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117 ヒノヤコマの羽飾り キトラ


PDFバージョン  フォルクローレに採用されると見開きの片側に絵がつきます。


 ハクダンシティにある帽子専門のブティックで扱う帽子飾りは、カロス伝統のヒノヤコマの尾羽で作ってある。
 昔のカロスで身分の高い女性はヒノヤコマの尾羽を髪に飾り、社交界デビューを果たした。幼少の時はヤヤコマの小さな尾羽を飾った。ヒノヤコマの羽に変わることで、大人の女性の仲間入りをするということである。
 お腹に炎を蓄えることから、新たな命を宿すという意味で、安産の御守りとしても使われていた。
 また、戦時下では家族が無事であるようにとヒノヤコマの尾羽に祈りを込めて帰りを待っていた。時にはヒノヤコマの尾羽を頭に添えて戦場を駆け巡る婦女子もいたという。大抵は10代前半で、戦争に行ったポケモンを探す為に彼女たちはヒノヤコマに祈り、ヒノヤコマの力を得て戦い抜いた。もちろん絶対無事ではなかったが、彼女たちが戦火をくぐり抜け、物資を届けたり救護があったおかげで被害は他の国より少なかった。
 そのため、いち早くカロスは発展し、今日にいたる。
 なお、ファイアローの尾羽は主に弓を使う者が髪飾りとして使った。これには性別関係なく、彼らの放つ矢はファイアローそのもののようだという。
 現在ではヒノヤコマの尾羽は色とりどりに染めてあり、ピンクの可愛らしいものや模様のある葉のようなものもある。
 ヒノヤコマの羽飾りに込められたカロスの人たちの思いは時を越え、形を変えて人々の間に存在している。