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  [No.1212] フワンテが絡まってた 投稿者:音色   投稿日:2011/05/21(Sat) 23:52:34   130clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 ホウエン地方からめでたく帰還。おまけもいっぱいで屋敷に帰ってきました。
 ゴ―スゴーストどもがわらわらお出迎え。ゲンガ―もぞろぞろやってきて、愕然としていた。
 そりゃあなぁ。
 数十匹の無表情な抜け殻、密航してまでついてきた穴掘り職人、こちらで珍味でも食おうかと思ったのか黒坊主どもに、実家から送られてきた段ボールに詰まっている黒ぬいぐるみ。
 あげく、こちらに来てまで新ルート開発する気満々の案内人ぷらすアフターケアサービス。

 ・・そりゃ同類でも唖然とするよなぁ。
 私だってどうしてこうなったんだかもう良く分からん。もー好きにしやがれお前ら。

 どたばたと一気に館が狭くなる。おいこら、掃除するんだ。居候する気ならお前ら手伝わんかい!
 ほらそこ、ハタキ持って。雑巾絞って!丁度いいや、古新聞あるから窓磨いてくれ。そっちは庭で草刈りよろしく。洗濯は私の特権だ、邪魔するな。手ぇ抜く奴は片っ端から掃除機で吸いこんでやるから覚悟しやがれぇぇ!
 こうして帰って来たその週末で全面掃除を終わらせた。いや―数がいると早く終わるね本当に。

 そんでもって日常で何か変わったかと言えば、かわらねー。びっくりするくらい変化がない。
 ヨマワルガイドがついてゴ―スがついて来てたまーにヌケニンがついて来てくれるレベル。うん、ホウエンと変わらん。
 ゴ―スを洗濯、ゴーストとのデート拒否、ゲンガ―と菓子作り、以下略、面倒になってきた。

 それでもゴースト人口は増える。解せぬ。・・ネタやってる場合じゃない。


 カゲボウズと一緒に洗濯もの取り込んでたら、物干し竿になんか引っ掛かってた。
 とゆーか絡まってた。
 紫風船・・フワンテかこれ。

「ふゆーん」
「ぷわわー」

 ・・・そんな情けない声でこっち見るなよ。なにがどうなったらお前ら人の家の物干し竿に器用にこぶ結びで絡まってられるんだ。
 仕方がなく、物干し竿と一緒に風船も取り込んだ。


 さて、こいつらをどうするか。両手が仲よく・・は、無さそうだけども細―い腕がゴチャッとなってる。
 興味津々なゴ―スども。まぁ、確かにこの辺はフワンテなんてあんまり飛んでこないしなぁ。
 ・・しかしこれを手でほどくとなると結構面倒くさそうなんだけども。
 あ、ゴースト何それ。ハサミ?あぁ、切っちゃえば簡単にほどけるっていう発想ね、ナイス。

 ・・・って、やめんかい、アホ。
 フワンテどもビビりまくってるじゃないの。ほら片付けた片付けた。

 そういえば知恵の輪苦手だったな私・・。ほどけねー。むしろさらに絡まった。どうしよう。
 おい誰か手がある奴で手先が器用な奴交代して。私無理。パス。


 結論、何匹か試行錯誤した結果どうにかほどけた・・。
「ふゆーん」
「ぷわわわー」
 ふゆ―んの方をフユンテ、ぷわわ―の方をぷわんてと呼ぶことにして見分ける。かわいいと言えばかわいいけども、正直言ってもう絡まるんじゃねーぞって言う気持ちの方がデカイ。
 あともうゴーストタイプ増えんな――!
 叫んでも無駄な気がする・・けどね。


 とりあえず外に返す。あっさり風に流されて飛んでった。


 後日、また絡まったのは言うまでもない。数が増えて。

「だからどうしてこーなるんだ!」

―――――――――――――――――――――――――
余談   ゴーストシリーズを根性で書いてみたらこうなった

【これもう疲れてきた】


  [No.1252] フワライドが突き刺さっていた 投稿者:音色   投稿日:2011/05/30(Mon) 23:48:35   113clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 フワンテ事件はまだマジだった。大体私のゴーストホイホイ体質からしてこの流れでフワンテどもが寄ってこないと考えない方がおかしい。
 絡まることはなくなって、代わりにゴ―スを持ちかえったりお土産渡したりして風任せな関係を築いていれば害もない。
 ・・とか思ってたんだけどねー。

 ある日、自転車押してヨマワル連れてヌケニンおともにゴ―スinポケットで家に帰ってみれば。
 フワライドが突き刺さってました、物干し竿に。
 

 別にうちにある物干し竿はいたって普通の物干し竿で、好き好んでポケモンが突き刺さるような魅力的なフォルムはしてません。マジで。ただの竹竿だから。
 だのに紫風船は絡まり幽霊気球は突き刺さる。呪われてるのかこれは。清めの札を張るべきか、それともおニューの物に買い替えろという暗示か。
 私のゴーストホイホイ体質が絶好調なだけかもしれないが、全く持ってありがたくもなければ嬉しくもない。どうしろというんだ。
 とりあえず被害深刻なフワライド。あれですよ、下の方のいかにも穴があいてます、な空間からじゃなくて真横からどっすり刺さってます。貫通してないのは幸いなのかどうか。
 ヨマワルは卒倒しかけた。先に家に入ってなさい。ゴ―スはビビって縮こまっていた。ヌケニンは、無表情だった。
 なんというか、異常過ぎて逆にシュールだ。というか、どうやったらベランダに立てかけてある物干し竿にあそこまで深く刺されるんだろうか。謎だ、謎すぎる!
 とか謎を追っても仕方がないので、被害者(別に死んではないけども、いやその前にゴーストなんだけど)を救助しに向かう事にした。
 

