注・会話文。メタネタ含みます。
「こんちゃーっすマルマイン、元気してたか?」
「やあ久しぶりイシツブテ、キミ急に俺のすみかに来るのやめなって。むじんはつでんしょにはでんきタイプしかいないんだから、じめんタイプのお前が来るとボコられるんじゃないかってみんなビビるんだよ。せめてペリッパー便飛ばしてから来て」
「わざわざオレッチには大の苦手な水場をオニスズメに頼んで越えてやって来たのにひっでー言い草だな。友達に会いに来たついでにじめん無双とかしねーって。あとこの辺ペリッパーいねーし」
「じゃあポッポでもオニスズメでもなんならサンダー便でもいいよ」
「おめーここに住んでる仮にも伝説のポケモンに対してひっでー言い草だなおい」
「あんがいあの方トゲトゲしてるけど気さくなんだ。今度話してみなよ」
「えーだって伝説のポケモン様だぜ。機嫌損ねてドリルくちばしとかオレッチやだよ。てかトゲトゲしてるって、外見はしゃーねーだろうに」
「別にだいじょうぶだけどなあ」
「ところでおめー、相変わらずここに忍び込んだ人間に自分をアイテムだとだまして、攻撃食らわしてんのか?」
「だますなんてボール聞きが悪いなあ。のんびり昼寝してるところを向こうが勝手にアイテムと間違えて驚くんだもの。バトル仕掛けられたら攻撃し返すしかないじゃないか」
「……前から思ってたんだけどよー、お前オレッチよりデケーじゃん。モンスターボールとかのアイテムと間違うって無理がねーか?」
「そうかな?」
「ビリリダマでもデカすぎるけど、こっちはまだわかるよ。モンスターボールと色の配色同じだから。でもお前色の配置違うじゃん。しかもデケーじゃん」
「その問題は、この世界の法則のせいらしいね」
「法則?」
「なんでもこの世界のおとしものは、人間には全部同じ大きさ同じ色あいのボール状のものに見えるらしいんだ。それがキズぐすりだろうとつきのいしだろうと、おじさんのきんのたまであろうとね」
「なんだよその法則って。なんか会わないうちにおかしなこと言うようになったな」
「伝説のポケモンのサンダーさんと仲良くしてたせいかなあ。少し世界の法則から外れたものの視点での見かたが出来るようになったみたい」
「へー。オレッチからはなんか変わったように見えないけどなあ」
「見た目にはわからないさ」
「まあ強くなったっつっても外見からはなんとなくしかわかんねーからな。目に見えるわけでもなし」
「そうだね……んー、ヒマだね。一緒にじばくでもしない?」
「やだよイテーし」
注・会話文。腹黒く、質の悪いジョーク表現を含みます。ロケット団をはじめとする、
ポケモンの悪の組織・セレビィ・ジラーチが純粋に好きな方はご注意ください。
この話に出てくるポケモンは、アニメ等に出てくるポケモンとなんの関係もありません。
「やあ見かけない顔だね」
「こんにちは、僕セレビィ。ここは緑がいっぱいでいいところだね。僕の故郷と似てるよ。君は?」
「ぼくはジラーチさ。何でも願いを叶えることが出来るよ。代わりにそのあと千年寝るけど」
「へーすごいね。今何歳?」
「さあ忘れちゃった。君はときわたり……時間移動が出来るんだってね」
「よく知ってるね」
「ムンナとかスリーパーが時々夢の中に遊びに来るからね。いつも情報は新鮮なものをそろえてるよ」
「わー、僕よりすごいかも」
「それでさー、ぼくの願いを叶える能力と君のときわたり。これを上手く使ったらなんでも出来ると思わない?」
「なんでもってなあに? おいしい木の実食べ放題とか?」
「チッチッチ、キミはキミの体の色くらい青い……ああ今は緑のこと青いなんて言わないんだっけ。とにかくそんなチャチな願いなんか屁でもないことも出来るんだよ」
「例えば?」
「世界征服とか世界滅亡さ」
「それ具体的に何をするの?」
「そうだなー……まずは、世界征服とかたくらんでるウザい人間たちに思い知らせてやる」
「ウザい人間たちって言うと?」
「そーだなー、まずロケット団。とっくに壊滅状態らしいけどまだ残党がいるらしいからロケットのロの字も言えないような恐ろしい目に合わせてやろう」
