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  [No.3247] ビッグスタジアムでの観戦日記より抜粋 投稿者:GPS   投稿日:2014/04/13(Sun) 16:41:02   56clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

June,6

「バトルに使うポケモンのタイプ別傾向」などというレポートに使う資料集めのために、ライモンのスポーツ施設に通うようになって早一週間。初めのうちは面倒くさかったものの観てみるとなかなか楽しく、自分も参加したくなってきた。とは言え俺のヨーテリーじゃあすぐに負けてしまうだろうから、もっと鍛えてからだろうけれど。

June,8

今日の目玉は、エンペルトとトロピウスの一騎打ち。タイプ相性からトロピウスが勝つだろうと観客のほとんどが予想していたけれど、タスキで持ちこたえたエンペルトが冷凍ビームを放って逆転した。バトルには色々な工夫があるのだなあ。

June,9

今日はダストダスを連れたトレーナーが来た。あまりの悪臭に初めは何かと思った。毒ポケモンでもあそこまで強い臭いは今までお目にかかったことが無いかもしれない。見た目や臭いから物凄く強く感じたけど、レアコイルと当たったバトルで後少しのところで敗れてしまった。昨日とは違い、タイプが原因となって負けることも勿論あるのだ。

June,10

昨日のダストダスがまた来た。今日の対戦相手は最近カロスで人気に火がついて、ポケモンアイドル界隈で頂点に降臨しているニンフィアだった。フェアリータイプに毒タイプの攻撃は効果抜群、ダストダスの放ったヘドロの塊にピンク色の身体はドロドロにされてしまった。
……俺はあまりポケモンを見た目で判断する方では無いけれど、流石に今日のはニンフィアがかわいそうになった。俺以外にも、観客の若い女の子たちが悲鳴をあげていたりした。
しかし、一撃で倒すなんてあのダストダス、強いんだな。

June,12

いつものようにバトル観戦。と、半ズボンを履いた元気そうな少年からバトルを申し込まれた。昨日は一日トレーニングに当てていたこともあり、応じることにした。
結果は敗北。空を飛べるミツハニーに特訓した穴を掘るは通用しなかったのだ。今日の失敗を糧にして、また頑張ろうと思う。

June,13

大学の講義が長引き、急いで観戦へ。スタジアムに飛び込んだら、ちょうど件のダストダスがバトル中だった。ヤルキモノをげっぷで倒した時には会場が何とも言えない空気に包まれた。
しかし、今日は朝から降っている雨でスタジアムも湿気ていた。おかげでダストダスの臭いが一層気になる。トレーナーの人は大丈夫なのだろうか。というか、あの臭いじゃあ家の中には到底入れられないと思うけれど。

June,14

なんと、あのトレーナーと話すことが出来た。勿論「あの」とはダストダスのトレーナーのことだ。
バトルの空気を掴んでもらうため、俺はヨーテリーをボールから出していたのだけれどもヨーテリーが急に吠え出した。あまりに騒ぐから何かと思ったら、挙句駆け出してしまったので慌てて追いかけると、その先には例のダストダスに威嚇しているヨーテリーがいた。ヨーテリーたちは鼻が利くから、ダストダスの臭いが気になったのだろう。しかしどう見ても失礼な行為だから急いで謝ると、トレーナーは苦笑して許してくれた。
そこからここに通う者同士話が弾み、俺は昨日気になったことを尋ねてみた。どうやら、やっぱり家には入れられないから夜は家の近くのゴミ捨て場で寝かせているらしい。なるほど。

June,15

ダストダスについて少し調べてみた。ゴミを取り込み、自分の身体や毒ガスにしてしまうということがわかった。ゴミなら何でも良いのかな? 流石に、冷蔵庫とかの粗大ゴミじゃ駄目そうだけど。どちらかと言うと生ゴミ系統な気がする。

June,17
昨日、一昨日と行けなかった観戦に行った。ダストダスもいたのだが、対戦相手になったグラエナが異様に唸っていたのが印象的だ。ただ臭いから、と言うよりは一種の興奮状態に見えたけれど……俺にはよくわからない。
それにしてもあのダストダス、見るたびに強くなってないか? 特にダストシュートの破壊力は凄まじく、毒の力だけで無く勢いもすごかった。育て方が良いのか、それとも食べてるものが良いのだろうか? 良質の生ゴミ……なんてな。

June,18

ヨーテリーのトレーニングをすべく、早朝ランニングをしてみた。バトルサブウェイの方を走ったのだけど、近くのマンションのゴミステーションでダストダスが寝ているのが見えた。もしかしなくても、きっと例のダストダスだろう。

June,19
 
大学前で学生運動が行われていた。急いでいたからあまり内容はわからなかったけれど、ポケモン愛護関連だったと思う。
最近じゃあ、一部の過激なトレーナーがポケモンを『廃棄』するだなんて話もあるくらいだから、それが嘘か本当かはわからないとは言えああいう活動が出てきてもおかしくない。少し前には、ポケモンリーグの優勝者が孵化したばかりのポケモンのうち、弱いものを袋に詰めて捨てていた、などという報道が写真付きで週刊誌に掲載されたこともあったし。
アレはすぐに嘘だということがわかり、いわゆるマスゴミの自演として風化したけれども、ポケモンをそういう風に扱う人は絶対にいないと思いたいものだ。
そう言えば、今日もダストダスが来ていた。相性の悪いゴチルゼルのサイコキネシスにもドわすれで耐え、ギリギリのところで破ってみせた。また強くなっている。

June,20

今日はダストダスはいなかったが、俺自身がバトルをした。また負けてしまったが、もう少しのところだったから次はいけるかもしれない。ヨーテリーの気合も上々だ。
そう言えば、対戦相手になってくれた鳥使いに教えてもらったのだけれど、バトルサブウェイでは人のポケモンを見るのが得意なエリートトレーナーにアドバイスをもらえるらしい。どうやら、何がそのポケモンの良いところか教えてもらえるそうだ。明日行ってみようと思う。

June,21

早速行ってみた。俺のヨーテリーは攻撃力が高いらしく、エリートトレーナーは頭を撫でてしきりに褒めてくれた。ヨーテリーもわかっているのかわかっていないのか、嬉しそうにしていた。
エリートトレーナーによると、俺が来る少し前にポケモンリーグの優勝者が来ていたらしい。メラルバを沢山連れてきたという。後少し早ければ見ることが出来たかもしれないのに、と思うと少し悔しい。

June,22

ダストダスの今日の相手はウインディ。またもや異常な吠え方をされていたけれど、ダストダスとトレーナーはもう慣れきっているようだ。
結果はダストシュートでダストダスの圧勝。本当、見るたびに強くなっていてびっくりしてしまう。特に攻撃力が一段と上がっているような……。今度、強さの秘訣やトレーニングの仕方を聞いてみようと思う。

そう言えば、今日のダストダスの背中のあたりに赤くて尖ったものが刺さっていたけれど、あれはなんだったんだろう? この前までは無かったように思えるけれど。