 別に今日風が強いとかそんな日じゃなかったにもかかわらず、物干し竿ごと紫気球を取りこむ。誰か刺さるところもろに見た奴いる?いない?そう、いたとしても気絶するかなんかしてるかきっと。
 とりあえず抜いてみる。・・血とか出ないかな。いや、その前に突き刺さってるところから漏れてるの空気だけだから大丈夫か。(そうなのか?)
 せーの、ってあっさり抜けた。拍子抜けするくらい単純に。そのあとがヤバかった。
 派手な音が立てて残りの空気が全部抜けて部屋の中を気球がびゅんびゅん飛び回りながらしぼんでいく。
 お前はどこの漫画出身だぁぁあ!突っ込む気力も削がれるくらい見事にやらかしてくれました。あーぁ、他のゴーストポケモン共リアクション取れてないよ。唖然。何なの今日は。


 応急処置、でっかいバッテン印の絆創膏(もどき)で穴をふさぎます。なに?口が二個あるように見える?しょうがないだろ、こればっかりは。
 さて、問題はどうやって空気を入れよう。家にあるのは自転車用の空気入れだけなんだけどいくらなんでもあれじゃあねぇ・・。
 ヘリウムガス?そんなもん家にあるか。プロパンガス?おい、“ゆうばく”の威力を上げてどうするんだ、んなあぶないもん。ガスがつけば何でもいいと思うなよお前ら。
 ・・なにそれ、あぁ浮き輪とか膨らませる足で踏むタイプの空気入れか・・。うーん、それで何時間やれば大丈夫なんだろうね・・。あ、みんなそっぽ向いた。やりたくないのね。


 次の日、一日ほっといたら自動的に回復してました。要はあれか、穴さえふさげたら自分で膨らめるのか?ポケモンって不思議。
 もう刺さるな、とか言って送り出す。こればっかりはもうシュールすぎてやだ。


 後日、家の周りのあっちこっちの木々にフワライドが引っ掛かりまくっているのを発見した。

「・・ブームかなんかなのか?」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談  意味不明だけどごめんね。こんなお話ばっかりなの。


【次なんだっけ】
【何しても問題ナッシング】
 
 


  [No.2145] ムウマージにコーディネートされた 投稿者:音色   投稿日:2011/12/24(Sat) 21:51:51   109clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 誘爆気球の突き刺さりブームが去り、クリスマスシーズン到来という事で配達稼業が忙しくなって来た今日この頃。別にハロウィンに何か騒動がなかったのかと言われれば嘘になるが割愛。
 ホウエンのシブチョ―に言わせりゃあ、クリスマスと正月とバレンタインとお歳暮の時期が一番稼げる、らしい。だからこそシフトびっしり。有給?クリスマスに?ありえねー。
 世間のクリスマスムードにゴ―スト共もそわそわ。お前ら、キリストの誕生日に浮かれてどうするんだ。
 え?一人暮らしで彼氏彼女のいない寂しい奴等の恨み辛みがいっぱい?・・なるほど、カゲボウズ的にもありがたい訳か・・。
 いちお―ここにもその条件に該当する奴がいるんですけど。別に恨みも辛みもたまってないか。疲れならあるぞ。華やかなクリスマスの裏側でこーゆー配達稼業とか忙しい人もいっぱいだっての。
 明日だ、明日の24日が過ぎれば少しはピークが減る、と信じたい・・。そして寝た。


 ・・・起きたら妙なサンタクロースがいた。赤と白の帽子をかぶった、ムウマージだけど。
 時計の針は午前3時10分過ぎ。二度寝しよう、としたらこのサンタ・・じゃないどこからきたか分からんサンタコスのムウマージにまとわりつかれる。寒い。目が覚めた。
 え、え、なにこれ。サンタってイメージ的にデリバートじゃないですか。それとも私のゴーストホイホイ体質のせいでこうなったのか。
 ていうか、サンタがくるのって普通は24日の夜から25日の朝にかけてだろう。今は24日の朝だよ。イブはイブでも間違ってるだろう。というより、サンタからプレゼント貰える様な年齢でもないんだが。むしろ配る側だよ。
 見た所袋は持ってな・・持ってる。妙な膨らみが気になる白い袋持ってるよこいつ。今さらだけども他のゴーストどもふよふよやってきた。知り合い?違うのね。
 なんかくれるの?え、マジで?まさかの展開で意外と嬉しい。
 パチンと魅惑のウィンク。・・・後ろでわざとらしく胸を押さえてひっくり返るゴーストども。お前ら、やってる事芝居がかりすぎ。しかしそのノリは嫌いじゃないけど。
 差し出されたのは、名刺。え、名刺?しかもちゃんと日本語。・・どうやって作ったんだろう・・。読む。
『コーディネーター  ピエトロ・ド・ブライムローズ   愛称:ピートでよろしく』
 ・・・はじっこの愛称の部分だけあとから書きたされた感全開。うちのゲンガ―が書いた奴か、これ?となれば、ゲンガ―の知り合いかな。
 ちょっとゲンガ―よんで来て。朝っぱらからまた厄介なことになりそうな空気だ。