「ふーん? そういえば僕と同じ種族もロケット団には酷い目に合わされたんだよね。他には?」
「次はアクア団とマグマ団だな。あいつら陸とか海増やしたいとかわけわかんないこと言ってるからまず陸を増やす」
「へー優しいんだね」
「だから君は青いって言ってるんだよ。いいかい、まず陸を増やしてマグマ団とやらを喜ばせて、アクア団とやらを絶望させる。その後海を増やす」
「平等でいいじゃないか」
「いいや、まだまだ。増えた海は陸をすべて食い尽くし、マグマ団もアクア団も喜ぶ間もなく溺れて絶望する。二つの組織とも、一瞬自分たちの願いが叶ったと錯覚してからの絶望だから、それはもう考えられないくらいの苦しみだろうね」
「うわー、こわーい」
「次はギンガ団だな。なんかぼくを連想させるようなワードを組織名にして世界作りなおすとか言ってたらしいから、星なんて見えないような海中に全員お引っ越しさせてあげる」
「お礼にしんじゅとか海藻とかとかおすそ分けしてくれたらうれしいね!」
「どうだろうねえ、海中に慣れるころにはレックウザもいないような高度の高いところにお引っ越ししてるかもしれないから……陸にお引っ越しさせられたコイキングの代わりに水の中の生活をしっかり堪能してほしいもんだけど」
「ねえねえ、他には他には!?」
「なんだっけ、プラズマ団? ポケモン開放とか言いながら世界征服企んでたらしいから取りあえずお頭は埋めてキミの仲間でもあるくさポケモンたちの栄養になってもらおう」
「部下の人たちは?」
「これがむずかしくてさー、マジでポケモン開放しようと思ってたやつもいるらしいんだよね。でも大きなお世話には違いないから全員くさポケモンの栄養でいいや」
「すごいすごーい、ほんとに今言ったようなこと、ジラーチとぼくとで出来ちゃうの?」
「まあね……でも面倒くさいからいいや。ほとんど起きてらんないのに、なんでいちいち人間に構わないといけないのさ」
「たしかに今言ったこと全部やったら、疲れちゃいそうだなあ」
「そうそう。だからしーらない……お話に付き合ってくれたお詫びに、ごちそうするよ」
「うわー、きのみとおかしがいっぱい降ってきた。これどうしたの?」
「きのみはこの辺に実ってるのを少しずつ移動させて来たんだ。お菓子は今言った悪の組織のアジトからテキトーに」
「その人たち、お菓子がなくて泣いちゃわないかなあ?」
「あいつらお菓子横取りどころかもっとひどいことしてたんだよ。それに、悪人に人権はないって夢の中で読んだ本でも言ってた」
「ふーん、まあいいや。おいしーね」
「うんうん、いいことした後はおいしーね……ふわあ、食べたら眠くなってきた」
「えー、もう寝ちゃうの? 起きてる時間あんまりないんなら、もっと時間を大切にしようよお」
「さっき言った通り、結構夢の中でもお客さんが来るしいろんなことが出来るからさあ……なーんか夢と現実が曖昧なんだよね」
「あー、僕もちょっとそういう気持ちわかるかも。お散歩でときわたりばっかして、いろんなとこで遊んでたら、自分が元々いた時間がいつだったかわかんなくなっちゃったことあって」
「キミ、時間を大切にしようって言ったその口でそれ言うの?」
「友だちに会ったからあいさつしたら、首を傾げられて。なんでかなーって思ったら、あいさつしたのはなんと、友だちの何世代も後の子孫だったことがあるよ」
「あー、似たような経験あるよ。夢の中で知り合いのスリープに会ったからさ、久しぶりだねえって言ったら、『ジラーチさんの知ってるスリープは私のひいひいひいひいひいひいじいさんですね。彼は数百年前に天に召されました』って言われちゃって」
「ちょっと寝過ぎだよー」
「しょうがないじゃん、そういう体質なんだからさあ……やっば、ホントに眠くなってきた」
「ホントに寝ちゃうの?」
「だいじょうぶだいじょうぶ。夢の中でも生活してるようなもんだから。ときわたりなりムンナに協力してもらって夢の中に来るなりして、また遊びに来てよ。待ってるから」
「うんわかった。じゃあまたね。おやすみ」
「おやすみー」
ぶっちゃけN贔屓気味なのでプラズマ団のとこで迷ったけどジラーチにそんなのは関係なかった。