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81 フェアリータイプではなかった妖精 その3 リング(HP


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 フェアリータイプではなかった妖精とされたポケモンとして、もっとも有名なポケモンと言えばトゥーマンティンティンと呼ばれるポケモン"達"でしょうか。
 この『達』というのも、かつては一匹ないしは一種の妖精の仕業だと思われていた行為が、実は近年に複数種のポケモンの仕業によるものだとわかったことに由来します。
 この妖精の伝説があるのは、主にエイセツシティに隣接した20番道路周辺。通称迷いの森と呼ばれる場所で、その名の通り非常に迷いやすく危険な森とされています。さて、このトゥーマンティンティンと呼ばれる妖精はフェアリーサークルと呼ばれる、枯草などが円形に並んだものを指し、それを踏んでしまった木こりや狩人は、帰り道を忘れてしまい、方向感覚もおかしくなって森の中をさまよって永遠に出られなくなると言われています。
 この枯草の正体はオーロット。そして、森に訪れた人間を迷わせる者の正体は、ウソッキーやゾロアークではないかとされています。オーロットは根っこを神経代わりにして、周囲の木々を操るのですが、枯草もまた神経として機能するようで、それを踏まれることはとんでもなく不快な気分になるのだとか。

 そうして怒ったオーロットは、ウソッキーやゾロアークに『とおせんぼう』することを頼むのです。草・ゴーストタイプであるオーロットと、岩タイプのウソッキーは非常に優れた相性補完となっており、そのため彼らは共生関係にあり、ウソッキーは頼まれればオーロットのに従って人間を通せん坊して森から出られなくします。
 さらに、悪戯好きなゾロアークが悪乗りして、周囲の木々をまるで生き物のように動かしたりすることから、オーロットの存在が図鑑に載ってからも、長い間木々を操る能力を持つとされていました。実際にその能力がないことはないのですが、それが出来るのは枯草程度が精一杯で、とても木々で人間の行動を制限するほどの速度は到底ありません。そのため、今では20番道路の森で迷うのは、そこに生息するゾロアークとウソッキーの仕業とする説が主流となっています。

 ちなみにその呪いを解く方法ですが、一つはオーロットに誠心誠意謝ること。ですが、昔の人がオーロットの存在を知らなかった頃はこれまたフェアリータイプではなかった妖精として、パリゼットと呼ばれる妖精に頼むのが良いとされていました。この妖精は、昆虫の羽が生えた小さな女性のような姿をしたものとして伝えられ、人間には友好的で、特に容姿の良い人間にはより一層好意的になるとされています。
 その妖精の正体とは、パンプジン。このポケモンの得意技『ハロウィン』にかかれば人間であってもゴーストタイプを得る事が出来ます。そうなってしまえばウソッキーのとおせんぼうもなんのそので、木こりは森の外へと帰る事が出来ます。パンプジンは、上半身には実体がなく、本体である下半身から抜け出す事が出来るので、薄暗い森の中では前述の容姿に見間違えられたのかもしれません。
 ちなみに、顔が悪い木こりに対しては持ち物を見透かしてそれを要求することもあったようで、何も持っていないうえに顔の悪い木こりは見捨てられてしまったとか。