 通訳来たのでとりあえず名刺の意味を確認。コーディネーターって一体。
『あら、ポケモンをコーディネートする人間がいるんだから、人間をコーディネートするポケモンがいたっていいじゃない?』
 ・・さらさらと書かれた文字からはどこか高飛車なお姉さま的な空気が伝わるな。言ってる事はまぁ、間違っちゃいない、けど・・。
『あぁ、でもまだ一人前のコーディネーターとしての資格は取ってないんだけどね』
 波長の合う人間見つけて、その人間を上手いこと利用させてもらって会社を立ち上げるのが夢なのよ―、と語るムウマージ。計画が具体的で逆に怖い。
 で、一体何の用で来たのか、と聞けば、
『この子たちに貴方の事聞いたんだけどー、なかなか可愛いのにファッションに興味がないって言ってたから、私が劇的ビフォーアフターをプレゼントしてきたのよ☆』
 誰が問題を抱えた建築物だ。いや、突っ込みどころはそこじゃないか。部屋の中のゴーストポケどもを睨む。一斉に目をそらす。お前ら、余計な真似をしやがって。
「いや、今日も仕事があるし」
『仕事場に行くまでは私服でしょう?』
「いつもの格好で間に合ってます」
『ダメダメ、クリスマスくらいおしゃれをしなさい。女の子でしょう!』
 なんだこの謎の理屈。ようするに私を着せ替え人形にしたいだけなのでは。ずいずい迫ってくるムウマージに押し切られ、部屋からは♂のゴーストポケは叩きだされた。


 2時間後、予想した通り散々あれこれとっかえ着せかえられて、ようやくムウマージ・・ピートか、気はすんだらしい。仕事に行く前からなんでこんなに疲れなきゃいけないんだ・・。
『あーやっぱりまだまだね・・。本人にも納得してもらえるようなコーディネートができないんじゃ・・』
 私があんまりにもファッションに適当に答えるもんだからピートの自信らしきものまで喪失している。知ったこっちゃないが。
 パティシエ希望の友人がコーディネーターという図式は傍から見たら面白くもなんともないかもしれないが、その上にポケモンと付いた時点で怪しいよなぁ。
 ぐったりしている状況の中、そろそろ帰るとピートの言葉が書かれた紙をゲンガ―が持ってきた。
「今度はもっとまともな時間帯に来てください」クリスマスイブの深夜とかもう御免だ。
『じゃあ今度はきちんとしたお仕事で来る事にするわね』
 コーディネーターとして独立する気なのね。野望を持ったポケモンだ。
『先にいっておくけれど、本来ムウマージは・・とくにあたしの一族は夢魔の性質を持ってる者よ?もっとも、今じゃその血はほとんど絶えちゃって、あたしも一人くらいしか巡り合えてないんだけどね・・』
 急に紙の上の内容がリアルなものになる。ゴーストポケモンもやっぱりいろいろあるんだ・・。
『リリもあたしも相当変わり種・・』
 あれ、切れてる。・・・ゲンガ―が紙をひったくった。あー、もしかして独り言か何かだったんだろうか。いつもの癖で訳しちゃったのかな。
 メリークリスマスイブー、とか言いながら送りだす。ふわりとムウマージは去っていった。
 やれやれ、一息ついた。朝飯食って仕事いこ。


 職場に行く自転車の上で気がついた。
「ピエトロって男性名詞じゃん?」

――――――――――――――――――――――――――――――
余談  本当はもっときとかげさん所のリリさんと絡めたかったけど難しかった――!
別のお話しでまたお借りすると思います。

【ピートは♂ですよ?】
【何しても良いよ】
【きとかげ様お借りしました】


  [No.2157] ミカルゲを撥ねた 投稿者:音色   投稿日:2011/12/28(Wed) 23:48:11   99clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 朝っぱらからサンタコスムウマージに着せ替え人形にされ、それでも仕事をこなすため、仕事場について作業着に着替える。
 冬だからと支給された上着もチョロネコ印の紫色。紫ってゴーストカラーじゃん。どこまでこいつらとの縁が憑きまとうのやら。
 自転車に荷物を積み、ヨマワルとルートをチェック。ゴースは木枯らしに吹かれて飛んでいきかけるのをヌケニンが見送っていた。おい!
 いざ出発する前になるとどうにか戻ってきたゴ―スはするりとポケットに避難。やれやれ。


 209番道路はそこそこ広いのに中州が多くてついでに橋も多い。最短ルートを見つけるのにいつも苦労する。
 面倒な時は河原を突っ切る。バランスは悪いが時間には変えられないっつーの。
 先を飛ぶヌケニンにヨマワル。お前らは空を飛べていいよなぁちくしょう!地べたを事情なんか知らないで気楽なこった。自転車の不都合を叫んでみる。意味無し。
 ポケットの中でカイロと一緒にぬくぬくしているゴ―スの野郎はこのあと私の八つ当たりを受けることなど知る由もなかった。


