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75 ジョウトに渡ったビーダルたち  No.017(HP


PDFバージョン  フォルクローレに採用されると見開きの片側に絵がつきます。


 ジョウト地方のキキョウ、コガネ、エンジュの間に位置するシガラは丘陵から良質の陶土が産出する土地柄で、古くから焼き物が盛んであった。茶の湯が盛んだったコガネやエンジュに近かった事も手伝って、その陶器は信楽焼の名で大いに発展を遂げた。温かみのある緋色の発色と焦げの味わいはまさにジョウトのわびさびを表現していると言えよう。
 さて、信楽焼といえば酒を持ったビーダルのものが有名だが、その歴史は比較的浅く、明治期に入ってからであるらしい。最初にビーダルを焼いたのはシンオウ地方から渡ってきた藤原銕造(てつぞう)という人物と言われている。彼は酒買い小僧と故郷のポケモンであるビーダルを組み合わせてこのデザインを作り上げたという。今や信楽焼きの代名詞となったとぼけた顔の酒買いビーダルが並ぶ光景はこの土地の風物詩となっており、町の人口よりビーダルの方が多いと言われているほどだ。
 シガラの土は腰が強く、大物づくりに適している他、小物づくりにおいても細工しやすい特性で、現代でも陶工達によって数多くのポケモンをモチーフにした信楽焼が開発されている。最近はイーブイのものが人気という。
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