【カガリビバナ】 花言葉:内気、はにかみ、嫉妬
俺は、目の前の少女が憎らしかった。
ポケモンと人は共に歩むべきだ?愛し、愛されるべきだ?そんなのはただのキレイゴトに過ぎない。
2年前の、あの女だってそうだ。英雄に選ばれたからって調子乗りやがって。
俺はあの女も嫌いだった。あの、ポケモンに、はにかんだ時の笑みも
内気な表情で俯いて、あの人と、あのお方と話すあの女の目が嫌いだった。
今、俺の目の前に立つこの少女も、あの女と同じ目で見つめる。
「……やめろ、やめろよ、そんな目で、俺を見てんじゃねーよ、そんな憐みなんざいらねぇんだよッ!!」
「……貴方は。」
「やめろっつってんだろッ!!レパルダス!やっちまえッ!!!」
「……ブラッド、ブレイククロー。」
目の前の少女が『ブラッド』と呼んだザングースが、音もなく飛び出したレパルダスを一閃した。
一撃で床に倒れ込んだレパルダスをボールに戻さず、近づいて蹴り飛ばした。
「ポケモンは、ただの、道具だ。そう、道具……道具なんだ。」
「道具……本当にそう思ってる?」
「当たり前だろうがッ!!」
「なら、貴方はなんで゛泣いて゛るの?」
「は……?」
泣いてる?俺が?なぜ、なぜ泣いている?
わけがわからない。俺は泣いていない、そんなこと、そんなことはない。
『ニャア……ニャオ……。』
「…………?」
蹴り飛ばしたはずのレパルダスが近くにいた。口に見知らぬ花を咥えてそれを置く。
しばし、俺を見つめたかと思えば、急に顔を舐め始めた。
その温かい舌に絆されたのか、確かに今、俺は泣いていた。
なぜ、泣いているのか、なぜ、優しくしているのか、全くもってわからない。
「……なんなんだよ、本当に。」
「嫉妬、していただけじゃないんですか?自分に。」
憎らしい目の少女が言う。……嫉妬?俺が、俺自身に?
……そう、なのかもしれない。何もかもが憎くて、それをこいつらや他人のせいにしていたのかもしれない。
少女の目は、相変わらず嫌いだ。でも、今は少しだけ、好きになれた気がした。
*NOAHから*
No.017さんのつぶやきに触発されて書いた前作が
思ったより皆さんのツボを刺激したらしく、clap数見てリアルに叫びましたw
しかし、今作もスランプ全開でございますな……;;
一応、B2W2の♀主人公ちゃんと、プラズマ団のしたっぱ♂です。
今回はツイッターの花言葉botに触発されましたw
触発されてばっかやん私w
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