 12月の終わりといえばあっという間に暗くなる。仕事は終わって帰りのついでに買い物すればありゃ、星が綺麗。とかいってる場合じゃない。
 吐く息は白い、要するに寒い。ヌケニンは呼吸してないからそうだが、ゴ―スもヨマワルも鬼火で暖をとって・・って、それ温いの?青白いのに?あぁ、化学的に考えりゃ青い方が温度は高いのか・・・。
 自転車の明かりじゃ心細いが、正直鬼火も頼りにならない。ヌケニンのフラッシュはこ―ゆー時こそ打ってつけ、と思ったのだがあれって一瞬じゃん。ってことで却下。
 早く帰りて―とか思いながら209番道路に差し掛かったら、どうも妙な音がする。みょーんみょーんと機械だか鳴き声だか微妙な感じの。あれだ、除夜の鐘の予行演習か?なわけないか。
 何だこれ。怨霊かなんかでも出るってか?ゴーストがいたらマジビビりコースだが、生憎ゴーストホイホイ体質のこっちには本物が3匹ばかし憑いているわけだから全然怖くない。というか、怖いの域を超えてる。
 お仲間?ゴ―スは知らんといい、ヨマワルは首を振り、ヌケニンは無反応。そうか、同種族じゃねぇか。
 じゃあいいや。無視。これ以上うちのゴースト人口増やすわけにもいかんし。かかわり合いになるまい。
 そう思って再度気合を入れてこぎ出した。近づく謎のおんみょーんもそのうち通り過ぎるだろうと思いつつそこそこ速度も出てきて良い感じになってきた瞬間。
 ぎゅわん、と音がしてなんかはねた。
 え、なに、小型のポケモンでも撥ねちまった?慌てて止まる。おい、鬼火持ってこい。
 見づらい青白い炎に照らされて見つけてそれは。
 ・・・ただの石。
 何だ、石か。その割にはいやに鈍い音がしたな。おんみょーんも急に止まったし。ゴ―スがせっつく。何。え、こいつポケモン?まじで。
 いや、ポケモンにしちゃ小さくねぇか。石だけ。・・・ちょっと割れてるけど。撥ねた衝撃にヒビでも入ったか。
 拾ってみると何か声っぽいのが聞こえる。よくよく聞くとおんみょーん・・・ってこいつか!さっきからうるさかったのは!
 うるさい腹いせに買い物袋からサランラップを出す。うにょうにょ紫色の顔っぽいのが出てきたがオール無視。ラップでぐるぐる巻きにしてやるこの野郎。
 3秒後、紫のうにょうにょは出てこれなくなった。こいつ、ゴーストっぽいくせに塩化ビニルはすり抜けられんのか。ゴ―ス爆笑。ヌケニン無表情。ヨマワルだけ気の毒そうに見ていた。
 よし、気が済んだ。こいつこのまま放置・・ヨマワル嫌そうだね。しょうがないなー、ヌケニン、シザークロス。
 出てきたうにょうにょがポケモン語で抗議するが無視。いや、ひたすらおんみょーんを連呼されても通訳通さなかったらわかんねぇし。
 とりあえず落ち着いたっぽいから、ゴ―ス通訳よろしく。


 この石、じゃないこのポケモン、ミカルゲとかいうポケモンらしい。予想通りゴーストタイプ。私のゴーストホイホイ体質超万能。嬉しくねー。
 で、こいつ普段はこの道路のはじっこにある御霊の塔とやらにはめ込まれているらしいが、近所の悪ガキやら野生のポケモンがぶつかって崩れて道のまん中にほおりだされて恨み事を吐いていたらしい。それがあのおんみょーんか。
 いや、悪ガキはともかく野生のポケモンに崩されるってどんだけもろいんだそれ。とりあえず直してくれと懇願してくるので夜中の騒音被害を防ぐために一応現場に向かって見る。
 ・・・これか、三途の河のほとりで積み掛けを崩された出来そこないの石の塔みたいなの。しょうがねぇな。直す、はめる。はいおしまい。
 まぁ次は崩されないように頑張れ、適当に声をかけて家に帰った。その日は。


 しばらくしてまた通りかかった時にヨマワルが気にするようなそぶりを見せたので様子を見に行った。
 案の定ぶち壊れていた。あー、まぁ、うん、ミカルゲはどこだ。
 その辺の落ちていた。・・・紫のうにょうにょが無いから寝てんのか?
 川につけてみる。冷たさで今年最大のおんみょ―んを聞いた。うるせぇ。
 そしてまた壊されているのを見てショックを受けていた。
 御霊の塔の場所が悪いんじゃないかって気がする。引っ越しを進めてみた。



 数時間後、うちの庭に御霊の塔ができていた。
「いや、そーゆーことじゃなくて」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談   とゆーわけでミカルゲの出現場所はもりのようかんです。

【年末年始で間に合うのか】
【何してもいいのよ】


  [No.2159] ヨノワールが訪ねてきた 投稿者:音色   投稿日:2011/12/31(Sat) 18:52:21   110clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 遅いクリスマスはゲンガーお手製のクリスマスケーキをゴーストポケどもが食い散らかすという大惨事。どうやら私が帰ってくる前に片づけをすまそうとした形跡らしきものがあった。ようするにわちゃわちゃ。
 仕事納めでようやくゆっくりできると思った矢先にこれか。お前ら居候の分際で何やってくれてんだこの野郎ども。
 ホウエンから帰った時以上にひでぇぞ、こりゃ。
 おいそこ、逃げるな。大掃除すっぞ。


