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  [No.988] ブイズともずくと部屋とYシャツと私 投稿者:もずく   投稿日:2012/05/26(Sat) 16:10:40   33clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

ここはジョウト地方。
ポケモンと人間が仲良く暮らし、ポケモンの家も珍しくなくなった世界。
ポケモン専用の地図、ポケモン専用のパスポート、ポケモン専用のお仕事。
『ポケモン専用』がなんでもある、素晴らしい世界。

そんな世界に近づく黒い影……は、また別のお話。


ほら、また一匹のポケモンが、旅立とうとしているようです…。



――間もなく、リニアが参ります。危険ですので、白線の内側……

「ごめんよ、みんな。」

コガネシティ、快速線リニア乗り場。
赤いボディをした一匹のポケモンが、今まさにリニアに乗り込もうとしていた。
ヤマブキシティ行きのリニアだ。

「でも、仕方ないことなんだ。」

背中が僅かに震える。

「許してくれ。」

そう言うと、一匹のポケモンは、ヒョイと今来たばかりのリニアに飛び乗った。

――――――――――そう、これは六ヶ月のお話



どうも!このマサラのポケモン図書館で小説を書くことになりました、もずくと言います。

昔から国語の成績だけは良かったんですが……。
上のだけを見ていただくといかがでしょうか?どんなポケモンかはタイトルでわかると思いますがw

もともと私は飽き性なので、こういうことをしようと思ったことはありません。
ですが、書くと決めた以上、絶対完結させます!

末永く見守って下さいね(´・ω・`)


  [No.989] 真夏の昼時にて 投稿者:もずく   投稿日:2012/05/27(Sun) 17:40:23   35clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

八月某日
ジリジリと太陽が照りつける中、ブイズ達一家……いや、ブイズ達一家(一匹を覗く)と言った方が正しいだろうか。
とにかく、一家が集まった。
どこの大富豪の屋敷だ、と、言いたくなるような立派な屋敷――
ジョウト地方コガネシティにそびえ立つ立派な屋敷――

しかし、皆里帰りに来た訳ではない。ましてや、夏の思い出を作りに来た訳でもない。
最年少のイーブイとてそんなことぐらいわかっている。もちろん、最年長のシャワーズも、だ。
だから皆、葬式のように黙りこくり、一言も話そうとしない。
お喋りのエーフィだって、紅茶を頼んだだけで、それっきり何も言わない。


と、その時。
長男であるブラッキーが重い口を開いた。

「これより、ブイズ一家親族会議を始める!」


  [No.990] 会議 投稿者:もずく   投稿日:2012/05/27(Sun) 17:40:52   40clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

途端に、次女エーフィが口を開いた。

「みんながどう言おうと構わない。あたしはもう諦めるべきだと思うの。」

カタッ…。僅かに音がした。シャワーズが立ち上がった音だ。

「そっそんな!諦めるなんてッ……。あの子を………あの子を見捨てろって言ふのぉ!?」

少し感情的になりすぎたか。
言葉が途切れ、噛んでしまった。

「姉さん、落ち着いて…。」

四女リーフィアが顔を赤くしたシャワーズを宥める(なだめる)。
しかし、先ほどのエーフィの言葉がよほど気に入らなかったのか、興奮が収まる様子はない。
それでも、リーフィアの宥めもあって、ようやくソファに腰をおろす。

エーフィも言い過ぎたと感じているのか、顔をそむけ、シャワーズの方を見ようとしない。


そもそもこれを読んでいる皆様は、何の事だかちんぷんかんぷんだろう。
『諦める』『あの子を見捨てる』
勘の鋭い方はこれで気付いたかもしれない。しかし、まだわからない方は多いだろう。

簡単に言うなら『失踪事件』だ。
ブイズ一家の次男に当たるブースターが、モンハンを買いに行くと言って出ていき、六ヶ月間音沙汰無しなのだ。
一、二日ならまだわかる。もう一人での外出が制限される年ではない。大方友達の家に行ったのだろう……。
そう予測できる。しかし、六ヶ月も家に帰らないのはさすがにありえない。家具や日用品もそのままだった。

