むかしむかし、その世界の空はまっくらでした。
まるで黒い紙がべったりと貼られているようなもので、消える気配は一つもありませんでした。
それより以前は、その世界の空は綺麗な青で澄んでいました。
しかし、この世界の人やポケモンが何かに悲しんだり、誰かに憎しんだりすると、その気持ちが風に乗って空にたまっていくことがありました。
それがつもりにつもって、最初はにごったような灰色に、だんだんと黒いまだら模様が広がり、最後はまっくらになってしまいました。
もう、このまま笑うこともなく、その世界は終わってしまうのかと思われたときのこと。
もふもふとした白い毛を乗せた龍が一匹、この世界にやってきました。
人々やポケモンたちはその龍がこの世界にトドメをさしにきたのかと恐れていました。
誰も手を出せないままでいると、白い龍は青い焔を吐きながら踊り始めました。
大きな翼をはためかして、右にくるりと回ったり、左にくるりと回ったり、または空をおおきく泳いでいました。
枯れ堕ちた空に青を咲かせましょう
凍え堕ちた空に青を咲かせましょう
人の子や
獣の子や
笑えや笑え
喜べや喜べ
枯れ堕ちた空に青を咲かせましょう
凍え堕ちた空に青を咲かせましょう
白い龍の青い焔が空に登っていくと、なんと不思議なことに黒い空が燃えていきます。
そこから一筋の光が現れたかと思えば、その焼けた隙間からは青い空が顔を覗かせていました。
人々やポケモンたちは手を取り合って喜びあい、手をたたきあって笑いあいます。
その感情が幾重(いくえ)にも青い焔に乗って、どんどんと青い空が広がっていきました。
やがて全ての黒い空が焼き払われ、空は一面、綺麗な青が澄んでいました。
その青には人々とポケモンたち、そして白い龍の笑顔が咲いていました。
【書いてみました】
お久しぶりです、巳佑です。
テーマが晴れということで、何を書いてみようかなぁと思って、『晴』という字をよく見たら……日と青という文字が出てきて、想像を膨らませたのが今回の物語です。レシラムが花咲じいさん的なことになっておりますが、『あおいほのお』と『晴れ』がうまく組み合わさっていたら幸いです。
ありがとうございました。
【何をしてもいいですよ♪】
【一ヶ月ぶりに投稿させてもらいました】