世の中には言い出しっぺの法則とやらがあるそうなので、書いてみた。
この量書くのに三時間もかかってしまった。精進精進
いやぁ、マジで中身が予想できないので完全に妄想爆発状態ですが、
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人生五十年。言葉にすればこれほど短いが実際には様々な出来事があった。酒に女に戦いに、と。そして、出来事が起こるたびに様々なものを失っていく。それは者であり、物だった。そこまで思い返して、
「いろいろあったの七音で済む程度の人生だのう」
と自嘲した。そうだ。短い中には様々なものがあったけれど、結局はそう短くできてしまう程度でしかない。死んでいった者たちの言葉を覚えていても、どんな声音であったか分からなくなっていくように、多くの出来事は色あせていった。
気にも留めてない出来事も含めれば、その数は無数にあるだろう。数えられるはずなのに、混ざり合い数えられぬのは歳を取ったせいか。
城に置いてきた妻がこの場にいれば、こんなことを考える自分を笑うのだろうな。髭をしごきながらそう思う。人間だから当たり前だと慰めるようにそう言うのだろうとも。
「フン。年寄りの冷や水か。隠居でも考えたらどうだ?」
思考に割り込むように聞こえたのは遠雷を思わせる低い言葉だった。誰かは問うまでもない。この自分に無礼なことを言うのは、一人しか否一匹しかいなかった。背後にちらと視線をやる。血を思わせる朱い瞳と雷雲のように黒き体を持った龍がそこにいた。
「いつも通り、礼儀を知らぬな。その翼、切り落としても構わぬのだぞ」
「昔ならいざ知らず、今の貴様では我の動きを捉えることすらできんだろう」
脇差に手を添えながらの剣呑な言葉にそう切り返された。
これが他の者ならすぐに平身低頭し、許しを請うのだろう――それ以前に無礼な振る舞いをする者はいない――がこの龍は怯えもせず、むしろ更なる言葉を返してくる。
こいつとも長い付き合いだ。妻よりも長い年月を共にした。だから、というべきかはわからないが、相棒とも言うべき存在はこの尊大な龍以外にはいなかった。周りに人はいても、家来か敵かだ。軽口や愚痴を聞かせられる他の存在はもう死んでいる。
良いやつは早死にしてしまうというから、一番口汚いこいつが生き残るのもある意味至極当然、当然ではあるがやはりどこか釈然としない。神や仏がいるのなら、良き裁定をしてほしいものである。
「寺に泊まった程度でそんなに感傷的になるとはな」
思わずと言った形で漏れた呟きに対しての返答に確かにらしくなかったなと思い、口の端を歪ませる。
それも致し方なし。血も涙も信ずる神がいなかろうと、
「人が死ぬときは命の行く末について、考えてしまうのさ」
言い終わると同時、目の前の襖が開く。
入ってきたのは一人の男。
「第六天魔王であっても死ぬときはやはり恐れるものなのですね」
怜悧な瞳をこちらに向け、そう言った。会った時から変わらない。氷鳥を従え、冷めた瞳をしているせいで冷めていると思われがちだが内に秘めた情熱は人一倍。そういうやつだ。いつかこういう日が来ると思っていた。
「殿。あなたはもう十分生きたでしょう。現世のことは私に任せ、地獄の天下でも取りに行ってください」
「天運がなかったと諦めて、我が主に打ち取られてください」
肩に留まった氷鳥と共に、好き勝手に言ってきてはいるが、まだ死ぬ時ではない。まだ見ぬ世界を残している。生きることに飽くには長生きはしていない。
「ふん。貴様に止めることは叶わん。我が覇道はこれからだ」
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【騙す気しかなかったのよ】
【NはノブナガのN】
【何してもいいのよ】