ことがわかれば、読者の皆様の殆どはシャワーズに付くだろう。
そして、血の繋がった弟を探すことに諦めの意を示したエーフィを、ひどく、心底軽蔑するだろう。
しかし、本当にそうなのだろうか。
本当に、エーフィが極悪非道の姉だと言えるのだろか。

答えはNoだ。
確かに、読者の皆様には、エーフィの言葉は冷たく感じられただろう。
しかし、億が一ブースターが死んでしまっていたら?
死んでしまった兄弟のことを、あれこれ言い合う為に、月に一度わざわざ屋敷に集まるのか?虚しくないのか?
そんなことをするのであれば、もう諦めてしまった方がよいのではないか。
ブースターを亡き者とし、ケジメを付けた方がよっぽど楽になれるのではないだろうか。
これが、エーフィの考えである。
決して心を失った哀しいポケモンなどと思わないでほしい。
いや、別にエーフィ推しじゃないけど。

さて、親族会議に戻ろう。

シャワーズが座ってから五分間。皆無口だった。
咳をする者も、紅茶を飲む者もいない。
一家の中には、五分間が何時間にも感じた者もいただろう。

そんな時、ブラッキーが口を開いた。

「……。何か意見がある者はいないか?」

少し、間を置いてだ。

「………。」

三女グレイシアが挙手した。

「確かにエーフィ姉さんの言い分にも一理あるわ。でも、だからと言って弟を見過ごすことはできない、もし生きている可能性が一%でもあるとしたら…。」 

その続きは言わなかった。言わなくてもわかると思ったのだろう。

またしても皆無口。エーフィも顔をそむけたままだ。
どうなってしまう事やら……。


  [No.991] キャラプロフィール 投稿者:もずく   投稿日:2012/05/27(Sun) 17:50:40   31clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

登場人物紹介

シャワーズ(♀) 24歳
最年長で長女。みんなの世話役。
世話焼きで料理や家事が得意。長女だからだろうか。
本人は気付いていないが、天然ボケ。毒を吐くこともしばしば。
特にエーフィと仲が良い。

ブラッキー(♂) 22歳
長男。みんなのまとめ役。
喧嘩している弟たちを静かにさせるのが得意。
常に冷静沈着で、焦っていても顔に出さない。
辛いものが好き。
イーブイと気が合うようだ。

エーフィ(♀) 20歳
次女。お喋り。
ブラッキーと同様、弟たちを黙らせるのが得意。
毒舌。数々のポケモンを泣かせてきた。
しかし、嫌いなわけじゃなく、からかっているだけ。
音楽に長けている。

グレイシア(♀) 18歳
三女。アイスが好物。
ツンとしていて、周りと関わろうとしない。
体を動かすことが好き。
氷タイプの宿命か、暑さにはめっぽう弱く、夏はいつも冷えピタを張っている。
リーフィアとは大の仲良し。

サンダース(♂) 17歳
次男。お調子者。
明るい性格で、友達がたくさんいる。
上にも書いてあるようにお調子者。兄や姉を怒らせることも。
たまに下ネタを飛ばす。
ブースターとは喧嘩ばかりだが、ホントは仲良し。

ブースター(♂) 17歳
三男。サンダースとは双子だが、数分差でサンダースが兄。
頭が良く、謎解きが得意。
ゲームが好き。特にレイトン教授。
首のモフモフはあまり好きじゃない。
不利な水タイプのシャワーズを恐れている。

リーフィア(♀) 15歳
四女。大人しい。
優しい性格で、喧嘩は好まない。
植物が好きで、色々な花を育てている。
絵が得意。特に人物画。
運動は得意ではない。

イーブイ(♂) 14歳
最年少で四男。しっかり者。
大人びていて、考えもちゃんと持っている。
ブラッキーと仲が良く、暴走した兄たちを止めることも多い。
やる時はやる性格。