カゲボウズシリーズ最終回「ツッキーの転職」
「やあ、コウスケ! ただいま!」
2013年4月1日、いきなり父が帰って言った。
「ごめんコウスケ、実は魔が差して土器のかけら埋めちゃったんだ。だからもう考古学とか無理なので、コウスケも好きに生きてね」
「ナ、ナンダッテー」
「メンゴメンゴ、パパやっちゃった☆テヘペロ」
僕は絶望した。
落ち込み傷心気味の僕の元に四天王になったミシマさんが尋ねてきて言った。
「ツキミヤ君、いつまで落ち込んでるの」
「そんな事言ったって……」
「分かったわ。私がツキミヤ君の天職を教えてあげる」
〜数年後〜
「次の方、どうぞ」
僕がそう言うといかにも憂鬱そうなお姉さんがやってきた。
「症状は」
「彼の事を思い出すとつらくて夜も眠れません」
「そうですか。わかりました。よし、やれカゲボウズ」
僕はいつものように患者にカゲボウズをけしかけた。
「ああ、私ってば何を悩んでいたのかしら」
さっきまで地獄の鍋の底のような表情をしていたお姉さんは、スッキリして帰っていった。
「ツキミヤ先生は名医ね〜」
そんな噂がクチコミで広まり、今日もツキミヤメンタルクリニックは繁盛している。
そう、僕は精神科医になったのだ。
カゲボウズシリーズ 〜完〜
今までご愛読いただきありがとうごさいました。