風も穏やかですね。空も晴れてますし、ホエルオーの上だと物凄く星が一つずつくっきりと見えますね。
あー、そうですね、ダイゴさん寝てますから別に返事しなくていいですよ。
こんな明るい星空を満天って言うんでしょうか。私は初めて見ましたよ。隣にダイゴさんがいるからですかね。いつもより綺麗に見えます。学校で習った星座も解りません。ダイゴさんなら解りますかねえ。起きてたら教えてくれたかもしれませんが、今は出来ませんね。
相当疲れてたんですね。ホエルオーが大きいからいいですけど、落ちないでくださいね。
やっと会えたんです。とても探したんです。嬉しく無いわけないですよ。私の好きな人。これが恋することだと教えてくれたのはダイゴさんです。そしてこれが愛だと気付かせてくれたのはダイゴさんです。
あんな手紙一つでいなくなって……心配したんですよ。本当に心配して、いてもたってもいられなかったんです。
でもこうして、この手で触れられる距離にいる。ダイゴさんの髪がさらさらしてて気持ちいいです。よく見えませんが、きっと寝顔も美しいですよ。だってあんなに笑顔が素敵で、優しい人が美しくないわけないです。
頬を撫でたら、少し苦しそうな寝息が聞こえました。起こしてしまったかと思いましたが、そうでもないみたいですね。いいんですよダイゴさんそのまま寝てて。ホエルオーもゆっくりと泳いでますから。
ダイゴさんに貰ったダンバルも、今では立派なメタグロスです。今は連れてきてませんよ、安心してくださいね。
そうですよ。今いるのはホエルオーだけです。二人きりなんですから、ポケモンたちは置いて来ました。ポケモンたちも好きですけれど、私はダイゴさんと過ごす時間がもっと大切なんです。
やっぱりダイゴさんに触れていたいと思います。抱きしめたダイゴさんはいい匂いがします。
好き。大好きダイゴさん。
もう絶対どこにも行かないでください。私と一緒にいてください。
そんなこと言ったら、ダイゴさんはとても困った顔をしましたね。
大好き。誰よりも大好き。そんなダイゴさんを独り占めしたいと思うのは間違ってませんよね。みんな言ってましたもの、それが恋することだって。
でも、ダイゴさんが困るなら仕方ないと思います。
ダメなんですよね、私だと。
ダイゴさんの気持ちは私に向いてないんです。
だからこうして最初で最後のデートにワガママいって来てもらいました。ほら、遠くに小さな明かりが見えるのが、ルネシティですよ。こんなところにまで来たんですよ。
もう二度と離しません。
もう二度と何処へも行かせません。
これが最初で最後だとしても、ダイゴさんがどうしても欲しい。ダイゴさんの気持ちを捕まえることの出来るボールを持っていない私には、この方法しかないのです。
私とダイゴさんを縛って。もっと離れないように私の手とダイゴさんの手を縛って。
さあホエルオー、私たちが海面についたら好きなところへ行って。いままでありがとう。
ここはカイオーガが眠ってた場所。紅色の珠で目覚めて、藍色の珠で眠っていった場所。
私たちもここに眠るの。
深い深い海底に。
誰も起こしに来ることのない、暗い海底に。
苦しく無いよう、眠ってもらってますから。
さあ、行きましょう
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背筋凍る話で盛上がってる中、空気読まずにカップリングだぜ!ダイハルだぜ!
hahahahahahaha!
【好きにしていいのよ】