 年末の大掃除、というかただのクリスマスパーティの後片付けというか。要するに兼ねればいいんだ、両方。
 手のある奴はハタキ持って手のない奴も雑巾絞って働く!ゴーストタイプだろう。それくらいの超常現象は起こせ。
 ヌケニン達は草刈りよろしく。ヤミラミは草取り。根っこまで処理しないと意味ないんだよ。フワンテ持ってくんな遊ぶんじゃねぇ。御霊の塔はちょっとばかし崩しても問題ないから。
 ・・・なんだよミカルゲ。おんみょんうるさいぞ。文句いうな、お前のニックネームを『ぼんのう』にしてやるぞ。・・よし、大人しくなった。
 サボる度胸がある奴は毎度お馴染み掃除機→高速脱水コースだ。さすがに身に染みてきてるな。みんな真面目でよろしい。
 何でこんな時にチャイムなんか鳴るんだ。押し売りか?セールスか?こっちは大掃除で忙しいっつーの。誰か驚かして追い返して来い。・・手が離せないっぽいな。しゃあない、私が行く。
「すいません、今ちょっと立て込んでまして」
 玄関を開けたら、ヨノワールがいた。

『大掃除中にお邪魔するとはとんだ失礼をしまして・・・』
 さらさらっと当たり前のように紙に書かれた謝罪の言葉(ゲンガー通訳)にどうすりゃいいの分からないままにとりあえず食堂に通した。
 これ御土産です、とばかりに手渡されたのは。
「・・・いかりまんじゅう・・」
 出張土産です、とのメモ付き。いや、まぁ、ご苦労様です。何の出張か分かんないけど。
 なんか適当に御茶受け、というと『どうぞお構いなく』(っぽいジェスチャー)。・・なんだこのよくできた人、じゃないポケは。
 えーと、とりあえずどちらさんですか。うちの居候のどれかの親戚かなんかでしょーか。にしても、あのでかい手じゃ来客用の湯のみが小さすぎるな。つまむようにして飲んでるよ・・。
 紙来た。相変わらずゲンガ―の字が達筆過ぎる。『親戚、というより上司に当たります』。上司・・?え、ちょ、お前らどういう事。
 ここから要するにゴーストタイプって何やってんのかを説明するヨノワールさん(と、それを全部文章にするゲンガ―)。なんか、すごい必死。
 でまぁ、すごいざっくり言うと。ゴーストタイプの仕事は2つで、死んだ生物の魂を霊界に持っていくのと、もう1つが企業秘密だそうで。気になるけど。
『一匹一匹にノルマがあるもんですから、あれこれ裏工作してノルマを達成しようとする輩が多くて困るんですよ』
 ・・それはあれか?やたらとゴーストポケモンの図鑑説明が怖いことに対する弁解か何かか?フォローになってねぇよ。そっちの都合とか余計こと怖いわ!
 まー私が知ってるゴーストポケモンっつーのは掃除機に吸い込まれるガス玉、本職のくせに超ビビり、パティシエ、ポニテ、脱殻、職人、黒坊主、恨み人形、案内人、アフターケア、風船、気球、コーディネーター、後ぼんのう。・・おい、図鑑説明どこ行った。
 で、この洋館はそーゆー仕事をさぼる奴のたまり場・・・おい。お前ら。今一斉に私から目をそらしたな。この二ートポケモン共ぉぉぉ!居候してる上に本来の仕事をしていないってど―ゆーことだっ!
 ダメだ、働かないポケモンだらけかここは。だから上司がわざわざ来たんじゃねーの。精々怒られろよお前ら。
 あ、でもすいません。うち何匹かはうちの仕事で使ってます。と、言ってみるとそこも調査済みだとか何とか。マジか。良いのか。分からん。
 結局のところご用件は。
『働くように発破かけに来たのと、ご挨拶に』
 年内のうちに来たかったらしい。もう新年のあいさつを兼ねてくれば良かったんじゃないか、と突っ込むと『それもそうですね』。要領が悪いのか機転が利かなかったのか。まあいいか。



 年の瀬にお邪魔しました、とここまで丁寧にされちゃこっちの腰も連れられて低くなる。つくづくよくできたポケである。
 いえいえお構いなく。またいつでもどうぞ。
 顔をあげたらもういなかった。

 
 と、思ったら帰ってきた。え、お願いがある?うちのマッサージを受けたい。予約取ってなら良いんじゃないんですか?あ、嬉しそうに帰っていった。
「ポケモンの世界も大変だな、こりゃ」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談  ヨノワールって働く仕事のできる上司なイメージです。

【今日一日で行けるのか】
【お好きにどうぞ】


  [No.2160] ユキメノコとコンテストに出た 投稿者:音色   投稿日:2011/12/31(Sat) 21:31:17   103clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 大掃除の最中に古新聞とか手紙類とかも整理していたら見覚えのある物を引っ張り出してしまった。自分のアルバムとかそんなんじゃなくて、ついこの間の写真だけど。
 うわーこれは、焼却処分すべきだろうなぁ。黒歴史だ、間違いなく。思い出すのも恥ずかしい。あの時の格好が悔やまれる。



 ハロウィンのシーズンあたりで菓子を寄越せとうるさいゴーストポケモン共に大量購入した怨念飴をばらまいていたらゲンガーが友達を連れてきた。
 さて、どんなポケモンやらと思ったら、なんかもじもじしてないか。その、雪女、じゃないユキメノコ。照れ屋さん?へー。飴いる?どうぞ。
 まぁいらっしゃい。ゆっくりしていって・・え、何?私に用事?はぁ、なんでしょう。
 ゲンガーが翻訳。『コンテストに一緒に出てください』すっごい可愛らしい文字で書いてあるけども、えーと。
 どゆこと?


