R-18になる直前まで。
……うん。
続きも書くけど、ここには載せられないのかな? まあ、止しておくけど。
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第一号だったのかどうか、それは知らない。
何はともあれ、架空の生物に会った。ポケモンという、ゲーム上の存在でしかないはずのポケモンが、僕の目の前に現れた。
それは事実だった。
僕自身、ポケモンはそこそこやっていたから、そのポケモンがガブリアスだという事はすぐに分かった。
僕よりも身長が高く、僕よりも威厳溢れていて、そして僕よりも強かった。
当然の事だ。天変地異さえも起こせる技を使える設定としてポケモンは生まれて来たのだから。
唐突に僕の目の前に現れたガブリアスは、「グルル」と喉を鳴らして僕の方を睨むようにして眺めていた。
僕は、恐怖するよりも唖然としていた。そりゃそうだろう。架空の存在が、それもドラゴンとかユニコーンとか鬼とか鎌鼬とか、そんな古来からのでなく、ゲームという娯楽の一つとしてデザイナーが考えたデザインの元に生まれた架空の存在が、いきなり目の前に現れたらそうなる。
そして、僕が正常に恐怖を覚えたのは、ガブリアスが顔を近付けて来て口を開けた時だった。
「ひ」と僕は短く叫び、ガブリアスはけれど、僕の顔をべろりと舐めたのだった。
モンスターボールなんて存在しない。あるのは銃火器という名の、物騒な物だけだ。
けれどまあ、いきなり沢山の場所に、人間様よりも強い生物が現れてしまって、彼ら彼女ら全員が目の前に居たその人間様に懐いていたら、手を出さないのが一番なのは火を見るよりも明らかだろう。
それは馬鹿な政治家や後先考えない研究者以外なら分かり切った事だった。
とは言え、羨望が妬みに変わって無理矢理にでも、とか、解剖したい、とかいう輩は存在する訳で。
そんな輩が勝手にそのポケモン達の手によって殺されていくのを、流石に黙っている訳にもいかず。
僕がペットという存在では絶対にない、ガブリアスという存在に慣れる前に僕達、ポケモンの所有者は人里離れた場所で暮らさなければいけない事になった。
ガブリアスは空を飛べる。
翼なんてないのに、何故か空を飛べるのだ。
GPS装置とか、馬鹿な輩が来た時の対処の道具とか、そんなごたごたとした物をリュックに背負って僕はガブリアスの背に乗って大空を飛んでいた。
公式な名称ではないけれど、600族と呼ばれる強いポケモン達に出会った僕を含む人達は、進化前の姿を含めてもそんなに居ない。
伝説、準伝説、幻のポケモンに出会った人も極僅かに居るみたいだけども。……いや、まあ、括りとして見ればそうであるだけだけど、やっぱり僕は強いポケモンに出会えた運命に関して少なからず感謝していた。
どのポケモンに出会った人も、険悪な関係になっている事は無いみたいだけど、でもやっぱり、ベトベトンとかダストダスとか、そんなポケモンと出会っていたら嫌だったなぁ、と僕は思ってしまっていたからだ。
理想? さあ。
もし現実世界にポケモンが居たら、って事は考えた事はあるけれど、そんな真面目に考えた事は無かったし。
もしかしたら、理想のポケモンに出会うように、何かが働きかけたのかもしれない。
さて。
ガブリアスは雌である事が判明していた。
今は夜。モンスターボールも無く、僕に懐いているガブリアスは、僕と一緒に寝ようとする。
勿論、裸で。
うん。僕は興奮を抑える事は出来なかった。ドクンドクンと、僕の心臓は高鳴っていた。寝るのに、ガブリアスが来る前の数倍の時間が掛かっているのは普通だった。
ポケモンとセックスをする。それは、同人誌の中でしか実現しなかった事で、今それが出来てしまう。
僕の性癖はノーマルで、そんな同人誌も存在だけ知っている程度だったけども。
何というんだろう、これは。僕はケモナーじゃない。断じて。けれども、うん、ポケモナーでもないとは言えない。もう。
ガブリアスは恰好良くて、そしてとても愛おしかった。
出会ってから二か月も経っていないけれども、もう、僕の大切な一部分になっていた。
……僕が、ガブリアスと交わろうとしたら、ガブリアスはどう反応するんだろう。
怒るだろうか。それとも受け入れてくれるだろうか。それとも。
僕の中の欲求は高まっていた。確実に、着実に。
けれども、僕は勘違いしていた。