これは、今となっては昔のことだが、ある男がいた。ポケモンの忘れていた技を思い出させることに長け、いつも皆のポケモンに技を教えていた。
ある日、帰路についていた男は垣根の隙間より女を目にした。たいそう優美で面やつれしており、男はすぐに帰って歌を送った。
きみとわれ 話してみれば いたずらに ラブカスあまた 寄りて来るなり
さて、歌を送って数日が経ったが、女からは一向に返歌は来ず。気になった男は夜、家に訪れた。すると、そこには他の男と話をしている女の姿が。屋敷の隣を流れる川には、海からラブカスがやって来ている。これに悲しんだ男は、ふと足元にハートのうろこを見つけた。男は怒りのあまりうろこを握り潰したのであった。
これより、男はポケモンに技を教える代わりにハートのうろこをもらうようになった。また握り潰すために。これは、男と同じ能力を持つ者に受け継がれ、今に至ると言う。
物事の始めとは、かくなることから起こるものである。
「技マニアが鱗をもらう理由が、ラブカスが見つけたリア充を爆破するわけにもいかないので鱗を潰して憂さ晴らしするため」という電波を受信したんですよ。お題が「愛」っぽいのでコンテストに出そうと思いましたが、こっちに出しときます。