眩しい朝日を浴びて、目が覚めた。
冬の空気は冷たくて嫌いだ。
起き上がる時に改めてそう思う。
「ママ、パパ、おはよう! あけましておめでとう!」
年賀状を並べていたママが振り向いてにっこりした。
「あらおはよう、チルティーヌちゃん。あけましておめでとう」
「あれ、パパは?」
「お爺ちゃんに貰ったお餅を庭で焼いてるわよ」
ママが説明したらすぐに、パパがお皿に膨れ上がったお餅を乗せて飛んできた。
「おう、おはようチルティーヌ。あけましておめでとう」
「うん、あけましておめでとうパパ」
パパは大きな手の平で私を撫でた。
いつも、パパは砂っぽいにおいがする。
「今年は辰年だね! パパもママも主役だ!」
そう言うと、二匹とも嬉しそうにした。
その時、コンコンとドアが叩かれて、下の方からタツキチの声がする。
「おーい、チルティーヌ!」
急いで窓から飛び出てタツキチの前まで飛んでいくと、やっぱり羨ましそうにした。
「あけましておめでとう、タツキチ」
「おうよ、チルティーヌ。ところで、お前、年越しの瞬間起きてたか?」
「ううん、九時までに寝ないとママに叱られちゃうから……」
すると、タツキチが勝ち誇ったように笑った。
「俺、父ちゃん一緒に起きてたんだ。それで、年越しの瞬間地球にいなかったんだぜ!」
「ええっなにそれ! 宇宙旅行にでも行ってたの!? 確かにタツキチのパパは一七時間で地球を一周できるんだよね……」
「十六時間だ! 父ちゃんは凄げぇんだかんな! っじゃなくて、ジャンプしたんだ」
誇らしげに胸を反らして見せるタツキチを思い切り冷たい目で見る。
「なぁんだ……それだけ?」
タツキチは焦ったように地団駄を踏み、私を指さした。
「まあこの話はいい! 今年は辰年じゃねぇか、俺の時代が来た!」
「それを言うなら私もだよ、タツキチ!」
「ふん、お前ドラゴンじゃないじゃねえか」
「進化したらママみたいなふわふわのチルタリスになるんだもん! タツキチこそ、ドラゴンなら空くらい飛べなきゃ。タツキチのパパみたいにね」
にやにやして言ってやると、タツキチは真っ赤になった。
「う、うるさい! それに、俺は進化しても父ちゃんじゃなくて、母ちゃんみたいなボーマンダになるんだ!」
「ふうん、そう」
「なんだよその反応! 母ちゃんだって格好良いんだぜ、超イケてる。お前こそ、お前んとこの父ちゃんみたいには進化しないだろ、それと同じだ!」
はっとして、私は家を見上げた。
大きな二又の木の上に我が家はある。
「そっか……」
「だろ? お前の父ちゃんも中々格好良い(まあ俺の父ちゃん程じゃないけど)が、チルティーヌがああなったらちょっと気持ち悪いって言うか……」
「聞き捨てならないかも! うちのパパはめちゃめちゃ凄いんだから! ママと恋に落ちたは良いけど住むところが全然違くて、パパは我慢して砂嵐を諦めたんだから! それに、ママとパパのデュエットは最高で、(まあパパは歌うっていうか羽ばたいてるんだけど)すぐに眠くなっちゃうんだから!」
呆れたようにタツキチが溜息をついた。
「眠くなっちゃ駄目じゃねえか……」
そのとき、家の窓からママが顔を出して私を呼んだ。
「チルティーヌ、朝ご飯よ! タツキチ君も食べてく? うちは実家がシンオウにあるから、タツキチ君ところのお雑煮とはちょっと違うかも……」
歌うような軽やかな口調で楽しそうに言うと、ママはタツキチを見つめた。
だけどタツキチはああっと大きな声を出して驚くと、慌てて走り出す。
「俺んちも朝飯の時間だ! 今日は正月だし、豪勢なんだ! じゃな!」
そうしてタツキチは去って行った。
ふんわり飛んで窓から家に入ると、お餅の香ばしい匂いが私を包む。
「わあ、美味しそう!」
パパが新聞を畳んで隅に置く。
ママもお茶を淹れて運んでくると、それぞれの席に置いて、微笑んだ。
「じゃ、食べようか」
三匹が席に着き、パパがいただきますを言う。
うーん、お正月って感じ。
今年の抱負:辰年のうちにチルタリスになりたい!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
改めまして、あけましておめでとうございます。
なんかふにゃふにゃしてしまいました;
調べてみたら、流石ドラゴン、数が少ないんですね!
結局色々出してしまいましたがww
個人的にはフライゴンが好きです^^
アニポケのAG時代……憧れのシュウさんが手持ちにしていたからでしょうか……ポッ
あと、ジラーチの映画にも出ていました! サトシさんを背中に乗せたり……ポッ
失礼致しましたーっ^^;
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】
【ていうか何をしてもいいのよ】
【お雑煮もぎゅもぎゅ】