……ってあの先生のことだ、多分噂の転校生が優しいというのも嘘だろう。なぜならあの先生の冗談なんかは冗談になった試しはない。というより嘘から出た真になるし、先生があのポケモンは白だと言えば黒なのである。
 皆そんな事百も承知なので固唾を呑んでドアを見つめる。一体どんな奴なのか、種族は一体なんなのか、どれだけデカイのか。
 そんな事を考えていると、前の方の机で隠れて良く見えなかったが何か茶色い毛が横切ったような気がする。
 ――転校生? 机に隠れるほど小さいのか? 前の席では何やら驚きと拍子抜けしたような声が聞こえる。

 そして、私は初めて見た。奥底に憂いを秘めた不思議な目を。胸の内で不思議な感覚がする。

  どうしてあの子はあんなに悲しそうな目をしているんだろう?
 どうしてあの子は……どうして……あなたの目は私の目と似ているの?

疑問が止まらない。
 初めて見た彼の目は私にはとても神秘的にも見えた。私とモコ以外の皆は何か恐れを抱いてるようだったが。

 そして、彼の自己紹介は皆をさらに拍子抜けさした。

「初めまして。これから一緒に過ごす時間は少ししかないですが、よろしくお願いします。この学校での目標は、

 いじめられない事です」


- 関連一覧ツリー (★ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 削除キー