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82 フェアリータイプではなかった妖精 その4 リング(HP


PDFバージョン  フォルクローレに採用されると見開きの片側に絵がつきます。


 同じく20番道路には、これまたフェアリータイプではない妖精が住んでおります。この妖精は、モス・フォークと呼ばれ、女性のような姿をした妖精でキノコほどの大きさとされています。
 この妖精は織り機を用いて苔を布のように織っていると考えられていた妖精で、苔を作るだけでなく苔の服を纏っていると言われています。そのため、この妖精が移動しているときは苔そのものが移動しているように見えるとか。
 さて、この妖精は非常に恐ろしい存在で、こいつに気に入られると、森に連れ去られたまま森から出る事が出来なくなるどころか、出ようという気すら起きなくなるという恐ろしい生態を持っています。

 さて、この妖精の正体は、夜になると石などを操って星の配置を表したりなどしているポケモンで、森には苔の生えた石しかないために、苔が動いているように見えるとか。妖精の背丈がキノコほどの大きさしかないというのも、その幼体とタマゲタケのツーショットを見て勘違いしただけかもしれません。
 この妖精の恐ろしい所は星明りの夜に催眠術でポケモンや人を操ることで、眠ったまま住処へと連れ去られるという伝説でしょうか。そうして集めた子供たちはその妖精に操られて遊ばれてしまうのです。さて、この妖精に気に居られてしまったとしても、このポケモンの特性は通常は『お見通し』であるため、ポケモンが眠っているときなどは、普通の個体が相手ならば逃げ出すことも可能です。もちろん簡単にはいかないですし、捕まってしまえば往復ビンタなどのきついお仕置きが待っていますが、逃げること自体は一応可能です。
 しかし、このポケモンの特別な固体には『影踏み』の特性を持った個体もおり、その個体からは相手が眠っていようとも、問答無用で逃げだす事が出来ません。ポケモントレーナーの皆さんはすでに分かっている方も多いでしょう、この妖精の正体はゴチミルというポケモンです。もしもゴチミルの特性が影踏みであった場合は、オーロットの時と同じ対処法でパリゼット――つまるところ、パンプジンに頼んでゴーストタイプにしてもらうか、もしくはゴチミルを殺すしかないでしょう。

 昔話には、木こりの少年が魔女の姿をしたモス・フォーク。つまりゴチミルにさらわれた時、寝ているゴチミルの急所を親から貰ったナイフで突き刺して、上手く逃げ延びた子供がいます。もしもお見通しの特性を持ったゴチミルならば、そんな危険な物をそのまま持たせておくなんて真似はしませんが、影踏みの特性を持ったゴチミルには、まさか子供が寝る時も肌身離さずにナイフを持っているなどとは思いもよらなかったのでしょう。