 このユキメノコ、何かのきっかけで見たポケモンコンテストに憧れがあって、どうしても出たい!・・と思い詰めているらしい。
 いや、それなら普通にトレーナーを見つけて出れば良いんじゃないか、とも思ったけどそれってある種賭けだよなぁ。いや、案外コンテスト会場近くでトレーナーの近くに行けば・・まぁ、部外者があれこれ言える立場でもないか。
 で、私と。まぁ、確かにゴーストホイホイ体質のおかげかこうやって通訳できるポケモンもいるし、事情も分かるもんなぁ。
 しかし、その、私は自分のポケモンを持ったこともないし、バトルは愚かコンテストなんてやったことないぞ?いいの?
 ・・・『私も初めてだからお互い頑張ります。よろしくお願いします!』・・ですか、すっごい真っ直ぐな眼差してこっち見てるよ。あー弱ったな。私は目立つの嫌だし・・。
 ほら、コンテストってテレビ放送なんだよね・・。あれだよ、後からテレビ見たよーって注目とかされるのが嫌なんだよ。
 悪いけど他を当たって・・ほしいんだけど・・・なんでゲンガ―までそんな目で見るんだよ。嫌なんだからしょうがないじゃないか。こればっかりは曲げないよ。
 『一生のお願いです!一度だけ、一度でいいんです!お願いします!』・・の横に『こっちからもお願い。なんならここにいるゴーストポケ達から署名を集めたっていい』と脅迫まがいのゲンガ―の意見。
 そんな目で見るな。私が悪役見たいじゃないか。わかった、分かったってば!一回だけだよ!


 で、とりあえず館の本棚をあさると『必勝!コンテスト攻略』なる古臭い本が見つかった。今から本屋に買いに行くのもあれだし、とりあえずこれを参考にするか。
 えーと、まずはどんな技が使えるのか聞いてみる。ゲンガーが書いた紙には。
『吹雪 怪しい風 ギガインパクト 氷の飛礫』
 あれ、なんか明らかに変なの混ざってないですか。ギガインパクトって・・野生で覚えるの?
 ・・・そんなあからさまにもじもじされても困るんですが。まぁ。いいや。深く追求しない方がよさそうだ。
 本によると『第一審査をまずクリア―するために!コンボ技を決めろ!』・・あー、コンテストって一次と二次があるのか。テレビに長いこと映りたくないから一次落ちを目指せばいいわけね。
 と、ゆーわけでコンボは決めない方向で。・・・そんな目をするなよ―。第一コンボって何。わからん。
 コンボの前にそれぞれがどんな感じの技なのか披露してもらった。正直な感想、すげぇ寒かった。あと迫力があった。そんくらい。
 プロってどうやってコンボとやらを決めてるんだ・・。本にはお手本らしきコンボ、があったが残念なことにユキメノコに応用できそうなもんは見当たらなかった。つーか、よく分からんかった。
 本人にこうしたいとかそういうのがあるのかと聞いてみる。
『こ、個人的になんですが!最初に怪しい風で氷の飛礫を巻き込んだ後吹雪でこうぱあっと持って上がってギガインパクトでフィニッシュが良いです!』
 じゃあ、考えるの面倒だからそれでいいや。ていうか、本人ちゃんとイメージできてんじゃん。私はお飾りだもんなぁ。うん、安心。本は燃えるゴミに出そう。
 

 コンテスト当日。初参加なんですが、と受付で行ったらカードを作ってくれた。エントリーに間にあってとりあえずホッとする。
 ・・で、この衣装の数は何だ。テレビに出てくるコーディネーターって派手だよな―衣装自前かなーと思っていたらここで借りられる・・もとい、強制的に着せられるらしい。
 あんな派手なドレス着たくない。が、後ろでスタッフさんが物凄い笑顔で待ち構えている。怖い、これは、ちょっと、すごい怖い。逃げたい。ユキメノコまでビビっている。
 結局、着せられたのはドレスではなく軍服みたいな・・えーと、まぁよく分からん。感想を聞いてみる。『超イケメン!』byゲンガー。『すごく格好良いです』byユキメノコ。やっぱりそーゆー方面でしか褒められんのか、私の容姿は。
 顔を出したくない、といって見るとマスクを手渡された。・・・これってあれだよな、なんかの有名なオペラに出てくる奴じゃねぇ?まぁ、顔バレするよりマシだし。どうせ一次だけ出てすぐ帰るし。
 番号が呼ばれた。それじゃあ行きますか!


