カントー地方はハナダの北東のおつきみ山には宝泉寺という寺がある。洞窟にほど近いその古刹の周辺にはその昔、「もちあげつぶて」と呼ばれるイシツブテがいたらしい。
なんでも何か願いごとがある時、そのイシツブテを持ち上げてみると叶うかどうかが分かるのだそうだ。見事持ち上げる事が出来れば願い事は叶うし、叶わない時はまるでゴローンのごとく重くなっててこでも動かないという。
また、ジョウトのエンジュにも似たような事例があり、こちらは「おもかる石」と呼ばれている。稲荷神社に生息するイシツブテを持ち上げる事で願い事成就の行方を占うというもので、イシツブテを持ち上げてみて思っていたより軽ければ願い事が叶い、想定より重く感じれば叶わないという。ただし、イシツブテも気紛れで、その場にいたりいなかったり、あるいはいても持ち上げさせてくれるかは別の問題だ。境内にはポケモンでない普通の石の「おもかる石」もあるのだが、イシツブテを用いた占いのほうがより当たるなどと言われ、参拝客はイシツブテを持ちたがる。
このような占いに用いられるイシツブテを「試し石」「試しのイシツブテ」などと言い、上記に挙げた二例の他にも似たようないわれを持つイシツブテが全国各地に存在している。その中にはゴローンを神使兼試し石としている神社もあり、さすがに持ち上げるのは厳しいので押して動けば願い事成就となっているが、それでも厳しい。その存在はまるで「そう簡単に願い事なんか叶わないよ」と諭しているようでもある。
もっとも百キロ以上あるゴローンも参拝者の手持ちポケモンに格闘ポケモンがいればかわりに持ち上げてくれるだろうし、手持ちのポケモン全員で押せばなんとかなる場合もあるだろう。一人で叶えられる願い事は少ないから、みんなで力を合わせなさいという事なのかもしれない。
----------------------------------
武蔵野の民話と伝説に持ち上げ観音っていうのがあって。
あと「おもかる石」は実際に伏見稲荷にあります。