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  [No.2456] とある執筆家のラブレター 投稿者:神風紀成   投稿日:2012/06/13(Wed) 18:39:42   85clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

今、貴方達に一番言いたいことがあるんだ。
……何か、分かる?

ユエ。
貴方は一番最初の人で、私にとっては初めて完成させた長編の主人公。懐かしいね。高一の今頃だっけ。
相棒にハマってたせいか、色々ぶっ飛んだ話だったし資料も皆無だったから、今読むとすごく恥ずかしいけど、私にとっては貴方が一番初めの主人公です。
ここに出してからはいつの間にか成人してて、外見だけでなく中身も素敵に成長していました。マグマラシをバクフーンに進化させたのも、貴方の背丈とバイクにピッタリだったからです。
今のところ恋人を作る予定はありませんが、それっぽい設定の人はいます。そうなるにはまた幾つか話を経なければいけないようですが……
マスターといつ再会させられるか分からないけど、いつまでも頼もしい、素敵なGEK1994のマスターでいてください。

ミドリ。
『小さな家と大きなステンドグラス』『海辺の崖の小さな家』でデビューを飾りました。その時はまだ名前も出していなかったし、レギュラーにする気もありませんでした。
引っ込み思案で、周りに合わせないと仲間はずれにされるという、中学生女子にありがちな性格だった貴方がこんなに成長するなんて、私も思ってもみませんでした。ある意味一番成長が激しい子だと思います。
色々辛い思いをさせてしまいましたね。でもそれら全て、貴方の今までとこれからの成長にプラスされていくことなので、たとえこの先どんなことがあっても、受け止められる覚悟を持った大人になって欲しいと思います。
そして、本当に愛し、愛される男性にめぐり合えますように。

ミスミ。
知らない人が多いことを嘆いているようですね。ごめんなさい。作家という設定のため、普段はほとんど家にいることになっているのです。
横でまとめた長いポニーテール、汚れが目立たないくらいビビットカラーのジャージ、そして蓮の髪ゴム。絵で描くことが多い(描きやすい)ためこれは決まっています。
外に出さないことが多いため、全然異性との遭遇が少ないようですが、まだ貴方に恋をさせるわけにはいかないのです。貴方は友人のために、仕事をしてもらいたいのです。
作家という仕事をする貴方にしか出来ない、大仕事です。どうかそのまま、物語を紡ぐ人でいてください。

ミコト。
名前のモデルは『壬琴』です。彼の場合は特異と言うほどではありませんが、そのせいでずっと孤独でした。トキメキを求め、戦いを続ける。それは体を蝕み、最後は――
女である貴方にこんな設定を付けてしまったのにもきちんと理由があります。貴方は異常がつく怪力です。両親にも恐れられ、ずっと自分を見てくれる何かを探していましたね。
もうすぐ、貴方に人生の転機と言って良いほど大きな事件が訪れます。自分に愛を向けてくれた者を守るため、仲間以外全ての人間を敵に回すのです。
どんな判断をするのか、私にも分かりません。ですが、後悔はしないでください。たとえどんな結末が待っていようとも、自分に向けられた愛を裏切るような真似だけは―― 決して、しないでください。

カオリ。
こう呼ばれると貴方は複雑な顔をするでしょう。姓で呼んだわけではないので、怒ることはないでしょう。でも捨てた名前で呼ばれるのは、誰だって気分の良い物ではないでしょう。
貴方は誰よりも大きな運命を背負っています。生きるか死ぬか…… ギラティナに焦がれているのは今も変わりません。彼に会う時は、死ぬ時です。
ストイックで冷めた貴方のことですから、心配する顔も声も一瞥してただ前に進むのでしょう。それでいいのです。貴方は、今はそのままでいてください。
ただ、貴方を影から見守り、愛してくれている者の存在を、心の片隅でいいので入れておいてください。


このへんで筆を置きます。
自分が作り出した者に手紙を書くのは、いささか不思議な気分です。でも、書いておきたかった。
貴方達の背中を押し出す代わりに、貴方達も私の背中を押してください。
二回目の人生の転機となる鍵が、あと少しでやってきます。今回は一人です。一人で目的地へ向かわなければなりません。
心臓が破裂しそうな時、不安で仕方ない時、側にいてください。

そして、こんな拙い文章しか書けない私と、二年間一緒に歩いて来てくれて、
――ありがとう。


紀成 改め 神風紀成


――――――――
早いもので二年です。
今まで私が踏んで作ってきた道を振り返りながら、新しい道を作って行きたいと思います。