 我ながらこのいで立ちにファントムマスクは痛い。痛すぎる。破り捨てようかと思ったけども、それもまたあれだよなぁ。写真をしまう。
 結局の所、演技が終ったあとに結果を確認せずにさっさと荷物をまとめて帰ったのちに、新聞に『仮面のコーディネーター失踪 〜仮面の怪人の噂〜』という謎の見出しで記事を飾ってしまうのを見つけてしまい大騒動になるんだけども、また別の思い出。
「さて、仕事に戻るか」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談   コンテストの話はアニメ寄りです。ゲームの奴は正直難しいと思う。

【後二体!】
【好きにしちまえ】


  [No.2161] ロトムに説教した 投稿者:音色   投稿日:2011/12/31(Sat) 22:15:02   101clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

  一年の終わりだからかどうか知らないが、雪まで降ってきたらしい。ヨノワールさんが訪ねてきて中途半端だった掃除も一区切り終えて休憩中に外の作業組が逃げ込んで来た。
 まぁ、ヌケニンなんか効果抜群だもんな。何匹か力尽きてヤミラミが担いで持って入ってきた。・・誰が御霊の塔まで運べっつった。こいつは放置プレイで良いんじゃね?
 ・・・ミカルゲさぁ、寒いんなら石の中に戻れよ。え?体感気温は変わらない?しょうがねぇなー、今だけだぞ。後で外に出すからな。
 にしてもゴ―ストポケモンだらけだから中もそこまで温くはないな。ゲンガーっているだけで気温が5℃下がるらしいし。
 屋敷の広さが仇となったな―。ストーブの陣取り合戦勃発。おい、私の場所だ。押すんじゃない。
 元気のある奴はおしくらまんじゅうでもして自分で温かくなってください。う―寒い寒い。こりゃ早いところ仕事を再開して動いた方がいいかもしれねぇな。寒さで手が動かなくなる前に。
 よーし、仕事再開すっぞー!文句いうな。ちゃっちゃか終らせたあとは蕎麦食うなりコタツにもぐるなり紅白見るなり好きにしてくれていいから。
 急に気合が入りやがったなこいつら。現金な奴。まぁ、いいか。


 数分後、物置から悲鳴が上がった。何だ!?あれか、黒いつやつやのGのつく虫でもあらわれたか。一応その場合の対応はピンポイントのナイトヘッドや鬼火を許可しているので大丈夫だと思っているんだが、まぁ、怖いものは怖いか。
 一応ゴキバスターを持ったままそっちに駆けつける、と。ゴ―スたちがビビりながらすっとんで来た。おい、おい何があった?
 扇風機が空飛んで追っかけてきたぁ?
 なんだそれ。ポルターガイスト?ははは、ふざけるのも大概にしろよ。どーせ誰かほかの奴等が悪戯でもしたんじゃねぇの?まともに考えて。
 全くもー。お前らゴーストなんだからさ、それくらいの超常現象だって起きるにきまってるだろう。むしろ、超常現象が起きる要素しかないだろ。ほら、一緒に見に行ってやるから。
 ・・・ほら、なんともないじゃないか。ただの扇風機だよ。な、これで大丈夫だろ?自分の持ち場に集中しろよー。


 ・・・今度は何だ?庭グループ。芝刈り機がすごい勢いで御霊の塔に突っ込んでぶっ壊した?ミカルゲ、お前嘘つくならもうちょっとまともな嘘をつけよ。
 そんなに家の中が良いのか。休憩時間だけって言ったろ?・・・え、ヤミラミ達も見たの?でもさ、うちの芝刈り機って錆まくってて動かないはずなんだけどさ。
 錆びてなかった?むしろオレンジ一色で派手だった?そんな趣味の悪いカラーの芝刈り機見たこともないぞ。
 って、家の中でまた騒ぎが起こってるぽいな。


 電子レンジに噛みつかれた?おまけに火をふいた、と。おいおい、掃除中に妙なものを温めたんじゃないだろうな?雑巾で拭こうとしただけ?じゃあ何でそんな事になるんだよ。
 そっちは冷蔵庫に閉じ込められかけた?妙だな、いかに超常現象が起きるからといって悪戯にしちゃああっちこっちで起こりすぎだろう。
 おまけにやってることは全部ばらばらじゃん。追っかける、破壊する、火をふく、閉じ込める。なんじゃらほい。
 今度は洗面所か!?あーもう、誰だこんなことやってる奴は!


 あー・・・、本当だ。趣味の悪いオレンジの洗濯機が跳ねてる。ぴょんぴょんしてるよ。なるほど、一連の超常現象の原因はあいつか。
 で、あれに水をぶっかけられたと。はぁぁ、仕事増やしやがって。ちょっと説教してくる。

 おいそこの洗濯機!跳ねるな!動くな!つーか掃除の邪魔じゃボケぇぇぇ!いいか、お前がやってんのはただの悪戯超常現象だ。大掃除の仕事を増やしてくれるって言うのはどういうことだ?ん?そんなに私に怒られたいか?あっちこっちで騒動起こしやがって困ってんだよ!遊んで欲しいんなら邪魔するな!洗濯機は洗濯機らしく元の場所に戻って洗濯機をやってりゃいいの!冷蔵庫も電子レンジも扇風機なんかこの季節いらねぇから!芝刈り機も全部草抜いちゃったから仕事ないから!分かったか!


