好きなキャラが変態、変質者に扱われることに抵抗ある方はお控えください。
なお、これで完成です。
我々の障害になるものは子供とて容赦はしない。散々邪魔をし、許されるものではない。しかしその子供はジュプトルのごとく素早く逃げる。そのためなかなか捕らえられない。そのために知恵を絞る時間も取られて本作業が全く進まない。
カガリはそれに興味なし。マツブサさえいればいいんかお前は。いや知ってるけど。
おまけにああいうの好きでしょ、と来た。ロリコンはロリコンでも俺にも選ぶ権利くらいある。
はぁ、と頭をかきながらマグマ団幹部のホムラが休憩所のドアを開けると、そこにはホムラが寝ようとしていたベッドに寝転がり、誰かが持ってきたもふもふパラダイス(全10巻、全て揃ってる)を読んでいるそいつがいた。ついに幻を見たかと目をこすったがそいつは何か食べながら漫画を読んでいた。
ついに考えすぎでおかしくなってしまったのか。入り口でそれを見ているとそいつは気配に気づいたようで、漫画を読んでいた手をとめて振り返った。
「あーっ!クマだー!」
無邪気にクマと呼び、まとわりついてきては邪魔をする。赤マリルリと名づけた子供。なぜマグマ団の邪魔をしながらこうもホムラをからかうようにくっついてくるのか。子供好き、しかもいけない方面の子供好きのホムラでも、これだけは避けて通りたい。マグマ団幹部でなければ無視できるのに。
「赤マリルリ、なんでお前そんなところいる……んだ?」
「んー?カガリさんがホムラのところ来る?って誘ってくれたから来たの!」
メールの着信音がした。カガリからで、それをみたホムラは膝から崩れ落ちた。
「あんたのところ来るか誘ったら簡単に来た。ちょろかった。ちょうどいいから作戦を遂行するまでホムラが監視してて」
つまりそれは、マグマ団がグラードンを探しにいく間、面倒みてろということだ。なぜ、俺が、サブリーダーの俺が、とホムラは現実を直視できない。
「ねーねー!ホムラが遊んでくれるからって待ってたの!」
ホムラが見上げると、何か変な予感がした。よく見れば口の周りにチョコレートのようなものがついている。そしてテーブルを見るとそこには、無残にも開けられたお菓子の箱が。
「お前、もしかして……おれの、さくさくヤンチャム……」
「好きに食べていいよって言われた!」
ホムラの癒し。中間管理職のストレスを和らげてくれる天使。それがさくさくヤンチャム。楽しみにしていたのに、すでに食い尽くされ、美味しかったと笑顔のそいつ。
「俺の、俺のさくさくヤンチャム……」
何かがホムラの中で爆発した。海底火山が噴火するように、静かに、しかし確実に噴火した。食べ物の恨みは何よりも強い。
「……ちょっとこい」
遊んでくれると思ったのか、素直にホムラに近づいた。そこでホムラはそいつの着てるものをめくりあげたのだ。突然で驚いたのか、声も出さずにさらに脱がされた。ほとんど素肌を晒したところで我に返ったようだった。
「やめて!」
抵抗して暴れるものの、ホムラにがっちり捕まえられていて、かなうはずもなかった。
「何を勘違いしてるのか知らないけどなぁ、邪魔するお前はマグマ団に誘拐されたんだよ。覚悟しろ」
「やだやだ!」
「痛い思いしたくなければ大人しくしてろ」
「離してよ!」
作戦のときより恐ろしい顔に見えたのだろう。マグマ団で囲んでもひょいっと逃げたのに、見たこともない涙と、聞いたこともない叫びでホムラから遠ざかろうとする。それが無駄な足掻きであることを悟るのは、子供に宇宙の真理を理解させることと同じくらい難しい。
そういうところは子供らしい。そこでようやくホムラは自分の趣向に従えると感じた。
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体験版やったらリメイクホムラとリメイクウシオが予想以上のかわいさで、特にリメイクホムラは下っ端からかなり頼られてて、みんなのホムラさんよねって思った。
リメイクのせいで、実はゾロアーク説が進行している。