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43 ニセモノ市  白色野菜


PDFバージョン  フォルクローレに採用されると見開きの片側に絵がつきます。



 おや、にぃちゃんこの祭りは始めてかい?ぽかんってしてるからな。一目で分かるよ。そうかそうか。そう言う子供の顔を見るのは楽しいねぇ。
 ん?あぁ、この祭りは『ニセモノ市』だよ。そう、偽者。この祭りで売ってるもんは全部ぱちもんだ。ほら、あそこでビニールシートを広げて子供が紙粘土で作ったモンスターボール売ってるだろ?あんなんばっかだ今日の祭りはな。
 もちろん大人も参加してるからクリオリティーは人によって違うぜ?ホウオウとルギアの羽を飴細工で作って売ってる奴もいりゃ、自分で育てた花でキレイハナを形作って売ってるばーさんも居る。
 本物でなけりゃ何でもいいんだ。だから、結構色んな奴が出店してるぜ?飛び入り参加も本部に言えば自由だしな。由来?……しらねぇなぁ、本部のじいちゃんに聞けば分かるんじゃないか?長老は今日、ヨルノズクの仮装してたな……。
 俺か?俺はほら、ポケモンの持ち物だ。この包帯なんかどうだい?あぁ、れいかいのぬのって奴でできててなぁ、なんとっ!あのギラティナに仕えてるヨノワールが進化するときに使った布だって話だ……え?いらない?まけとくぜ?……それは残念。
 もう行くのか?そうか。楽しんで来い。

 あぁ、そうだ一つ忘れてた。これだけは、頭の片隅に置いといてくれ。

 いいか、この祭りは『ニセモノ市』だ。ここにある物も者もどんなに本物に見えてもそいつは『ニセモノ』だ。
 物なら作った奴の腕が良いだけか偶然という名の奇跡だし。
 者なら、どんなに本物そっくりに見えてもそいつは仮装だ。
 分かったな?……そうか。そうだな、愚問だった。それじゃあ、楽しんで来い。

 とある少年のレポートより どう見てもゲンガーにしか見えない仮装をしたおっさんの話