 ・・・ぜーぜー、何で大晦日にこんなに労力を使わなきゃならんのだ。
 洗濯機はしょんぼりしながら元の場所にもどった。それでよし!さて、さっさと仕事終わらせるぞ―!


 大掃除が終了して紅白でも見ようか、と思ってテレビのある部屋に行った。既に同じような奴等がコタツに潜っていた。お邪魔する。
 テレビを付ける。・・・つかない。あれ?
 うにょん、と画面が歪んで妙なのが出てきた。どっかで見たオレンジ色。あぁ、おまけか、超常現象。お前も一緒に年を越そうぜ。
 けたけた笑って引っ込んだ。テレビがついた。
「やれやれ、ひねくれもんだ」


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談  ロトムのテレビフォルムはまだですか。

【ラスト一匹!】
【好きにしちゃえ】


  [No.2162] ギラティナと会った 投稿者:音色   投稿日:2011/12/31(Sat) 22:42:56   105clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 年明けまでもう少し。あー、今年1年でどんだけうちにゴースト増えた。初詣はあれだな。ゴーストホイホイがこれ以上酷くならねぇ様に祈るしかねぇな。
 もう治る気がしない。何故だ。分からん。まぁ、いいか。
 コタツでゲンガーがミカンを剥いてくれた。ありがとー。平和が染みいる。
 来年もいい年だと良いよなー。とか思いながら、だんだんぼんやり眠くなる。
 いかん、コタツで寝ると風邪をひく。そろそろ寝るわ―、初日の出は出来たら一緒に見ようぜ、と声をかけて夜が本場のゴーストたちを置いていく。
 もそもそと布団にもぐった。ごろんと寝がえりを打つと、何気なしに壁にかけてある鏡を見た。ゆらり、波打ったように見えたか、見えないかで、寝た。




 妙な夢を見た。
 水が下から上に昇ってく。宙に岩が浮いている。明るくも暗くもない。全体ぼんやりとした水色。
 えーと、どこだ、ここ。何だこの謎の世界。年の終わりに変なもの見てるな、私。
 空中をすいすい泳ごうとするがうまくいかない。夢なんだからもっと都合よくいきゃいいじゃないか。
 なんかのはずみで地面(?)に足がついた。あー、歩ける。ちょっと安心。
 てくてく素足で歩く。これって、布団の中で実際に足もばたばたしてんのか?想像して笑う。
 誰もいない空間。普段やかましいゴーストポケの一匹も夢の中に出て来ないのか。ていうか、あいつら確か夢の中に入ってこれる奴とかいなかったか?まぁ、どうでもいいか。
 しかし寂しいな、ここ。なんでもいいから生き物に会えればなーとか思ってひょいっと下を見てみれば。


 ・・なんぞあれ。
 でっかい影が過ぎていく。いやいやいや、なに、あれ。生き物、か?多分そうだよな。夢とはいえ想像力たくましいな、私。
 怪獣というか、ドラゴンもどきというか。えーと、まぁ、いいや。
 追っかけてみるか。どーせ夢だし。待てぃ!走ってみる。風にように・・・とはいかない。通常スピード。えらくリアル思考だなぁこの夢!ちょっとは都合よくいけばいいのに。


 見失った。全然ご都合主義じゃないわこの夢。つまらん、どこ行った。
 適当に座りこむ。遠目からじゃ全然姿が分からんが、あの黒いの何なんだ。どっかで見たことあるポケモンかなんかか?
 いや、見たことあるかどうかなんて知ったこっちゃないんだけども・・・。ん、なんか急に暗くなった。
 真上をあのでかいのが通って行った。・・ぶっちゃけ、ムカデっぽい。
 いきなりビビらすんじゃねーよぉ―!思わず叫んでみた。ぐるんと、頭の先あたりが反転した。
 ・・え。
 こっちきた。


 思ったより、つーか、かなり、でかい。えーと、黒いムカデもどきドラゴン(っぽい何か)。
 何か挨拶でもしたほうがいいんだろうか。
 とりあえず、明けてないけど「明けましておめでとうございます」と、言ってみた。
 ・・無反応。正月の概念があるかどうかもわからねーからなー。
 適当にしゃべくる。お前ここで一人なの?一人っつーか一匹か。寂しくね?あー私は夢とはいえ結構心細かったな―。あれだよ、同じ夢がまた見れるかどうか分かんねーけどまた会えたら会おうぜ。な。
 オール無反応。これはこれで、きつい。まぁ、一人よりはマシ、か。
 なぁ、お前なんて言う名前だよ。通訳いないから通じるかどうかわからんが聞いてみる。夢だし!
 はじめて、そのドラゴンもどきの口が開いた。

「     」


 そこで目が覚めた。
 あり?
 なんか、えらいはっきりした夢見てなかったか?
 ・・・。
 まぁ、いいか。時計は朝の4時50分。ちょっと早いけど、初日の出を見るんだからもう起きとくか。

「ギラティナ、だっけ?あれ」


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談   シンオウゴースト勢終了―――!
イッシュの皆様は年明けです。というか、ここでゴーストシリーズ第1部は終りっす!


【意地でも〆切に間にあわす】
【来年も頑張るぜぃ!】